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開発チームの中心で心理的安全性をつくる、UXデザイナーの問いかけ方

 開発チームの中心で心理的安全性をつくる、UXデザイナーの問いかけ方

Desginship2024 (2024/10/12)の登壇資料です。

Takuto Yonemichi

October 12, 2024
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Transcript

  1. 公開情報 2 KDDI Agile Development Center Corporation 自己紹介 米道 卓音(よねみち

    たくと) KDDIアジャイル開発センター サービスデザイナー HCD-Net認定 人間中心設計スペシャリスト 自動車メーカーに新卒入社しエンジニア、PM職を経験。その後 UXデザイナーへ転身しデザインエンジニアチーム立ち上げと新 規サービス設計に貢献する。 2023年KDDIアジャイル開発センターに入社。生成AI自社プロ ダクトのUXデザインやクライアント向け新規事業サービスデザ イン、デザイン思考教育プログラムなどを手掛ける。 多様な関係者をデザイン思考やアジャイルの精神で繋ぎ、共創 することに情熱を持つ。 X/Qiita: @ynmc0214
  2. 公開情報 3 KDDI Agile Development Center Corporation What’s KAG? 約10年間“アジャイル開発”にこだわり続けてきたDX専業のエンジニア集団

    2022年にKDDI本体からスピンアウトする形で新会社設立 公式ゆるキャラ「カグカグ」です!
  3. 公開情報 4 KDDI Agile Development Center Corporation auでんき 様 月間130万人以上のお客さまにご利用いただく人気アプリとして成長した今も

    スクラ ムを活 かし、 新機能 を日々 リリー スして います。また、auでんきアプリを ホワイトレーベル化し、パートナー企業に提供。当該パートナー企業のお客さ まのロイヤリティ向上にも寄与しています。 UI/UX 複数スクラム ネイティブアプリ シチズン様のデジタルヘルスケア新規事業として アプリ開発支援と内製化を支援 シチズン時計株式会社 様 シチズン様の医療・ヘルスケア分野における、デジタルヘルスケア領域の新規 事業およびグループ横断プロジェクトとして、シチズン様の各種健康機器と連 携する「Health Scan」アプリの開発と内製化支援を行いました。 UI/UX ネイティブアプリ 内製化支援 エンジニア育成 内製化支援 DevOps アジャイルサービス開発事例 auでんきサービスの300万の契約者向けアプリを 当初から複数チームによる大規模スクラムで開発
  4. 公開情報 5 KDDI Agile Development Center Corporation Our mission デザインは戦略を具体化する

    ユーザー体験を構成するために欠かすことので きない段階として、「戦略」「要件」「構造」 「骨格」「表層」があります。 我々はこれらの階層をいったりきたりしながら 検討を深めることで、抽象的な戦略を具体化し、 ユーザーに求められるサービスとして磨き上げ ています。 UXの5段階モデル Jesse James Garret
  5. 公開情報 6 KDDI Agile Development Center Corporation Our Jobs ✓

    価値探索 (デザインスプリント) ✓ アジャイル開発 ✓ デザイン思考体験ワークショップ ✓ etc E社様 サービスデザインワークショップ実施事例
  6. 公開情報 9 KDDI Agile Development Center Corporation 前提:心理的安全性 "A shared

    belief held by members of a team that the team is safe for interpersonal risk taking." (このチーム内では、対人関係上のリスクをとったとしても安心できるという共通の思い) 心理的安全性*: • 一朝一夕にできあがるものではなく、日々の試行錯誤の積み重ね • 今日の事例も”銀の弾丸”にはならない • KAGでは全ロールが、日々、心理的安全なチーム・会社文化を作るべく活動しています 「言った方がいいけど、正直に言いづらいなあ」 がなくなる状態 本セッションでは: *Edmondson (1999) Administrative Science Quarterly. 44(2)
  7. 公開情報 10 KDDI Agile Development Center Corporation 事例:なぜなぜ分析 • 自社AIチャットの開発作業で「ヒヤリ」が発生

