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道路情報の自動差分抽出プロジェクトで FOSS4Gが大活躍! [FOSS4G Japan 2022 Online]

PEmugi
November 14, 2022

道路情報の自動差分抽出プロジェクトで FOSS4Gが大活躍! [FOSS4G Japan 2022 Online]

Mobility Technologies では、これから訪れる自動運転社会で求められる鮮度の高い地図データを実現するために、タクシーやトラックにつけられたドライブレコーダーから取得できる映像およびセンサーデータをもとに、AIなどを用いて道路情報を取得し地図との差分を見つけ、地図に反映させるプロジェクトを行っています。

本プロジェクトで使用しているFOSS4G、特に計算された地図と実際の標識などの道路情報との差分を確認・デバッグするためにつくられた QGIS プラグインについて紹介します。

その他 Mobility Technologies で活用されているFOSS4Gについても時間が許す限り紹介します。

PEmugi

November 14, 2022
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Transcript

  1. Mobility Technologies Co., Ltd. 2 ⾃⼰紹介 株式会社Mobility Technologies(MoT) データエンジニア /

    松浦 慎平 Web地図サービス提供企業、GISソフトウェアベンダー、⾃動運 転サービス提供企業で GIS エンジニアとして従事 現在は道路情報の⾃動差分抽出プロジェクトで GIS チョットデキ ル データエンジニアとして活躍︖中 @PEmugi2
  2. Mobility Technologies Co., Ltd. Mobility Technologies の取り組み 5 Mobility Technologiesは「移動で⼈を幸せに。」をミッションに、

    ⽇本のモビリティ産業をアップデートする様々なITサービスの提供を⾏っています
  3. Mobility Technologies Co., Ltd. 6 スマートドライビング事業 「DRIVE CHART」 次世代AIドラレコサービス 通信型ドライブレコーダーとAIで

    ⾃覚しづらい危険シーンを解析し、効率的な運⾏管理と事故の削減に貢献 全国約4万台以上のタクシー・トラック・営業⾞両で展開 ※ は当社の登録商標です。
  4. Mobility Technologies Co., Ltd. システム概要 8 地図DB API センサー情報 ドラレコ画像

    ⾞両位置の推定 道路上の物体を検出 物体位置の推定 現地の道路情報 DIFF 地図情報 現地と地図の差分 削除 追加 存在確認 道路ネットワークデータ 背景地図 © OpenStreetMap Contributors
  5. Mobility Technologies Co., Ltd. 「調査くん」とは 11 差分情報デバッグのための結果閲覧/分析ツール 「⾛⾏映像」「道路NWデータ」「地図地物データ」 「空中写真」等とシステムの出⼒結果を地図上で⽐較 検証したい︕

    システム出⼒結果 • 検出した地図の差分結果 • AI による道路情報の認識結果 • 認識した物体の位置推定結果 • 物体のトラッキング結果 • マップマッチング結果 その他情報の可視化 • ⾛⾏データ収集実績
  6. Mobility Technologies Co., Ltd. システムの出⼒結果レイヤー • RDBMS (PostGIS) に格納された情報は、 ひたすらクエリーレイヤーで頑張る︕

    ◦ 差分出⼒結果、地図地物との距離表⽰、 ⾛⾏した道路リンク等 ◦ 現地の地物と地図地物との距離は PostGIS の 関数を⽤いて動的に計算、表⽰している • GDAL/OGR の Virtual File System による クラウドに保管されたデータの取得 ◦ ⾛⾏軌跡 = マップマッチされた⾞両の時系列位置情報 Plugin 開発の要点 13 PostGIS 接続を利⽤して 情報をシステムの出⼒を 取得 差分結果 差分と対応する 地図情報 現地の地物と 地図地物の距離
  7. Mobility Technologies Co., Ltd. 動画閲覧 • 地図上に動画に対応した⾞両位置が表⽰さ れる Video Player

    Widget を独⾃実装 • 動画管理テーブルを⾮空間レイヤーとして マップに登録 ▪ 複数動画の開始時刻と S3 上の保存パス等を 管理 • 動画&⾞両位置表⽰フロー 1. ⾛⾏軌跡のクリック情報をアクションで取得 2. ⾛⾏位置の時刻を⽤い管理テーブルから動画 を特定 3. 動画が再⽣し、単位時間ごとに動画の再⽣時 間から⾞両位置のタイムスタンプを取得 4. ⾛⾏軌跡からタイムスタンプを⽤いて⾞両位 置を計算しアイコンを移動しマップを更新 Plugin 開発の要点 14 動画管理テーブル ⾛⾏軌跡テーブル 再⽣時間と動画開始時刻からタイム スタンプを計算する ⾞両位置と⾛⾏軌跡
  8. Mobility Technologies Co., Ltd. フィーチャーや属性テーブルクリック による情報表⽰(動画、画像) • フィーチャークリック時の挙動を制御 できる「アクション」を活⽤ •

    プラグインが「アクション」に設定す る Python コードを⾃動⽣成しレイヤ ーに付与 • クリックした地点の時刻や属性を取得 し合致した動画や、画像を表⽰する Plugin 開発の要点 15 プラグイン実⾏時に環境情報等を 読み込んで Python コードを⽣成 し、レイヤー⽣成時にアクション に挿⼊している
  9. Mobility Technologies Co., Ltd. AWS S3 からの情報取得: ⾛⾏軌跡、ドラレコ映像、画像 1. GDAL

    Virtual File System を使う(推奨) 例: gzip 圧縮されたポイントデータCSV のベクターレイヤー作成 クラウド (AWS) 連携型 QIGS Plugin 開発 Tips 16 vlayer = QgsVectorLayer( "/vsigzip//vsis3/{bucket}/{obj}|option:X_POSSIBLE_NAMES=longitude|option:Y_POSSIBLE_NAMES=latitude", "point_layer", "ogr", ) 2. boto3 で get object する レイヤーを作る前にデータを加⼯したい場合や特定の出⼒フォーマットに事前に変換したい場合、もしくはデータが空間 情報ではない場合(画像や動画) 3. Presigned URL を発⾏して取得 PyQt のWidgetで動画表⽰や画像表⽰時に URL をそのままデータソースとして設定したい場合 ファイルシステムハンドラを Chain できる!
  10. Mobility Technologies Co., Ltd. • クラウド上のファイル、ローカルのファイル、RDBMS のテーブルなど様々な データソースを簡単に扱える • 空間情報の表⽰・分析機能がそろっている

    ◦ システムの出⼒に対してその場で空間分析が可能 • セキュリティ ◦ 個⼈情報を含むようなデータのダウンロード・表⽰・破棄を Plugin にま かせることができる ※ QGIS に表⽰される以上、保存も可能なので運⽤ルールとセット︕ • ⾃然にGISエンジニア以外のエンジニアが QGIS ユーザになる︕ QGIS の Plugin として業務ツールを開発する利点 17