原発性胆汁性肝硬変 (PBC) 26例, その他の胆道系酵素優位の 肝障害4例を対象にbezafibrateの投与を行い, その有効性と問題 点について検討した. s2-PBC1例を除くすべての症例でALPは bezafibrate投与1カ月後より低下し始め, 3カ月後には36〜78% の低下を認め, その有効性が確認された. また, UDCAの前投与 があった群においても相加的なALPの低下が認められ, 併用療法 が有効と考えられた. しかし, 黄疸を伴う症候性PBC3例中1例は 無効, 他の2例はtransaminaseの上昇を認めており, 投与の是非 は今後の課題と考えられた. さらに, 副作用はほとんどなく安全性 の高い薬剤と報告されているが, 我々の検討では黄疸を伴う症候 性PBC2例を含む6例にtransaminaseの上昇が, 高齢者の1例に 横紋筋融解症が認められ, このような症例においては特に慎重な 投与が必要と考えられた.