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【実録】「なんちゃってアジャイル」によるプロジェクト崩壊とその教訓 / 20260723 Takeshi Watarai

2026/7/23 プロジェクトマネジメントDAY 2026
https://products.sint.co.jp/obpm/pmday2026

AIアジャイル開発部 アジャイル推進グループ
グループ長/アジャイルエバンジェリスト
渡会 健

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SHIFT EVOLVE PRO

July 23, 2026

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Transcript

  1. プロジェクトマネジメントDAY 2026 2026 7 / 23 17:15 〜 17:55 【実録】

    「なんちゃってアジャイル」による プロジェクト崩壊とその教訓 株式会社SHIFT AIアジャイル開発部 アジャイル推進グループ グループ長/アジャイルエバンジェリスト 渡会 健 Takeshi Watarai Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. 1
  2. 自己紹介 渡会 健|Takeshi Watarai 著書 業務経歴 1991年 財閥系宇宙関連ソフトベンダーに入社 1996年 •

    ソフトウェアシステム開発(WF開発)のPMとして活動 • JAXAへ4年間出向し、受発注双方でPMとして活動 2005年 PMP資格取得。PMI日本支部会員の活動開始 2007年 マネジメントを極めるためPMコンサル会社入社 2008年にPMO現場で、アジャイルに出会う 2009年 株式会社SHIFT AIアジャイル開発部 アジャイル推進グループ グループ長 兼 アジャイルエバンジェリスト 資格等 Since2005 PMI日本フォーラム2025 優秀登壇者第6位 Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. ダイアモンド社 リックテレコム社:共著 • その他所属等 • 一般社団法人PMI日本支部 アジャイル研究会元代表 • 独立行政法人情報処理推進機構(IPA) アジャイルWG元メンバー • WF/アジャイルどちらの現場経験 豊富なアジャイルの専門家 • PMBOK🄬ガイドにも精通し、目的 達成のためにはアジャイルにこだわ りすぎないのが座右の銘 アジャイル実践のため、キャリアチェンジして中小 規模の独立系ITベンダーに入社 • • アジャイル文化の無い社内にアジャイル開発を導入し、 3年で3億円以上を売り上げる その後、様々なケースのアジャイル開発マネジメント経験を 20案件以上積み重ねる アジャイルコーチ、導入コンサル、アジャイルやPMBOK🄬ガイド 系の研修講師、システム開発のマネジメントを務める 2018年 アジャイルコーチ転身のためコンサル会社入社 2020年 マネジメント系コンサル会社入社 • • 2025年 アジャイル事業を1人から立ち上げ、5年間で30名の部隊に 育て上げ、5億円を売り上げ コンサル時代を合わせアジャイル50案件以上 さらなる飛躍のため 株式会社SHIFTに入社
  3. 会社概要 社名 株式会社 SHIFT 設立 2005年9月 代表 代表取締役社長 上場市場 東京証券取引所プライム市場

    本社所在地 〒106-0041 東京都港区麻布台1-3-1 麻布台ヒルズ 森JPタワー 従業員数 15,270名(FY2025末時点・連結) Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. 丹下 大 3
  4. SHIFT 急成長の軌跡 10年で売上高約50倍成長 従業員数 グループ会社 15,270 人 単体 7,423 人

    40 社 連結 ※ パートナー、派遣含む 2025年8月末時点 ※FY2014実績とFY2024実績を比較 ※ 2026年5月末時点 (2025年8月末更新) Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. 5
  5. なぜ「なんちゃってアジャイル」が生まれるのか 流行だからと導入: 手段の目的化 表面的な理解: 「計画不要」 「ドキュメント不要」 などの誤解 安易なハイブリッド: 両方の“悪いとこ取り” 従来型の思考:

    問題発生時に、結局は 指示命令や厳密な計画 に戻ってしまう 「なんちゃってアジャイル」は、アジャイルの本質―不確実性への向き合い方―を 理解せず、手法やツールだけを導入することで生まれます。 Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. 6
  6. インセプションデッキとは インセプションデッキ = アジャイル版「プロジェクト憲章」 全員で議論しながら作るため、作成完了=合意形成完了 なぜ作る? 方向性の共有 スコープの明確化 認識ズレ防止 Copyright

