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コスト高騰のアラート解明する:AIエージェント時代のFinOps

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July 01, 2026

 コスト高騰のアラート解明する:AIエージェント時代のFinOps

クラウドコストの異常検知は、AWS Cost Anomaly Detectionなどのマネージドサービスによって「気づく」ことは容易になりました。しかし「なぜ増えたのか」を突き止める原因調査は、いまだにCost Explorerや各種コンソールを人手で行き来する、属人的で時間のかかる作業のままです。
本セッションでは、この「コンソールを人が見て調べる」というSaaS的な運用スタイルから脱却し、OSSのAIエージェント基盤Kagentと、CloudWatch・CloudTrail・Athena・AWS各種MCPサーバーを組み合わせることで、コストアラート発生から原因特定までを自律的に多角分析する仕組みを構築した実践事例を紹介します。
具体的には、①いつ・どこで異常が起きたか(CloudWatch)、②誰が・何をしたか(CloudTrail)、③どのコストがいくら増えたか(Athena/CUR)、④どのリソースが原因か(describe-api)という4つの視点をAIエージェントが自律的に横断調査し、一次調査工数を約80%削減した結果と、そこから得られたFinOps文化醸成への知見をお話しします。

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July 01, 2026

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Transcript

  1. F i n O p s × A I A

    g e n t コスト高騰のアラート解明する: AIエージェント時代のFinOps CloudWatch・CloudTrail・Athena MCP・AWS MCP によるコストアラートの多角的 分析 2026
  2. 目次 01 自己紹介 発表者のバックグラウンドと本日のテーマ 02 FinOpsとは クラウドコスト最適化の考え方と3つのフ ェーズ 03 Cost

    Anomaly Detection 機械学習ベースのコスト異常検知の仕組み 04 Kagentについて Kubernetes上で動作するAIエージェント基 盤 05 コストアラートを多角的に分析す る CloudWatch・CloudTrail・Athena MCP・AWS MCPで多角分析 06 FinOps文化醸成 経営層・クラウドチームへの月次報告
  3. AWS Cost Anomaly Detection とは 機械学習によりAWS利用料金の異常な増加を自動検知し通知するAWS Cost Managementの機 能 機械学習ベースのコスト異常検知

    過去の利用料金パターンから、サービス・アカウント・タグ単位で支出ベースラインを 機械学習で自動算出 実際の支出がベースラインから大きく外れた場合に「異常(Anomaly)」として検知し、 Email・SNS・Slack・EventBridge等で通知 検知結果には影響範囲(サービス・リージョン・使用タイプ等)が付与され、Cost Explorerで詳細確認可能 利用の流れ(3ステップ) ① コストモニターを作成(サ ービス別・アカウント別・タ グ別) ② アラートサブスクリプショ ン(通知先・しきい値)を設 定 ③ 異常検知時に通知を受け取 り、Cost Explorerで根本原因分 析の起点とする
  4. 現状の課題:コストアノマリー対応のフロー Cost Anomaly Detection はコスト増加を検知できるが、原因特定は手動調査が必要で時間が かかる ① アラート発生 AWS Cost

    Anomaly Detectionがコスト異常 を検知 ② 原因調査 担当者が手動でCost Explorer・ログ・メトリ クスを確認 ③ 要因特定 リソース増減・設定変 更・障害等の要因を突 き止める ④ 対応・報告 原因に応じた対応を実 施し、関係者へ結果を 共有 課題①:「②原因調査」のボトルネック 担当者ごとに調査の切り口やノウハウが異なり、原因特定までに数十分〜数時間を要し障害対応全体 の初動が遅れる 課題②:検知はできても原因特定は人手に依存 Cost Anomaly Detectionで「コストが増えた」ことは検知できるが、「なぜ増えたか」の特定は依然とし て人手による確認が必要
  5. Kagent とは:OSS AI エージェントフレームワーク Kubernetes/クラウド運用向けのOSSエージェント基盤。コストアラートをトリガーにAIが調 査ステップを自律実行する Kubernetes/クラウド運用向けのオープンソースAIエージェント基盤。LLMとツール(CLI・API )を組み合わせ、自然言語の指示から調査・診断タスクを自律実行できる 自動調査フロー 1

    コストアラート Cost Anomaly Detection が検知 2 Kagentエージェント 起動 アラート内容を入力 に調査タスクを自動 実行 3 各種API/CLI自律操 作 Cost Explorer・ CloudWatch・ CloudTrail等を順に確 認 4 調査レポート自動 生成 推定原因・根拠・推 奨対応をまとめて出 力 https://kagent.dev/
  6. Kagent アーキテクチャ namespace: kagent-system Kagent Control Plane Kagent UI 自然言語で指示を

