学術情報XML推進協議会(XSPA) 第2回 記念講演会 日付: 2012年11月2日 (金曜日) 場所: 独立行政法人 科学技術振興機構 東京本部 B1 大会議室 (サイエンスプラザ)
印刷会社は XML で飛躍する 2012.11.2 「XMLが開く学術出版の未来」 中西印刷株式会社 中西秀彦
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学術印刷会社の役割 | 印刷の工程の2つ | 組み版 • 情報の整理・可読性を高める工夫 | 印刷・製本 • 大量複製 | もはや印刷に期待できない。あるにこしたことはないが | 組版工程への付加価値増 1. より高付加価値の組み版志向 • 数学・古文書など→市場先細り 2. オンライン用組み版
冊子体作成とオンライン作成の差 | 冊子体 | 紙の上で読みやすいこと | レイアウト志向 | 写真などの精度が高い | オンライン | 画面で読みやすいこと • 段組みがない。ページがない | ハイパーリンクの付加 | 写真精度は求められない(今のところ) | PDFはオンライン特性を犠牲にした形式
コンテンツ作成の二度手間 | オンラインジャーナルと冊子体、内容は同一 | 製作法が違うが、別々に作ると二度手間| この場合PDFは冊子体と同視しうる | 構造化組み版による自動製作 原稿 構造化ファイル PDF オンライン 冊子体
鍵はXML | 構造化組版はXMLに集約 | オンラインのXHTML | 電子書籍のEPUB | 見栄えより文書の構造を優先 | 人間にも機械にも読みやすくする | 必要な情報を整理 | 情報過多社会に必須
なぜ日本ではXML化されなかったか? | 確立した日本語DTDがない | 学会側の紙ベースの発想 | 微細な組み版へのこだわり | 印刷会社の対応遅れ | 学術印刷のスイッチングコストの高さ | しかし一気に進めないと、日本語情報発信は壊滅する
印刷会社側の問題 -SGMLの反省 | 印刷屋と学会の関係| 印刷技術の職人依存 • ITより慣れた職人と編集員 | 印刷会社のITレベル • OLJ対応の困難 • SGMLやSISTへの無理解 | 学会側の認識 | 「印刷屋が対応できないものを導入するな」| SGML対応の印刷会社の技術囲い込み | 国外への流出を招いただけ
インドの印刷会社の躍進 | ヨーロッパの出版社のインドシフト | ハイテクインド | ローテクジャパン | コアな組版技術はインドへ移転
日本からの発信の重要性 | アメリカ・ヨーロッパ・アジアという3誌体制 | American Journal, European Journal | そして Asian Journal | このままではアジア代表誌がChinese Journalになりかねない | 海外でRejectされてアイデアだけが漏洩しないか | 日本で日本の税金を使った研究成果を海外出版社に金を払って読むのはおかしい
日本からの発信強化 | =(イコール)日本の印刷会社の実力向上 | 印刷会社の編集力維持=日本の発信力強化 | インドに勝る技術力を日本の印刷会社がつける | 日本語XMLという莫大な市場へ切り込む | 理系誌から文系誌のOLJ化進行 • 日本史・日本文学・社会学・科学史・科学哲学 | 研究の世界水準の維持には徹底した日本語OLJ • 紀要・地方学術誌・研究会誌の維持 | 英語雑誌をインドから取り戻すためにも
印刷会社のジレンマ | オンラインを進めれば印刷がなくなる | 紙の利点を訴える方向が正しいのでは?| 既存の設備が無駄になる | 長期的に紙は消滅の方向 | 縮小する一方の印刷ビジネス | 残存者利益は甘い考え | オンラインを進めれば紙がついてきます | 今時、紙だけという選択は学会にない いまのところは
学術情報XML推進協議会 | 印刷会社のXML対応を強化することで、世界への発信強化 | 技術囲い込み戦略からの脱皮 | 競争相手は国内ではなく、インドから世界へ | 日本語のXML規格を世界水準へ | 加盟をお願いします | 年会費がたったの50,000円