7月中旬以降、米インフレ圧力の緩和や景気指標の悪化を受けて、再 び9月利下げシナリオが台頭。また7月末の日銀会合において0.25%利 上げを決定。さらに植田総裁のタカ派発言がサプライズとなって一気にド ル安円高が進行した。 歴史的な高水準に積みあがっていた円ショートポジションの巻き戻しも 誘発し、1カ月弱で20円程度円高が進行し141円台に突入した。 2. 執筆段階(8/13)では、やや落ち着きを取り戻し147円台中盤を 推移している。 3. 7月後半から8月初旬にかけての動きは、日米ともに金融政策の織り 込みと、米国の景気判断において、やや過剰な動きであったと解釈してい る。米国利下げ及び日本の利上げが更に実現したとしても、依然潤沢な 日米金利差が残ること(4%以上)、米国についてはソフトランディング シナリオの実現が濃厚であることから、ドル円市場がさらに落ち着きを取り 戻せば、再び円キャリートレードが優勢となり、ドルは底固く推移すると想 定している。 1. 原則USDポジションをキープし、USD建運用のメリットを享受。 2. 各々の資産運用プラン(例:ドル建債券の購入)を実行するため に必要なドルの手当てについては積極的に進める。その際、購入する 資産の円高抵抗力の検証をすること、及び購入タイミングを分散する ことが重要。 3. 当面140-155円レンジを想定し、着実のドルの押し目買いを実行 したい。ただしタイミングの分散を図る。 4. 日銀絡みの円高は特に、ドル買い+ドル建て資産購入の好機と捉え ること。 外貨投資の原則 外貨投資においては、為替の方向感にベットして為替差益を狙うような投機的な取引はしない。あくまでも、円資産への集中リスクを回避するための長 期的な通貨分散、資産分散を目的とする。 よって、マーケットタイミングを判断するよりも、購入タイミングを分散することでリスクを軽減しながら、上記目的を達成することを推奨する。