Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
監視論Ⅳ ~監視からオブザーバビリティーへの招待~
Search
Qryuu
June 22, 2022
Technology
0
440
監視論Ⅳ ~監視からオブザーバビリティーへの招待~
Ops JAWS Meetup#21 で登壇した資料です。
ITシステムの進化史とそれに合わせて求められる運用とは
監視からオブザーバビリティーが求められるようになった背景を説明します。
Qryuu
June 22, 2022
Tweet
Share
More Decks by Qryuu
See All by Qryuu
人体モニタリングによる運動療法継続
qryuu
0
170
オブザーバビリティで理解するコンピュータサイエンス
qryuu
1
1.6k
監視とは何か ~監視エンジニアのスキルと成長~
qryuu
8
8.7k
監視論 ~SREと次世代MSP~
qryuu
10
5k
Other Decks in Technology
See All in Technology
ハードウェアとソフトウェアをつなぐ全てを内製している企業の E2E テストの作り方 / How to create E2E tests for a company that builds everything connecting hardware and software in-house
bitkey
PRO
1
130
ブロックテーマ時代における、テーマの CSS について考える Toro_Unit / 2025.09.13 @ Shinshu WordPress Meetup
torounit
0
130
[ JAWS-UG 東京 CommunityBuilders Night #2 ]SlackとAmazon Q Developerで 運用効率化を模索する
sh_fk2
3
430
これでもう迷わない!Jetpack Composeの書き方実践ガイド
zozotech
PRO
0
850
新規プロダクトでプロトタイプから正式リリースまでNext.jsで開発したリアル
kawanoriku0
1
110
DevIO2025_継続的なサービス開発のための技術的意思決定のポイント / how-to-tech-decision-makaing-devio2025
nologyance
1
400
20250910_障害注入から効率的復旧へ_カオスエンジニアリング_生成AIで考えるAWS障害対応.pdf
sh_fk2
3
260
品質視点から考える組織デザイン/Organizational Design from Quality
mii3king
0
200
Firestore → Spanner 移行 を成功させた段階的移行プロセス
athug
1
480
スマートファクトリーの第一歩 〜AWSマネージドサービスで 実現する予知保全と生成AI活用まで
ganota
2
220
Generative AI Japan 第一回生成AI実践研究会「AI駆動開発の現在地──ブレイクスルーの鍵を握るのはデータ領域」
shisyu_gaku
0
270
「全員プロダクトマネージャー」を実現する、Cursorによる仕様検討の自動運転
applism118
21
11k
Featured
See All Featured
Typedesign – Prime Four
hannesfritz
42
2.8k
The Myth of the Modular Monolith - Day 2 Keynote - Rails World 2024
eileencodes
26
3k
YesSQL, Process and Tooling at Scale
rocio
173
14k
A Modern Web Designer's Workflow
chriscoyier
696
190k
実際に使うSQLの書き方 徹底解説 / pgcon21j-tutorial
soudai
PRO
188
55k
Principles of Awesome APIs and How to Build Them.
keavy
126
17k
Fantastic passwords and where to find them - at NoRuKo
philnash
52
3.4k
Fashionably flexible responsive web design (full day workshop)
malarkey
407
66k
The Illustrated Children's Guide to Kubernetes
chrisshort
48
50k
Responsive Adventures: Dirty Tricks From The Dark Corners of Front-End
smashingmag
252
21k
The Cost Of JavaScript in 2023
addyosmani
53
8.9k
Product Roadmaps are Hard
iamctodd
PRO
54
11k
Transcript
監視論Ⅳ 監視からオブザーバビリティーへの招待
自己紹介 ▪ PN:九龍真乙 ▪ Twitter:qryuu ▪ SlideShre:https://www.slideshare.net/qryuu ▪ GitHub:https://github.com/qryuu ▪
クックパッド:https://cookpad.com/kitchen/4142562 ▪ 専門:New Relic, Zabbix,カスタマーサポート,テクニカルサ ポート
ITシステムの進化史
ITシステムの進化史 ▪ 汎用機(SES:ベンダーロックイン) ▪ オープンシステム(ITの民主化) ▪ 仮想化(スケーリングの獲得) ▪ クラウド(オートスケーリング・アジリティの獲得) ▪
