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データ活用の進め方をステークホルダーに理解してもらうためにやったこと

 データ活用の進め方をステークホルダーに理解してもらうためにやったこと

データ基盤管理の考え方 〜データカタログ、データレイクの極意〜 Lunch LT
https://findy.connpass.com/event/288091/
の発表スライドです。

Toru Nishiyama

July 10, 2023
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Transcript

  1. Copyright © 2019 FOLIO Co., Ltd. All Rights Reserved.
    データ活⽤の進め⽅をステークホルダーに
    理解してもらうためにやったこと
    2023/07/11

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    ⾃⼰紹介
    • ⻄⼭ 徹(Twitter: https://twitter.com/fuc6w )
    • 2019年より株式会社FOLIOに⼊社、⼊社以来データ基盤の開
    発・運⽤からデータマート構築やダッシュボード構築、
    データ分析などデータ活⽤周りを幅広く担当。
    • 2023年からはToC事業にてプロダクトマネージャーに従事
    • 趣味は⼦ども(1歳)と遊ぶこと、ロードバイク

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  3. 3
    今⽇お話しすること
    • 話すこと:
    データ基盤を開発し組織に浸透させていく上で、関係者の理解を得るため
    にやったことの事例紹介
    • 話さないこと:
    具体的なデータレイクやデータカタログの活⽤⽅法など

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  4. 4
    データ基盤構築、難しいですよね?
    はじめに

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    やることが多岐にわたるから
    なぜ難しいか?

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  6. 6
    データ活⽤で必要なことの例
    データエンジニア:
    データウェアハウスの運⽤、パフォーマンス最適化
    ELTパイプラインの開発や運⽤・CI/CD
    データレイク開発・運⽤
    各コンポーネントの適切な権限管理
    データ活⽤には多種多様なタスクがあり、多岐にわたる課題に取り組むため
    それぞれの課題に対応する役割が定義されてきた
    データアナリスト:
    ビジネスサイドのデータニーズの理解とデータ提供
    KPIダッシュボードの構築
    アドホックなデータ分析
    データPdM・PjM・データスチュワード:
    データ活⽤の要件定義
    ステークホルダーとの折衝
    ロードマップ策定
    アーキテクチャ設計
    アナリティクスエンジニア:
    データマート設計
    データモデリング
    SQL・BIツールの社内研修
    メタデータ管理
    参考:
    https://speakerdeck.com/cmtamai/anariteikusuenziniatoha-what-is-analytics-engineer
    https://note.com/datamanagement/n/nf5d9e9c50635

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    まだまだ他にもやることはある
    • 企業全体でデータ活⽤を進めるためには、データを利⽤するマーケティン
    グ部⾨やデータソースとなる本番システムを開発しているエンジニア部⾨
    など、データ活⽤の当事者以外も含めたステークホルダーの協⼒・理解が
    必要
    • この「ステークホルダーの理解を得るためにやったこと」が
    本⽇のテーマ

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    改めて本⽇のテーマ
    • 私の所属しているFOLIOではデータ基盤はあるものの、データ活⽤は
    まだまだ未成熟
    • しかし直近、データに対するニーズが⾼くなり今後に向けてデータ組織の
    体制を再検討することに
    • そこで、開発組織のマネージャーと「データ基盤構築にはどういう仕事が
    あるか」「どういった体制をつくっていけばよいか」を説明し議論する
    機会があり、⼀定の理解を得られた
    • その時にやったことをケーススタディとしてお話します

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    どうやったか
    • データ活⽤の進め⽅についての「共通⾔語を導⼊する」こと
    • 今回対話したマネージャーはデータ基盤構築を含めたデータ活⽤の
    実務経験はないものの、システム・アプリケーション開発や開発組織を
    マネジメントした経験は豊富だったため、「システム開発」と
    「データ活⽤」の共通点を⾒つけることでそれが共通⾔語となり
    理解してもらいやすくなると考えた

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    具体的にどうやって説明したか?
    • Q. データ基盤ってどういうシステム? どうやって開発を進めていけば良い?
    • A.いわゆるデータ基盤は
    「System of Record(SoR)」
    「System of Engagement(SoE)」
    「System of Insight(SoI)」
    の要素をあわせ持つシステムであり、上記の要素をバランスよく
    満たしながら開発を進めていく必要があります

