東京工業大学ロボット技術研究会, 第69回研究報告会(2019年前期)における発表資料です.
Tokyo TechThe Society for the Study of RoboticsThe 69th Conference知能ロボコン出場機体"Kaninchen" の製作2019/7/14yuki (16: @blessingyuki)Team Members:makky (@mmaakkyyii) & kiwi (@nullKiwi)
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目次• はじめに• 知能ロボコンについて• 大会概要• ルール• 製作機体について• 機械設計• 回路・制御• 認識・動作計画• まとめ2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 1
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はじめに• 知能ロボコン2019に参加チーム名: “tty”機体名 : “Kaninchen” (ドイツ語で「兎」)• チーム構成• 機械 :kiwi• 回路制御:makky• 制御情報:yuki2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 3
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大会概要• 知能ロボットコンテスト• 知能ロボットコンテストフェスティバル内の大会• 誰でも参加可能• 第31回大会• 2019年6月15, 16日• スリーエム仙台市科学館(宮城県)• 中高生,高専・大学生,社会人など幅広く参加2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 5http://www.inrof.org/irc/
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ルール• オブジェクトを決められた位置に運ぶ• チャレンジャーコース• 赤・青・黄の3色のボール• 今回出場• マスターズコース• 赤・青・黄の3色のボール• 空き缶• 水入りペットボトル2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 7https://www.dougukan.com/allproducts/baby_product/mball.htm
ルール• 時間制限あり(早くは必ずしも正義ではない)• ロボットは完全自律型• 展開制限なし• 初期機体制限あり• 台数制限なし2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 8
フィールド2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 9第31回ルールブックよりスタート位置ボールがあるエリアボールを入れるゴール(色別)
評価基準• 一次予選• 競技点で評価• 二次予選以降• 競技点• 審査員点• パフォーマンス性• チャレンジ性• 芸術性• スピード感2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 10
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コンセプト•オブジェクトを射出して点を取る• 回収後,運ぶのではなくゴールに投げこむ2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 12https://www.irasutoya.com/2014/07/blog-post_9042.html
システム構成• アクチュエータ• 駆動用モータ x4• RCサーボモータ x2• ソレノイド• センサ• エンコーダ x4• ジャイロセンサ x1• 深度 / カラーカメラ x12019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 13
システム構成2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 14
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メインフレーム• t1.5のアルミ板材2枚と真鍮スペーサで構成• 中央の穴:配線用• 板間にはバッテリを収納2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 16
移動機構• モータ:380(減速比 1:75)• 4輪メカナム(60mm径)• 出力軸にエンコーダ(AMT102-V)2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 17埋め込みナット
移動機構• モータマウントをABS 3Dプリントで製作• 内側の突起がモータの穴を拘束• マウントが弾性を持ち,サスペンションレスで4点接地2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 18
回収機構• アーム2本+受け皿• アームはそれぞれRCサーボモータで駆動• できるだけボールとの接触面積を少なく2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 19
回収機構• 最大の問題:ボールの特性• 柔らかく,摩擦が強い• 転がり接触で解決• 回収アームの両端にベアリングを埋め込み2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 20
回収機構2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 21
射出機構• ソレノイドで駆動• リンクで速度を増幅• 射出角はストッパで調整• 水平方向1m程度2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 22
射出機構2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 23
射出機構2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 24
排障器• ボールの特性上,フレームと地面の間に挟まってしまう• 排障器を取り付け乗り上げ回避• 爪とキーでワンタッチ脱着2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 25
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メインボード• マイコン:STM32F103RCT6• 機能• Jetson TX2からの指令受信 (USB-UART)• モータドライバへの指令• ソレノイドドライバの操作• サーボモータの駆動• ジャイロの受信と姿勢補償2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 27
姿勢補償• 1軸ジャイロセンサ (R1350N) を搭載• フィルタリング済みの値を出力するセンサ• 目標姿勢と推定姿勢の偏差に対しPI補償2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 28
モータドライバ• マイコン:STM32F303K8T6• ドライバ:VNH2SP30(※現在はNRND)• 3相エンコーダ読み取り,外部とのSPI通信が可能2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 29
モータドライバ• モータドライバ自体は汎用設計• 位置,速度,トルク制御可能• 今回はPI補償による速度制御• MATLAB®のSystem Identification Toolbox™で二次系でモデル推定2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 30
ソレノイドドライバ• 100 V に昇圧してソレノイドを駆動• DC/DCコンバータとダイオードチャージポンプ回路の組み合わせ• 出力側にコンデンサ• 820 µF, 180 Vを2つ並列• ファンによる強制空冷2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 31
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処理系Jetson™ TX2 + Carrier Board J120• OS: Linux for Tegra (JetPack 3.3)• ミドルウェア:ROS (Robot Operating System) Kinetic Kame2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 33
シリアル通信• USB 2.0による指令送信 (115,200 bps, 100 Hz)• 一般的なヘッダ-データ-チェックサム構成 (計14 bit)• 送信内容• 目標速度• 目標姿勢• 回収指令• 射出指令2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 34
画像認識• カメラ:RealSense™ d435• 深度画像とカラー画像を取得• 前提:画像取得時,ロボットは静止している2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 35
画像認識OpenCV内の純粋な画像処理のみで認識を実装1. 時間に対する加重平均2. Canny のエッジ(輪郭)検出3. Hough 変換による円形の探索4. 候補点近傍の色相を抽出する5. 得られた色相がボールの色相と合うか判定6. 候補の列挙7. 深度画像から最も近いものを選択2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 36
画像認識2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 37深度輪郭色相結果正しく識別する確率:~90%程度
軌道生成• 速度曲線フィッティング• 移動量と最大速度,最大加速度を与えて算出• サンプリングタイム 10 ms• 生成した軌道をそのまま100 Hz で指令• フィードバックなしで前後移動誤差 0.5%以内2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 38
軌道生成2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 39
ROSによる開発• アプリケーション単位をノードとして構築• ノード間は内部での通信により情報交換可能• 今回は工数の削減のために利用• RealSense™ のAPIが簡単に使える• あくまでも研究開発における試験運用向け• 厳密なリアルタイム性等は期待できない2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 40http://www.ros.org/
統合2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 41
目次• はじめに• 知能ロボコンについて• 大会概要• ルール• 製作機体について• 機械設計• 回路・制御• 認識・動作計画• まとめ2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 42
大会結果について予選敗退です• 大会本番だけ何故かシリアル通信が途切れた• 原因は現在も不明,鋭意究明中• 練習不足感• 余裕を持った開発を• フィールドはちゃんと作って練習しましょう2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 43
知ロボに興味を持たれた方へシンプルな競技テーマに対して,• 様々なアイディアで,• 一人でもチームでも挑戦できます(部内からの)参加者を増やしましょう!(?)2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 44
[重要] 補足情報学位論文執筆期間中のロボコン参加には,相応のリスクと負担が伴います.充分な覚悟を持った上で,計画的に参加するようにしましょう.※1 進捗が計画的に進むことは稀※2 ロボット製作は楽しいので実質息抜きみたいなところが2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 45
謝辞渋谷教育学園幕張中学校・高等学校の中学電気部・高校物理部の皆様には,大会の知見の提供や練習台の貸し出しなど,多くの支援を賜りました.この場を借りて感謝を申し上げます.2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 46
質疑応答• 後から思いついた質問等は,研究報告書(部内限定)をご覧いただくか,製作者へ直接ご連絡ください.2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 47