    • 再発防止のため原因分析を開発チームで実施 Azure OpenAI Service(生成AI標準プラン) https://biz.kddi.com/service/ms-azure/open-ai/
  8. 公開情報 11 KDDI Agile Development Center Corporation 事例:なぜなぜ分析 • 自社AIチャットの開発作業で「ヒヤリ」が発生

    • 再発防止のため原因分析を開発チームで実施 Azure OpenAI Service(生成AI標準プラン) https://biz.kddi.com/service/ms-azure/open-ai/ PO 先日の原因分析をやりましょう チームにピリッとした緊張感が漂う ✓ チーム全員、「やる時はやる」まじめ集団 ✓ 普段はなんでも言い合えるチームだが、 きちんと振り返りたい誠意が、当事者への圧力にならないか?
  9. 公開情報 12 KDDI Agile Development Center Corporation 事例:なぜなぜ分析 • 自社AIチャットの開発作業で「ヒヤリ」が発生

    • 再発防止のため原因分析を開発チームで実施 Azure OpenAI Service(生成AI標準プラン) https://biz.kddi.com/service/ms-azure/open-ai/ PO 先日の原因分析をやりましょう 米道 チームにピリッとした緊張感が漂う ✓ チーム全員、「やる時はやる」まじめ集団 ✓ 普段はなんでも言い合えるチームだが、 きちんと振り返りたい誠意が、当事者への圧力にならないか? その前にちょっとだけお話しさせて
  10. 公開情報 14 KDDI Agile Development Center Corporation 「なぜ」の作用 「なぜ」の副作用 ✓

    回答に論理性、合理性を暗に求める ✓ 答える人は説明責任を感じる ✓ 問う側は文脈に応じて簡単に具体化、抽象化ができる • 具体化:もっと詳しくいうと? • 抽象化:それってつまりどういうこと? 正しいこと、あるべきこと から外れた発言がしづらくなる 結果、発言者の保身を促し、真の原因発掘から遠ざかってしまう
  11. 公開情報 15 KDDI Agile Development Center Corporation WHATに変換 「その仕様にした決め手は何だったの?」 HOWに変換

    「どういう経緯でその仕様に至ったの?」 WHATに変換 「何があなたにルール破りを強いたの?」 WHEREに変換 「ルールのどういうところが守りづらかったの?」 「なぜ」を「WHY」以外の4W1Hに言い換えよう! 言い方を変えることで、文の焦点が人ではなくモノ・コトにあたります 「なぜその仕様になったの?」 「なぜルールを破ったの? 」
  12. 公開情報 16 KDDI Agile Development Center Corporation 4W1Hに 言い換える作用 4W1Hに

    言い換える副作用 ✓ 明確な結論がすぐに出てこないこともある (しっかり聞いて、チームで議論!) ✓ 原因や理由を仕組みに向けられる ✓ 話し手のプレッシャーを軽減できる ✓ ありのままの背景や経緯が話しやすくなる 元々はユーザーインタビューで情報を引き出すテクニック! 「理由の説明」から解放され、ありのままに話しやすくなります
  13. 公開情報 17 KDDI Agile Development Center Corporation 大事なポイント • このテクニックを使うよりも先に、心理的に安全な組織を作り維持することが大切

    • 結局は、傾聴する姿勢を持つことが必要。これがないと「嫌味な言い方で詰めてくる人」になります
  14. 公開情報 18 KDDI Agile Development Center Corporation 実際に「なぜ」を言い換えて原因分析をやった結果 • 当事者の

    良い/悪い の判断は保留し、 事実・実感をチームでシェアできた • 仕組みに目を向けた原因特定、再発防止 策の策定にたどり着けた 経緯や思い を深掘り その他、プロセス上 の不備を発掘
  15. 公開情報 20 KDDI Agile Development Center Corporation お話ししましょう! • レビューや問いかけについて

    • アジャイル開発やサービスデザインについて • その他どんなことでも 話しきれなかった詳細はこちらのQiitaに書いています!
  16. 公開情報 21 KDDI Agile Development Center Corporation 明日、ワークショップを行います! • 自社開発の生成AIプロダクトを用いてサービス

    デザインのプロセスを体験いただきます • 生成AI×デザインを肌で感じていただける プログラムを用意していますー!!