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原田 豊様 Windows版『聞き書きマップ』のQGISプラグイン化

OSGeo.JP
December 06, 2021

原田 豊様 Windows版『聞き書きマップ』のQGISプラグイン化

FOSS4G 2021 Japan Online
一般発表 B4
原田 豊(立正大学 データサイエンス学部)
Windows版『聞き書きマップ』のQGISプラグイン化 ご発表資料

OSGeo.JP

December 06, 2021
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Transcript

  1. Windows版『聞き書きマップ』
    のQGISプラグイン化
    原田豊(立正大学)
    1
    FOSS4G Japan 2021
    Online コアデイ
    2021/12/04
    データサイエンス学部

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  2. 本報告の構成
    1.背景と問題意識
    2.ArcGIS Explorer版の限界
    3.開発の狙い
    4.『聞き書きマップ』の基本機能のQGISプラグ
    イン化
    5.GISA後の追加実装
    6.作成の意義
    7.まとめと今後の展望
    2

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  3. 3
    • 「自主」防犯の担い手は・・・
    – 絶対的に貧しい!
    – 「情報」のために手間と時間を
    かけることは不可能
    – 「分析」以前に大きなハードル:
    ・地図データがない、
    ・入力の手間がかかる、
    ・教えてくれる人がいない・・・
    • オーバースペックな「システム」の「実証実験」の横行?
    • 身の丈に合った「ツール」が現場に届かなければ、
    – 被害/取り組みの実態がデータにならない
    – 地域の全体像が誰にもわからない
    1.背景と問題意識:
    現場が求めるものを届けられるのか?(2010ころ)

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  4. 4
    障害を乗り越える「しくみ」が必要 (2010ころ)
    • たとえば・・・
    – 印刷可能な、無償の大縮尺
    地図データ(被害調査に必須)
    – 大都市部で使える衛星測位
    (データクレンジング含む)
    – 屋内・屋外のシームレス測位
    – カスタマイズ可能な、無償の
    (簡易)GISソフト
    などなど・・・
    ⇒「草の根GIS」を真剣に考える必要がある:
    =エンドユーザには無償で、必要なものが届けられる「しくみ」
    • 誰がそれを開発し、メンテナンスし、利用者のサポー
    トをするか?

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  5. まちあるき記録作成支援ツール『聞き書きマップ』(2011)

    GPS
    受信機

    デジタル
    カメラ


    IC
    レコーダー
    『聞き書きマップ』による安全点検まちあるきの地図化の手順
    「安全点検地図」で、関係者の情報共有・連携した対処を実現
    ①GPS受信機で歩いた経路を記録 → ②撮影時刻で撮影地点を自動判定
    ③「流し録り」音声から、撮影時刻で録音を頭出し → ④録音の内容を「聞き書き」

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  6. 無理なく続けるために「やさしく、安く」を極める (2016ころ)
    これだけあれば、維持経費はゼロ! 6
    GPS受信機
    (約4,500円) ICレコーダー
    (約1,700円)
    接続装置
    (約1,500円)
    デジカメのメモリーカードを外して挿入

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  7. 2.ArcGIS Explorer版の限界
    ArcGIS Explorerのサポート終了(2017年9月)
    PC版『聞き書きマップ』のGISエンジンが、いずれ使用不能に?
    それ以外にも・・・
    Windows専用 → 「Windows 11」で動くのか?
    .NET Framework 3.5が別途必要(すでにWin10でも)
    GISとしての基本機能が弱い(とくに印刷関係)
    他のGISへのexportはKMZ経由のみ
    「現場支援ツール」の持続可能性問題
    現場の実践には終わりがない
    支援ツールの提供停止は、ハシゴ外しになりかねない
    情報技術/環境の変化に耐えて支援ツールを提供し続けることは、
    いかにして可能か?
    → 近年のオープンソース+マルチプラットフォーム化の
    進展に活路が見出せるのでは? 7

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  8. 3.開発の狙い
    持続可能な支援ツールの提供
    特定の営利企業のプラットフォームへの依存からの脱却
    → black box部分を(極力)排除
    AGXの不審挙動、外国製GPSロガーのドライバの不具合・・・
    スマホ版への完全対応
    とくに音声時刻合わせの自動化
    マルチプラットフォーム対応
    汎用GISとの直接連携
    データをshapefileで記録
    一体型端末(試作機を開発中)への対応
    ∵行政の末端では、「白ロムスマホ」調達さえ一筋縄でいかない
    ☆Open Source Communityの支援にも期待♥
    8

