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世界のニューロテックの概況とビジネス応用への道

 世界のニューロテックの概況とビジネス応用への道

最前線で活躍する世界のニューロテック企業の概況やビジネス応用への道、並びに彼らが抱えてきた課題とその解決策についてのスライドです。
本スライドは、ニューロテック特化のインタビューメディアNeurotechJP( https://neurotechjp.com/jp ) を通して、実際のスタートアップ創業者や大学研究者の一次情報などをもとに作成された資料となります。

#ニューロテック #BCI #ブレインコンピュータインターフェイス #ブレインテック #スタートアップ

Hayato Waki

July 14, 2022
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  1. ⽬次 1. ⾃⼰紹介 2. ニューロテック概要 3. ニューロテック市場規模 (⽇本/世界) 4. 世界のニューロテック活⽤事例

    5. 世界最前線のニューロテック企業分析 6. ニューロテック社会実装における課題 7. ヨーロッパのニューロテック 8. さいごに
  2. 和⽊ 勇⼈(ワキ ハヤト) 共同創業者/エンジニア @ステルススタートアップ(⽶国) プロダクトマネジャー @DATAFLUCT (⽇本) , etc

    現職 ソフトウェアエンジニア @Neurons Inc (デンマーク) 創業者/編集者 @NeurotechJP 前職 リンク リンク リンク
  3. $205M $105M $51M $107M Neuralink Series A Series B Series

    C IPO $53M $54M Kernel $127M electroCore $125M $111M MindMaze $150M $347M InSightec トップティア企業(世界) フェーズ ※2022年6⽉現在
  4. EU “Human Brain Project” (2013) 中国 🇨🇳 “China Brain Project”

    (2016) アメリカ 🇺🇸 “Brain Initiative” (2013) ⽇本 🇯🇵 “ムーンショット” (2014) イスラエル “Israel Brain Technologies” (2011) 国ごとのプロジェクト
  5. BCIを⽤いたユースケース 医療⽬的アプリーケーション • 感覚機能の回復 • 運動機能の回復 • コミュニケーション • 脳で動かす⾞椅⼦

    • More… ⾮医療⽬的アプリーケーション • Webブラウジング • 教育と学習 • セキュリティと認証 • ゲーム・エンターテインメント • アート • 瞑想・集中・睡眠 • More…
  6. ⾮医療⽬的アプリケーション BCIを⽤いて Google Earthを探索 「スクロール」、「セレクト」、「バック」 のいずれかのコマンドを念じて選択 BCIを⽤いて ゲームやエンタメを実⾏ 動作を念じて、 ゲーム「テトリス」を⾏う

    BCIを⽤いて 学⽣の集中⼒・成績向上 Neurosky社の機器を⽤いて、 運動中の学⽣の注意⼒を向上 脳で操るアート “The Ascent”: 脳波計とハーネスに繋がれた⼈が、 集中度に応じて空中に吊り上げ/下げられる。 BCIを⽣体認証などの セキュリティ問題に適⽤ EEG信号から得られる特徴的なα波を、 本⼈確認のための⽣体署名として利⽤ 脳波に基づく瞑想 脳波を測定し、 脳が落ち着いているか・活動しているかを分析
  7. BCI: 神経活動を測定し、ある特定の⾏動を念じて実現 Neuromonitoring: 神経活動の測定 Neurofeedback: 神経活動を測定/可視化しリアルタイムで改善 Neuromodulation: 神経活動を刺激 • ニューロモデュレーション(神経を刺激して改善をする

    技術)を⽤いる企業がほぼ半数を占める。 • BCIでは研究⽤や医療⽤に限らず、既にリリースをしてい る⼀般消費者⽤のデバイスを提供する企業も⾒られた • Neurofeedbackでは瞑想や⽣産性を向上する企業に加え、 VRと組み合わせてNeurofeedbackを実現する企業 も多く⾒られた。 出典企業カテゴリ CES2022から⾒るトレンド
  8. IDUN Technologies 国: スイス 創業: 2017年11月 従業員数: 11 - 50

