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老舗ものづくり企業でリサーチが変革を起こすまで - 三菱重工DXの実践

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March 13, 2026

老舗ものづくり企業でリサーチが変革を起こすまで - 三菱重工DXの実践

RESEARCH Conference Lightning Talk 2026の登壇資料です。
三菱重工のデジタル組織が、アフターサービスDXを進める中で、事業部・顧客の課題に寄り添い、その解決のために進めた仮説検証(リサーチ)の取組について紹介します。

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March 13, 2026
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Transcript

  1. © Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. All Rights Reserved. 老舗ものづくり企業で リサーチが変革を起こすまで

    - 三菱重工DXの実践 2026/3/13 三菱重工業株式会社 デジタルイノベーション本部 DPI部 SoEグループ エクスペリエンスデザインチーム 上田和明
  2. © Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. All Rights Reserved. 2 ▪

    目 次 1 お伝えしたいこと / お話しないこと 2 三菱重工とは? 3 なぜ三菱重工でリサーチをしたのか? 4 で、どうだった? 5 まとめ
  3. © Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. All Rights Reserved. 3 ▪

    自己紹介 ▪ なまえ 上田 和明 / うえだ かずあき ▪ しごと 顧客接点プロダクトのプロダクトマネージャ 兼 チームマネージャ ▪ あゆみ 2010年 三菱重工に新卒入社 ▪ しゅみ 楽器演奏(テューバ) 航空機サービスエンジニア 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 航空機修理のプロジェクトマネージャ プロダクトマネージャ ✓ 航空機の技術問合せ対応 ✓ トラブルシュート支援 ✓ マニュアル作成 ✓ 故障解析・改善提案 ✓ 航空機定期修理のデリバリマネジメント(予算・納期・品質) ✓ 国家予算折衝 ✓ 工程改善活動(リードタイム半減) ✓ 顧客体験(CX:Customer eXperience)向上 のためのデジタルプロダクトづくり ✓ 2025年度よりチームマネージャ
  4. © Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. All Rights Reserved. 4 ▪

    目 次 1 お伝えしたいこと / お話しないこと 2 三菱重工とは? 3 なぜ三菱重工でリサーチをしたのか? 4 で、どうだった? 5 まとめ
  5. © Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. All Rights Reserved. 5 ▪

    お伝えしたいこと / お話しないこと 三菱重工のデジタルプロダクトづくりにおいて リサーチ※が、どのような役割を果たしたか リサーチの価値を評価する仕掛け 三菱重工でのリサーチのやり方 どのようなリサーチをしているのかの詳細 ▪ お伝えしたいこと ▪ お話しないこと ※:本発表では、事業課題を起点とした顧客理解や、プロトタイプ開発を通じた仮説検証の活動を指す
  6. © Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. All Rights Reserved. 6 ▪

    目 次 1 お伝えしたいこと / お話しないこと 2 三菱重工とは? 3 なぜ三菱重工でリサーチをしたのか? 4 で、どうだった? 5 まとめ
  7. © Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. All Rights Reserved. 8 ▪

    三菱重工のデジタル内製組織の位置づけ 事業部門・事業会社 対応 資源 中規模 事業部門 中規模 事業部門 中規模 事業部門 中規模 事業部門 中規模 事業部門 中規模 事業部門 課題 ビジネスIT IoT AI CRM Service Automation 中規模 事業部門 中規模 事業部門 中規模 事業部門 中規模 事業部門 中規模 事業部門 中規模 事業部門 UX Design Agile DevOps デジタル内製組織 ‘18/1- 事業ドメイン・’20/4- 全社組織 SFA Sales Automation MA Marketing Automation
  8. © Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. All Rights Reserved. 9 ▪

    わたしたちのデジタルプロダクト 拡張機能 UNTEN [機械運転] TANOMI [問合せ] HOJYU [部品購入] SHIRABE [ナレッジベース] SEIBI [作業依頼] HOSYU [機械整備] CGP (Cash Generation Product) Non CGP SAGASU [AIを活用した横断検索] [お客様向けのカスタマーポータル(CP)] TAYORI [ID管理] Web コールセンター チャット お客様 サービス部門 キーワードと質問 による検索 会話型検索 必要な部品を検索して、 すぐに依頼してみよう。 機械の調子がおかしいので、 自分で調べてみよう。
  9. © Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. All Rights Reserved. 10 ▪

