Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

AI立国論(2026年9月)

Avatar for 小林慎和 小林慎和
September 19, 2026

 AI立国論(2026年9月)

Avatar for 小林慎和

小林慎和

September 19, 2026

More Decks by 小林慎和

Other Decks in Business

Transcript

  1. 02 構造 歴史は三度、同じ負け方をした 第一波 第二波 第三波 日米貿易摩擦 金融ビッグバン クラウド →

    → 争点:モノ 争点:カネ 争点:データ 工場と雇用が海外へ 取引がNY・シンガポールへ DCと利益が米国へ そしていま、四度目 ̶̶ AI。
  2. 03 第一波・モノ 日米貿易摩擦 1980 ‒ 1989 ▶ 工場を日本から米国へ。雇用も生産も、国外に置いた。 500 億ドル

    差し出したもの 「作る場所」 ≈ 当時 約12兆円(1985年平均 約238円/ドル) 米国の対日貿易赤字(1985年) → プラザ合意の引き金に かつて日本が「稼ぎすぎ」て揉めた黒字。モノの貿易で、日本は勝者だった。
  3. 04 第二波・カネ 金融ビッグバン 1996 ‒ 2001 ▶ 勝者はニューヨークとシンガポール。取引そのものを、自国センターに集約した。 ニューヨーク シンガポール

    東京 世界 1位 745 世界 4位 税制・専門サービスで首位級 世界 18位 ようやくトップ20に再浮上 勝敗を決めたのは、取引の「量」をどこに集めたか。 質ではなく、集積 ̶̶ これがAIの伏線になる。 出典:Global Financial Centres Index 38(2025年9月)
  4. 06 代償 デジタル赤字 6.7 約 12 倍 兆円 いまのモノの貿易赤字(2025年 約

    0.57兆円)との比 海外ITサービスへの年間支払超過(2025年) かつて日本は「モノ」で稼ぎすぎて揉めた。いまは「モノ」の赤字は小さく、「デジタル」で黙 って一桁多く払っている ̶̶ 立場は逆転した。 出典:総務省 情報通信白書/三菱総研(2025年 デジタル関連収支)。※4枚目の12兆円は1985年・日本の黒字side、こちらは2025年・日本の赤字side。
  5. 07 構造の見取り図 AIは、7つの層でできている 上の層ほど目立つが、価値の源泉は下の層。日本が取りに行くのは、最下層の2つ。 目立つ層 アプリ 米国が席巻 AIモデル 囲い込み進む (米国が占有)

    プラットフォーム 米国が席巻 価 値 セキュリティ 価値の源泉 (日本の主戦場) ネットワーク 上位モデル保有者が優位 の 源 米国が席巻 データセンター ★ ここを国内に取る 発電 ★ 100GWの主戦場 泉
  6. 10 手段 必要なのは、桁 100 GW 約 50 兆円 発電+DCの“器”を整備する国家投資 (10年・年5兆円規模)

    級の発電と、その上のデータセンターを国内に確保する A インフラを取りにいく B 勝てるモデルを開発する 50兆円で発電・DCを国内に。 同じ資金でOpenAI/Claude超えを狙う。 作れば必ず“計算の量”が積み上がる。 勝てる保証はどこにもない。 50兆円かけて世界に勝てるモデルを開発するのと、50兆円でインフラを取りにいくのと ̶̶ どちら が「確実」か。 ※米国は一社で10GW級DCを積む時代(オハイオ)。国の桁は100GW。DC完全体(GPU込)は民間・海外調達が担い、国は最下層の器を持つ。総発電 約300GWとは別枠。
  7. 11 財源 新税ではなく、「付け替え」+制度化 毎年6.7兆円の“流出”を、国内の計算基盤への“投資”に振り替える。 01 02 03 DST 観光税 関税

    デジタルサービス税 訪日外国人料金の適正化 通商政策との連動 入国・観光課金の見直しで恒常財源化 デジタル・通商の枠組みの中で確保 日本は主要国で唯一未導入。仏は売上 3%。既に25カ国超が導入済み 出典:DST導入状況=PwC / 経産省ほか(2025)。日本は消費税のプラットフォーム課税を2025年4月開始済み。
  8. 12 結論 AI 立国 「作る場所」も「カネ」も「データ」も渡した日本が、 「計算」だけは、自国に置く。 ▶ 国内 FLOPS 総量で、世界一へ

    ▶ そのための 100GW 級の発電 ▶ 財源は、デジタル赤字の付け替え(DST・観光税・関税) 四度目の̶̶そして最後の̶̶分岐点。