    総資金調達額: 約5億円(シード) カテゴリ: BCI 出資者: Venture Kick(Lead), Sony 製品・サービス概要 IDUN Technologiesは、In-Ear型のBCIと専用のプラットフォーム ”Guardian”を提供しているスタートアップだ。 BCIから取れるEEGデータは独自のハードウェアでノイズ処理した後、 独自のクラウドに送信され、高解像度・高サンプルレート・長時間で EEGをモニタリングすることができる。 同社が提供するプラットフォームには、独自のBCIやハードウェア、信号 処理アルゴリズムを実現するクラウドに加え、各顧客がアクセスできる APIが含まれる。現在同社のプラットフォームは日本の製薬会社”Takeda” を含む複数の企業に使用されており、睡眠障害の解明や治療、聴覚の健 康化、マインドフルネスなどがユースケースとしてあげられる。 BCIデバイス (引用: 同社Twitter) プラットフォームGuardian (引用: 同社Webサイト) メイン企業ピックアップ①
  9. IDUN Technologies 競合企業・ 競合優位性 (引用: Emotiv webサイト) 競 合 企

    業 1 Emotiv MN8 EmotivはEEGデータをBluetoothで自分のコンピュータに送 信するのみである。一方、IDUNはデータをCloudに送信し APIを通じて誰もが解析することができる”プラットフォー ム”を提供する。 そのため、研究者用のEmotivと違い、IDUNは実社会向け にサービスを提供していると言える。 2 Neurable In-Ear型BCI ・オーディオ機能つき ・2チャンネル ・6時間のバッテリー (引用: Neurable webサイト) ヘッドフォン型BCI ・16チャンネル ・24時間のバッテリー ・集中力管理、生産性向上がメイン用途 チャンネルの数などデバイスの精度ではNeurableの方が優位で あるものの、戦略の部分で違いがある。初期戦略として、IDUN は企業向けにデバイスを提供し既に複数のクライアントを抱え プロダクトソリューションフィットを達成しているが、 Neurableは一般消費者向けに提供を行う予定であり未だリリー スしていない。 それ故、プロダクトフェーズの段階でIDUNの方が先行している と言える。 メイン企業ピックアップ① 競 合 優 位 性
  10. Wisear 国: フランス 創業: 2019年9月 従業員数: 1 - 10 総資金調達額:

    約5000万円 カテゴリ: ソフトウェア 出資者: Techstars(Lead), Kima Ventures, Paris Business Angel 製品・サービス概要 Wisearは「我々人間とコンピュータをかつてないほど身近にし、このニ ューロテクノロジーという技術を研究所にしかないような装置ではなく 、日常的な製品を通して何百万人もの人々が利用できるようにする」こ とをミッションに掲げ、多くの企業と連携して様々なニューロテックに 関わるソフトウェアやデバイスを開発するスタートアップだ。 同社は、ニューロテックに興味を持つ企業に対して、デモ・プロトタイ ピング・製造・マーケット参入まで幅広いサポートを行う。同社は独自 のIn-Ear型デバイスの提供に加え、特許出願中の優れたAI技術を持つ。今 まで新規参入する企業はハードウェアとソフトウェア両方を初期から作 る必要があったが、同社のサポートにより、それら企業の市場参入はハ ードルの低いものとなる。 In-Ear型BCI (同社Websiteより) CES2022にて メイン企業ピックアップ②
  11. 競合企業・ 競合優位性 Wisear 競 合 企 業 競 合 優

    位 性 1 Wispr AI Wispr AIもWisear同様に、マインドコントール可能な独自のデバイ スとソフトウェアを開発している一方、プロダクトのフェーズで競 合が生まれていると言える。Wisearは既にプロダクトを開発し、あ らゆる企業と提携することで市場占有ならびにマネタイズを狙うフ ェーズであるが、Wisprは未だ開発段階である。 念じてデバイスを操るデバイスを開発、 深層学習を用いたAI基盤も作成。将来的 にはAR/VRでのBCIを目指す。 CTRL-Labsの共同創業者など界隈の著名 人、VCから約5億円調達済み。 (引用: Wispr AI webサイト) 2 IDUN Technologies IDUNもWisearもIn-Ear型BCIを提供しているが、得意領域で 違いがある。IDUNは先述したDRYODEというセンサーを開 発しデバイス面で優位性があるものの、Wisearはデバイスか ら取れるデータをいかに分析できるかという、AIを用いたソ フトウェア面で優位性があるといえる。 In-Ear型BCIを提供。 (前スライドで説明) メイン企業ピックアップ②
  12. Healium 国: 米国 創業: 2015年 従業員数: 1 - 10 総資金調達額:

    約1.5億円 カテゴリ: ニューロフィードバック 出資者: MassChallenge(Lead), Stadia Ventures 製品・サービス概要 Healiumは脳波と心拍数を利用した世界初の仮想現実(VR)と拡張現実 (AR)のプラットフォームで、消費者向けのウェアラブル製品を提供する スタートアップだ。Healium AR/VRでは、Apple Watchや同社が提供する 独自の脳波デバイスから取得された生体情報を使って、ユーザーの感情 のパラメータをVR/AR上に表示する。通常のニューロフィードバックと 違って、没入感のあるVR/AR上でのアプリケーションを提供することで 、ユーザーはストレスや不安を取り除くためのより効果的なセルフマネ ジメントが可能となる。 Healium VR Healium VRと脳波デバイス(実際のCESにて) メイン企業ピックアップ③
  13. 競合企業・ 競合優位性 Healium 競 合 企 業 競 合 優

    位 性 1 Muse by Interaxon MuseもHealiumの脳波デバイスと同様に、前頭葉からEEGを取得 する。取得された脳波は独自のモバイルアプリで管理・フィード バックされ、瞑想を手助けするが、Healiumとは質の向上効果で 違いがある。HealiumではMuseのような脳波デバイスに加え、没 入感のあるVR上でニューロフィードバックを行うため、より良 い効果が見込められる。 Museは、精神活動、心拍数、呼吸、 体の動きなどのフィードバックをリ アルタイムで取得しマインドフルネ ス瞑想や睡眠の質の向上を手助けす るデバイス。 (引用: Muse Webサイト) 2 Guided Meditation VR Guided Meditation VRは、Healium同様に、VR上で瞑想を行う。 しかしながら、HealiumはVRに加え、独自の脳波デバイスなどの 生体情報を使ってより良い瞑想を目的とする。 Guided Meditation VRは、Oculusプ ラットフォーム上で展開する、瞑想 に特化したVRアプリケーションを提 供する。 (引用: 同社Webサイト) メイン企業ピックアップ③
  14. Alphabeats 国: オランダ 創業: 2019年 従業員数: 1 - 10 総資金調達額:

    約8500万円(シード) カテゴリ: ニューロフィードバック 出資者: Lumo Labs(Lead) 製品・サービス概要 Alphabeatsは音楽の力と生体情報を用いて、リラックスやストレス削減 を目指すヘルスケアスタートアップだ。 同社が提供するアプリケーションでは、音楽を用いて瞑想を行えるベー ス機能に加え、瞑想中の生体情報を取得し音楽との関係性を可視化、さ らにその時の精神状態によって音楽を最適化するレコメンドエンジンも 兼ね備える。 同社は多くのパートナー企業を持つ。Apple Watchから心拍数などの生体 情報をとる機能とは別に、それらパートナー企業が開発しているEEGデ バイスやその他生体デバイスを使ってよりリッチな生体情報を使ってニ ューロフィードバックを実現している。 Alphabeats 紹介動画 メイン企業ピックアップ④
  15. 競合企業・ 競合優位性 Alphabeats 競 合 企 業 競 合 優

    位 性 2 mindstrong mindstrong社もAlphabeats、Muse同様に消費者のヘルスケア向 上を目指す企業だ。mindstrongでは独自の測定科学技術によって 脳の健康を測るが、対応するインターフェイスの多さでは引けを とる。Alphabeatsでは、音楽と生体情報の関係性を測定し脳の健 康を測るが、アプリ限らず多くのデバイスを通じてそれらの評価 がされる。 Mindstrong 社は、認知機能の研究に 基づいて開発されたアプリからスマ ホの使用状況のデータを収集するこ とで、メンタルヘルスのパターンを 検出するヘルスケア企業。 (引用: Tom gruber website ) 1 Muse by Interaxon MuseもAlphabeats同様に消費者のヘルスケア向上を目指す企業 だ。MuseはEEGのみを使って瞑想の質を向上させる一方、 AlphabeatsではEEGだけではなく音楽ならびにあらゆる機器を使 って向上を目指す。そのため、EEGを持ってない人でも使えるた め、対象ターゲットが幅広く、連携した企業との新機能の実装の 観点でも最先端のユーザー体験を提供しているといえる。 Museは、精神活動、心拍数、呼吸、 体の動きなどのフィードバックをリ アルタイムで取得しマインドフルネ ス瞑想や睡眠の質の向上を手助けす るデバイス。 (引用: Muse Webサイト) メイン企業ピックアップ④
  16. iMediSync 国: 韓国 創業: 2012年 従業員数: 11 総資金調達額: プライベート カテゴリ:

