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物語を楽しむための物語論

mizuki_r
November 05, 2018
450

 物語を楽しむための物語論

mizuki_r

November 05, 2018
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  1. 物語を楽しむための物語論
    2018/10/15 @mizuki_r

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  2. @mizuki_r
    • エンジニア
    2
    Webエンジニア。転職してから自己
    紹介どうしようか悩む日々に突入。
    学生時代にオリジナルの小説を創作
    していました。
    about me
    こんな人です

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  3. 注意事項
    • このスライドは作者の記憶を掘り起こしたうろ
    覚えな内容です
    • 個人の主張であり、組織・団体の主張を代表す
    るものではありません

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  4. Agenda
    • 物語論とは
    • 物語をつくる技術
    • 神話の法則
    • 感動を作り出す考え方
    • 感動を引き起こす構造
    • おわりに
    • 参考文献

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  5. 物語論(ナラトロジー)とは

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  6. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%A9%E8%AA%9E%E8%AB%96
    “物語や語りの技術と構造について
    研究する学問分野”

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  7. 関心の指向性
    • 内容の類型
    • 類似性から構造化し分析する
    • 表現の形式
    • 表現の仕方、言説について探求する

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  8. 物語を作る技術

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  9. 物語を作る技術
    • 感動的なお話は機械的に作れる
    • 構造と役割と、心に響く仕掛けを考える
    • 物語論、心理学などの観点からシナリオの
    制作方法が提案されている

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  10. 神話の法則

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  11. 神話の法則
    • 神話学者ジョーゼフ・キャンベルの『千の顔を
    持つ英雄』
    • ジョージ・ルーカスがスター・ウォーズの制
    作の手本にした
    • 心理学者ユングの『原型論』
    • 脚本作りに応用し体系的にまとめた

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  12. 2つの手引き
    • ヒーローズ・ジャーニー
    • 3幕構成・12ステップに物語を構造化する
    • キャラクターのアーキタイプ
    • 物語におけるキャラクターの役割を7つに
    分類

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  13. ヒーローズ・ジャーニー
    1:出立、離別
    1. オーディナリー・ワールド(日常の世界)
    2. コール・トゥ・アドベンチャー(冒険への誘い)
    3. リフューザル・オブ・ザ・コール(冒険への拒絶)
    4. メンター(賢者)
    5. クロッシング・ザ・ファースト・シュレスホールド (第一関門突破)
    --- 平和な日常↑↓特別な世界 ---
    2-1:試練
    6. テスト、アライズ、エナミーズ(試練、仲間、敵対者)
    2-2:イニシエーション(通過儀礼)
    7. アプローチ・トゥ・ジ・インモウスト・ケイヴ (最も危険な場所への接近)
    8. オーディール(最大の試練)
    9. リウォード(報酬)
    3:帰路
    10. ザ・ロード・バック(帰路)
    --- 特別な世界↑↓ 帰還後の世界 ---
    11. リシュアラクション(復活)
    12. リターン・ウイズ・ジ・エリクサー(宝を持っての帰還)

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  14. キャラクターのアーキタイプ
    1. 冒険の旅にでるヒーロー(英雄)
    2. ヒーローを冒険の旅に誘い出すヘラルド(使者)
    3. ヒーローに魔法の贈り物をするメンター(賢者)
    4. ヒーローの行く手を阻むシュレスホールドガーディアン(門番)
    5. 常に変化しヒーローを困惑させるシェイプシフター(変化する者)
    6. ヒーローを破滅させようとするシャドウ/ヴィラン(悪者)
    7. 現状を覆し息抜きを与えるトリックスター(いたずら者)

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  15. まとめ
    • 成長を表現する物語の普遍的な構造を示した
    • キャラクターを役割に抽象化した
    • これによってテンプレート的に脚本の構成が
    できるようになった
    • ハリウッド映画などで活かされた

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  16. 感動を作り出す考え方

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  17. 感動=心の抑圧の解放
    • 感動とは、心の抑圧を開放すること
    • 読み手が持つ心の抑圧(ストレス)を解放
    すること

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  18. 心の変化を可視化する
    • 感動とは心の状態変化である。
    • 心の状態は目には見えない。
    → 目に見えるもの(象徴)に置き換えて変化
    をわかるようにする。

