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対称性を持つブラックホールの情報損失問題

 対称性を持つブラックホールの情報損失問題

2019年3月の日本物理学会年次大会での発表スライド

Yoshifumi Nakata

March 16, 2019
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Transcript

  1. | ۧ Ψ 0 1 2 3 十分ランダムな ユニタリ時間発展U ➢

    BHの蒸発過程はユニタリ時間発展 ➢ AdS/CFT対応等から示唆 ➢ BH内部の時間発展は、ランダムな ユニタリ演算子で近似可 ホーキング輻射からを復元可能? 復元可能= | ۧ Ψ の情報は蒸発済み
  2. ❑ qubits(1 qubit = 量子二準位系)からなるBHに、 qubitsの量子情報が投げ 込まれ、ランダムな時間発展の後、 qubitsが蒸発。 ❑ Bobは過去の輻射を全て持ち、過去の輻射はBHと最大にエンタングル

    [Page ‘93] qubits qubits qubits 最大エンタングル 問: qubits の情報を復元するために 必要なホーキング輻射の量 = は? より具体的には、以下のような状況を考える ※あくまで簡単のため
  3. 量子情報理論の手法(量子情報の定式化や、decoupling approach)による解析 ❑ 情報の復元エラー ≤ (−)/ ❑ ≫ であれば、Bobは |

    ۧ Ψ の情報を高精度で復元可能 ➢ BHの大きさには依存しない。どんなに大きいBHでも、情報は“一瞬”で蒸発! ランダムなユニタリ時間発展 対称性を保ちつつ、ランダムな時間発展 エネルギーや角運動量・電荷が 保存されない時間発展 “A black hole is regarded as an information mirror”. ▪ その後、Scrambling や OTOC の発展へ
  4. 2. ユニタリ蒸発する量子カー・ブラックホールへの、Hayden-Preskillの拡張 情報を復元する際のエラー ≲ (−)/ + −/ (対称性がない場合は ≤ (−)/)

    ブラックホールのサイズ で 下から抑えられる : 投げ入れられたqubitsの個数 : 元々のBHの大きさ : ホーキング輻射の量
  5. No symmetry Kerr Black hole Step I 保存量(角運動量)の 情報が蒸発 Step

    II 異なる保存量(角運動量)間の 量子的な相関が残り続ける Step III 残った情報量の“爆発” (その量は−1/4) 対称性なし:どんなに大きいBHでも、情報は一瞬で蒸発 対称性あり:BHが大きい場合“のみ”、情報は一瞬で蒸発 : 投げ入れられた qubitsの個数 : 元々のBHの大きさ : ホーキング輻射の量
  6. Step I 保存量(角運動量)に関する情報が蒸発 Step II 異なる保存量(角運動量)の間の量子的 な相関が蒸発 Step III 残った情報量の“爆発”(ただし、大きなBH

    では少量) 1. 量子情報の重要な概念である「decoupling approach」の非自明な一般化 2. ユニタリ蒸発する量子カー・ブラックホールへの、Hayden-Preskillの結果の拡張 ➢ より広い文脈に適用可能な解析手法の開発。 ➢ 新しい情報論的機構の発見 対称性なし:どんなに大きいBHでも、情報は一瞬で蒸発 対称性あり:BHが大きい場合“のみ”、情報は一瞬で蒸発 他の対称性を持つBHへの拡張? (特に、非可換群の場合)
  7. Thank you Technical paper: E. Wakakuwa, and Y. Nakata arXiv:1903.05796

    Paper about BHs in preparation: by Y. Nakata, E. Wakakuwa, and M. Koashi.