    BCI 製品・サービス概要 iMediSync社は、独自のEEGデバイス”iSyncWave”に加え、脳波解析AI とクラウドベースのプラットフォームを提供する。19チャンネルの電極 を兼ね備えるiSyncWaveを用いれば、EEGや心拍数などを取得すること ができ、クラウドプラットフォームを通してたった10分で診断結果をみ ることができる。リッチな機能を兼ね備えるデバイスにより、臨床レベ ルの正確な結果を取得できるのも特徴だ。 また、同デバイスは脳波の測定に限らず、LEDを使った刺激も行うこと ができる。これにより、脳内のミトコンドリアやミクログリアを活性化 させ、脳の機能を向上させることも可能だ。 iSyncWave メイン企業ピックアップ⑤
  17. 競合企業・ 競合優位性 iMediSync 競 合 企 業 競 合 優

    位 性 1 BitBrain BitBrain社もiMediSyncと同様に独自のEEGデバイスならびにソフトウェアを提供するが、電極の多さ(データのリッチさ)と測定 ・分析を行う利用用途にて違いがある。 BitBrainでは最大12チャンネルのDry EEGを提供するが、iMediSyncでは19チャンネルのEEGを提供する。そのため、臨床レベル の豊富なデータを取得することができる。また、BitBrainのソフトウェアでもiMediSync同様、アテンションなどの複数のバイオ メトリクスデータを分析し可視化することができるが、iMediSyncと違い医学的観点でのデータの説明はなく企業向けのニュー ロマーケティングなどに使われる。そのため、医療診断用(iMediSync)と企業用(BitBrain)という利用用途の違いがある。 BitBrain社は複数のEEGデバイス、ウェア ラブル端末に加え、データを分析しモニタ リングできるソフトウェアを提供する。 (引用: BitBrain Webサイト) メイン企業ピックアップ⑤
  18. 前年度(2020年)との比較 前 年 度 今 年 度 ▪ BCI企業が多い。 ▪

    デバイスでいうとほとんどの企業が非侵襲型を提供 。ヘッドマウント型が多くを占める。 ▪ ニューロフィードバックでは、睡眠・瞑想の質向上 の目的が多く、メンタルヘルスに注目が特にある。 ▪ ニューロモデュレーションの企業が多い。 ▪ ソフトウェア技術を強みとする企業が増加。 ▪ デバイスでいうと侵襲型企業もいくつか見られ、非 侵襲型でもIn-Ear型が多くあった。 ▪ 健常者向けのメンタルヘルスに加え、認知症やうつ 病患者へのプロダクトも多く見られた。 ▪ 既にメディア露出をしていたり、界隈で認知の取れ ているBCI企業が多く出典していた。 ▪ 国で言うと、比較的中国の企業の出展が多い。 ▪ 大型資金調達済など既に界隈で認知のある企業は出 展しておらず、プロダクトもローンチしたばかりの企 業が多い。 ▪ 顧客企業や協業企業を求めてCESに出展している企 業が多い。 ▪ 国で言うと、韓国の企業の出展が多く見られた。 プロダクト 出展企業 NeurotechJP視点のCES2022インサイト
  19. ミッション「脳測定をメインストリームにすることで、誰もが⾃らの脳につ いて知り、⽣活をより良いものにする」 創業当初は侵襲型の⼿法を模索していたが、現在は⾮侵襲型に特化。 TD-fNIRSを⽤いたヘッドウェアデバイスKernel Flowを提供。以前は、OP- MEGを⽤いたKernel Fluxを開発していたがその難しさから断念。 現在は複数企業とパートナーを組み、Flowを⽤いたPoCを⾏う。 元ボーイング社のハードウェアエンジニアと元Netflixのソフトウェアエンジ ニアから構成されるスタートアップ。

