Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
プロダクトバックログとスプリントバックログ
Search
Satoshi Harada
January 31, 2023
Programming
0
53
プロダクトバックログとスプリントバックログ
スクラムのプロダクトバックログ(PBL)とスプリントバックログ(SBL)はどのように紐づいているのかを、スクラムガイドをベースに説明した資料です。
Satoshi Harada
January 31, 2023
Tweet
Share
More Decks by Satoshi Harada
See All by Satoshi Harada
やってやろうじゃないかメカアジャイル! / Let's do it, mechanical agile!
psj59129
2
1.5k
保育とふりかえりをコネクト! / connect childcare and retrospectives!
psj59129
1
510
焼肉レトロスペクティブ爆誕!遊び心を解放してチームの学習を飛躍させよう
psj59129
6
8.1k
WIP制限体験ワークショップ
psj59129
0
160
アジャイルのライトウィングとレフトウィングはひとりで両方できなくてもいいんじゃない? - “ひとりでできるもん”から“みんなでできるもん”への道のり
psj59129
0
1.7k
社内アジャイル勉強会コミュニティの火を燃やせ!製造業に入社して4か月でやったこと全部見せます!
psj59129
1
1.1k
アジャイル・スクラム勉強会_なぜ今、アジャイルなのか?
psj59129
0
140
アジャイル・スクラム勉強会_カンバンボードを採用する理由
psj59129
0
63
アジャイル・スクラム勉強会_カンバンボードとWIP
psj59129
0
110
Other Decks in Programming
See All in Programming
Enabling DevOps and Team Topologies Through Architecture: Architecting for Fast Flow
cer
PRO
0
330
Realtime API 入門
riofujimon
0
150
Outline View in SwiftUI
1024jp
1
330
シェーダーで魅せるMapLibreの動的ラスタータイル
satoshi7190
1
480
AI時代におけるSRE、 あるいはエンジニアの生存戦略
pyama86
6
1.1k
Arm移行タイムアタック
qnighy
0
320
レガシーシステムにどう立ち向かうか 複雑さと理想と現実/vs-legacy
suzukihoge
14
2.2k
ActiveSupport::Notifications supporting instrumentation of Rails apps with OpenTelemetry
ymtdzzz
1
230
ピラミッド、アイスクリームコーン、SMURF: 自動テストの最適バランスを求めて / Pyramid Ice-Cream-Cone and SMURF
twada
PRO
10
1.3k
Creating a Free Video Ad Network on the Edge
mizoguchicoji
0
120
ペアーズにおけるAmazon Bedrockを⽤いた障害対応⽀援 ⽣成AIツールの導⼊事例 @ 20241115配信AWSウェビナー登壇
fukubaka0825
6
1.9k
聞き手から登壇者へ: RubyKaigi2024 LTでの初挑戦が 教えてくれた、可能性の星
mikik0
1
130
Featured
See All Featured
ReactJS: Keep Simple. Everything can be a component!
pedronauck
665
120k
I Don’t Have Time: Getting Over the Fear to Launch Your Podcast
jcasabona
28
2k
実際に使うSQLの書き方 徹底解説 / pgcon21j-tutorial
soudai
169
50k
Visualizing Your Data: Incorporating Mongo into Loggly Infrastructure
mongodb
42
9.2k
Optimizing for Happiness
mojombo
376
70k
Building a Modern Day E-commerce SEO Strategy
aleyda
38
6.9k
Building a Scalable Design System with Sketch
lauravandoore
459
33k
How to Create Impact in a Changing Tech Landscape [PerfNow 2023]
tammyeverts
47
2.1k
CSS Pre-Processors: Stylus, Less & Sass