    SHIFT Inc., All Rights Reserved. 特徴 参加者全員で作成 対話を重視 継続的に見直す まず作るべき項目 ★我々はなぜここにいるのか ★エレベーターピッチ ★やらないことリスト 15
  7. 初期プロダクトバックログ プロダクトバックログアイテムの草案はだれが作ってもいい 草案は誰が作ってもいい 誰の協力を得てもいいし、直接作ってもらってもいい ✓ プロダクトオーナー ✓ ステークホルダー ✓ 開発チーム

    ✓ スクラムマスター ただし、 作ってもらったプロダクトバックログアイテムの中身を 理解し、プロダクトバックログに加えるのか否かを決断 するのは、プロダクトオーナーの専任事項 決断はプロダクトオーナー Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. Whyが明確になっていて、プロダクトオーナー自身も納得できるも のになっているかが重要 20
  8. ユーザーストーリーマッピング ユーザーストーリーマッピングとは ストーリー(ユーザーにとっての価値)を付箋紙などに書き出し、ユーザーの体験順に時系列で左右に 整理、似た機能は上下(基本機能を上、派生的な機能は下)に整理して、壁などにマッピングしていく フレームワーク。 ここでは具体的な解決策(下図では必要な機能)を洗い出し、優先順位を付けるために使用する。 時系列に並んだメインアクション …… …… ……

    …… …… …… …… …… ユーザー アクション 必要な機能 ユーザーの ペルソナ Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… 最初に作るべき機能 …… …… …… …… …… …… …… …… それ以外の機能 …… …… Jeff Patton(2015) 『ユーザーストーリーマッピング』, オライリージャパン 22
  9. モノづくりのための準備 モノづくりのための準備 ⇒ 結構見落とされがち ワーキングアグリーメントの例 メンバー全員がソースに触れたり、コーディングを行うため 最初にルールを決め合意形成をすることが大切 働き方のルール • ワーキングアグリーメント

    チーム全員の合意のもと決めたルールやビジョンのこと ◼ 朝会(デイリーミーティング)は9:05~9:20 ◼ 検討事項・相談事項は朝会の後に個別で実施する ◼ 30分考えて分からなければ、他の人に相談する(30分ルール) ◼ 会話中の不明点はすぐに聞く ◼ Tipsはチャットで共有 ◼ リアクションを必ず行う ◼ チャットは常に見る ◼ ビデオ会議は可能であればビデオをオンにする ◼ 声を荒げず冷静に話す ◼ タスクボード「実施中」にタスクを残したまま帰らない。終わら なかった場合は 「未実施」へ戻す • スキルマップ チームメンバーの現状のスキルを一覧化したもの 開発ルールの例 etc. 技術的なルール • 開発ルール プログラムを開発するうえでチーム全員が遵守すべきこと スプリントを始める前に決めておくと、 メンバー間での品質のずれやバグ発生を防ぐことができる ◼ 構成管理のルール ◼ プルリクエスト ◼ クラス名 ◼ マージ ◼ メソッド名 ◼ コミット ◼ 変数名 ◼ ブランチ ◼ DB項目 (テーブル、フィールド など) ◼ コーディング規約 ◼ 実行コード ◼ テストコード ◼ コメントルール Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. ◼ 命名規則 ◼ デプロイ手順 ◼ etc. ※コーディング規約に関しては静的解析ツールの導入でも可 23
  10. 品質の守り方の違い ウォーターフォールの場合 アジャイルの場合 品質を守る 品質を守る 不具合を洗い出す・摘出して可能な限り少なくする 不具合がない状態を保ちながら成果物を大きくする 前提:不具合は必ず入り込むもの 前提:不具合のない状態を保つ 要件定義

