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進化を止めない、"レガシー"との向き合い方 / 20220208-techcon2022-yanari

Rakus_Dev
February 08, 2022

進化を止めない、"レガシー"との向き合い方 / 20220208-techcon2022-yanari

Rakus_Dev

February 08, 2022
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  1. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. ©2022 RAKUS Co., Ltd. 進化を止めない、

    "レガシー"との向き合い方 株式会社ラクス 開発本部 第四開発部 矢成 行雄
  2. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. 自己紹介 矢成 行雄(やなり ゆきお) ▪経歴 2011年 ラクス入社 2012年 「メールディーラー」の開発リーダ

    2017年 「チャットディーラー」の新規立ち上げ 2020年 部長として4プロダクトを統括 ▪趣味 文学部東洋史学専攻の中国史オタク 犬二匹と戯れる 酒を飲む(ビール・ワイン・日本酒) Violinを弾く(butブランク◦年以上…)
  3. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. 私たちの手掛けているプロダクト① ❏ メールディーラー ❏ チャットディーラー

    メールや電話、チャット、LINEからの問い合わせを一元管 理。チーム内の情報共有が簡単になることで、お客様を 待たせない対応を実現! Webページにチャットを設置して、問い合わせ対応を行う ことのできるチャットボット。チャットボットの自動回答で、 業務効率化とユーザー満足度の向上を実現!
  4. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. 私たちの手掛けているプロダクト② ❏ 配配メール ❏ クルメル

    シンプルな操作と機能、手厚いサポートで、メールによる 集客・販促活動を「もっと効果的に。もっとラクに。」 システム連携に特化したメール配信サービス。基幹/CRM システムをはじめ、さまざまなシステムのメール配信を支 えています。
  5. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. リリース時期 ❏ メールディーラー ❏ 配配メール

    ❏ クルメル ❏ チャットディーラー ⇒ 2001年 ⇒ 2007年 ⇒ 2011年 ⇒ 2017年
  6. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. 本当にそうか? ❏ 時代遅れで古い ❏ モダンじゃない

    ❏ 変化を嫌う ❏ モチベーションあがらない ⇒ 「古い=時代遅れ」ではない ⇒ 変化していかないから時代遅れになる ⇒ 進化していかないから"レガシー"になる
  7. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. ラクスでも確かに問題はあった ❏ 時代遅れで古い ❏ モダンじゃない

    ❏ 変化を嫌う ❏ モチベーションあがらない ⇒ 利用技術が古い ⇒ 開発プロセスが古典的 ⇒ 技術的負債が多い ⇒ 情報発信しづらい
  8. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. 私たちはどのように向き合ったか? 1. 利用技術が古い 2. 開発プロセスが古典的

    3. 技術的負債が多い 4. 情報発信しづらい   ⇒ 領域をしぼって取り組む ⇒ モダンな開発スタイルとのハイブリッド ⇒ 継続的リファクタリング ⇒ 中核技術に特化したブランディング戦略
  9. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. 「利用技術が古い」問題 ❏ 主な利用技術 ❏ PHP

    ❏ ノンフレームワークなプロダクトも ❏ PostgreSQL ❏ jQuery
  10. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. 導入事例 ❏ ノンフレームワークPHPアプリケーション ❏ (新UI導入機能のみ)Laravelを導入

    ❏ (新UI導入機能のみ)blade+SassによるBE/FE分離 ❏ (新UI導入機能のみ)Vue.jsによるFEコンポーネント化 ❏ (チャット機能のみ)Node.js+Socket.ioによるリアルタイム通信 ❏ (単語チェック機能のみ)Mecab導入による自然言語処理 https://speakerdeck.com/kyoshimoto/phptechcafe-2022-01-26
  11. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. 対応事例 ❏ PHP ❏ 4系

    ⇒ 5.2 ⇒ 5.3 ⇒ 5.4 ⇒ 5.6 ⇒ 7.1 ⇒ 7.3 ⇒ 8.0 ❏ PostgreSQL ❏ 8.2 ⇒ 8.4 ⇒ 9.3 ⇒ 9.6 ⇒ 13.3 ❏ jQuery ❏ 1.8 ⇒ 1.9 ⇒ 2.1 ⇒ 3.3 ⇒ 3.4 ⇒ 3.6
  12. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. 古典的プロセスがレガシー化の要因? ❏ 古典的だから捨て去るべき?⇒No ❏ 単に「やり方」の話

    ❏ 「やり方」が非効率なら、より効率のよいやり方に変えればよい ❏ プロダクトが"レガシー"かどうかは関係ない
  13. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. アジャイル的要素を取り入れる ❏ マクロな開発プロセスはそのまま(ベースはウォーターフォール) ❏ ミクロで開発プロセスの「中身」を変える