    脳波デバイスCROWNを提供。専⽤アプリ「Neurosity Shift App」を使⽤す れば、フロー状態へ導いてくれる。SDKも提供し、多くの個⼈開発者に利⽤ される。 2000年代から活躍するコンシューマー向けBCI企業のパイオニア企業。 $100から購⼊できる脳波デバイス・SDKのほか、チップ基盤の販売事業も ⾏う。⽶国限らず、ヨーロッパ・アジアなどへと事業展開の⾜を広げ、合計 資⾦調達額は 30 億円を超える。 Blueberry カナダのトロントベースのスタートアップ。fNIRSを⽤いた⼩型なデバイス とモニタリング専⽤のプラットフォームを提供する。眼鏡に取り付け可能で エネルギーやストレスなどの指標も計測可能。1⽇装着可能で⻑時間のモニ タリングも実現する。 More… インタビューしたスタートアップ
  20. Customer 連続起業家Bryan Johnsonによって2016年 に創業された⾮侵襲型BCI企業。 Bryanの⾃⼰資本50億円をベースに始まり 、計100億円超えの調達額。 Elon Muskらによって2016年に創業された 侵襲型BCI企業。 Elonの⾃⼰資本100億円をベースに始まり

    、現在は合計350億円超えの調達額。 Ramses Alcaideらによって2015年に創業さ れた⾮侵襲型BCI企業。 ミシガン⼤学のラボからスピンアウトした 企業で、約10億円の調達額。 Sid Kouiderらによって2017年に創業された ⾮侵襲型BCI企業。 フランスの教育機関ENSからスピンアウト した企業で、2022年にSnapに売却。 Arial Gartenらによって2007年に創業された ⾮侵襲型BCI企業。 2003年頃から開発が開始、数度の調達を経 て計30億円超えの調達。 Stanley Yangらによって2004年に創業され た⾮侵襲型BCI企業。 2回の資⾦調達(⾦額未公開)を経て2009年に 初期プロダクトを開発。 PhD(神経科学)のMatt Angleによって2015 年に創業された侵襲型BCI企業。 DARPAからの約20億円の初期調達含め、計 約50億円の調達。 Interventional Neurologistとして病院在籍 もする、PhD(神経科学)のThomas Oxley によって2016年に創業された侵襲型BCI企 業。計50億円超の調達額。 代表的な企業の⽣まれ⽅ in BCI
  21. ⾃⼰資本型 スピンアウト型 創業者の⼤型⾃⼰資本により始まる。 追加ラウンド含め数百億円規模の企業。 そのため、多⼤な開発リソースがある。 ⼤学や教育機関の研究室などからスピンアウトす る企業。施設からの研究費や先⾏研究があるため 、会社⾯からでも安全にプロダクト提供すること ができる。 【まとめ】代表的な企業の⽣まれ⽅

    in BCI プロダクト先⾏型 ソフトウェア/ハードウェアに主に⼒がある。プロ ダクト開発/リリースを先⾏して⾏い、初ラウンド の資⾦調達を成功させる。 ⾮侵襲型企業に多い。 神経科学先⾏型 医師免許や神経科学PhD保持者である研究者が、 主に侵襲型の新しい技術を開発。 研究技術のプロダクト化を⽬指し創業する企業。
  22. Customer 連続起業家Bryan Johnsonによって2016年 に創業された⾮侵襲型BCI企業。 Bryanの⾃⼰資本50億円をベースに始まり 、fNIRSを⽤いたKernel Flowを展開。 Elon Muskらによって2016年に創業された 侵襲型BCI企業。

