Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
VR開発現場が考える『楽しい』メタバースをつくるには?
Search
R.D.Sakamoto
October 16, 2024
Programming
0
170
VR開発現場が考える『楽しい』メタバースをつくるには?
XRミーティング 2024/10/16 #XRMTG
R.D.Sakamoto
October 16, 2024
Tweet
Share
More Decks by R.D.Sakamoto
See All by R.D.Sakamoto
お金の力ではじめる札幌リモートワーク
skmt3p
1
79
バーチャルマーケット6からフロントエンドチームを作ってきたHIKKY社員によるバーチャルマーケットの Webフロントエンド裏話
skmt3p
0
280
Nuxt3のuseHeadを使ったらXSS脆弱性が顕在化した話
skmt3p
0
3.4k
Other Decks in Programming
See All in Programming
そのAPI、誰のため? Androidライブラリ設計における利用者目線の実践テクニック
mkeeda
2
1.8k
為你自己學 Python - 冷知識篇
eddie
1
350
FindyにおけるTakumi活用と脆弱性管理のこれから
rvirus0817
0
520
Updates on MLS on Ruby (and maybe more)
sylph01
1
180
はじめてのMaterial3 Expressive
ym223
2
880
Amazon RDS 向けに提供されている MCP Server と仕組みを調べてみた/jawsug-okayama-2025-aurora-mcp
takahashiikki
1
110
パッケージ設計の黒魔術/Kyoto.go#63
lufia
3
440
個人軟體時代
ethanhuang13
0
330
速いWebフレームワークを作る
yusukebe
5
1.7k
アセットのコンパイルについて
ojun9
0
130
Testing Trophyは叫ばない
toms74209200
0
890
知っているようで知らない"rails new"の世界 / The World of "rails new" You Think You Know but Don't
luccafort
PRO
1
180
Featured
See All Featured
Chrome DevTools: State of the Union 2024 - Debugging React & Beyond
addyosmani
7
850
Reflections from 52 weeks, 52 projects
jeffersonlam
352
21k
Faster Mobile Websites
deanohume
309
31k
Fight the Zombie Pattern Library - RWD Summit 2016
marcelosomers
234
17k
Why You Should Never Use an ORM
jnunemaker
PRO
59
9.5k
Distributed Sagas: A Protocol for Coordinating Microservices
caitiem20
333
22k
Dealing with People You Can't Stand - Big Design 2015
cassininazir
367
27k
Into the Great Unknown - MozCon
thekraken
40
2k
Visualization
eitanlees
148
16k
Designing Experiences People Love
moore
142
24k
No one is an island. Learnings from fostering a developers community.
thoeni
21
3.4k
Site-Speed That Sticks
csswizardry
10
820
Transcript
VR開発現場が考える『楽しい』 メタバースをつくるには? XRミーティング 2024/10/16 #XRMTG 16th, Oct, 2024 OmusBridge OÜ
VR法人HIKKY R.D.Sakamoto
はじめに
会社のレビューを通していないので、本稿はすべて私見です - XRの勉強会ではありますが、本 LTの主題はVRとなります。 - VR法人HIKKY、よく燃えるので燃やさないでください。 今日話す内容は概ね R.D.Sakamotoの私見 に基づく内容です。 HIKKYの見解や意見ではないです。
- “私”がやったような発言をすることがありますが、実際にやってるのは、だいたい ”私の周りのメン バー達”です。皆様に助けられてなんとか生きてます。 - ファクトチェックまわしきれてないです ...お手柔らかに。 - 以下の用語が出てきます。事前のご理解のほど、お願いいたします。 - VR法人HIKKY(HIKKY): 主にバーチャルマーケットを主催している会社 - Vket Cloud: HIKKY開発のWeb VR(メタバース )を作れるゲームエンジン - JavaScript: Webでよく使われるプログラミング言語 - たけのこの里 : きのこの山より美味しい明治のお菓子
自己紹介
エストニア法人社長 兼 VR界隈フロントエンド管理職おじ - HN: R.D.Sakamoto - VRC: GorinumaRiu -
Nuxt 3, TypeScript - 🥃, 🏋, ✈, ♨, 🍖 - OmusBridge OÜ代表 - VR法人HIKKY Web~部部長 - 私、場違いじゃないよね ...??
なにした人?
VRはここにいる皆様よりにわかだけど、Visor買いました! - VRChatでは1ワールドだけ作ったことがある ... - 旧NeosとかVRChatではラジオ体操とか参加してた - バーチャルマーケット 6以降のWebサイトにだいたい関与 -
Web APIとVket Cloudを連携するための社内 JS Libsを開発 - ShopifyとWebメタバースを連携した VR ECシステムを開発 - そして本日 ...