    設計 開発 レビュー レビュー レビュー スプリント 1 テスト テスト スプリント 2 …… 動く成果物 例) バグ密度 テスト密度 「今までのプロジェクト実績の傾向 をみると、これくらいの規模で、こ れくらいの数値であればある程度の 不具合は抽出されており、品質がよ いと言って問題ない」 =品質指標の考え方 Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. SP1 SP1 動く成果物 1つのものとして 動く成果物 新規テスト 新規テスト 既存テスト まず大きな部屋を作り、 その部屋を掃除するイメージ スプリントごとに成果物と同時に テストも作成・実施し、不具合が ない状態を保ちながら、成果物を 大きくする SP10 SP2 例) レビュー指摘密度 レビュー工数密度 レビュー指摘効率 スプリント 10 スプリントを重ねるごとテ ストが増えるので、アジャ イルでは 自動テスト導入 がMustと言われる …… SP1~9 1つのものとして 動く成果物 既存テスト 新規テスト 既存テスト 既存テスト 既存テスト 既存テスト 既存テスト 既存テスト 既存テスト 既存テスト 無菌状態 小さな無菌状態を作り それを徐々に膨らませる イメージ 出典:アジャイルに困った時に読む本(ダイヤモンド社) 渡会健著 25
  11. 何故アジャイルではイベントが多いのか(前提) ウォーターフォールとアジャイルでは、コミュニケーションの捉え方が異なる ウォーターフォール アジャイル 会議での各人の進捗確認やレビュー等、自分事でない無 駄な時間となるため、コミュニケーションの時間はなる べく減らしたい なぜなら 分業、専門化 要件定義

    設計 開発 始終1つのチーム テスト 求められる人材:スペシャリスト いかに個人の効率を上げるか? フルスタックエンジニアとなり、常に誰もがタスクを実 施できるようにするために、コミュニケーションの時間 をなるべく増やしたい とにかく手を 動かしたい 求められる人材:フルスタックエンジニア 生産性を あげるには いかに能力差を埋めるか? いかに得意分野をかけあわせるか? コミュニケー ションしたい アジャイルは、コミュニケーションにかける時間を長くすることで高い生産性を実現する Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. 38
  12. 本来のふりかえり(レトロスペクティブ) 課題のように全てのTry(改善策)を実施しようとすることの危険性 Try 今より、よりよくするための+α ※できなかったとしても成長は しないが退化もしない ≠ 課題 プロジェクト進行の中で起こった 未解決の事象

    ※解決しなくてはならないもの アジャイルのイベントによって、イテレーション毎にTryが創出される 課題管理のように全てに対応しようとすると、Tryが負債として積み重なる Tryの全量が多くなり、管理のための割く労力が大きくなる ふりかえりに使える時間が減り、 本来やるべき「今起きている問題点」への対処ができなくなる Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. 改善されて初めてふりかえりは意味を 成すため、改善ができていないのでは 本末転倒 また、このような状況になると 課題(Try)を上げることに消極的になり 課題をあげなくなったり、隠すように なるという負のループに入りやすい 45
  13. 関連講演 今さら聞けない、アジャイルとウォーターフォールの違いの本質 アジャイルが浸透しつつある一方で、「成果が出な い」「現場が疲労している」などの声もあります。 こうした課題の多くは、アジャイルを表面的に理解し たまま導入し、困ったときに従来のWF的な発想へ 無意識に戻ってしまうことから生じています。 この動画では、いわゆる「なんちゃってアジャイル」が横 行する原因とその対策のヒントをお伝えします。 https://www.youtube.com/watch?v=aPBHEDBA6eM

    https://www.youtube.com/w atch?v=aPBHEDBA6eM チームプロジェクトマネジメントとPMBOK第8版 ゲストに株式会社レッドジャーニーの森實繁樹氏を迎 え、開催されたイベント「SHIFT EVOLVE チームプロ ジェクトマネジメントとPMBOK第8版」のアーカイブ動 画です。 1. 2. 3. 4. Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. 「AIアジャイル開発部 部門紹介」:SHIFT 秋葉啓充 「プロジェクトマネジメントをチームに宿す」:レッドジャーニー 森實繁樹氏 「PMBOK第8版は第7版から何が変わったのか」:SHIFT 渡会健 森實氏×渡会対談 https://www.youtube.com/watch?v=eUZcefqsihQ https://www.youtube.com/w atch?v=eUZcefqsihQ 52