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電子出版の変革─Web標準を利用したワンソース・マルチユースの実現に向けて / 20161213-xml-murakami

XSPA
December 18, 2016

電子出版の変革─Web標準を利用したワンソース・マルチユースの実現に向けて / 20161213-xml-murakami

学術情報XML推進協議会 セミナー
日時: 2016年12月13日(火曜日)14:00-16:00
場所: カクタス・コミュニケーションズ株式会社内 Einstein
Vivliostyle版はこちら
http://bit.ly/xspa20161213viv

XSPA

December 18, 2016
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Transcript

  1. Web標準 利用 ・
    実現 向
    XSPAセミナー 2016­12­13
    村上 真雄 (@MurakamiShinyu)
    ㈱ビブリオスタイル Founder & CTO

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  2. 目次
    1. はじめに 3
    2. Scholarly HTMLとは何か 6
    3. 構造化文書の共通語としてのHTML 10
    4. HTMLをセマンティックに 13
    5. 「Web出版物」の時代へ 20
    6. スタイルシート仕様CSSの進化 23
    7. 画面も印刷もCSSで:Vivliostyleの取り組み 26
    目次 2

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  3. はじめに 3

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  4. 発表者 自己紹介
    村上 真雄 (MURAKAMI Shinyu) Twitter: @MurakamiShinyu
    株式会社ビブリオスタイル 取締役会長兼CTO
    1990年頃からマークアップ言語と組版に関心をもち、テキスト整形ツール
    「XTR」を個人で開発し、フリーソフトウェアとして公開。その後、XML
    組版ソフトAH Formatter(アンテナハウス社)の開発に携わる。
    2014年、Webブラウザベース次世代HTML/CSS組版システムの開発のため
    株式会社ビブリオスタイル(Vivliostyle Inc.)を設立。
    はじめに 4

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  5. (Vivliostyle Inc.)
    社名:株式会社ビブリオスタイル(Vivliostyle Inc.)
    社名の由来:Vivlio(βιβλίο /vivlío/ = ギリシャ語〈本〉)+ style
    Webサイト:http://vivliostyle.com
    設立:2014年8月
    代表者:代表取締役社長 石田 智之
    事業内容:電子出版のソフトウェア開発
    W3C会員企業として電子出版・CSS組版関連の標準化活動
    はじめに 5

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  6. Scholarly HTML 何
    Scholarly HTMLとは何か 6

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  7. Scholarly HTML=学術情報HTML
    学術論文をHTMLで表現する方法を標準化しようとしている
    W3CにScholarly HTMLコミュニティーグループ
    www.w3.org/community/scholarlyhtml/
    ドラフト仕様: w3c.github.io/scholarly­html/
    仕様をまとめてるのは
    Robin Berjon: W3C HTML5仕様の元Editorで、現在は学術出版プラット
    フォーム(science.ai)開発者
    Tzviya Siegman: EPUB3.1仕様のEditorであるなどW3CとIDPFの電子出
    版標準化で中心的な一人。学術出版社Wileyの情報標準化リーダー
    W3Cのコミュニティーグループであり正式なワーキンググループではない
    が、Web・電子出版の標準化で中心的な人たちが関わっているということ
    Scholarly HTMLとは何か 7

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  8. Scholarly HTML 目指
    他形式との変換をサポートすること
    直接手で書くことも簡単なこと
    セマンティックに構造化されていること
    自動処理プログラムが簡単にできること
    など。github.com/w3c/scholarly­html/blob/gh­pages/goals.md
    Scholarly HTMLとは何か 8

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  9. Scholarly HTML 紹介
    “What is Scholarly HTML?”
    Scholarly HTMLで書かれたScholarly HTML解説記事。
    ☞Vivliostyleデモ版あり
    松原隆彦講義録「宇宙論入門」
    JAGAT XMLパブリッシング凖研究会でScholarly HTML版サンプル作成
    Scholarly HTMLとは何か 9

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  10. 構造化文書 共通語
    HTML
    構造化文書の共通語としてのHTML 10

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  11. XML 分野 最適 構造化文書形式
    JATS(学術情報)、DITA(技術ドキュメント) など
    それぞれに専用のツールがある
    異なるXML文書形式やHTMLへの変換はXSLTで
    表示するにはHTMLに変換
    構造化文書の共通語としてのHTML 11

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  12. HTML
    ブラウザでそのまま表示できる
    Webアクセシビリティの標準のしくみが整備されてきている
    普及しているWeb用のツール(HTMLエディタ、各種CMSなど)が使える
    扱える人が多く学習コストが低い
    HTMLはもっとも普及している構造化文書形式であり、他とやりとりする
    のに「共通語」として便利
    XHTML構文を使えばXMLのツールも使える(その必要がないなら緩い
    HTML構文でOK)
    でも専用のXMLほどセマンティックな文書構造化はできない?
    構造化文書の共通語としてのHTML 12

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  13. HTML
    HTMLをセマンティックに 13