    目 次 1 お伝えしたいこと / お話しないこと 2 三菱重工とは? 3 なぜ三菱重工でリサーチをしたのか? 4 で、どうだった? 5 まとめ
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    私たちの活動のあゆみと向き合ってきた課題 活動の あゆみ 2018年1月~ 産業機械系事業ドメインDX部門 ハンズオン型支援組織として立上げ 規模:5名 2020年4月~ CSO傘下 成長戦略推進部門 全社DX推進部門として活動範囲拡大 規模:約15名 2022年7月~現在 CTO傘下 デジタルイノベーション部門 情報システム部門と統合 規模:約70名(2026年2月末) ✓ なにが事業価値に繋がるかわからない問題 ✓ 成功モデルが刺さるか・否か分からない問題 なにを、どのように変えることが、顧客接点をより 良く出来るか、事業部も私たちも分からない 特定事業部での成功モデル/プロダクトが別の事業の 課題解決に寄与するか分からない 向き 合って きた 課題 0→1 phase (特定の事業部との活動) 1→10 phase (複数の事業部へ拡げる活動) ✓ プロダクトの提供価値に向き合うのが難しい問題 活動の結果に向き合い続ける プロダクトによる短期的なアウトプット(機能追加)に目が行きがち
  11. © Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. All Rights Reserved. 12 Episode

    1 Episode 2 ▪なぜ三菱重工でリサーチをしたのか? 0→1 phase (特定の事業部との活動) 1→10 phase (複数の事業部へ拡げる活動) リサーチの結果に 向き合い続ける仕掛け ✓ なにが事業価値に繋がるかわか らない問題 ✓ 成功モデルが刺さるか・否か分 からない問題 ✓ プロダクトの提供価値に向合う のが難しい問題 ▪ わたしたちのプロダクト開発で向き合った課題 Cf. 6C MODEL:DESIGN SCHOOL KOLDING, 2014 事業部と共に課題を深 堀りし、ありたい姿を 描き、アジャイルに創 る (リサーチドリブンな プロダクト開発) 得られたドメインナ レッジを元に、複数の 事業で活用可能な標準 プロダクトを仕立てる
  12. © Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. All Rights Reserved. 13 Episode

    1 ハジメマシテから入るプロジェクト 事業部のココロを掴むには? (プロダクトの導入が目的になりがち) ▪なぜ三菱重工でリサーチをしたのか? 0→1 phase (特定の事業部との活動) 1→10 phase (複数の事業部へ拡げる活動) リサーチの結果に 向き合い続ける仕掛け ✓ なにが事業価値に繋がるかわか らない問題 ✓ 成功モデルが刺さるか・否か分 からない問題 ✓ プロダクトの提供価値に向合う のが難しい問題 ▪ わたしたちのプロダクト開発で向き合った課題 Cf. 6C MODEL:DESIGN SCHOOL KOLDING, 2014 事業部と共に課題を深 堀りし、ありたい姿を 描き、アジャイルに創 る (リサーチドリブンな プロダクト開発) 得られたドメインナ レッジを元に、複数の 事業で活用可能な標準 プロダクトを仕立てる Episode 2
  13. © Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. All Rights Reserved. 14 ▪

    1→10 phase:成功モデルが刺さるか・否か分からない問題 小さな成功を広げていく時に、考えている構造 HOJYU (部品EC) 導入済 A事業部 SEIBI (工事EC) TANOMI (問合せ管理) CP (カスタマポータル) SHIRABE (ナレッジベース) ・・・ 導入済 導入済 導入済 導入済 上記以外の領域 導入済 B事業部 導入済 導入済 (検討中) C事業部 (検討中) (検討中) (検討中) ・・・ X事業部 ①:より広い範囲に価値を届けていく ②:より広い体験範囲に対応していく ③:より深い体験範囲に対応していく ① ② ③
  14. © Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. All Rights Reserved. 15 ▪

    1→10 phase:成功モデルが刺さるか・否か分からない問題 “① より広い範囲に価値を届ける”ためにやっていること ✓ 成功モデルをコピペするのではなく、リサーチを回して、もやみ(ナラティブ)を可視化するところから始める ✓ ありたい姿を実現するピースとして、標準プロダクトを活用する ✓ 共にリサーチを行い、プロダクトを触り、ありたい姿を構想する体験を通じて、新たな事業部のメンバーとも 共創者になることができる 新しい事業部とも、共にリサーチによる探索を実施
  15. © Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. All Rights Reserved. 16 ▪

    1→10 phase:成功モデルが刺さるか・否か分からない問題 “① より広い範囲に価値を届ける”ためにやっていること リサーチを行いながら、事業コンテキストに合わせて標準プロダクトを育てる ✓ MHIは多様な製品群、多様な商流・ビジネスモデルを有している ✓ 様々な事業部と協働し、もやみを理解することで、共通性の見 極め、ありたい姿を実現するために必要な体験を定義し、標準 プロダクトを育てる 商流 直接販売 (販売会社なし) 間接販売 (販売会社あり) A事業部/B事業部 有り サービス 拠点 X事業部 無し C事業部 Y事業部/Z事業部
  16. © Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. All Rights Reserved. 17 Episode

