LY社では、Webパフォーマンスの改善による高速化の取り組みを続けてきました。中でもbfcacheの有効化は、ユーザー影響が大きく重要視していた技術の一つです。
bfcache(バックフォワードキャッシュ)とは、ブラウザでページを遷移した時にページの完全なスナップショットとして保存されるメモリキャッシュを指し、有効化することで高速な遷移を実現することができます。
Yahoo!ニュースの例では、有効化することにより、PVが+2%向上、広告売上が+9%向上する結果がもたらされており、ユーザーにもより良い体験を提供することが出来ています。
ところが、一見メリットがあるだけに見えるこの対策にも「例外」がありました...。
"Yahoo! JAPAN トップページ"は、日本でも有数のアクセスを誇る巨大なWebサービスですが、本ページでbfcacheを有効化したところ、どういう理由かビジネスとしておっている広告売上やクリック数といった指標が、軒並み低下する事態となってしまったのです。
本セッションでは、bfcaheを有効化するための技術を振り返りながら、なぜユーザーメリットの高い施策によってビジネス指標が低下する事例があるのか、その謎について数値分析から迫り、最も苦戦した"Yahoo! JAPAN トップページ"で直面した課題を解決にまで到った流れをご説明します。