タスクかんばんのワークプロセス改善において、重要な考え方となるWIP(Work In Progress)について体験してもらうワークショップのやりかたを説明したスライドです。 WIPについては言葉で理解してもらうよりも、実際に手を動かして体験してもらうほうが原落ちするので、このようなワークショップでWIPについてチームメンバーの共通理解をつくると良いです。
View Slide
「カード渡し」のゲーム概要顧客に裏返したカードを届けるゲームを行います。テーブル管理者1作業者2作業者3作業者4顧客作業者1管理者2管理者3管理者4カード(20枚)裏返して渡す裏返して渡す裏返して渡す裏返して渡す
「カード渡し」の役割分担参加者を以下の3つの役割に振り分けます。● 作業者○ カードをできるだけ早く裏返して次の人に渡す(最初の作業者が何枚単位でカードを扱ってよいかは、ゲーム開始時に指示します)● 管理者○ 作業者がカードを裏返すのにかかった時間の合計を計測する(途中でカードを裏返していない時間がある場合は、計測を一時停止する)● 顧客○ 最初のカードが届くまでの所要時間と、全てのカードが届くまでの所要時間を計測する
練習してみましょう。テーブル管理者1作業者2作業者3作業者4顧客作業者1管理者2管理者3管理者4カード(20枚)裏返して渡す裏返して渡す裏返して渡す裏返して渡す
まずは20枚単位の作業でやってみましょう。20枚単位の作業作業者1作業者2作業者3作業者4顧客に最初のカードが届くまでの時間顧客に全てのカードが届くまでの時間
次は5枚単位の作業でやってみましょう。20枚単位の作業 5枚単位の作業作業者1作業者2作業者3作業者4顧客に最初のカードが届くまでの時間顧客に全てのカードが届くまでの時間
最後は1枚単位の作業でやってみましょう。20枚単位の作業 5枚単位の作業 1枚単位の作業作業者1作業者2作業者3作業者4顧客に最初のカードが届くまでの時間顧客に全てのカードが届くまでの時間
ふりかえり「カード返し」のゲームをやってみてどう思いましたか?● 20枚単位、5枚単位、1枚単位で作業をしたときの、顧客に全てのカードが届くまでの時間を見てどう思ったか?なぜそうなったのだろう?● 個々の作業者の作業時間は、取り扱う枚数でどう変わっただろう?● 作業者は、実際にやってみてどう思った?(どんなときにストレスを感じて、どんなときにスムーズだと感じた?)● このゲームの結果を仕事に活かせそう?
WIP制限の話● カードが全て顧客に届くまでの時間○ リードタイム■ リードタイムが短ければ短いほど、顧客に早く価値を届けることができる。● 作業者ごとの作業時間(実際の仕事ではToDo→Doing→Doneといったワークフローごとの作業時間を指す)○ サイクルタイム■ 複数の作業を同時並行で行うと作業完了までの時間が伸び、結果的にリードタイムは延びてしまう。→そのため、20枚単位で同時に作業をするよりも1枚単位で作業をしたほうが顧客にカードが届き始める時間も全て届くまでの時間も短くなる。このXX枚単位の作業に制限することをWIP制限と言う。● トヨタ生産方式との関係○ 在庫のムダ■ 各作業者の前に積まれた裏返す前のカード○ 手持ちのムダ■ 各作業者が裏返したがまだ次の作業者に渡していないカード○ 運搬のムダ■ 隣の作業者に渡している最中のカード
始めることをやめて、終わらせることを始めよう。複数のタスクを同時に行っても、全体としては早く終わらない。少数のタスクに集中して順次終わらせた方が、全体としては早く終わり、顧客に価値を早く届けることができる。