Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
日経電子版 プロダクトアウトからの脱却
Search
Taishi Takeichi
February 28, 2019
Technology
10
10k
日経電子版 プロダクトアウトからの脱却
THE GUILD 勉強会 #4 の登壇資料です。(絵文字が化けてますがあとで直します)
Taishi Takeichi
February 28, 2019
Tweet
Share
More Decks by Taishi Takeichi
See All by Taishi Takeichi
プロダクトマネジメントとは[新卒研修]
taishiblue
25
9.3k
日経電子版 レガシーな基礎の上に建つ旅館
taishiblue
15
7.3k
日経電子版 穴のあいたバケツ開発[加筆・修正版]
taishiblue
6
3.7k
日経電子版アプリ 穴のあいたバケツ開発
taishiblue
94
78k
日経電子版アプリが高速化のためにやったこと
taishiblue
16
10k
日経電子版 新聞アプリとしてのUI/UX
taishiblue
13
15k
Other Decks in Technology
See All in Technology
「魔法少女まどか☆マギカ Magia Exedra」のグローバル展開を支える、開発チームと翻訳チームの「意識しない協創」を実現するローカライズシステム
gree_tech
PRO
0
500
自作JSエンジンに推しプロポーザルを実装したい!
sajikix
1
130
Nstockの一人目エンジニアが 3年間かけて向き合ってきた セキュリティのこととこれから〜あれから半年〜
yo41sawada
0
200
まだ間に合う! StrandsとBedrock AgentCoreでAIエージェント構築に入門しよう
minorun365
PRO
11
840
生成AI時代のデータ基盤
shibuiwilliam
4
3.1k
AWS環境のリソース調査を Claude Code で効率化 / aws investigate with cc devio2025
masahirokawahara
2
1.2k
JuniorからSeniorまで: DevOpsエンジニアの成長ロードマップ
yuriemori
2
360
kubellが考える戦略と実行を繋ぐ活用ファーストのデータ分析基盤
kubell_hr
0
130
進捗
ydah
2
230
JavaScript 研修
recruitengineers
PRO
6
1.5k
クラウドセキュリティを支える技術と運用の最前線 / Cutting-edge Technologies and Operations Supporting Cloud Security
yuj1osm
2
270
「魔法少女まどか☆マギカ Magia Exedra」での負荷試験の実践と学び
gree_tech
PRO
0
510
Featured
See All Featured
"I'm Feeling Lucky" - Building Great Search Experiences for Today's Users (#IAC19)
danielanewman
229
22k
Into the Great Unknown - MozCon
thekraken
40
2k
Understanding Cognitive Biases in Performance Measurement
bluesmoon
29
1.9k
What's in a price? How to price your products and services
michaelherold
246
12k
KATA
mclloyd
32
14k
個人開発の失敗を避けるイケてる考え方 / tips for indie hackers
panda_program
111
20k
Docker and Python
trallard
45
3.5k
Optimizing for Happiness
mojombo
379
70k
A better future with KSS
kneath
239
17k
How To Stay Up To Date on Web Technology
chriscoyier
790
250k
The Success of Rails: Ensuring Growth for the Next 100 Years
eileencodes
46
7.6k
GraphQLとの向き合い方2022年版
quramy
49
14k
Transcript
日経電子版 プロダクトアウトからの脱却 日本経済新聞社 武市 大志 2019/02/28
2 自己紹介 武市 大志(Taishi Takeichi) 国内初のFX取引Webアプリなどを開発 日経電子版アプリのリニューアルなど 内製化を推進 現在、日経電子版全体のプロダクトマネージャー
3 日本経済新聞 1867年(明治9年)誕生 当時は「中外物価新報」 紙と電子版、合わせて300万部 世界最大の経済新聞社
4 日経電子版 ✨ 消費者向け有料インターネットサービスの先駆け ✨ 月額4,200円*のサービスで有料会員が60万人超え *紙とセットの場合は、電子版部分は 1,000円。
5 今日お話ししたいこと コンテンツ X テクノロジー 「テクノロジーメディア」への道
6 編集局 コンテンツ作成 デジタル UI/システム開発 完全に分離 組織
7 日経は ”読者のデータ” を持っていなかった 日経 販売店 読者 一部、読者アンケートなどはやっていた
8 読者の行動もわからなかった 誰が読んでいるのか どの記事がどれくらい読まれているか どういう順番で読まれているか どういうきっかけで購読したのか etc...