    入力 するWeb UI / CLI Controller CRDを管理し Podを生成・制御 する kmcpmgr Tool PostgreSQL 会話履歴・状態を 永続化するDB Kagent Control Plane コスト分析 SKILL.mdを読み込 み MCPを自律的に呼 び出す SKILL.md エージェントの System Prompt Kagent Control Plane CloudWatch MCP メトリクス急変を検出し 発生時刻・影響リソースを特定 CloudTrail MCP APIログからIAMユーザーの 操作履歴を時系列で解析 Athena MCP CURを解析しコスト増加の 内訳・異常値を定量化 describe-api (AWS MCP) リソースの設定・作成者・ タグ情報を取得し原因特定 拡張 MCP(予備) 今後追加予定の MCP Serverスロット User pod アクセス Pod生成 MCP呼出 推論 Lite LLM LiteLLM LLMプロバイダーを 統一するProxy 推論リクエスト VPC Endpoint VPC内部経由で転送 転送 Amazon Bedrock Claude 3.x 推論 ① ユーザーが自然 言語で コスト調査を依頼 ② Controller が Pod を 生成し コスト分析エージェン トを起動 ③ SKILL.md の指示 に従い 必要な MCP ツール を 自律的に呼び出す ④ 4つの MCP を横断して コスト急増の原因を 多角的に特定 ⑤ 分析結果をもとに LiteLLM 経由で Bedrock(Claude)に推論を依頼し、回答を生成
  7. コストインシデントの多角的分析 コストの異常を「インシデント」として捉え、いつ・誰が・どのような状況で発生させた かを3つの視点で解析する コストインシデント 予期しないコスト急増を障害と同等に扱 い、根本原因まで追跡する いつ? コスト急増が始まった時刻 ・期間 変更やデプロイのタイミン

    グとの相関 誰が? 操作を実行したIAMユーザ ー・ロール 意図的か・誤操作か・自動 化処理か どのような状況で ? 対象リソース・サービス・ リージョン スケール暴走・設定ミス・ リソース作成漏れ 多角的分析のアプローチ CloudWatch(何が起きたか)・CloudTrail(誰が操作したか)・CUR(どのコストが増えたか)の3つを組 み合わせて初めてインシデントの全体像が把握できる
  8. 3つのMCPと describe-api による多角的分析 CloudWatch・CloudTrail・Athena MCP・describe-api(AWS MCP)が連携し、コストインシデ ントをいつ・どこで・誰が・どのリソースで発生させたかを自動特定 CloudWatch MCP いつ・どこで起きたか

    メトリクス(CPU・ネ ットワーク・API呼出 数等)の急変を検出 コスト急増と時刻が一 致するリソースの異常 を特定 アラーム履歴からイン シデント発生タイムラ インを構築 → 「発生時刻」と「影響 リソース」を特定 CloudTrail MCP 誰が・何をしたか API操作ログからIAMユ ーザー・ロールの操作 履歴を抽出 リソース作成・変更・ 削除のイベントを時系 列で解析 Projectタグや Componentタグでチー ム・システム単位のコ スト責任を明確化 → 「操作者」と「トリガ ーとなった操作」を特定 Athena MCP どのコストがいくら増え たか CUR(Cost and Usage Report)を解析しコス ト増加の内訳を把握 サービス・リージョン ・使用タイプ別にコス ト変化を分解 通常のコストベースラ インとの差分から異常 値を定量化 → 「コスト規模」と「発 生箇所」を定量的に特定 describe-api(AWS MCP) どのリソースが原因か 対象リソースの詳細設 定・構成情報をAPIで 直接取得 作成者・作成日時・付 与タグ(Project / Component)を確認 設定ミス・意図しない 構成変更の証跡を取得 し原因を特定 → リソース詳細・タグ情 報から「根本原因」を確 定
  9. 導入効果:調査工数の削減 AIエージェントによる一次調査の自動化により、初動対応の所要時間と担当者の負荷を大 幅に削減 Before:手動調査 約 60〜120 分 / 件 担当者がCost

    Explorer・各サービスのコンソ ールを横断的に確認 原因の切り口は経験・スキルに依存し、対 応にばらつき 他業務を中断して対応するためコンテキス トスイッチのコストも発生 → After:Kagent 自動調査 約 5〜10 分 / 件 アラート発生と同時にエージェントが調査 を自動開始 確認項目・調査手順が標準化され、属人性 を排除 担当者は生成済みレポートをもとに最終判 断・対応に集中できる 約 80% 削減 一次調査の工数
  10. FinOps 文化醸成とは? チーム全体がクラウドコストに課題意識を持ち、コストに対して当事者意識を持つこと チーム全体がクラウドコストを「自分ごと」として捉え、継続的に改善・最適化 に取り組む組織文化を作ること なぜアラート通知だけでは文化醸成できないのか? ! アラートは「問題発生後」 の通知 コストが異常になってから気

    づくリアクティブなアプロー チでは、意識の定着は難しい ? 担当者しかコストを把握で きない 通知を受け取るのは限られた メンバーだけで、チーム全体 の関心・当事者意識が育たな い → だから「毎月のレポーティ ング」が必要 定期的にコストの現状を全員 で共有する場を設けることで 、コストに対する感覚・文化 が醸成される
  11. 今後の展望:FinOps の文化醸成 レポーティングと自動調査の仕組みを通じて、組織全体にコスト意識を根づかせる AI エージェントによる調査の自動化と、レイヤー別レポーティングを組み合わせ、コストに 対する自律的な意思決定ができる組織文化を醸成する 1 当事者意識の醸成 詳細レポートと自動調査の結 果を日常的に共有することで

    、コストを「自分ごと」とし て捉えられる状態をチーム全 体に作る 2 主体的な PDCA アラートから原因特定までを 自動化し、各チームが自ら異 常に気づき・分析し・改善す る PDCA を主体的に回せるよ うにする 3 自律的な組織運営 SKILL.md や MCP ツールに調 査ノウハウを蓄積し、担当者 が誰であっても同じ品質で原 因調査・改善ができる自律的 な組織を目指す