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日経電子版 プロダクトアウトからの脱却

日経電子版 プロダクトアウトからの脱却

THE GUILD 勉強会 #4 の登壇資料です。(絵文字が化けてますがあとで直します)

Taishi Takeichi

February 28, 2019
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Transcript

  1. 日経電子版
    プロダクトアウトからの脱却
    日本経済新聞社 武市 大志
    2019/02/28

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  2. 2
    自己紹介
    武市 大志(Taishi Takeichi)
    国内初のFX取引Webアプリなどを開発
    日経電子版アプリのリニューアルなど
    内製化を推進
    現在、日経電子版全体のプロダクトマネージャー

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  3. 3
    日本経済新聞
    1867年(明治9年)誕生
     当時は「中外物価新報」
    紙と電子版、合わせて300万部
      世界最大の経済新聞社

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  4. 4
    日経電子版
    ✨ 消費者向け有料インターネットサービスの先駆け
    ✨ 月額4,200円*のサービスで有料会員が60万人超え
    *紙とセットの場合は、電子版部分は 1,000円。

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  5. 5
    今日お話ししたいこと
    コンテンツ X テクノロジー
    「テクノロジーメディア」への道

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  6. 6
    編集局
    コンテンツ作成
    デジタル
    UI/システム開発
    完全に分離
    組織

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  7. 7
    日経は ”読者のデータ” を持っていなかった

    日経 販売店 読者
    一部、読者アンケートなどはやっていた

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  8. 8
    読者の行動もわからなかった
    誰が読んでいるのか
    どの記事がどれくらい読まれているか
    どういう順番で読まれているか
    どういうきっかけで購読したのか
    etc...

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  9. 9
    “データ” がないと、プロダクトアウトになる
    供給者目線で作るしかない
    我々が ”価値判断” をするから、それを読んでくれ
    プロが価値判断することに、確かに価値はある
    「この事象は重要かどうか」プロの意見を聞きたい

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  10. 10
    “価値” は多様化する
    情報は、新聞がなくてもネット上に溢れかえっている
    多様性の時代、人によって価値は大きく変わる
    どういう情報が、どういう人に刺さるのか
    データを元に考える必要も出てきた

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  11. 11
    データを見てみよう
    いつ、
    どんな人が、
    どこから、
    どうやって、
    どれくらい、
     読んだか

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  12. 12
    データを見てみよう
    「Data Squad」
      記事の読まれ方可視化ツールを内製
    編集局に提供
    オフィスのディスプレイに表示
     

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  13. 13
    データを見てみよう
    編集局に「数字を気にする」習慣を
    デジタルから、毎日毎日数字や傾向をレポート
    編集局の意図と異なる結果も、臆さずレポート

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  14. 14
    データを見てみよう
    Financial Times を買収
    編集局がデータを見る文化
    コンテンツマーケティングの文化
    日経⇆FT間で交流もあり、
      その影響も大きい

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  15. 15
    なんでこの記事、読まれないんだ?
    ❓ イチ押しコンテンツなのに
    ❓ 読んだらおもしろいはずなのに
    「見せ方」の問題かも
    見出しが悪い?サムネイル画像が悪い?

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  16. 16
    見出しのA/Bテスト
    ⚖ Facebook広告を使って、手軽にテスト
     システム開発せずに実現できる
    ⚖ 見出しを変えた複数パターンを走らせて、
     クリック率を比較
    https://note.mu/taishiblue/n/n31891d76f8d1

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  17. 17
    見出しのA/Bテスト
    A お盆休み、Uターンラッシュがピークに
    B 渋滞40キロも お盆休み、Uターンラッシュがピークに
    https://note.mu/taishiblue/n/n31891d76f8d1

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  18. 18
    見出しのA/Bテスト
    A お盆休み、Uターンラッシュがピークに
    B 渋滞40キロも お盆休み、Uターンラッシュがピークに
    Bの勝ち、クリック率1.8倍!
    https://note.mu/taishiblue/n/n31891d76f8d1

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  19. 19
    見出しのA/Bテスト
    A 世界220工場に通報制度 ユニクロ、労働環境を改善
    B ユニクロ、世界220工場に通報制度 労働環境を改善
    https://note.mu/taishiblue/n/n31891d76f8d1

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  20. 20
    見出しのA/Bテスト
    A 世界220工場に通報制度 ユニクロ、労働環境を改善
    B ユニクロ、世界220工場に通報制度 労働環境を改善
    Bの勝ち、クリック率1.6倍!
    https://note.mu/taishiblue/n/n31891d76f8d1

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  21. 21
    サムネイル画像のA/Bテスト
    https://note.mu/taishiblue/n/n31891d76f8d1
    A B

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  22. 22
    サムネイル画像のA/Bテスト
    https://note.mu/taishiblue/n/n31891d76f8d1
    A B
    Bの勝ち、クリック率1.3倍!

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  23. 23
    サムネイル画像のA/Bテスト
    https://note.mu/taishiblue/n/n31891d76f8d1
    A B

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  24. 24
    サムネイル画像のA/Bテスト
    https://note.mu/taishiblue/n/n31891d76f8d1
    A B
    引き分け

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  25. 25
    ユーザーが「一瞬」で判断できるか
    ❓ 何について書かれた記事なのか
    ❓ それは自分が読みたい記事なのか
    ユーザーの脳内負荷を下げてあげる必要がある

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  26. 26
    新聞の見出し
    見出しと本文がセットで目に入る
    見出しでそこまでピンと来なくても
      そのまま読み始めることができる

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  27. 27
    Webの見出し
    見出しとサムネイルだけで、
     読むかどうかを決める
    脳内負荷を下げてあげることが大事
    釣り見出しは長期的に逆効果

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  28. 28
    埋もれている有望な記事に光を
    トップ画面に出ていないが、
      地味にシェアされている記事
    テーマ的に興味関心を引きそうな記事(例「働き方」
    デジタルの人間が編集局の現場でリアルタイムに提案

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  29. 29
    見せ方だけでなく、コンテンツ自体も
    新聞に馴染みがないユーザーが、
      有料の価値を感じるコンテンツとは
    「連載形式」
      「興味のあるテーマ」
      「他では読めないクオリティ」

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  30. 30
    A/Bテストしてみよう
    新コーナー「ストーリー」
    テーマを絞って、連載形式で
    取材力・描写力を活かして
      人や企業の物語を書きおろす
    ⚖ ストーリータブのあり/なしでテスト

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  31. 31
    A/Bテストしてみよう
    ライトユーザーの底上げ、
     新規獲得増の効果があった
    2018/12/20から全面採用

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  32. 32
    編集局
    コンテンツ作成
    デジタル
    UI/システム開発
    完全に分離

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  33. 33
    編集局
    コンテンツ作成
    デジタル
    UI/システム開発

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  34. 34
    ありがとうございました。

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