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エコタウン専門課程_第9回講義-4

 エコタウン専門課程_第9回講義-4

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  1. 地域政策デザインオフィス Local Policy Design Office © 2019 Local Policy Design

    Office ⻑野県は次に何をしようとしているのか 千葉商科⼤学 基盤教育機構 准教授 ⼀般社団法⼈ 地域政策デザインオフィス 代表理事 ⽥中 信⼀郎
  2. 地域政策デザインオフィス Local Policy Design Office © 2019 Local Policy Design

    Office SDGsを踏まえた⻑野県の新展開 ⻑野県は、この計画で国から「SDGs未来都市」に選定されている
  3. 地域政策デザインオフィス Local Policy Design Office © 2019 Local Policy Design

    Office ⻑野県に提案した官⺠連携プロジェクト 1 ⻑野県庁舎100年⻑寿命化プロジェクト 1967年竣⼯の現庁舎について、コンクリー トの劣化が進んでいなければという前提で、 断熱材で覆うことで、さらなる劣化を遅らせ て、2120年までの供⽤を⽬指す。 前例の乏しい事業ながら、他の公共施設やビ ル等への波及効果が⼤きいため、県内の建設 会社が広く参加する研究会を設け、研究会の 実地研究の⼀環として、庁舎を改修する。 庁舎の省エネルギーや建替えに伴う廃棄物の 抑制に加え、職員の能率に悪影響を及ぼして いる、庁舎の温熱環境の改善も期待できる。 成功した後は、県⽴⾼校等に拡⼤する。
  4. 地域政策デザインオフィス Local Policy Design Office © 2019 Local Policy Design

    Office 千曲川ツーリングサイクルロード プロジェクト 千曲川の上流(川上村)から下流(栄村)ま での堤防について、⾃転⾞専⽤道(⾃転⾞ハ イウェー)を全通整備する。瀬⼾内海のしま なみ海道と同様に、⾃転⾞で宿泊しながら ツーリングできるようにする。 上流から下流に向かう。⼩海線に⾃転⾞を持 ち込めるようにし、川上村を出発地とする。 ⺠間の宿泊施設等に⾃転⾞ユーザーの意⾒を 反映してもらい、⾷事や酒を楽しめるように する。 千曲川で成功した後は、県内の主要河川で、 同様の整備を⾏う。(海外ではライン川等に 同様の事例がある) 千曲川河川事務所ホームページより ⻑野県に提案した官⺠連携プロジェクト 2
  5. 地域政策デザインオフィス Local Policy Design Office © 2019 Local Policy Design

    Office ⼩布施ショートウェイシティ プロジェクト ⼩布施は、県内有数の「歩いて楽しめる街」 である⼀⽅、主要道路の交通量が多いため、 住⺠・観光客双⽅の阻害要因になっている。 県と町が中⼼になり、都市計画、交通管制、 公共交通その他のあらゆる政策⼿法を活⽤し て、住⺠の⽣活利便性の向上と観光客の安全 を両⽴するまちづくりをする。⻑野電鉄を活 ⽤したパークアンドライドなど、広域の視点 も重視する。 ⼩布施で成功した後は、県内の他の地域にも ⼿法を拡⼤する。(ショートウェイシティと は、移動距離の短い範囲に、様々な移動先を 確保する都市政策) ⻑野県に提案した官⺠連携プロジェクト 3
  6. 地域政策デザインオフィス Local Policy Design Office © 2019 Local Policy Design

    Office 信州ソーラーシェアリング1000 プロジェクト 農地に太陽光発電パネルを併設するソーラー シェアリングについて、適切に促進する⽅策 を検討し、ボトルネックを除去し、弊害を防 ぐ。それで、1000か所での実施を⽬指す。 これにより、農家の所得を⾼め、荒廃農地の 再⽣を促し、信州の農業をより盛んにする。 また、農村景観や農地確保等の公益と両⽴さ せる。 事業については、地域の資本、担い⼿、資⾦ による地域主導型を重視する。農家へのノウ ハウ普及も⾏う。 『信州はエネルギーシフトする』より ⻑野県に提案した官⺠連携プロジェクト 4
  7. 地域政策デザインオフィス Local Policy Design Office © 2019 Local Policy Design

    Office 公共交通ゾーンパス プロジェクト 従来の定期券に代わり、欧州で⼀般的なゾーン 定期券を発⾏する。JR東⽇本、しなの鉄道、 ⻑野電鉄、アルピコ交通等の協⼒が必要。 ⻑野駅を中⼼に、複数のゾーンを設定して、 ゾーン内における鉄道・バスの乗り降りを⾃由 にできる年間パスを住⺠向けに発⾏する。観光 客向けには、1⽇や短期⽇のパスを発⾏し、宿 泊施設のパックにも含める。 北信エリアで成功した後は、県内の他の地域に も拡⼤する。市街地での公共交通の利⽤促進や 渋滞抑制、交通事業者の収益確保(前払い収 ⼊)の効果が期待できる。 http://wanpaku.world.coocan.jp/lrt/Freiburg/Freiburg_rvfmap.htm ドイツ・フライ ブルクの公共交 通ゾーン ⻑野県に提案した官⺠連携プロジェクト 5
  8. 地域政策デザインオフィス Local Policy Design Office © 2019 Local Policy Design

    Office ローテク先端化 プロジェクト 海外の環境エネルギー分野を中⼼とした環境 産業では、成熟したローテクに、先端的な知 ⾒や技術を組み合わせるケースが多い。例え ば、外付ブラインド、⽊製⾼断熱サッシ、⽊ 製⾼性能断熱材、⾼効率⼩型ボイラー等。 また、建設、福祉等の集約型産業では、業務 の確実性を⾼める知⾒や技術が発展し、⽣産 性の向上や⾼付加価値をもたらしている。例 えば、低技能でも失敗しにくい建材、少⼈数 で設置できる再エネ施⼯ノウハウなど。 ローテクの先端化である。だが、これは⽇本 の産業界が⾮常に遅れている分野でもある。 『信州はエネルギーシフトする』より ⻑野県に提案した官⺠連携プロジェクト 6
  9. 地域政策デザインオフィス Local Policy Design Office © 2019 Local Policy Design

    Office ヒートショック抑制プロジェクト ヒートショック(温度変化に伴う疾病発症) や結露(ダニ)への健康影響、温熱環境によ るストレスなど、住宅に伴う健康影響を最⼩ 化するプロジェクト。 実態の調査、知識の普及、予防策の展開、住 宅の改善などを、広範なステークホルダーと 共に取り組む。市町村、⾃治会、病院、医 師、保健師、建築⼠、住宅産業など。 循環器系疾患の抑制などにより、健康⻑寿の ダントツ⽇本⼀を⽬指す。 ⻑野県に提案した官⺠連携プロジェクト 7
  10. 地域政策デザインオフィス Local Policy Design Office © 2019 Local Policy Design

    Office まとめ ⻑野県では、総合計画・SDGs未来都市計画において 政策⽅針は明確化され、ルール・しくみも整いつつある 次の段階は、⾏政だけでも、⺠間だけでも解決困難な課題に 合同で解決する経験を重ね、⾃律的に発展してくこと ベースとなる考え⽅は 皆さんが学んでいることと、まったく同じ 地域で先導的に動いている⼈たちが ⾏政から⾒ても、プロジェクトを進める上で⼤切な存在