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OSSオープンソースソフトウェアの歴史からみるDAOについて

nekomatu
January 28, 2022

 OSSオープンソースソフトウェアの歴史からみるDAOについて

講演のアーカイブ動画はこちら https://youtu.be/dOr_t_R0Ses?t=4120

nekomatu

January 28, 2022
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Transcript

  1. 自己紹介 猫井夕菜(ねこいゆうな) • DeFiGeek Community (DFGC)所属、モデレーターロール ◦ https://defigeek.xyz/ ◦ 日本発のDAO型コミュニティで、EthereumのDappを開発しています

    • Vtuberです。今日はコスプレ登壇です ◦ Thank you for opportunity by Suji-san.󰝲 • 本職はOSSを用いた組込みLinuxエンジニア • 卒研 (黒歴史)はP2P関係 • いくつかの技術勉強会の主催していたりもします
  2. OSS (Open Source Software) とは • オープンソースの定義に従ったライセンスを掲げているソフトのこと ◦ 私の考えたオープンソース というものはありません。明確な定義があります

    ◦ The Open Source Definition https://opensource.org/osd 定義 (抜粋) • 自由な再頒布 / ソースコードの公開 • 特定人物・集団に対する差別の禁止 / 使用分野に対する差別の禁止 • 派生物 / ライセンスの分配
  3. OSS (Open Source Software) とは • オープンソースの定義に従ったライセンスを掲げているソフトのこと ◦ 私の考えたオープンソース というのはなく明確な定義がある ◦

    The Open Source Definition https://opensource.org/osd 定義 (抜粋) • 自由な再頒布 / ソースコードの公開 • 特定人物・集団に対する差別の禁止 / 使用分野に対する差別の禁止 • 派生物 / ライセンスの分配 • つまり、どういうこと? • なぜ、このようなソフト・ライセンスが生まれたの? その発生の歴史を知るとすっきり理解することができる
  4. ざっくりとした関連する歴史 • 1950年代 - フリーダムな時代 ◦ コンピュータが学術・研究機関で使われていた時代 ◦ お互いにパブリックドメインで共有していた。隠すという概念がそもそもない •

    1970年代 - 商業時代 クローズドソース ◦ ソフトウェアがお金になる -> ライセンスビジネス ◦ 当然、ソフトは自由勝手にコピーされては困る。差別化のためにソースコードも秘密 • 1980年序盤 - オープンソースの立上げ • 1990年代末 - 商業ソフトがOSS化した。Linuxカーネルが出てきた。       商用インターネットが日本にやってきた ◦ 今日のFirefoxであるMozilla Suiteが公開された • 2000年以降 - オープンソースは当たり前な時代 1950年代のコンピュータ上でソフトウェアが稼働するようになった頃、学術機関・研究機関の間でソフトウェアのソースコードは パブリックドメイン で共有されていた。 1970年代前後よりソフトウェア開発は徐々に商業とな り、ソフトウェアの再頒布を禁止する プロプライエタリソフトウェア 、ソースコードを非公開とする クローズドソース の文化ができあがった [2]。1980年代より利用者がソフトウェアのソースコードを自由に利用できないことをスト レスに感じた人たちは フリーソフトウェア財団 やオープンソース・イニシアティブ を立ち上げ、ソースコードを一般に公開してソフトウェアの利用者による利用・修正・再頒布を許すことによる ソフトウェア開発 の発展を提唱し、 オープンソースソフトウェアの文化ができあがった。 refer to https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%BD%E3%83%95%E3 %83%88%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A2
  5. バザール形式のOSSプロジェクト • 伽藍とバザール 1997年 ◦ ソースコードの公開だけでなく、開発そのものをオープンにみんなで行うのって素敵じゃん とい うのを当時の状況を見ながら書かれたエッセイ ◦ これに影響を受けて OSSライセンスになったのが現

    Firefox ◦ インターネットなどの普及などインフラも下支えしているという理解をしている • 👉 OSSライセンスであること と 開発がオープンなこと は同一ではない ◦ 今日でもよくある誤解の 1つ
  6. DAO? • バザール形式のOSSプロジェクトと何が違うのか? • -> お金・法人といった資本主義的要素がWeb上にネイティブに実装されることで はないか • 活動内容・実態は従前OSSプロジェクトあまり変わらないようにみえる ◦

    プログラムを開発する。頒布する。使ってもらう。ミラーサーバを維持する。 ◦ 広報活動をする。翻訳する。ユーザー同士が相互扶助する (古い用語だとユーザーグループ)
  7. OSSに金銭を持ち込む難しさ -> 挑戦 • 開発者1人なら単純。複数人なら大変。 • 成果を金銭的に評価する困難さ ◦ 会社でさえ難しいことをあえて持ち込む ◦

    私の方が貢献しているのに … ◦ 開発者・デザイナー・ドキュメントライター・翻訳者 みんな違う • コミュニティガバナンスがキーポイントであろう ◦ 成功したガバナンスはコピーされて今日の OSSのように当たり前になっているかも? ◦ 貢献実績をNFTで証明するとかは面白そうです。ゲームのトロフィーシステムのように。
  8. 参考文献 • https://en.wikipedia.org/wiki/Open-source_software • https://en.wikipedia.org/wiki/The_Cathedral_and_the_ Bazaar • The Open Source

    Definition https://opensource.org/osd • https://opensource.guide/ • https://en.wikipedia.org/wiki/Revolution_OS (Movie)