コンテナ(IaC コントローラビリティの獲得)
汎用機の時代 ▪ 1960~70年代 ▪ メインフレーム、オフコンの時 代 ▪ 商社や金融など大規模な経理・ 事務・会計などで利用 ▪
メーカー毎に差異があり、非常 に高額なため 「ハードを買うとオペレーター が付いてくる」 ▪ メーカーのオペレーターがビジ ネスロジックを把握しているた め狭義のベンダーロックイン (画像出典)総務省令和元年版 情報通信白書
オープンシステムの時代 ▪ 1980~90年代 ▪ クライアント/サーバー方式 ▪ IAサーバ(PCサーバー)と 汎用OSによるシステム構築 ▪ マルチベンダー構成、内製
化が可能に ▪ ITシステムの民主化 (画像出典) https://atmarkit.itmedia.co.jp/fsys/kaisetsu/043server_bto/server_bto.html
仮想化の時代 ▪ 2000年代 ▪ IAサーバの高性能化・低価 格化 ▪ システム規模に対して性能 過剰 ▪
仮想化によって、サーバー リソースを無駄なく使う ▪ ITシステムの基盤化・抽象化 (画像出典) https://www.networld.co.jp/product/vmware/technical_guide/virtualization/
クラウドの時代 ▪ 2010年代 ▪ 仮想化基盤の外部化 ▪ 所有から利用へ ▪ 自動化・オートスケーリン グ
▪ システム構成のコード化 (画像出典) https://aws.amazon.com/jp/cloud/
コンテナの時代 ▪ 2020年代 ▪ オーケストレーションによる 自律化 ▪ インフラのコード化の推進 ▪ アプリケーションとインフラ
の一体化 (画像出典) https://frontier.networld.co.jp/3182/
ITシステムが進化する理由
システムはビジネスそのものになりつつある 11 1980年〜 2000年〜 2010年〜 メインフレーム・オープンシステム インターネット・WEB・ガラケー クラウド・スマートフォン・AI・IoT モード1:業務効率化 モード2:価値の提供
業務効率化 自動化/情報分析 事業創造 メールやドキュメントなど インターネット検索やeコマース システム = ビジネス システム=ビジネス そのものになる時代へ
ITシステム進化の目的 ▪ よりダウンしないシステムへ ▪ より効率的なシステムへ ▪ より良いシステムを目指した結果、自動化や自律化によってシス テム構成が複雑に。 12
監視からオブザーバビリティへ
監視からオブザーバビリティへ ▪ 監視 ▪ 症状が出たら専門医にかかる ▪ オブザーバビリティ ▪ 各種センサー、記録係を付けて 生活する
15
監視からオブザーバビリティへ ▪ 監視では障害通知があると 、CPUやメモリなどの値を 確認します。 原因はわからないけど、異常は見られないので頭痛薬飲んでおきましょう >とりあえず再起動 死活 監視 反応があるか
Ping Metric 体温・血圧 CPU使用率/メモリ 使用率 Log 「頭が痛い」 Errorメッセージ
監視からオブザーバビリティへ ▪ オブザーバビリティではよ り多くの情報を収集し、何 が起こったのかを明らかに して根本原因に対処します 。 ▪ 障害ではなくて「いつもと 違う」を検知して対処しま
す。 Metric 気温・気圧・湿 度・体温・血圧 CPU/メモリ使用 率・プロセス・ User満足度・応答 時間 Event 昨日19時から2時 まで飲みに行っ た リクエスト数・プ ログラム処理時間 (トランザクショ ン) Log 「今朝から頭が 痛い」 Errorlog、スタッ クトレース Trace 飲み屋でBさんと テキーラ10杯飲 んだ DB呼び出し、API 呼び出し 二日酔いですね、この頭痛薬と胃腸薬を飲みましょ う 深酒しちゃだめですよ、節制しましょう >原因の究明と、システムの改善
ITモニタリングの変化 ペットモデル ▪ 小数のサーバーを管理 ▪ 大切なペットを守るよう に ▪ システムはステートフル ▪
モノリシック キャトル(家畜)モデル ▪ 同じ機能の複数のサー バーによるクラスタ ▪ 家畜の群れのように管理 ▪ AutoScalingや AutoHealingの設定 ▪ アプリ/DBなどは分離さ れるがアーキテクチャは モノリシック オルガノ(臓器)モデル ▪ コンテナによるオーケス トレション ▪ 臓器のように個々のコン テナが増殖やアポトーシ ス(自死)を行う ▪ コンテナ1つ1つの監視で はなくシステムとしての 機能提供を確認する
コンテナ時代に求められるオブザーバビリティ ▪ 外形監視・Synthetics による稼働確認 – 常に実際のユーザーと同じようにサービスにアクセスし、動作し続けてい る事を確認する。 ▪ RealUserMonitoring –
モバイルやBrowserなど、サーバー以外の環境で実際のユーザにErrorが 発生していないか、性能が劣化していないかを確認する。 ▪ 開発品質Monitoring – デプロイ前後でのパフォーマンス比較や、デプロイ頻度など開発品質その もののモニタリング ▪ K8S管理、クラスター管理 – 単体コンテナでは無く、サービスとしてのSLI/SLOを把握する。
まとめ ▪ ITシステムはビジネスで活用され、ITシステム自体が利益の源 泉へと進化しています。 ▪ ITシステムはビジネスや社会の要請に合わせて、より安定、よ り高可用性な仕組みを目指してきました。 ▪ その結果として抽象化が進み、システム全体は複雑化します。 ▪
進化したシステムを運用するためには、運用技術も進化する必 要があります。 ▪ そのためにDevSecOpsもカバーするオブザーバビリティーの 理解が必要です。