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  14. HTML5 文書構造化 標準
    2014年にHTML5がW3C勧告、2016年11月には改訂版のHTML 5.1が勧告
    HTML5の新要素(section、article、nav、header、footer、aside、figure、
    figcaption 等)でセマンティックな文書構造が明確に
    従来からのHTML要素もよりセマンティックな定義に。
    例:small要素は「細目などの注釈」という意味に
    HTMLをセマンティックに 14

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  15. role属性 HTML要素 意味 付加
    WAI­ARIA:Webのアクセシビリティのためにセマンティックな情報を
    HTML要素に
    DPUB­ARIA:デジタル出版のためのセマンティックな語彙を定義
    Scholarly HTMLで使えるrole属性の語彙の例:
    contentinfo(コンテンツ情報)
    doc­abstract(要旨)
    doc­acknowledgments(謝辞)
    doc­appendix(付録)
    doc­bibliography(参考文献)
    doc­conclusion(結論)
    doc­endnote(後注)
    doc­footnote(脚注)
    doc­introduction(序論)
    doc­subtitle(副題)
    HTMLをセマンティックに 15

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  16. RDFa: 情報 HTML 埋
    込 方法
    Scholarly HTMLでは schema.org/ScholarlyArticle の語彙を利用
    例:

    村上
    真雄
    (Vivliostyle Inc.)

    HTMLをセマンティックに 16

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  17. Scholarly HTML 感




    Scholarly HTMLはこんな感じ




    Scholarly HTMLはこんな感じ
    ごく簡単な学術論文みたいな例





    HTMLをセマンティックに 17

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  18. 村上
    真雄
    Vivliostyle Inc.




    概要
    本稿は、ごく簡単な学術論文みたいな例です。


    はじめに
    論文をScholarly HTML
    で書いてみます。


    これはセクション見出し

    これはサブセクション見出し
    HTMLをセマンティックに 18

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  19. このようにセクションをネストします。ネストのレベルに応じた見出し要素
    h2-h6 を使います。



    謝辞
    みなさまに感謝。


    参考文献


    Scholarly HTML




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  20. 「Web出版物」 時代
    「Web出版物」の時代へ 20

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  21. Web 標準 = 電子出版 標準
    電子書籍はHTML5やCSS3でできている
    EPUB = (X)HTML + CSS + パッケージ化
    (AmazonのKindle本も同様)
    世界標準のEPUB仕様で日本語の電子書籍が可能になったのは
    CSS3 Writing Modesで縦書きが可能に、ブラウザ実装が進む
    HTML5でルビのマークアップが標準に
    html {
    writing-mode: vertical-rl; /* 縦書き */
    }
    ...
    吾輩わがはいは猫である。
    名前はまだ無い。




















    「Web出版物」の時代へ 21

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  22. Web 出版 融合=Web出版物 標準化
    2つの標準化団体の連携によりWeb標準を使う電子出版が実現した
    W3C (World Wide Web Consortium)
    IDPF (International Digital Publishing Forum)
    さらに進み
    「Web出版物」(Web Publication)の標準化へ
    Web Publications for the Open Web Platform
    オンラインでもオフラインでもシームレスに読める
    WebサイトでもEPUBのようなパッケージ形式でも
    W3C・IDPFの両組織が統合へ(W3Cにマージ)
    ☞国際電子出版フォーラム(IDPF)、加盟機関による投票の結果、
    W3Cとの統合計画を承認
    「Web出版物」の時代へ 22

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  23. 仕様CSS
    進化
    スタイルシート仕様CSSの進化 23

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  24. Web 出版 役立 CSS仕様
    日本語組版関係
    参考 ☞「縦書きWeb普及委員会」の「技術解説」
    雑誌のようなレイアウト
    段組:CSS Multi­column Layout
    任意の形の回り込み:CSS Shapes
    サンプル ☞
    縦書き CSS Writing Modes
    文字組・禁則処理 CSS Text
    装飾・圏点 CSS Text Decoration
    ルビ配置 CSS Ruby
    スタイルシート仕様CSSの進化 24

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  25. ページのレイアウト
    CSS Paged Media
    CSS Generated Content
    CSS Page Templates
    CSS Page Floats
    フォント:CSS Fonts
    最近の話題: Variable font
    複数のフォントのようにふるまう単一のフォント
    参考☞ Variable Fonts: the Future of (Web) Type
    CSS Fonts Level 4 の Font Variation Properties
    スタイルシート仕様CSSの進化 25

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  26. 画面 印刷 CSS :
    Vivliostyle 取 組
    画面も印刷もCSSで:Vivliostyleの取り組み 26

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  27. Vivliostyle 特徴
    印刷の世界と画面の世界を一元化
    印刷物も様々な画面も
    ひとまとめで扱える
    Webブラウザさえあれば使える
    HTMLとCSSだけ
    オープンソース
    github.com/vivliostyle/vivliostyle.js
    画面も印刷もCSSで:Vivliostyleの取り組み 27

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  28. Vivliostyle 事例紹介・
    書籍『CSSシークレット』(Lea Verou著、牧野 聡 訳、オライリー)

    学術論文
    ☞ W3C仕様書など
    ☞ Vivliostyle Viewerサンプル
    What is Scholarly HTML? 松原隆彦講義録「宇宙論入門」
    画面も印刷もCSSで:Vivliostyleの取り組み 28

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