    ❏ カンバン ❏ スプリント制(1週間のタイムボックス) ❏ 社内ユーザからのフィードバックループ ❏ ウォーターフォールとアジャイルのハイブリッド (=いいとこどり)
  14. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. 導入事例 ❏ カンバン ❏ スプリント制

    https://speakerdeck.com/kyoshimoto/rakus-meetup-osaka-2020-02-05
  15. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. 段階的にユニットテスト導入 ❏ ユニットテスト ❏ ビジネスロジックはまずリファクタリング(詳細後述)

    ❏ できるところからユニットテストを書く ❏ テストを書くルールを決める ❏ 完成したところからCIに組み込む
  16. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. 広く浅くE2Eテスト導入 ❏ E2Eテスト ❏ 目的を明確にする

    ❏ 「全然動かない」レベルの根本的デグレード検知用 ❏ 広く浅く導入する(Smoke E2E) ❏ 全機能を網羅 ❏ ノーマルケースのみ https://speakerdeck.com/kuwacchi/smokee2e
  17. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. 実施したアクションまとめ ❏ 「開発プロセスが古典的」問題 ❏ マクロな開発スタイルは維持したまま、部分的(ミクロに)にアジャイル

    的要素を取り入れてハイブリッドなプロセスへ ❏ ユニットテストはできるところから段階的に ❏ E2Eテストは目的に沿って広く浅く
  18. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. 「技術的負債が多い」問題 ❏ 同じようで少しずつ違うロジックの濫発 ❏ すでに使用されていない機能

    ❏ コメントもなく意図不明な謎のロジック ❏ ビューとビジネスロジックの密結合 ❏ クラス化・分割されず責務過多となったソースコード
  19. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. 継続的にリファクタリングする ❏ リファクタリングするための敷居を下げる ❏ 「するのが当たり前」にする

    ❏ ビジネス要求と両立させる https://speakerdeck.com/whitefox_73/14nian-mu-falsesabisutojin-hou-m obu-mutamefalserihuakutaringuzhan-lue
  20. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. 敷居を下げる ❏ 提案の敷居を下げる ❏ 誰でも思いついたら提案できる「目安箱」を作る

    ❏ 実施の敷居を下げる ❏ リファクタリングバージョン ❏ 手順のガイドライン化
  21. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. ビジネス要求と両立させる ❏ コストを見積もって伝える ❏ 効果を定量化して伝える

    ❏ 自動テスト導入障壁低下 ⇒ 品質維持効率アップ ❏ フロントエンドとバックエンド分離 ⇒ 分業による速度アップ ❏ 保守性向上 ⇒ 開発速度アップ
  22. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. 実施したアクションまとめ ❏ 「技術的負債が多い」問題 ❏ リファクタリングしていくしかない

    ❏ リファクタリングするための敷居を下げ、ビジネス要求と両立させ、継 続的にリファクタリングする
  23. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. 「情報発信しづらい」問題 ❏ エンジニアとして社外に技術情報発信したい ❏ でも扱っている技術が"レガシー”

    ❏ 新規技術に触れる機会が少なく、情報発信しづらい ❏ エンジニアのモチベーションもなんとなく上がらない
  24. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. 情報発信はできる ❏ 先入観(誤解)を解く ❏ “新しいこと"しか求められていない

    ❏ "新しいこと"でないと情報発信できない ❏ ここまで紹介したような取組自体がすでに財産 ❏ "レガシー"への向き合い方のヒントを求めている人は多い ❏ 情報発信を習慣化していく
  25. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. 強みを生かしてブランディング形成 ❏ 一つの技術に特化している強みを生かす ❏ 中核技術=PHP

    ❏ 注力 ⇒ 情報発信文化の醸成 ⇒ 組織力アップ ❏ 技術力アップ ❏ モチベーションアップ ❏ 採用力アップ
  26. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. 情報発信事例 ❏ コミュニティ形成 (PHPTechCafe) ❏

    コミュニティ支援 (PHPFoundation) https://tech-blog.rakus.co.jp/entry/20220128/php-foundation https://rakus.connpass.com/
  27. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. 実施したアクションまとめ ❏ 「情報発信しづらい」問題 ❏ 発信しづらいという先入観を解き、"レガシー"との向き合い方それ自

    体を武器として発信し続ける ❏ "レガシー"であっても中核技術に特化して取組を続けることにより、ブ ランディング形成につながる
  28. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. それは"レガシー"なのか? ❏ 扱っているサービスが「歴史ある」サービスなだけ ❏ わたしたちは変化、進化を続けていく

    ❏ わたしたちは価値あるチャレンジを続けていく ❏ 積み上げてきた「歴史」そのものの中にそのヒントがある
  29. #RAKUSTechCon ©2022 RAKUS Co., Ltd. 私たちの"レガシー"との向き合い方 ❏ 積み上げてきた「歴史」の中に進化のタネ(=価値)を見出す ❏ 「刷新」ではなく「進化」させることで、その価値を育てていく

    1. 新技術にも領域をしぼって取り組む 2. モダンな開発スタイルとハイブリッドさせる 3. 継続的にリファクタリングする 4. 中核技術に注力しブランディング形成する