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新任スクラムマスターがベテランチームと勇気を持ってスクラムの再スタートを踏み出した話

 新任スクラムマスターがベテランチームと勇気を持ってスクラムの再スタートを踏み出した話

ToshiTakahashi

July 03, 2023
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Transcript

  1. 結果 詳細 経緯 ⾃⼰紹介 2 KDDI Agile Development Center Corporation

    本⽇はこんな流れでお話をしていきます • ⾃⼰紹介 • 今回の取り組みに⾄った経緯 • 取り組み詳細 • 取り組み結果 • 同じような悩みを抱えている⽅へのメッセージ
  2. 結果 詳細 経緯 ⾃⼰紹介 3 KDDI Agile Development Center Corporation

    私たちについて ▪スクラム歴 DevやPOを1年程度したのちに、SMを7年ほどして おります︕ ▪最近ハマっていること 太ることがトラウマでひたすら歩き回っています︕ ▪本⽇の意気込み 本⽇は⾼橋さんのサポート役として盛り上げます︕ ▪スクラム歴 デベロッパーとして1年半+SMとして3年 まだまだ駆け出しですが⽇々奔⾛中です ▪最近ハマっていること 草むしり、DIY(すっかり⽇焼けしました) ▪本⽇の意気込み 社外のイベントには初登壇で緊張していますが、 全⼒で盛り上げていきたいと思います︕︕ ▪名前 志村 修⼀ (しむら しゅういち) ▪スクラムにおける役割 SoSM ▪名前 ⾼橋 紀成 (たかはし としなり) ▪スクラムにおける役割 スクラムマスター(SM) ⾃⼰紹介
  3. 結果 詳細 経緯 ⾃⼰紹介 4 KDDI Agile Development Center Corporation

    私たちのプロダクトについて • プロダクト名︓「auでんきアプリ」 • 2016年4⽉よりサービス提供開始 • 前⽇に使⽤した30分毎の電⼒量(速報値)を確認できる機能や、 過去の請求⾦額や明細をアプリ上から簡単に確認できる機能を提供 • 当⽉の利⽤料⾦が累計1000円を超える毎に引けて、 当選結果に応じたPontaポイントが還元されるガチャ機能が⼤好評 • ユーザーから寄せられた声や各種メトリクスを継続的にウォッチし、 その時その時で最も効果的なバックログを優先的に対応している • おかげさまでこれまでの累計契約は300万を突破しており、 ⼤変多くのユーザ様に⽇々ご利⽤いただいている ⾃⼰紹介
  4. 結果 詳細 経緯 ⾃⼰紹介 5 KDDI Agile Development Center Corporation

    LeSSをベースに40名以上のメンバー+複数チームでスクラムを実践中 私たちの実践しているスクラムについて ⾃⼰紹介 凡例︓ S of SM スクラムマスター エンジニア PO ▪S of S ▪桃太郎チーム ・・・ ▪POチーム ・・・ ▪⾦太郎チーム ・・・ ▪浦島太郎チーム ・・・ ▪⻤ちゃんチーム ・・・ 志村 ⾼橋 auでんきアプリ開発チーム 今回は主にこのチームの 取り組みのお話です
  5. 結果 詳細 経緯 ⾃⼰紹介 6 KDDI Agile Development Center Corporation

    • ⾃⼰紹介 • 今回の取り組みに⾄った経緯 • 取り組み詳細 • 取り組み結果 • 同じような悩みを抱えている⽅へのメッセージ
  6. 結果 詳細 経緯 ⾃⼰紹介 7 KDDI Agile Development Center Corporation

    昨年度より開始させていただいた取り組み 2023 RSGTでも紹介させていただきました︕※1 ※1「auでんきアプリチームのカイゼンジャーニー」 https://confengine.com/conferences/regional-scrum-gathering-tokyo-2023/proposal/17965/au 今回はその後チームで起きた 「化学反応」についてのお話です このときは「守破離」になぞらえて、 「守」への回帰のお話をしました 経緯
  7. 結果 詳細 経緯 ⾃⼰紹介 8 KDDI Agile Development Center Corporation

    ここからは⾼橋さんにバトンタッチ︕ ⾃⼰紹介
  8. 結果 詳細 経緯 ⾃⼰紹介 9 KDDI Agile Development Center Corporation