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  9. 4.『聞き書きマップ』の基本機能の
    QGISプラグイン化
    操作画面のGUIの作成
    PyQt5などのGUIモジュールを使用
    PyQGISから呼び出す
    音声と写真・GPSログとの同期機能
    を実装
    Qt Multimedia(=クロスプラットフォーム
    のマルチメディア処理API)を使用
    音声データの時刻合わせの自動化
    録音開始時刻・終了時刻などを記録した「KGMindex.txt」で実現
    Plugin Builderによるプラグイン化
    同ユーティリティのテンプレートを拡張する形で作成、登録
    現在は、日本語版Eclipse下のPyDev環境で開発を継続
    9
    オープンソースGIS対応版
    『聞き書きマップ』の開発
    • メーカーのサポート打ち切りを心配せず持続可能!
    • スマホ・専用端末に共通の簡便な操作性を実現!











    『聞き書きマップ』専用の
    一体型端末(別途開発中)
    スマートフォン版
    『聞き書きマップ』

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  10. “KGM-Qp”
    の操作画面
    • データの読み込み
    写真を読み込んで表示
    GPSログを
    shapefile化
    • 写真の選択で
    音声を頭出し再生
    「次の写真へ」「前の写真
    へ」ボタンで
    「3秒進める/戻す」「もう
    一度聞く」など
    も実装
    10
    音声再生
    の操作
    ボタン
    写真の選択
    ボタン
    写真画像を
    表示
    データの
    読み込み
    ボタン
    写真の
    ファイル名を
    表示
    写真の
    撮影時刻
    を表示

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  11. 5.GISA後の追加実装(1)
    • 写真の「拡大表示」窓
    の表示機能を追加
    写真の拡大表示
    写真のID番号表示欄の
    textChangedイベントで、
    拡大窓の内容と連動
    • 音声を「聞き書き」した
    テキストの入力と保存
    入力したテキストを、
    Shapefileの「memo_text」
    フィールドに保存
    当面は拡大窓で
    実施
    11
    「メモ欄」によるテキス
    ト入力(拡大窓で入力
    した内容をメイン窓に
    も反映)
    写真のID
    番号の
    表示欄
    写真の
    「拡大表示」
    窓との連動

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  12. GISA後の追加実装(2)
    • 写真の「拡大表示」窓を追加
    写真を表示欄一杯に拡大、スクロールバーも活用
    メモ欄への記入内容を、textEdit.document().toPlainText()で取
    得、shapefileへの記録とメイン窓のメモ欄への反映を実施
    • 『聞き書きマッ
    プ』の基本データ
    を、shapefileに
    一元化
    写真のID番号
    写真のファイル名
    メモのテキスト
    Exifから取得した
    写真の撮影日時
    12

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  13. module “kgm_qp_core”
    class KgmQpTracklog
    class KgmQpPhotopoints
    class KgmQpSound
    GISA後の大改造:
    KGM-Qpの全体構成を全面変更
    module “kgm_qp_qgisio”
    class “KgmQpData”
    module “kgm_qp_dialog”
    class “KgmQpDialog”
    class “KgmQpEnlarged”
    class “KgmQpQgisIo”
    Qt Multimedia
    PyQGIS
    共通データ(へのアクセッサ)
    例: kgmq_folderpath
    Qt5に
    よるGUI
    音声データ QGIS

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  14. 実施事例
    於:自宅近所の緑地(2021/11/02) 14

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  15. Macintosh上でも稼働を確認
    於:自宅近所の緑地(2021/11/02) 15

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  16. 6.作成の意義
    現場のニーズに即応
    → 「地域ベースの参加型研究」にジャストフィット!
    → 現場のエンパワーメントにも貢献
    (参考: “participatory photo mapping”)
    Open Sourceのメリット:
    開発側も、お金をかけずに続けられる
    草の根の個人が、ゲリラ的に使える
    → 「金の切れ目が」からの解脱!
    地理・情報教育用ツールとしても活用可能
    自分で(スマホ版で)取ったデータが即座にQGISデータになる
    (安全教育+情報教育+地理教育)×体験学習
    → 草の根データサイエンスへの「小さな一歩」?
    16

