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20分で早まくり 生成AI活用の基本ツールと重要基礎概念
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尾白達彦_Tatsuhiko Ojiro
May 21, 2026
Business
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20分で早まくり 生成AI活用の基本ツールと重要基礎概念
昨日実施された、第二東京弁護士会でのAI研修で使用したスライドです。
尾白達彦_Tatsuhiko Ojiro
May 21, 2026
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Transcript
第 二 東 京 弁 護 士 会 A I
研 修 / 基 調 講 演 20分で早まくり 生成AI活用の基本ツールと 重要基礎概念 尾白達彦 2026年5月20日 1
自己紹介 自己紹介 • 尾白 達彦(74期・インハウス) • 第二東京弁護士会 弁護士業務センター委員 デジタル部会所属 •
2024年7月、Claude 3.5 Sonnet をきっかけに生成AIに没頭 • 業務利用に加え、生成AIを使ったシステム開発も実施 • 直近では法令検索専用AIチャット等を開発中 2
序 「生成AI活用に出遅れた」と感じていませんか? • 「進化が早くて追いつけない」と感じている方も少なくないはず • 結論:追いつけます 3
序 確かに「先行者利益」は存在する • Anthropic公表の調査(2026年3月) • 過去6ヶ月以上前からClaudeを利用しているユーザーは 会話の成功率が約10%高い → 経験値の蓄積による先行者利益は確かに存在する 4
出典: Anthropic, “Anthropic Economic Index report: Learning curves” (2026年3月) https://www.anthropic.com/research/economic-index-march-2026-report
序 では、追いつくのに6ヶ月必要か? • No. • 生成AIの進化・進歩のスピードは非常に速い →6ヶ月前の常識が、今でも通用するわけではない • 必要なのは「今、現時点での最適解」を理解すること •
これまでの歴史をすべてインプットする必要はない 5
序 ツールがユーザーフレンドリーに進化している • 例:Claude Code ◦ 2025年6月時点 — 高性能だが扱いにくく、バグも多かった ◦
エンジニア以外はほとんど手を出していなかった ◦ 現在 — 使い手にやさしい機能が増え、士業層にも普及しはじめている 6 参考: Claude Code (Anthropic) https://www.anthropic.com/product/claude-code
序 大切なのは「基礎概念」+「最新ベストプラクティス」 • 時代が変わっても重要であり続ける基礎概念を理解する • その上で、最新のベストプラクティスを追う ▶ 仕事をしながら → 約1ヶ月
▶ 集中すれば → 1〜2週間で最先端に追いつける 7
序 本日の基調講演で扱うこと ① 今、選ぶべき 基本ツール ② 時代が進歩しても変わらない 重要基礎概念 8
基本ツール 基本ツール 9
基本ツール 推奨:ChatGPT GPT-5.5 Pro / Thinking • 汎用用途(リサーチ・ブレスト・文書レビュー)で最も優れた回答 • 推奨の決め手は「自律性(エージェント性能)の高さ」
10
基本ツール 「自律性」とは何か • ユーザーの意図を汲み、その裏にある動機まで推し量る • 期待に応えるために自ら計画を立て、タスクを遂行する • 過程で軌道修正まで行う 旧来モデルは「言われたことしかしない」気の利かなさだった 11
基本ツール 例えるなら「アソシエイト弁護士」の進化 12
基本ツール 例えるなら「アソシエイト弁護士」の進化 BEFORE 気が利かないアソシエイト = 旧来の生成AI • ボスから言われた論点のみ検討 • 他の論点があっても気づかない
• 抜け漏れが発生しがち AFTER 気が利くアソシエイト = 最新の生成AI • 法律相談で得た情報から能動的に他の 論点を探す • 指示に抜けがあれば適切に問題提起 • 検討漏れを防ぐ 13