私が開発に参与したプロダクトがプレスリリースに! - LINE Mini AppでVket Cloudを遊べるようになりました! - PR Timesに掲載されています!
主旨
人々に使われ続ける ソフトウェアとは?
「便利」なもの 「楽しい」もの
「便利」なものは確かに使われるが、XRは些か分が悪い... - XRの前提となるデバイスの UXに課題 - 「便利」市場はレッドオーシャン ... - リアルの「生の体験」と、二次元の「利便性 (検索性等)が競合
- 全盲の人は対象外になりがち ... - ソフトウェアとしても、容量と通信速度に課題 - 「エレベーターの前に鏡を置く」ような工夫が必要 - 後述の「楽しい」との掛け合わせには可能性アリ - ゲーミフィケーションなど
一方で、「楽しい」を作るのも難しくなってきた... - XRユーザーが「楽しい」体験をするまでのハードルが高い - 機材、値段、手間がかかる - ゲーム(コンシューマー , スマフォ, PC)やアプリでいいや
... - 「楽しい」のキッカケとなる「面白い」と感じるハードルの向上 - VR・メタバースが珍しいものではなくなった ... - 「楽しい」をつくる、技術的ハードル・容量的制約が厳しい - モデルだけ・ロジックだけでは「楽しい」を作れない - 凝れば凝るだけコストが高くなる - 「負のバイアス」を乗り越える必要がある
それでもやっていく!
Just Do It!
とはいっても難しい... 私も正解はわからん...
でも知見と所感の 共有なら私でも...
知見と所感
1. 「楽しい」と「面白い」
「楽しい」は持続的幸福やリラックス。「面白い」は知的刺激 - ラッセル, J, A(1980)「「楽しい」は「快」でありながら覚醒度が比較的低い感情とし て捉えられる。楽しいという感情は、リラックスした快感に近い」 - ダニエル・ベルリーン (1960)「面白さを感じるのは、新奇性、複雑さ、予測不可能 性といった認知的な刺激があるときであり、これらが知的興奮を引き起こすことで
「面白い」と感じる」 - バーバラ・フレドリクソン (2001)「「楽しい」は一種の持続的な 幸福感やリラックスを生み出す感情だが、「面白い」は新しい 知識やスキルの習得につながる知的な好奇心の刺激を表す」 -
「楽しい」は持続的。「面白い」は瞬間的 - 刺激には慣れがある。これは「面白い」の知的刺激においても同様 - 短期的な流行・バズに「面白い」は有効。 - 人々に使われ続けるための「楽しい」とは別に考えないといけない - 一方で「楽しい」は繰り返しても楽しい! 持続的な「楽しい」をつくろう!
- Ex) ディズニーランド , ゲーム, イベント, 旅行 etc…
2. 「負のバイアス」を和らげる
「負のバイアス」の要因は、減らせるならば減らす - できることなら、「負のバイアス」となる要因は減らせるだけ減らす。 - XRデバイスの軽量化・ワイヤレス化・デザイン - ロード時間の短縮。分割ロードの採用 - グラフィックがチープに見えるなら、ライトやテクスチャなどを改善 -
現実に体験で劣るなら、寄せられる体験は現実に寄せる - ex)「扉」を開くのではなく、テレポーターで空間を移動 →「扉」を開いて遷移するような体験に変更する
「負のバイアス」の要因をリフレーミングする - リフレーミング:ネガティブな出来事を別の角度から見直す技法 - XRデバイスはかっこいい!おしゃれ! - ロード画面ではクリックゲームを導入する - チープなグラフィックだからこそ面白いゲームシステムに! -
現実に体験で劣るなら、その体験を補完する VRならではのストーリーを用意 - ex)「扉」を開くのではなく、テレポーターで空間を移動 →「扉」...??そんなものはこの世界には存在しないのだが ...?? 建物の出入りはテレポーターを 使うのが常識な世界だが?
3. ゲーミフィケーション
「便利」x「楽しい」を実現するゲーミフィケーション - ゲーミフィケーション:ゲームのメカニクス(仕組み)やダイナミクス(動き) を、ゲームとは無関係な領域に適用すること - 教育、フィットネス、ビジネス・マーケティング、プロダクティビティなど、さま ざまな観点で導入されている。 - VRでの研修・トレーニング・学習などの領域にもこうしたゲーミフィケー ションは有用
(例: 飛行訓練や建築デザインなど )。 - 遠隔地でのソーシャルな取り組みにおいても VR x ゲーミ フィケーションを用いて「便利」 x「楽しい」を実現可
参考になれば...
Just Do It!
完