2. 金利の引き上げは最終局面に入りつつある。2022年に始まった利上げは、 75bpsの引き上げが連続4回行われるという、米国建国史上空前絶後とも思わ れる急激な金融引締めであったが、これがようやく停止する見通し。この様な、 「Big Picture」を頭に入れておくことが重要。 3. 米国銀行における商業用不動産融資ポートフォリオに潜むリスク(不良債権問 題) 4. 市場見通しは強気派と弱気派の綱引きが拮抗 強気派:インフレピークアウトとFRBのハト派転換期待 弱気派:景気減速と企業業績の悪化懸念 1. 雇用統計は、市場予想を大幅に上回り、インフレ終息が一本調子で簡単にはい かないことを連想させる。つまり、目標のインフレ率2.0%へ到達するには未だ 長い道のりである可能性が高い。Peakは過ぎ去り良い方向に向かってはいる が、100%楽観も出来ない状況。 2. 相次ぐ銀行の経営破綻が信用状況のひっ迫を招いており、経済活動・雇用・イン フレに重くのしかかってくる可能性が示唆される。その場合は利上げを継続す る必要がなくなり、株式市場にはプラス要因となる。また、23年1Qの決算発表 では、総じて市場予想を上回る売上・利益が報告されており、良い意味で想定 外に企業業績が底堅いことを示している。この先、利上げ停止となる一方で企 業業績が前年同期比で改善していくとなれば、株式市場は好感する可能性が高 い。 【原則】 1. 強固な参入障壁を持ち、決算が順調な会社はホールド(相場全体 が崩れても、決算に問題ない限り売却しない)。 2. もし決算をミスした場合、そのミスの内容を確認することが重要。 一過性の要因で決算が不調だった場合はホールドを継続。 3. インフレのピークアウト及びそれに伴う金融引締めの最終局面に 入りつつあり、株価の大底は打ったと思われるものの、引き続き インフレ動向及び企業業績に警戒を要するため、タイミングを分 けて購入。 【具体的戦略】 1. 米国株式は既に大底は打っていると判断。上値を追うことなく、 安値圏で推移しているタイミングで、SP500連動のETF購入 (構成銘柄の幅広さ、米国市場を代表する優良銘柄の組入状況、 及び過去のリスクリターンを勘案)を推奨。 2. 5月~10月頃は例年相場が比較的弱い時期とされ、昨年から続 く状況を総合的に勘案すると、この間に大きく下がったタイミン グは分散投資の好機と考える。 3. ハイパーグロース銘柄への投資再開はFRBのハト派転換を確認 してからでも十分値幅を狙える。 株式投資の原則 株式投資は、投資先の事業の中身に着目し、マーケットタイミングは考えない。ウォーレン・バフェットですらマーケットタイミングは判断できないとしており、バフェットでも実行で きないことを目指すことは合理的とは言えないのがその理由。 また、全米もしくはその一部をカバーする指数(例.S&P500)や、ファンダメンタルズが強靭な企業の株式をターゲットとするも、購入はマーケット要因あるいは個社の一過性要 因などで株価が大きく下落したポイントや、時間分散で小刻みにエントリーすることを基本とする。