基本ツール 自律性が高い → ハルシネーションも減る • ハルシネーション = 生成AIが不正確な回答をしてしまう現象 • 原因の一つは、自分の知識だけで回答しようとする「怠け癖」
• 自律性が高い = リサーチで積極的に裏取りをする → 結果として、回答の正確性が向上する 14
基本ツール GPT-5.5 Pro / Thinking は「真面目で謙虚」 • 自分の事前知識を信頼していないかのような振る舞い • だからこそ、積極的にWebリサーチを行う
• それでも、ハルシネーションが起きるなら、原因はWeb情報側の不正確さに よる部分が大きい可能性が高い 15
基本ツール 注意点 ① 料金プラン • GPT-5.5 Thinking → ChatGPT 有料プラン(月3,000円〜)
• GPT-5.5 Pro → ChatGPT Pro(月16,800円) • 現状最高峰モデルを使い倒せると思えば妥当かも? • 無料版のInstantは性能控えめ(Claude / Gemini に劣る?) 16
基本ツール 代表的な生成AIモデルの性能比較ベンチマーク ※ GPT-5.5 (high)がThinkingに相当。GPT-5.5 (Non-reasoning)がInstantに相当。 17 参考: Artificial Analysis
https://artificialanalysis.ai/?models=gpt-5-5-high%2Cgpt-5-5-non-reasoning%2Cgemini-3-1-pro-preview%2Cclaude-opus-4-7-non- reasoning%2Cclaude-opus-4-7%2Cclaude-sonnet-4-6-non-reasoning-low-effort%2Cclaude-opus-4-6
基本ツール 注意点 ② 公式サイト以外で使う場合 • GPT-5.5 は外部サービス(M365 Copilot、GenSpark等)でも利用可 能 •
ただし公式サイトより性能が抑えられる場合がある • 例外:GPT-5.5 Think Deeper(M365 Copilot)は公式に比肩 → Copilotで使えるなら、ChatGPT課金の必要性は低いかも 18
基本ツール 他ツールとの比較 Claude Anthropic • 人に読ませる文章生成が 得意(インハウス哲学者の おかげ?) • 自律性はGPT-5.5には
劣るがスマートな印象 • PowerPoint生成のクオ リティが高い(公式Skillの 設計の良さのおかげ) Gemini Google • Google Workspace と の情報連携が強い(らし い) • YouTube の URL から 字幕に合法的にアクセスし て、動画の要約を手軽に 生成させられる Grok xAI • X (旧Twitter)のポスト にアクセスできる唯一の 生成AI • OpenClaw や Hermes Agentと接続することに より、サブスクリプション の範囲内でXのポストを自 動収集できるように(New!) 19
基本ツール 小括 — 基本ツールの選び方 • 今日時点の最適解は GPT-5.5 Pro / Thinking
• ただし最適解は時々で変動する(サーバー不調等) • 常に最新トピックを追い続けるのが大変であれば、 打率重視で、まずは GPT-5.5 Pro / Thinking(あるいはそれらの後継 モデル) 20
重要基礎概念 重要な基礎概念 21
重要基礎概念 本パートで扱う2つの概念 ① プロンプトエンジニアリング ② コンテキストエンジニアリング 22
重要基礎概念—プロンプトエンジニアリング プロンプトエンジニアリングとは • プロンプト = ユーザーが入力する指示文 • プロンプトエンジニアリング = プロンプトを工夫してより良い出力を得る取り組み
• 呼称を知らなくても、書き方に悩んできた方は多いはず 23
重要基礎概念—プロンプトエンジニアリング 今、プロンプトに肩肘張る必要は薄い • 最新の生成AIは自律性が高く、下手なプロンプトでも意を汲んでくれる • 逆に細かい指示は、AIの自律性を制限してしまう • 人間に対する「マイクロマネジメント問題」と同じ構図 24
重要基礎概念—プロンプトエンジニアリング OpenAI公式プロンプティングガイドより 「短く、成果物・到達点を先に示すプロンプトは、手順を重く積み上げたプロンプト群よりも、 通常うまく機能する」 「評価を通過する最小のプロンプトから始め、実測された失敗モードを修正する場合に限っ てブロックを追加する」 → 最小限のプロンプトから始め、トライ&エラーで改善していくのがベスト 25 出典:
