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Amebaブログの会員画面システム刷新の道程

 Amebaブログの会員画面システム刷新の道程

Amebaブログ会員が利用するWebアプリケーションの構成を変更し、Webフロントエンドエンジニアが管理しきれるようにシステムを刷新している過程を紹介します。

Ryota Sugawara

January 19, 2023
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Transcript

  1. 2 自己紹介 菅原 良太 (すがわら りょうた) 株式会社サイバーエージェント • 子会社でメディアの立ち上げ •

    Ameba事業本部でWebフロントエンドエンジニア ◦ AmebaのSNSプラットフォームの運用開発 ◦ Amebaブログの運用開発 ◦ AmebaのWebフロントエンドエンジニア組織の開発 • 新米パパ @ryo_suga
  2. 6 課題 • システムの複雑性 ◦ 多種多様な構成の乱立による認知負荷の拡大 • 責務の曖昧さ ◦ BFFがフロントエンド/バックエンドで競合し開発イテレーションが回りづらい

    • 運用負荷 ◦ リリースステップが分かれていて運用負荷が高い • 高い属人性 ◦ 作ったっきり更新されずリリースできなくなる
  3. 7 刷新を終えたときの理想を設定 • 画面に関する開発サイクルをWebフロントエンドで完結できる ◦ 開発のリードタイムを短く、ハイパフォーマーを目指せる • Webフロントエンド開発者がUI開発に集中できる • 乱立したアプリケーションのカバレッジ(人/品質/運用面)が高い

    ◦ 作ったきりにならない体制を実現するシステム構成になっている • BFF・インフラ・開発環境の標準化と属人性解消 ◦ システム管理を担えるメンバーが育つ → 息を吸うようにすべてのシステムの品質を維持・向上し続けたい ミッション
  4. 8 難易度 • 仕様の考古学 • Webフロントエンド開発者が管理できる構成へのリアーキテクチャ ◦ Webフロントエンドで管理しきるためのバックエンド依存の分離 • 新インフラ基盤への順応(責務領域の拡大

    ◦ Webフロントエンド領域での "Do it the Ameba Platform way" の設計 • 限られた期間でどう刷新成果を最大化させるか ◦ 数年放置されたUIをSpindle(Design System)に乗せる ◦ UI開発に集中できるBFFの標準化
  5. 12 対象システムの把握 要件定義 仕様策定 詳細設計 実装 1. 対象システムの把握 2. システム設計と技術選定

    3. 新しい仕様を策定 4. Design Docs 5. アプリケーション開発 コード = 仕様 ・実装言語が変わる ⇒ 仕様をコードから日本語化 ・機能の整理 ⇒ 仕様の適正化 仕様 (esa)
  6. 13 AmebaのPlatformで利用するNode.js向けの共通実装をGitHub Packagesで提供 例) • ログのフォーマット/レベルルールを統一 • メトリクス実装を統一 • トレーシング実装を統一

    • 他共通クライアントの実装 システム設計と技術選定 要件定義 仕様策定 詳細設計 実装 1. 対象システムの把握 2. システム設計と技術選定 3. 新しい仕様を策定 4. Design Docs 5. アプリケーション開発 Platform(アプリケーションが乗るインフラ環境)、アプリケーション基盤を統一
  7. 14 システム設計と技術選定 要件定義 仕様策定 詳細設計 実装 1. 対象システムの把握 2. システム設計と技術選定

    3. 新しい仕様を策定 4. Design Docs 5. アプリケーション開発 要件が実現可能か、実例を想定したシーケンスの候補を比較検証 例) • ログイン判定 • ブラウザからのAPI呼び出し • ステート管理 など
  8. 15 システム設計と技術選定 要件定義 仕様策定 詳細設計 実装 1. 対象システムの把握 2. システム設計と技術選定

    3. 新しい仕様を策定 4. Design Docs 5. アプリケーション開発 UI / APIアプリケーションの責務分離 APIエンドポイントの責務 FrontendがBackendへデータを参照・更新するI/F Sessionなど共通実装の点在を防ぐ 画面(UI)のエンドポイントの責務 UIの構築・ブラウザの振る舞いに集中 アプリ数 ≒ ドメイン数
  9. 16 システム設計と技術選定 要件定義 仕様策定 詳細設計 実装 1. 対象システムの把握 2. システム設計と技術選定

    3. 新しい仕様を策定 4. Design Docs 5. アプリケーション開発 システム運用の認知負荷を下げるためにモノレポ構成 • モノレポ管理ツールには nx を利用 • 各アプリケーションの構成の統一 ◦ 新規アプリ作成時にテンプレートから生成 ◦ 基盤のアップデート • CI / CD のワークフローを統一
  10. 17 新しい仕様を策定 要件定義 仕様策定 詳細設計 実装 1. 対象システムの把握 2. システム設計と技術選定

    3. 新しい仕様を策定 4. Design Docs 5. アプリケーション開発 要件を元に”作るもの”の仕様を策定 1. エンドポイント毎の仕様 ◦ 画面仕様 ◦ API仕様 2. デザイン作成 • Spindle利用でデザイン品質を統一 3. テストケース • この時点でQCに向けたテストケースを作成 具体的なコードではなくフローの説明を記載 仕様通りに実装すれば誰でも同じ実装ができるレベルで ドキュメンテーションを行う
  11. 18 Design Docs 要件定義 仕様策定 詳細設計 実装 1. 対象システムの把握 2.

    システム設計と技術選定 3. 新しい仕様を策定 4. Design Docs 5. アプリケーション開発 設計戻しを最小限に留める • 仕様をコードにする事前設計・計画 • 具体的になにをどう実装するのかを共有できる ◦ 例: ▪ コンポーネントの粒度 ▪ 関数の実例 ▪ インターフェース • システム構成から乖離がないかのレビューもこの時点で実施 ◦ 設計のコーチングとしても機能
  12. 19 アプリケーション開発 要件定義 仕様策定 詳細設計 実装 1. 対象システムの把握 2. システム設計と技術選定

    3. 新しい仕様を策定 4. Design Docs 5. アプリケーション開発 Design Docsをもとに実装 • コーディング • 自動テスト ◦ 基本的にはUnitテスト ◦ APIはエンドポイント単位でのスペックをテスト ◦ UIはコンポーネント単位でVisualRegressionテスト Design Docs通りにうまく行けば良い うまく行かなくても学びが明確になる
  13. 21 現状の評価と今後の展望 Good • UI責務をフロント責務のシステムに移すことで生産性・保守性が向上した • UIの開発に集中できる環境が作れた • モノレポにすることでコストは上がるが保守が容易になった More

    • まだ影響範囲が狭いので、より適用対象を広げたときシステムが運用に耐えうるか • BFFの変更を先行して行っているので、バックエンド側の刷新を含めた際の最適の設計