    Elonの⾃⼰資本100億円をベースに始まり、 現在は合計350億円超えの調達額。 PhD(神経科学)のMatt Angleによって2015 年に創業された侵襲型BCI企業。 DARPAからの約20億円の初期調達から始ま り、合計約50億円の調達。 PhD(神経科学)のThomas Oxleyによって 2016年に創業された侵襲型BCI企業。計50 億円超の調達額。ThomasはInterventional Neurologistとして病院在籍もする。 TD-fNIRSを⽤いたデバイスKernel Flowの実現。 Bryanのネームバリュー。 Elonが⾏った⼤々的なプレスリリース。 インプラントを⾏うロボットの開発。 Elonのネームバリュー。 ⽶国国防総省の機関DARPAとの連携。 Stentrodeを脳内に埋め込むALS患者が2021年12⽉に ⾏った、思考を直接デコードしたツイート。 商業⽤侵襲型BCIを提供する企業の中で最初のFDA認 可。 代表的な企業のターニングポイント 企業名 企業概要 ターニングポイント
  23. Ramses Alcaideらによって2015年に創業さ れた⾮侵襲型BCI企業。 ミシガン⼤学のラボからスピンアウトした 企業で、約10億円の調達額。 Sid Kouiderらによって2017年に創業された ⾮侵襲型BCI企業。 フランスの教育機関ENSからスピンアウト した企業で、2022年にSnapに売却。

    Arial Gartenらによって2007年に創業された ⾮侵襲型BCI企業。 2003年頃から開発が開始、数度の調達を経 て計30億円超えの調達。 Stanley Yangらによって2004年に創業され た⾮侵襲型BCI企業。 2回の資⾦調達(⾦額未公開)を経て2009年に 初期プロダクトを開発。 ヘッドフォン型脳波デバイスEntenのクラウドファン ディングにて約3000万円の調達。 CES2020でのInnovation Award受賞。 Snap社への売却。 ⼀般利⽤限らず、研究者・開発者もSDKを通して利 ⽤できるその汎⽤性。 “necomimi”のバズ(⽇本)。 “Star Wars Force Trainer”のバズ(世界) 代表的な企業のターニングポイント 企業名 企業概要 ターニングポイント
  24. マネタイズ(推測含む) ④ ⼀般消費者へのデバイス販売 (to C) デバイスのオンライン販売。 EEGデバイスの販売[現在販売終了]。 Unity SDK の提供。

    EEGデバイスの販売。モバイルアプリの提供。 EEGデバイスの販売。SDKの提供。 EEGデバイスの販売。SDKの提供。
  25. 課題点① ⼀般消費者へのユースケースが⾒つからない 【実際の企業の解決策 @Neurosity】 必要なデバイスやSDKを提供し、消費者⾃⾝にユースケースを⾒つけてもらう Alex, CTO at Neurosity 参照:NeurotechJP

    記事 ”デザイン性・処理能⼒に優れたBCIで体験の可能性を広げる | Alex Castillo at Neurosity” 既に数多くの開発者が 我々のSDK と脳波デバイスCROWN を⽤いて独⾃のアプリ を開発していますが、多くの⼈が SDK を⽤いて独⾃のアプリを開発し試していく 上で、⼈々が毎⽇使いたいと思うユースケースが⾒つかってくると思っています。
  26. 筆者が思う現状のMust-haveなユースケース ARやVR領域の新しいコントローラーとして、BCIを利⽤する。 ① XR x BCI 根拠となるニュース SnapがNextMind を買収(2022) MindPortalがYC(W21)に

    選定(2021) OpenBCI “Galea”が AWEで⼊賞(2022) MetaがCTRl-Labsを 買収(2019) Metaが開発中のSmartwatchに EMG機能搭載予定(2023) MetaがMMGデバイス開発する ”CoolSo”との連携(2022)
  27. 学習データ 脳波データ 視線データ インプット ターゲット情報(年齢、etc) 画像・動画 生体情報予測・ 分析AI 筆者が思う現状のMust-haveなユースケース 脳活動データを⽤いたAI技術をSaaSツールとして対企業に展開。

    ② データ活⽤ビジネス Neuromarketing = コンテンツに対する感情や視線を⽣体情報から分析し、マーケティングに応⽤ の例 アウトプット コンテンツに対する感情や視 線予測 API提供 SaaS提供
  28. 課題点② 「”脳波”って何?危なくないの?」 【実際の企業の解決策 @Neurosky】 誰にでも分かりやすい表現を使い、市場のトレーニングを⾏う Stanley, CEO at Neurosky 当時、明確なアプリケーションなしで、脳波測定プロダクトを使ってもらえるよう

