く下落したポイントや、時間分散で小刻みにエントリーすることを基本とする。 1. AIブームは⾧期トレンドに乗る可能性が高い。生成AI⇒エージェントAI⇒物理AIへと進化 していく中、各AIを駆動する基盤であるAI半導体は⾧期で期待できる。 2. AIによる生産性向上がもたらすソフトランディングと利下げが同時に実現した場合、米国株 式市場には強力な追い風となる。 3. トランプ任期中のマーケットリスクは極めて大きい。ボラティリティが非常に高く、⾧期投資家に は居心地の悪い相場が続くものの、”Stay Invested”, “Stay Market”が結局は最良の 方法であることを再確認したい。 4. 2025年は大統領就任初年度の年。大統領選4年サイクルの中では就任初年度の年のリ ターンは3番目(つまり下から2番目)。 5. 1月のS&P500指数は前月比+2.7%。January Effect(1月効果)のアノマリーに従 えば、米国株式は2025年通年ではプラスで終わる可能性が高い。 【原則】 1. 強固な参入障壁を持ち、決算が順調な会社はホールド(相場全体が崩れても、決 算に問題ない限り売却しない)。 2. もし決算をミスした場合、そのミスの内容を確認することが重要。一過性の要因で決算 が不調だった場合はホールドを継続。 3. 利下トレンドに入っており、これは株式には強力な好材料だが、地政学リスク・米政府 財政問題・インフレ再燃リスク等には警戒を要するため、購入は時間分散を推奨。また、 景気後退懸念が顕在化した場合は、しばらく様子見を決め込み、マクロ経済データを 観察しながらエントリーポイントを探る。トランプリスクにも要注目。 4. 株式市場全体の下落に連れて優良銘柄も下落している局面は、それら優良銘柄を 購入する好機であるため積極的に購入する。 【具体的戦略】 1. チャートだけを頼りに順張りで上値を追うことなく、安値圏で推移しているタイミングで、 S&P500連動のETF購入(構成銘柄の幅広さ、米国市場を代表する優良銘柄の組 入状況、及び過去のリスクリターンを勘案)を推奨。また、ハイテクが集中するQQQ(ナ スダック100)にも併せて注目。 2. Mag7を筆頭に大型テック系企業は2025年も相場を一定牽引する見込み(年後半 に期待) 。 3. 利下げトレンドにおいては、強靭なビジネスモデルを有する一部のグロースは選好される 可能性が高い。個社事由とは関係なく、市場全体が大きく下がったところでは買い向か いたい。 4. 2024年はアノマリーが殆ど的中しなかったが、25年は基本に立ち返りつつ、アノマリーを 参考にしながら押し目があれば時間分散で丁寧に拾いに行くことを推奨。 5. 2026年は大統領選挙サイクルアノマリー2年目の年であり、4年任期の中で最もパ フォーマンスが悪いことで知られる。実際、2018年・2022年はいずれも就任2年目の 年であったが、S&P500の2018年パフォーマンスは▲4.23%、2022年は ▲18.04%とマイナスに終わっている。つまり、今から高値を狙うのは非常にリスクが大 きいため、この先は相場が大きく下落したところだけを丁寧に拾いにいきたい。 3 1. Fedの利下げは強力な追風。この先もマーケットのボラティリティは見られるであろうが、こ の様な、「Big Picture」を頭に入れておくことが重要。一方で、トランプリスクが存在す ることに留意。 2. MMFは依然高水準。利下げによってMMFのリターンも減少するため、投資家はよりリ ターンの高い他のリスク資産(例えば株式)に目を向ける可能性が高い。 3. 米国10年債利回りは、足下4%台前半で推移。関税絡みで再び5%を目ざす展開 になれば株式には下押し圧力となる可能性大だが、その水準が⾧期化する蓋然性は 現時点では低い。 4. S&P500構成企業の業績は概ね順調に推移。企業業績は絶好調と言える。株式は 結局のところ、①企業業績が伸⾧し、②金利が下がれば、ファイナンス理論上は必ず 株価が上昇するメカニズムとなっており、株式には引き続き強気の姿勢を堅持。 5. 中でも、大型テック系企業は増収増益トレンドが顕在化している状況。S&P500上位 数社の株価が上昇することでS&P500全体のPERを押し上げ、割高感を演出させる が、これらトップ企業のビジネスモデルは売上が増えるほど利益率が高まる構造にある。 従って、重厚⾧大が支配していた20年前とは状況が一変していることを認識する必要 がある(つまり、過去との対比ではPERが割高になることは自然な現象と言える)。