    スクラムマスターとして気づいたチームの課題 ⻤ちゃんチームの登場以前から、⾦太郎チームではこんな3つの課題を抱えていました 1. スキルセットの関係でスプリント序盤から優先度の低いバックログにも着⼿ Ø 優先度が低いため、せっかく実装が完了してもなかなかリリースされない Ø メンバーのモチベーション低下 2. ペアプロやモブプロを何度か取り⼊れるもなかなか定着せず Ø 1⼈1バックログを担当する⽂化に逆戻りし、⾃分の得意なスキルを使う案件ばかりを対応 Ø スキルアップにつながらず、メンバーのモチベーション低下 3. COVID19の影響によりフルリモートワークに突⼊ Ø オンサイト時と⽐較してチーム内の会話やコミュニケーションの量が⼤幅に減少 Ø 「チーム」というより「個⼈の集まり感」が加速 経緯
  9. 結果 詳細 経緯 ⾃⼰紹介 10 KDDI Agile Development Center Corporation

    これはどうにかしなければ︕︕ 経緯 うおおおお︕︕
  10. 結果 詳細 経緯 ⾃⼰紹介 11 KDDI Agile Development Center Corporation

    …とはいえ⽬の前に⽴ちはだかる様々な葛藤 • 既存業務だけで⼿⼀杯なのに、駆け出しの⾃分にチーム改⾰をやりきれるだろうか • ⾃分の気づいたチームの課題は本当に今解決すべき課題なんだろうか • ベロシティの低下は避けられないが、POやSoSMの理解や賛同は得られるのだろうか • チームは変化を望むだろうか、改⾰に賛同してくれるだろうか • ⾃分の乏しいスクラムの知識や経験でチームを正しい⽅向に導けるだろうか…etc 駆け出しスクラムマスターの改⾰を阻害するさまざまな⼼理的ハードル 経緯 いったん他のスクラムマスターに相談してみよう・・・
  11. 結果 詳細 経緯 ⾃⼰紹介 12 KDDI Agile Development Center Corporation

    SoSM、他チームSMからのアツい激励 とりあえずダメ元でもいいから、いったん率直にPOに話してみませんか︖ もしダメならダメで次の⼿を考えましょう︕ ⾼橋 ⻤ちゃんSM 他SM 志村 経緯
  12. 結果 詳細 経緯 ⾃⼰紹介 13 KDDI Agile Development Center Corporation

    よし、やるだけやってみよう︕ 経緯 うおおおお︕︕
  13. 結果 詳細 経緯 ⾃⼰紹介 14 KDDI Agile Development Center Corporation

    • ⾃⼰紹介 • 今回の取り組みに⾄った経緯 • 取り組み詳細 • 取り組み結果 • 同じような悩みを抱えている⽅へのメッセージ
  14. 結果 詳細 経緯 ⾃⼰紹介 15 KDDI Agile Development Center Corporation

    実際にやってみたこと 1. POに⾦太郎チームが抱えている課題とやろうとしていることについて相談してみた 2. 私が気づいた⾦太郎チームの課題についてメンバーに打ち明けてみた 3. チームビルディング(Sprint#0)をもう⼀度やってみた 詳細
  15. 結果 詳細 経緯 ⾃⼰紹介 16 KDDI Agile Development Center Corporation

    スクラムマスターとして気づいたチームの課題 ⾦太郎チームの抱えている3つの課題がPOにとってどのような影響を与えるかに変換して説明 1. スキルセットの関係でスプリント序盤から優先度の低いバックログにも着⼿ 【影響】最優先のバックログを最速でDONEできていない 【施策】WIP制限を導⼊し、最優先のバックログだけに注⼒する 2. ペアプロやモブプロを何度か取り⼊れるもなかなか定着せず 【影響】スキルセットの平準化が進まず、属⼈化が徐々に進⾏ 【施策】当⾯は全ての作業をモブプロでやる 3. COVID19の影響によりフルリモートワークに突⼊ 【影響】コミュニケーションの減少から最終的にベロシティや開発成果物の品質低下につながる 【施策】チームビルディング(Sprint#0)を実施し、チームの状態を改善する 詳細
  16. 結果 詳細 経緯 ⾃⼰紹介 17 KDDI Agile Development Center Corporation

    施策1︓POにチーム改⾰について相談してみた 確かにバックログは優先度の⾼いものから 最速でDONEできるように注⼒してほしいです 直近でベロシティが下がってしまうのは ⾃然なことですが、継続的に効果測定お願いします メンバー間のスキル平準化により属⼈化から 抜け出せるのは⼤きなメリットですね うまくいったら横展開よろしくお願いします もっと早く話をすればよかった・・・ POにも改⾰の狙いが伝わり、⼀時的なベロシティの低下が必要なコストだと理解してもらえた (これは直近での⻤ちゃんチームの成功事例が⼤きいと推測) PO ⾼橋 詳細
  17. 結果 詳細 経緯 ⾃⼰紹介 18 KDDI Agile Development Center Corporation