bermonpainter
356
29k
The Art of Programming - Codeland 2020
erikaheidi
52
13k
The World Runs on Bad Software
bkeepers
PRO
65
11k
A designer walks into a library…
pauljervisheath
204
24k
Transcript
プロダクトバックログ と スプリントバックログ スクラムの2つのバックログの使い方 Satoshi Harada
プロダクトバックログとは何か スクラムガイドの記述 プロダクトバックログは、創発的かつ順番に並べられ た、プロダクトの改善に必要なものの一覧である。これ は、スクラムチームが行う作業の唯一の情報源である。 1スプリント内でスクラムチームが完成できるプロダク トバックログアイテムは、スプリントプランニングのと きには選択の準備ができている。スクラムチームは通 常、リファインメントの活動を通じて、選択に必要な透 明性を獲得する。プロダクトバックログアイテムがより
小さく詳細になるように、分割および定義をする活動で ある。これは、説明・並び順・サイズなどの詳細を追加 するための継続的な活動である。多くの場合、属性は作 業領域によって異なる。 作業を行う開発者は、その作業規模の評価に責任を持 つ。開発者がトレードオフを理解して選択できるよう に、プロダクトオーナーが開発者を支援することもでき る。 解説 プロダクト バックログ プロダクトバックログアイテム1 →プロダクトバックログアイテム1-1(準備完了) →プロダクトバックログアイテム1-2(準備完了) →プロダクトバックログアイテム1-3(準備中) プロダクトバックログアイテム2(準備中) プロダクトバックログアイテム3(準備中) スクラムチームが行う作業はプロダクト バックログに載っている必要がある。 プロダクトバックログリファインメントという活動で、プロダク トバックログアイテムの詳細化・分割・並び替え・規模評価を開 発者が行う。(プロダクトオーナーが開発者を支援) 上記の活動で選択の準備(Ready)ができている状態になったプ ロダクトバックログアイテムについて、スプリントプランニング でスプリントの作業対象にすることができる。 逆に、選択の準備(Ready)ができていないプロダクトバックロ グアイテムをスプリントの作業対象にすると、スプリント内で詳 細化や分割を行う必要があり、不確実性が高まる。 スプリント の作業対象 にできる PBI
スプリントバックログとは何か スクラムガイドの記述 スプリントバックログは、スプリントゴール (なぜ)、スプリント向けに選択されたいくつ かのプロダクトバックログアイテム(何を)、 およびインクリメントを届けるための実行可能 な計画(どのように)で構成される。 スプリントバックログは、開発者による、開発 者のための計画である。スプリントバックログ には、スプリントゴールを達成するために開発
者がスプリントで行う作業がリアルタイムに反 映される。その結果、より多くのことを学ぶに つれて、スプリントの期間を通して更新され る。 スプリントバックログはデイリースクラムで進 捗を検査できる程度の詳細さが必要である。 解説 スプリント バックログ スプリント ゴール プロダクト バックログ PBI スプリントで どのように実現するか の計画 スプリントで 何を実現するか スプリントでなぜ それを実現するのか スプリントバックログの計画(作業タスク)は、 デイリースクラムで進捗を検査できる程度の詳細 さ(1日以下の細かさ)が必要。
プロダクトバックログの作成と管理 プロダクト バックログ 作成や管理の方法 について支援 基本的に、POが プロダクトバックログの 作成・管理を主導する スクラムチーム プロダクト
オーナー PO dev S M 開発者 スクラム マスター 開発者が代理で 書き込むことがある プロダクトバックログの管理はプロダクトオーナーの 責任領域。 プロダクトバックログの作成・明示的に伝える・並び 替える・透明性を維持する・見えるようにする・理解 されるようにすることについて、プロダクトオーナー は責任を持っている。 上記の作業を他の人に委任することもできるが、最終 的な責任はプロダクトオーナーが持つこととなってい る。 つまり、開発者が代理で書き込んだり、スクラムマス ターがプロダクトオーナーの支援をすることはできる が、プロダクトバックログの責任者はプロダクトオー ナーとなる。
スプリントプランニングでやること・その1 スクラムガイドの記述 スプリントプランニング スプリントプランニングはスプリントの起点であり、ここで はスプリントで実行する作業の計画を立てる。結果としてで きる計画は、スクラムチーム全体の共同作業によって作成さ れる。 プロダクトオーナーは参加者に対して、最も重要なプロダク トバックログアイテムと、それらとプロダクトゴールとの関 連性について話し合う準備ができているかを確認する。スク
