eXtyles3B2-JATS-XML_20250609_komiyama printing co.,Ltd..

学術情報XML推進協議会（XSPA）「JATSがわかる」出版記念全文XML実践Hybridセミナー
日付: 2025年6月9日 (月曜日)
場所: JST東京本部-別館(K’s五番町) ２階セミナー室

Transcript

1. eXtylesと3B2による 組版とJATS XML作成 小宮山印刷工業株式会社 家入千晶
2. eXtylesとは？ Wordプラグイン Inera社（アメリカ）が開発した、Microsoft Wordに統合される ソフトウェアで、使いやすいインターフェースが特徴です。 半自動編集 パラグラフ単位でスタイル付けができます。編集作業を効率化する 機能があります。 高品質XML生成 表や数式などの特殊要素の処理にも対応しており、 Wordファイルから構造化されたXMLを生成することができます。
3. 3B2とは？ 基本情報 XMLやSGMLなどの構造化文書を効率的に自動組版できるソフトウェア です。現在は Arbortext Advanced Print Publisher (APP) として、PTC (Parametric Technology Corporation) により販売されています。 高品質な自動組版 3B2はあらかじめ設定したテンプレートにタグ付きテキストを流し込む ことで、複雑な文書の組版を自動化・効率化できるシステムであり、 出版業界や技術文書制作で高く評価されています。 主な利用分野 技術文書、製品カタログ、STM分野の書籍・雑誌、法的文書など、 高品質な専門文書の制作に広く利用されています。
4. ワークフローの概要 Word原稿 著者から提出された原稿 eXtyles処理 スタイル付けして構造化 XML生成 メタデータ統合 3B2組版 印刷用データ作成 組版データ出力 PDFとXMLを出力 XML整形 JATS XMLへ整形
5. eXtyles処理の流れ 1. ファイルの整理 本文、図のキャプション、表など必要な情報をひとつの ファイルへまとめる 2. フォントのチェック 使用フォントの一覧を作成し、問題のあるフォントを検出 3. メタ情報の入力 ジャーナルコード・論文番号など必要なメタ情報を入力 4. ファイルクリーニング 不要な空白・改行の削除とフィールドコードのテキスト化 5. 段落スタイルの適用 Wordでスタイル付けをて文書を構造化 6. 自動編集 雑誌ごとのライブラリを適用して自動編集 7. 参考文献の処理 ジャーナルルールに合わせて書式を変更、各要素を切り分け てリンク情報を取得 8. 引用の処理 参考文献や図表のクロスリファレンスを検証 9. 著者情報の処理 姓名の切り分け、所属や脚注との対応づけ 10. 赤字修正 赤字部分を修正 11. チェック 処理前後のファイルを比較し、結果を確認する 12. XML出力 JATS形式でXMLを出力する
6. このワークフローを選んだ理由 従来よりLaTeXファイルをソースとする3B2組版を行っていたため、 導入時のハードルが低かった。 3B2の操作が軽いうえ、ソースの編集結果がすぐにレイアウトに反 映されるため、編集のストレスが少ない。 最終的な納品物に必要な情報を進行中に随時マスターのXMLファイ ルに反映していくことで、紙面には表れない情報も含めたリッチな XMLを作成できる。これによりファイルの管理も簡素化され、後の 加工や再利用が容易になる。 デメリットがあるとすれば… 雑誌ごとの仕様やフローに合わせたソースデータと3B2テンプレー トの設計・作成が必要。3B2、XML、LaTeX の知識を要するため、 一般的なレイアウトソフトと比べるとオペレーターの養成に時間が かかる。
7. eXtylesサポート終了の発表、 そしてふりだしに戻る eXtylesのサポートが2026年8月に終了することが発表され、急慮新たなツ ール探しとワークフローの再検討が必要になる ・eXtylesのようなプラグイン型かoXygenのようなコードエディタ型か ・PCにインストールするスタンドアローン型かクラウド型か ・日本語文書へ対応している、もしくはサポートに積極的かどうか ・販売店または代理店が日本にあるか ・組版ソフトも見直したほうがいい？ などあれこれ悩みつつ、目下情報を収集中 皆さんの知見・おすすめツールなどがありましたら、 ぜひお聞かせください！