9 “データ” がないと、プロダクトアウトになる 供給者目線で作るしかない 我々が ”価値判断” をするから、それを読んでくれ プロが価値判断することに、確かに価値はある 「この事象は重要かどうか」プロの意見を聞きたい
10 “価値” は多様化する 情報は、新聞がなくてもネット上に溢れかえっている 多様性の時代、人によって価値は大きく変わる どういう情報が、どういう人に刺さるのか データを元に考える必要も出てきた
11 データを見てみよう いつ、 どんな人が、 どこから、 どうやって、 どれくらい、 読んだか
12 データを見てみよう 「Data Squad」 記事の読まれ方可視化ツールを内製 編集局に提供 オフィスのディスプレイに表示
13 データを見てみよう 編集局に「数字を気にする」習慣を デジタルから、毎日毎日数字や傾向をレポート 編集局の意図と異なる結果も、臆さずレポート
14 データを見てみよう Financial Times を買収 編集局がデータを見る文化 コンテンツマーケティングの文化 日経⇆FT間で交流もあり、 その影響も大きい
15 なんでこの記事、読まれないんだ? ❓ イチ押しコンテンツなのに ❓ 読んだらおもしろいはずなのに 「見せ方」の問題かも 見出しが悪い?サムネイル画像が悪い?
16 見出しのA/Bテスト ⚖ Facebook広告を使って、手軽にテスト システム開発せずに実現できる ⚖ 見出しを変えた複数パターンを走らせて、 クリック率を比較 https://note.mu/taishiblue/n/n31891d76f8d1
17 見出しのA/Bテスト A お盆休み、Uターンラッシュがピークに B 渋滞40キロも お盆休み、Uターンラッシュがピークに https://note.mu/taishiblue/n/n31891d76f8d1
18 見出しのA/Bテスト A お盆休み、Uターンラッシュがピークに B 渋滞40キロも お盆休み、Uターンラッシュがピークに Bの勝ち、クリック率1.8倍! https://note.mu/taishiblue/n/n31891d76f8d1
19 見出しのA/Bテスト A 世界220工場に通報制度 ユニクロ、労働環境を改善 B ユニクロ、世界220工場に通報制度 労働環境を改善 https://note.mu/taishiblue/n/n31891d76f8d1
20 見出しのA/Bテスト A 世界220工場に通報制度 ユニクロ、労働環境を改善 B ユニクロ、世界220工場に通報制度 労働環境を改善 Bの勝ち、クリック率1.6倍! https://note.mu/taishiblue/n/n31891d76f8d1
21 サムネイル画像のA/Bテスト https://note.mu/taishiblue/n/n31891d76f8d1 A B
22 サムネイル画像のA/Bテスト https://note.mu/taishiblue/n/n31891d76f8d1 A B Bの勝ち、クリック率1.3倍!
23 サムネイル画像のA/Bテスト https://note.mu/taishiblue/n/n31891d76f8d1 A B
24 サムネイル画像のA/Bテスト https://note.mu/taishiblue/n/n31891d76f8d1 A B 引き分け
25 ユーザーが「一瞬」で判断できるか ❓ 何について書かれた記事なのか ❓ それは自分が読みたい記事なのか ユーザーの脳内負荷を下げてあげる必要がある
26 新聞の見出し 見出しと本文がセットで目に入る 見出しでそこまでピンと来なくても そのまま読み始めることができる
27 Webの見出し 見出しとサムネイルだけで、 読むかどうかを決める 脳内負荷を下げてあげることが大事 釣り見出しは長期的に逆効果
28 埋もれている有望な記事に光を トップ画面に出ていないが、 地味にシェアされている記事 テーマ的に興味関心を引きそうな記事(例「働き方」 デジタルの人間が編集局の現場でリアルタイムに提案
29 見せ方だけでなく、コンテンツ自体も 新聞に馴染みがないユーザーが、 有料の価値を感じるコンテンツとは 「連載形式」 「興味のあるテーマ」 「他では読めないクオリティ」
30 A/Bテストしてみよう 新コーナー「ストーリー」 テーマを絞って、連載形式で 取材力・描写力を活かして 人や企業の物語を書きおろす ⚖ ストーリータブのあり/なしでテスト
31 A/Bテストしてみよう ライトユーザーの底上げ、 新規獲得増の効果があった 2018/12/20から全面採用
32 編集局 コンテンツ作成 デジタル UI/システム開発 完全に分離
33 編集局 コンテンツ作成 デジタル UI/システム開発
34 ありがとうございました。