    いざ腹を割って話してみると、多くのメンバーが課題について共感してくれた 施策2︓メンバーに課題について話をしてみた せっかく作ってもなかなかリリースされないのが 嫌だなっていつも思ってました︕ フロントエンドやりたかったんですが なかなか機会がなくて。。 作業中に詰まってしまっても 相談するのになかなか躊躇してしまって。。 ペアプロ興味あります︕ もっと早く話をすればよかった・・・ チーム ⾼橋 詳細
  18. 結果 詳細 経緯 ⾃⼰紹介 19 KDDI Agile Development Center Corporation

    改めてインセプションデッキを実施し、チームの向かうべき⽅向性の認識をすり合わせた 施策3︓チームビルディング(Sprint#0)の実施1/2 課題とそれぞれに対する打ち⼿をみんなで考えた 詳細
  19. 結果 詳細 経緯 ⾃⼰紹介 20 KDDI Agile Development Center Corporation

    ⾃分たちの理想のチーム像をすり合わせ、その実現のために必要なスキルを洗い出した 施策3︓チームビルディング(Sprint#0)の実施2/2 理想のチーム像のすり合わせ 必要なスキルの洗い出し 詳細 ◎上記のほか各⾃の休⽇の過ごし⽅や好きな⾳楽、漫画などのプライベートに関する話もしました
  20. 結果 詳細 経緯 ⾃⼰紹介 21 KDDI Agile Development Center Corporation

    • ⾃⼰紹介 • 今回の取り組みに⾄った経緯 • 取り組み詳細 • 取り組み結果 • 同じような悩みを抱えている⽅へのメッセージ
  21. 結果 詳細 経緯 ⾃⼰紹介 22 KDDI Agile Development Center Corporation

    改⾰によりチームに起きた変化1 結果 Sprint#0を実施したスプリントの振り返り(FDL)では変化に対して前向きな声が多数 プロセスが変わってどうなるか楽しみ︕ インセプションデッキよかった︕ 次スプ以降は不安もあるけど期待︕ 仕事以外の話もできてよかった︕ メンバー間で相互理解が進んだこと+向かうべき⽅向のすり合わせによりチームの状態が改善
  22. 結果 詳細 経緯 ⾃⼰紹介 23 KDDI Agile Development Center Corporation

    改⾰によりチームに起きた変化2 タスクは全てモブで実施 +全員で全ての⼯程を担当 17:30でその⽇の作業は終了 スクラムマスターは 基本⼝出しせずに観察に徹する 結果 開発プロセスにおいては以下のような変化が起きた
  23. 結果 詳細 経緯 ⾃⼰紹介 24 KDDI Agile Development Center Corporation

    ベロシティや課題解決という観点では、以下のように⼀定の成果があった 改⾰によりチームに起きた変化3 • 事前の期待通り、優先度の低いバックログをスプリント序盤から着⼿する状態は解消された • まだ不安定ではあるものの直近のスプリントにおいては改⾰前のベロシティと遜⾊のない⽔準に到達 • これまで経験する機会のなかった案件に携わることでモチベーションが上がったとのメンバーからの声 結果
  24. 結果 詳細 経緯 ⾃⼰紹介 25 KDDI Agile Development Center Corporation

    チームが今後向き合っていく課題 • 現状は8名のチームを2つに分割し、WIP2(各4名体制)で進めている 実施する作業によっては冗⻑過ぎるのではとの声がメンバーから上がっている • バックログリファインメントに時間がかかり、以前よりも作業時間が減っている • モブプログラミングやモブ作業の効果について、どのように定量的な測定を⾏うか • まだ不安定なベロシティを安定させていくために、どのような施策を打つべきか • どんどん重くなっていく運⽤作業や定期作業をどうやって⾃動化、スリム化していくか • これ以上技術的負債を積み上げないためにどのように開発プロセスをカイゼンするか 上記は現時点での⼀例であり、きっとこれからたくさん出てくるはず 駆け出しスクラムマスターとチームの挑戦はまだまだ続く・・・ ⼀⽅で今後解決すべき課題もたくさん残っている 結果
  25. 結果 詳細 経緯 ⾃⼰紹介 27 KDDI Agile Development Center Corporation

    変化を起こすためには「勇気」が必要です 正しい変化を起こそうとすれば、ときに抵抗もあるかもしれませんが必ず味⽅が⾒つかります もし⾃信がなければ、まずは周りの先輩や有識者に相談してみましょう それまで⼀⼈で悩んでいた時間がなんだったのかと思うほど、意外となんとかなるものです 変化を恐れず、⼀歩踏み出してみましょう︕︕
  26. 結果 詳細 経緯 ⾃⼰紹介 28 KDDI Agile Development Center Corporation

    ご清聴いただきありがとうございました︕︕ 志村、⾼橋