ラムチームは、アドバイスをもらうためにチーム以外の人を スプリントプランニングに招待してもよい。 スプリントプランニングは次のトピックに対応する: トピック 1:このスプリントはなぜ価値があるのか? プロダクトオーナーは、プロダクトの価値と有用性を今回の スプリントでどのように高めることができるかを提案する。 次に、スクラムチーム全体が協力して、そのスプリントにな ぜ価値があるかをステークホルダーに伝えるスプリントゴー ルを定義する。スプリントゴールは、スプリントプランニン グの終了までに確定する必要がある。 解説 スプリント プランニング チーム 以外の人 スクラムチーム プロダクト オーナー PO dev S M 開発者 スクラム マスター 作業の計画は、スクラムチームの共同 作業で作成する。 プロダクト バックログ プロダクトオーナーはスプリントプランニングの参 加者に対して、最も優先度が高いプロダクトバック ログアイテムについて説明・話し合いをする必要が ある。(つまり、プロダクトバックログアイテムが Readyな状態になっている必要がある) スクラムチーム全体が協力し、今回のスプリントにどのような価値がある か・スプリントの終わりにステークホルダに何を伝えるのか(スプリント ゴール)を定義する。 招待 可能
スプリントプランニングでやること・その2 スクラムガイドの記述(前ページからの続き) トピック 2:このスプリントで何ができるのか? 開発者は、プロダクトオーナーとの話し合いを通じて、プロダクトバックロ グからアイテムを選択し、今回のスプリントに含める。スクラムチームは、 このプロセスの中でプロダクトバックログアイテムのリファインメントをす る場合がある。それによって、チームの理解と自信が高まる。 スプリント内でどれくらい完了できるかを選択するのは難しいかもしれな い。しかしながら、
開発者が過去の自分たちのパフォーマンス、今回のキャ パシティ、および完成の定義の理解を深めていけば、スプリントの予測に自 信が持てるようになる。 トピック 3:選択した作業をどのように成し遂げるのか? 開発者は、選択したプロダクトバックログアイテムごとに、完成の定義を満 たすインクリメントを作成するために必要な作業を計画する。これは多くの 場合、プロダクトバックログアイテムを1日以内の小さな作業アイテムに分 解することによって行われる。これをどのように行うかは、開発者だけの裁 量とする。プロダクトバックログアイテムを価値のインクリメントに変換す る方法は誰も教えてくれない。 スプリントゴール、スプリント向けに選択したプロダクトバックログアイテ ム、およびそれらを提供するための計画をまとめてスプリントバックログと 呼ぶ。 スプリントが1か月の場合、スプリントプランニングのタイムボック スは最大で8時間である。 スプリントの期間が短ければ、スプリントプラン ニングの時間も短くすることが多い。 解説 プロダクト バックログ スプリント バックログ スクラムチーム プロダクト オーナー PO dev S M 開発者 スクラム マスター 相談 PBI PBI 今スプリントで実施するアイテムをプロダクトバック ログから選択し、スプリントバックログに含める。 どれくらいのアイテムを選択できるかは、スクラム チームの過去のパフォーマンスをもとに推測する。 スプリントバックログでは、プロダクトバックログア イテムを1日以内の小さな作業アイテムに分解する。 PBI: プロダクトバックログアイテム 1日以内の 作業アイテム
1枚絵にまとめてみた プロダクト バックログ Sprint-n スプリント バックログ スクラムチーム プロダクト オーナー PO
dev S M 開発者 スクラム マスター 相談 PBI PBI PBI: プロダクトバックログアイテム 1日以内の 作業アイテム スプリント プランニング Sprintの最初に行う作業計画の時間。 作業の計画は、スクラムチームの共同 作業で作成する。 ① 基本的に、POが プロダクトバックログの 作成・管理を主導する ・プロダクトバックログアイテム 1 ・プロダクトバックログアイテム 2 ・プロダクトバックログアイテム 3 .... ② プロダクトオーナーはスプリントプランニングの 参加者に対して、最も優先度が高いプロダクト バックログアイテムについて説明する ④ スクラムチーム全体が協力し、今回のスプ リントにどのような価値があるか・スプリ ントの終わりにステークホルダに何を伝え るのか(スプリントゴール)を定義する。 Sprint-n スプリント ゴール ③ スクラムチームは、Sprint-nで実施するアイテムを プロダクトバックログから選択し、スプリントバッ クログに含める。 どれくらいのアイテムを選択できるかは、スクラム チームの過去のパフォーマンスをもとに推測する。 開発者はPOと相談しながら、プロダクトバックロ グアイテムを1日以内の小さな作業アイテムに分解 する。この作業アイテムの一覧がSprint-nのスプリ ントバックログとなる。 スクラムマスターは何してくれる? • プロダクトバックログの作成や管理の方法についてPOを支援 • スプリントバックログの作成についてスクラムチームを支援 • スプリントゴールの設定についてスクラムチームを支援