OpenAI, “Prompt guidance (GPT-5.5)” https://developers.openai.com/api/docs/guides/prompt-guidance?model=gpt-5.5
重要基礎概念—プロンプトエンジニアリング それでも長文プロンプトが必要な場面 • 自律性の低いモデルを使う場合 • 生成AIに不慣れな第三者にプロンプトを使わせる場合 → 生成AIの動きをプロンプトで強めにコントロールする必要がある 26
重要基礎概念—コンテキストエンジニアリング コンテキストエンジニアリング • コンテキスト = 生成AIの「記憶」 • その記憶をどうコントロールするかを考える概念 • 1年ほど前からエンジニア界隈で議論が活発化
• 今年に入ってから、専門の書籍が発売され、NBL含む多くの雑誌での記事で 言及されるほどホット 27
門永真紀・片山いずみ「AI時代 のナレッジマネジメント」NBL 1313(2026.5.1)号8頁 重要基礎概念—コンテキストエンジニアリング Software Design 2026年6月号ED-1頁 蒲生弘郷「LLMの原理、RAG・ エージェント開発から読み解く コンテキストエンジニアリング」
重要基礎概念—コンテキストエンジニアリング 生成AIの「記憶」には2種類ある 長期記憶 Long-Term Memory • 生成AIが事前学習している知識 • 覚えるには大量の情報のインプットと、 サーバー上での長時間学習が必要
短期記憶 Short-Term Memory(コンテキスト) • ユーザーが入力したプロンプト・添付ファイ ル・Web検索結果 • 覚えるのは簡単だが、容量に上限がある • この上限を「コンテキストウィンドウ」と呼ぶ 29 ※ 「長期記憶」や「短期記憶」は生成AIにとっての正確な用語法ではなく、あくまで比喩です
重要基礎概念—コンテキストエンジニアリング コンテキストウィンドウを超えると… • ハルシネーションが発生しやすくなる ◦ 人間に「判例100件を読ませて即質問攻め」をするのと同じで、 記憶の混濁のようなことが起きる • 生成AIの動作も重くなる 30
重要基礎概念—コンテキストエンジニアリング 実践アドバイス • コンテキストウィンドウは基本的に可視化されない ◦ 例外:Codex App や Claude Code
等のツールには可視化機能あり • 返答が重くなったら危険信号。 会話を続けず、文脈を引き継いで新しい会話を始めるべき • 原則:必要十分な情報のみをインプットする 31
重要基礎概念—コンテキストエンジニアリング それでも大量の文章を読ませたいときは・・・・・・ • 一番簡単な解決策は Google の NotebookLM • 強み① ロングコンテキスト(100万トークン)
ChatGPTの公式サイトから使えるGPT-5.5は40万トークン(多分) • 強み② ソースグラウンディング ◦ 図書館のように情報をしまい、必要に応じて参照する仕組み(多分) • ソースグラウンディングには弱点もあるが、無料で使えるのは破格 32 出典: Google Blog “Chat in NotebookLM” (2025/10) https://blog.google/technology/google-labs/notebooklm-custom-personas-engine-upgrade/ | OpenAI, “GPT-5.5 Model” https://developers.openai.com/api/docs/models/gpt-5.5
重要基礎概念—コンテキストエンジニアリング コンテキストエンジニアリングの考え方 • 「生成AIには、多くの情報を与えれば与えるほど賢くなる」と思われがち → 必ずしもそうではない • 原則:必要十分な情報のみをインプットすることを意識する • その他に
サブエージェントやSkills 等の手法もあるが、本日は割愛 33
まとめ — 生成AI活用を推進するために 跋 鍵は「生成AIに何ができて、何ができないか」を把握すること。把握できれば、業務への活用方法が見えてくる。 できること 使いたいこと 出力を作る 情報を整理する 別形式に変換する
選択肢を広げる 作業時間を減らす 属人差を減らす 初稿を速く作る 考える材料を増やす 活用法を発見 どの業務で どの能力を どの成果につなげるか 仮説化 検証 改善
跋