    ⼈々を納得するのは難しかったです。 そこで、私たちは、誰もが既に知っている、 スターウォーズの"フォース"を題材にアプリケーションを提供することにしました。 私は脳波という表現の代わりに、フォースという表現を多く使うようにしました。 そうすると、フォースは空想のものだと⼈々は知っているので、私たちのプロダクト に興味を持ち始めました。これを、私は市場のトレーニングと呼んでいます。 参照:NeurotechJP 記事 “10年以上前から市場を開拓。BCIのパイオニア企業 "NeuroSky" | Stanley Yang”
  29. Blueberryは fNIRSを⽤いた計測 デバイスとモニタリング専⽤のプ ラットフォームを提供する。 課題点③ : BCIの⽇常利⽤における機能性と⼩型化のジレンマ 【実際の企業の解決策 ① at

    Blueberry】 ⽤途は1⽇中脳活動を計測。眼鏡に装着するタイプの⼩型デバイスを開発。 Blueberry は、⼈の⼼が 1 ⽇の中でどのように変化するのかを理解することから始まりました。 ⼈の⼼や精神活動を表す信号を捉えるためには、センサーが⼗分に⼩さく、様々な環境で動 作する必要があります。 fNIRS は、⼀⽇中⾝につけていられるセンサーとして、このような ユースケースに最適でした。 EEG は即時反応に基づく測定に適している⼀⽅、fNIRS は脳活 動の⻑時間の変化を測定することができました。また、Blueberry デバイスと EEG デバイス との主な違いは、モジュラー式で⼩型のフォーマットで装着できることです John, CEO at Blueberry 参照:NeurotechJP 記事 ”1⽇中装着可能。眼鏡に取り付ける超⼩型サイズのBCI Blueberry | John D. Chibuk”
  30. Kernelでは、TD-fNIRSを⽤いたデバイス”Kernel Flow”を開発する。 脳から出てくる光⼦のレーザーを⽤いた検出から、機械学習やAIなどのアルゴリズムに⾄るまで、 チームはフルスタックに取り組んでいる。 課題点③ : BCIの⽇常利⽤における機能性と⼩型化のジレンマ 【実際の企業の解決策 ② at

    Kernel】 ⾮侵襲型で脳を精度⾼く測る。デバイスからソフトウェアまでフルスタックで開発。 Kernel Flowの開発にあたって最も困難だったことの⼀つは、既存のハードウェアで利⽤可能なものが なく、time domainの技術をスケールさせるためには⾃分たちでカスタムした集積回路やチップを作 る必要があったということです。 ⼤学のラボからスピンアウトしたような既存のfNIRSを⾒てみると、ハードウェア開発のような、特定 の分野に特化している場合が多く、実験やソフトウェア周りの、専⾨外の仕事は他と協⼒する、といっ たケースが多いです。私たちはそういった専⾨的な知識を⼀つのチームとしてまとめることで、素早く 何度も試⾏を重ねることができます。 Ryan, CTO at Kernel 参照:NeurotechJP 記事 “BCIによる脳活動計測をメインストリームに。Kernel CTOにインタビュー。| Ryan Field”
  31. Neurosityのデバイス”Crown”は、デバイス⾃体にCPUがありMacbook Air並のパワーを持つ。それに加 え、スリムな形状に設計された。 課題点③ : BCIの⽇常利⽤における機能性と⼩型化のジレンマ 【実際の企業の解決策 ③ at Neurosity】

    潜在ユースケースを考慮した上で、マネキンを⽤いて試⾏錯誤。 ただ、後先考えずデバイスを作ったわけではありません。 まず初めに、私たちは、 「どのように、⼈々に価値を提供するか?」「どのように、⼈々にデバイス を使ってもらうか?“」を考え始めました。 ⾃分たちが創造するプロダクトやアイデアを持った上で、マネキンを使って頭のセンサーの位置を考 慮し、ゼロから設計をし始めました。 Alex, CTO at Neurosity 参照:NeurotechJP 記事 ”デザイン性・処理能⼒に優れたBCIで体験の可能性を広げる | Alex Castillo at Neurosity”
  32. [フランス] Snap社に売却 [スペイン] Neurotwinの研究 [ドイツ] LiverPool FCとのPoC [イギリス] YCに採択 [フランス]

    CES2022出展 [スイス] CES2022出展 [オランダ] CES2022出展 [スペイン] ⽇産との共同研究 ヨーロッパの代表的なニューロテック企業