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    具体的にどうやって説明したか?
    • Q. データ基盤ってどういうシステム? どうやって開発を進めていけば良い?
    • A.いわゆるデータ基盤は
    「System of Records(SoR)」
    「System of Engagement(SoE)」
    「System of Insight(SoI)」
    の要素をあわせ持つシステムであり、これらの要素をバランスよく
    満たしながら開発を進めていく必要があります

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    SoR / SoE / SoIとは
    • システム開発におけるシステムの種類を指す⽤語
    https://business.ntt-east.co.jp/content/cloudsolution/column-421.html より引⽤し作成
    特徴 該当するシステムの例
    System of Records(SoR) 記録のためのシステム - 会計システム
    - 製造管理システム
    System of
    Engagement(SoE)
    ユーザーとつながるための
    システム
    - CRM
    - SNS
    System of Insight(SoI) インサイトを分析するための
    システム
    - BIシステム
    - ERP
    …これ、データ活⽤におけるデータエンジニア・アナリティクスエンジニア・
    データアナリストの役割にマッピングできるのでは?

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    SoR / SoE / SoIに分けて考えるデータ基盤
    求められる役割 取り組む課題の例
    System of Records(SoR) 正確なデータを記録し集める
    「データエンジニア」
    - データを収集し、利⽤可能な形にする
    - データ⾃体の正確性や鮮度を担保する
    - データ基盤システムの安定性を⾼める
    System of
    Engagement(SoE)
    ユーザーが利⽤しやすい
    データ分析環境を作る
    「アナリティクスエンジニア」
    - データ活⽤を組織に浸透させていく
    - ⾃らデータを活⽤できる⼈を増やしていく
    - データを誤解なく普及させる
    System of Insight(SoI) データを分析しビジネスに
    活⽤できるようにする
    「データアナリスト」
    - データを使って事業の課題を発⾒する
    - データを使ってマーケティング施策の効果を計測する
    - データに基づく新規施策や機能追加の⽴案
    • マッピングしてみた結果がこちら

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    SoR / SoE / SoIに分けて考えるデータ基盤
    • さきほどの3つの役割に加え、それらの前段にデータ活⽤⾃体の企画や
    要件定義も⾏う必要があり、これは主に、
    データプロダクトマネージャー ・PjM・データスチュワード(※以降便宜上
    データプロダクトマネージャーと記載)とよばれる役割の⽅が活躍している

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    SoR / SoE / SoIに分けて考えるデータ基盤
    • データ活⽤を⾼度化するための体制づくりを考える際には、
    「企画・要件定義領域 / データプロダクトマネージャー」
    「SoR領域 / データエンジニア」
    「SoE領域 / アナリティクスエンジニア」
    「SoI領域 / データアナリスト」
    のうち、今どれができていて、どれができていないのかをアセスメントし、
    できていないところを補うための体制づくりが必要
    • 実際に私達もこのフレームに沿ってアセスメントを実施し、何ができていて何が
    できていないかを確認した

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    アセスメントの活⽤例
    • 例えばこんなことが起きていたら…
    起きていること 考えられる原因
    - そもそもデータを使って何がしたいかが明らかになっていない
    - 今あるデータ基盤の全体像や今後の展望が不明瞭
    企画・要件定義領域が弱い可能性あり
    - 欲しいデータがデータ基盤上に揃っておらず、分析者のローカル端末
    上などで結合している
    - ELTバッチが不安定でデータの鮮度が悪いor不正確
    System of Records領域が弱い可能性あり
    - データカタログがないまたは不⼗分でデータ活⽤が属⼈化し、⼈や
    部署によって同じKPIを⾒ているはずなのに数値が異なる
    - 分析をするのに毎回⻑⼤なクエリを書く必要がある
    System of Engagement領域が弱い可能性あり
    - データがあっても活⽤⽅法がわからないので、そこから課題の発⾒や
    深掘りにつながらない
    System of Insight領域が弱い可能性あり

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    まとめ
    • データ基盤構築やデータ活⽤に詳しくないステークホルダーに対して、
    データ活⽤で必要になることやそのための体制づくりについて、
    共通⾔語を通して共通の理解が形成できた
    • 今回は開発組織のマネージャーを例にしましたが、バックグラウンドの
    異なるステークホルダーとコミュニケーションをとり、巻き込んでいく
    際には共通の理解が形成が⼤事になるので、その⼀助となれば幸いです

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    FOLIOでは、⼀般向け、企業向けにそれぞれ、様々なデータとトランザクションが発⽣
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