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  17. 【参考】一体型の専用端末(試作機を開発中)
    性能をギリギリまで削って、低価格・省電力化を徹底
    「消耗品」で購入 → 現場に貸与が可能に
    小学生が落として壊しても、「また買えばいい」
    乾電池駆動を実現:
    充電時間をゼロに!
    本番直前の電池切れでも、「コンビニで買える」
    できたら
    いいな♥

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  18. 試案:『聞き書きマップ』用持ち歩き端末の「松竹梅」
    • zzz
    18
    ハードウェア 端末アプリ PC 版・連携方法
    松 iPhone・
    iPad
    iOS 版『聞き書きマップ』
    v.1.04(2021/05/19)
    Windows 版『聞き書きマップ』
    OneDrive, Google Drive などを
    経由してダウンロード(新機能)
    または USB 接続で iTunes から
    ダウンロード
    竹 SIM フリ
    ーの
    Android
    スマート
    フォン
    Android 版『聞き書きマップ』
    v.1.02(2017/12/27)
    (新バージョンを開発中)
    Windows 版『聞き書きマップ』
    Google Drive, OneDrive などを
    経由してダウンロード(開発中)
    または USB 接続でデータをフォ
    ルダごとコピー

    専用端末(試作機)
    アプリは非搭載、
    PC 側でデータ変換を実施
    (Python によるプログラムの
    プロトタイプがほぼ完成)
    Windows 版『聞き書きマップ』
    USB 接続または microSD カー
    ド経由でデータをコピー

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  19. 7.まとめと今後の展望
    PC版『聞き書きマップ』のQGISプラグイン化を進めた。
    プラグインの全体構成を見直し、コア部分・GUI部分・GIS連携部
    分への機能分割と共有情報の明示・限定化を行った。
    新たに、(1)複数ウィンドウの連携機能、(2)音声を「聞き書き」し
    たメモのテキストのshapefileへの記録機能を追加実装し、あわ
    せて、(3)Macintosh上での稼働も確認した。
    以上の開発により、持ち歩き端末として、①iPhone、②Android、
    ③新端末試作機のいずれを用いた場合でも、それらで記録した
    データを簡便にQGISプラグイン版『聞き書きマップ』に取り込んで
    使用できる見通しが得られた。
    今後は、これらの成果・波及効果を踏まえ、QGISプラグイン版
    『聞き書きマップ』を大学などでのオンライン授業を含む多様な
    現場に試験導入し、評価と改良のサイクルを回して、持続可能
    な現場支援ツールを実践の場に届けることをめざしたい。
    19

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  20. 謝辞
    本研究は,令和2年度立正大学研究推進・地域連携センター支援費
    (第2種)「義務教育現場に実装可能なオープンソースGIS 版『聞き書き
    マップ』の開発」(代表:原田豊 立正大学法学部(当時))の一環として実
    施したものである。記して謝意を表する。
    20

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  21. 参考文献
    Phil Harvey(2021)ExifTool by Phil Harvey: Read, Write and Edit Meta
    Information!, https://exiftool.org/, Last accessed: 2021//08/29.
    QGIS Development Team(2009)『QGIS:フリーでオープンソースの地理情報シス
    テム』, http://www.qgis.org/ja/site/index.html, 最新閲覧日:2021/08/30.
    Software Factory, 2012, Exif Quick Viewer,
    http://softwarefactory.jp/ja/products/exifquickviewer/download.html,
    Last accessed: 2021//08/29.
    原田豊(2017)『『聞き書きマップ』で子どもを守る ― 科学が支える子どもの被害
    防止入門 ―』, 現代人文社.
    -----(2018)『聞き書きマップ』の小学校での安全教育への応用.「日本セーフ
    ティプロモーション学会誌」, 11(1), 4-11.
    原田豊・稲葉信行・上野勝彦・松岡繁(2017)準天頂衛星システム対応版『聞き
    書きマップ』の設計,「地理情報システム学会第26回研究発表大会講演論文
    集CD-ROM」, 26
    原田豊・菊池城治・荒井崇史・雨宮護・今井修・井上佳昭・広原隆(2011)流し録
    り音声による野外調査記録作成支援ソフトウェアの開発,「一般社団法人地
    理情報システム学会講演論文集CD-ROM」, 20.
    21

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  22. ご清聴ありがとうございました。
    もう孵化しています。
    育ててやってください。
    22

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