    1 ハジメマシテから入るプロジェクト 事業部のココロを掴むには? (プロダクトの導入が目的になりがち) ▪なぜ三菱重工でリサーチをしたのか? 0→1 phase (特定の事業部との活動) 1→10 phase (複数の事業部へ拡げる活動) リサーチの結果に 向き合い続ける仕掛け ✓ なにが事業価値に繋がるかわか らない問題 ✓ 成功モデルが刺さるか・否か分 からない問題 ✓ プロダクトの提供価値に向合う のが難しい問題 ▪ わたしたちのプロダクト開発で向き合った課題 Cf. 6C MODEL:DESIGN SCHOOL KOLDING, 2014 事業部と共に課題を深 堀りし、ありたい姿を 描き、アジャイルに創 る (リサーチドリブンな プロダクト開発) 得られたドメインナ レッジを元に、複数の 事業で活用可能な標準 プロダクトを仕立てる Episode 2 プロダクトによる短期的なアウト プット(機能追加)では無く、便益に 目を向けるには?
  17. © Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. All Rights Reserved. 18 ▪リサーチの結果に向き合い続ける仕掛け

    同じものを見て、リサーチの結果得られた、ありたい姿に対する評価を行う ✓ リサーチの結果産まれたプロダクトによって得られ る効果を測る指標を決める ✓ 指標の計測結果をダッシュボードで可視化する ✓ 計測結果について、事業部と会話し、考察する時間 を持つ ✓ 計測結果から、事業便益を算出 ✓ どれくらい、業務が楽になったのかなどを、計測結 果から定量評価する 評価の共通言語を決める 計測指標の結果から、事業便益を共に考える 指標 成果 価値 (考え方の一例) プロダクト 利用によって 削減できた 業務時間 利用頻度 ✕ 時間単価 ✕
  18. © Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. All Rights Reserved. 19 ▪

    目 次 1 お伝えしたいこと / お話しないこと 2 三菱重工とは? 3 なぜ三菱重工でリサーチをしたのか? 4 で、どうだった? 5 まとめ
  19. © Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. All Rights Reserved. 20 ✓

    計測指標が継続的に上昇 ✓ デジタル取引率(EC/全取引)の向上 ✓ 顧客チケット起票率の増加 ✓ アクティブユーザー数の増加 ✓ 三菱重工プレスリリースでの活動(一部)公開 ✓ 協働する事業部が増えた ✓ 提供可能な標準プロダクトが増えた ✓ 事業部も標準プロダクトを使って、どのように 顧客価値を高めるかを自律的に考え始めた ▪ で、どうだった? 活動の結果の現在地について https://www.mhi.com/jp/news/25121802.html 協働する事業部・プロダクトの拡がり プロダクトが生み出す事業便益の拡がり
  20. © Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. All Rights Reserved. 21 ▪

    目 次 1 お伝えしたいこと / お話しないこと 2 三菱重工とは? 3 なぜ三菱重工でリサーチをしたのか? 4 で、どうだった? 5 まとめ
  21. © Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. All Rights Reserved. 22 ▪まとめ

    ✓ リサーチのプロセスを着実に回すことが、共創者を増やす上で重要な 役割を果たした ✓ 継続的に事業価値に目が行く仕掛けを設けておく ✓私たちの活動自体を“コト”売りにする
  22. © Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. All Rights Reserved. 24 ✓

    私たち自身が、事業部のナラティブを理解し、解像 度を上げておく ✓ プロダクトオーナーが定期的に集まって、プロダク トビジョンを語り合う ✓ 事業部門との協働を経て得られた気づきを交換し、 私たちが提供する標準プロダクトのありたい姿を アップデートする ▪ 1→10 phase:成功モデルが刺さるか・否か分からない問題 “②③ より広く/深く体験範囲を深化させる”ためにやっている or やろうとしていること CX Vision Mtg (Try) 活動の構造を再定義してチームを編成 カスタマーサクセスチーム 事業に価値を届けるチーム 事業部と共にリサーチを行い 複数の標準プロダクトを組合 せて、ありたい姿を目指す 標準プロダクト開発チーム プロダクトを研ぎ澄ませる チーム 各事業部からのインサイトを 咀嚼し、MHIの標準プロダク トとしてあるべき姿を探索 し、実現する