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  19. 心の抑圧を開放する
    • 抑圧を与えて、解放する
    • 物語の前半で抑圧を与え、後半にその抑圧を開放する
    • 抑圧を与えずに、同調することで抑圧を開放する
    • 抑圧を覚えるシチュエーションに同調させ、それを開放させる
    • 「鏡」を見せる
    • ロールシャッハ・テスト
    物語において一般的なのは一つめの「抑圧を与えて、開放する」

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  20. 欲求を満たすことで感動する
    感動は「マズローの欲求ピラミッド」における第3,4,5層を満たすこ
    とで起こる。
    • 第3層:愛情の知覚の感動
    • 自分が愛されているということに気づく
    • 第4層:自尊の感動
    • 他者から認められる
    • 第5層:自己実現の感動
    • 自分の持つ能力や可能性を最大限に発揮したくなる欲求。

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  21. 第5層
    上昇 自己実現
    下降 堕落・誘惑
    第4層
    上昇 自尊心を得る
    下降 無力を感じる
    第3層
    上昇 愛情の知覚
    下降 愛情の喪失

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  22. まとめ
    • 心の抑圧を作り、解放することで感動する
    • 感動とは心の状態変化
    • 見えない心の変化を暗喩で表現する
    • 欲求の3,4,5層を満たす構造を考える

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  23. 感動を引き起こす構造

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  24. –あやえも研究所
    “物語とは、ある一つまたは複数の問題を解決する一連の過程Ͱある”

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  25. 問題=テーマ
    • 問題と心の状態を関連付ける
    • 満たされない欲求 = 問題(テーマ)
    • 問題を解決(欲求が満たされる)流れを構
    造的に考える

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  26. テーマを表現
    (初期状態)の状態だった主人公が、(スペシャ
    ルワールド)を通して(最終状態)になる物語

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  27. 神話の法則と合体
    • 第一幕:問題͕発生して、その問題への対
    処をすることを受け入れるまͰ
    • 第二幕:問題を解決するまͰ
    • 第三幕:問題を解決して、元の状態に戻る
    まͰ

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  28. 対立関係と葛藤
    • 何もせず解決できるなら問題じゃない
    • 問題となる要素とトレードオフのなにかとの葛
    藤が必要
    • 葛藤を表現するための「対立関係」
    • 重要なタイミングで「対立関係」を作ることで
    葛藤が生まれ、成長による感動が表現できる

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  29. 問題(テーマ)解決と対立関係
    • 第一幕:問題(テーマ)の解決に望むかの
    対立
    • 第二幕:問題(テーマ)の対立
    • 第三幕:日常に戻るかの対立

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  30. ヒーローとシャドウ
    • ヒーロー(成長する人・神話の英雄)
    • シャドウ(対立する人・神話の悪役)
    • シャドウがヒーローと正反対の性質を持つ
    ことで対立構造を作る

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  31. 成長のトリガー
    • 主体(ヒーロー)とは正反対の性質(シャドウ)
    と対立し、それを統合して成長する
    • その統合に至る出来事を「トリガー」と呼ぶ
    「問題(テーマ)を抱えた主人公(ヒーロー)が、
    ある出来事(トリガー)を通して成長する」

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  32. まとめ
    • 物語の根源的な変化をテーマとして表現
    • 葛藤を対立構造として物語に組み込む
    • 最大の対立をキャラクターの性質として表現し
    て盛り上がらせる
    • 対立 → 葛藤 → 統合(成長)の流れで感動を
    作る

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  33. おわりに

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  34. 物語の読み方
    • 物語の構造やキャラクターの構造を作り手視点
    で解説した
    • 物語には人の心に働きかける仕組みがある
    • 構造的な特徴を掴むことで、本質的なテーマを
    理解できる
    • 物語の「伝えたいこと」が理解できる

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  35. 物語を語ろう
    • 物語のパターンで複数の作品を語れる
    • 違う物語からカタルシスを受ける
    • 物語の良さを言語化できる
    • 「感動した」→「こういう構造だから感動したんだ」
    • 語彙が増える

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  36. 物語と人生
    • 仕掛けとして感動を呼べるということ
    • 自身の感動をコントロールできる(かも)
    • 他人の感動をコントロールできる(かも)
    • 物語を理解することは、人を理解すること
    に繋がる

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  37. 参考文献

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  38. • 神話の法則
    • ストーリーメイカー
    • あやえも研究所

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