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Microsoft Build 2025_DevOps関連セッションレポート

Microsoft Build 2025_DevOps関連セッションレポート

2025/6/21に開催されたTFSUGでMS Build2025のDevOps関連のアップデートとセッションをレポートしました!
https://tfsug.connpass.com/event/357571/

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yuriemori

June 21, 2025
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  1. AGENDA • Microsoft Build 2025: DevOps関連アップ デートのおさらい • セッションレポート: •

    Reimagining Software Development and DevOps with Agentic AI • Pioneering the future: Agentic DevOps with Nicole Forsgren & Gene Kim • Making Azure DevOps and GitHub Greater than the Sum of their Parts • 現地の様子 • おまけ
  2. YURIE MORI(森 友梨映) • Sr.Consultant(DevOps Engineering)@Avanade • Microsoft MVP for

    Developer Technologies(DevOps) 2024~ • Zennでの記事執筆(Azure DevOpsを使ったAgile/DevOpsの実践, エンタープライズでGiHub を使うとか) • TFSUGでの登壇 • 書籍執筆(AZ-400の試験対策本) • お仕事 • エンタープライズでのDevOpsソリューション( Azure DevOps/GitHub )の導入・構築 • 技術スタック • Azure DevOps, GitHub, Azure, .NET, C# • Please follow me
  3. GitHub Coding Agent • Copilot Coding Agent Public Preview開始 •

    GitHub.com上で動作するタスクやIssueの内容をもとに実装できるコーディングエージェント • issueでCopilotをアサインすると、どのようにタスクを実行するか説明し、実装、テスト、PRの作成をやってくれる • GitHub Copilotを最大限に活用するベストプラクティスとしては、GitHubのOrganizationに含まれるIssueなどの GitHub.com上の様々な機能とGitHub Copilotを組み合わせること • それにより開発者はよりプロダクト開発に集中することができる。
  4. App modernization by GitHub Copilot • GitHub Copilotを使って.NET, Javaのアプリケーションを最新のバージョンにアップグレードできる •

    このmodernizationの実行プロセスはPlan, Execute, Summaryの3段階で実行される。 • Planの段階ではどのようにアップグレードするのかをdocumentとしてユーザーに示し、Executeでアップグレードを実 行、最後のsummarizeでサマリーを提供する。 • このようなApp modernizationの機能はMainframe modernizationにも適用する予定 • 多くの企業は膨大な量のCOBOLのコードで動いているメインフレームを持っているがそれをメンテナンスしたり内容 を把握することが難しくなっている • このApp modernizationの今後の展開として、現状のコードを解析してサマリーするだけでなく、Unit Testを生成 してテストをした上で移行ができるようにする予定である。 • この機能は今年の後半(late this year)に提供できるだろう。
  5. CodeX Agent/Claude Code AgentをGitHubに統合 • OpenAIとの協業により、CodeX Agentをダイ レクトにGitHubのプラットフォームに統合するとい うことはDay1のKeynoteでもアナウンスしたが、 Anthorophicとも協業してClaude

    Code AgentもGitHubのプラットフォームに統合する。 • これによりGitHubは複数のAgentをオーケスト レーションする開発者プラットフォームとなり、開発 者はSDLC(ソフトウェア開発ライフサイクル)のあ らゆる面でセキュアにAgentを使用して開発を進め ることができるようになるだろう。
  6. Azure SRE Agent • SRE業務を実行するAgent • Azure リソースを継続的に監査し、セキュリティのベ ストプラクティスに準拠していることを確認 •

    即Azure Monitor のアラートに対応 • また、PagerDuty などのインシデント管理ツールと統 合して、アラート対応機能を拡張することもできる • 調査が完了すると、SRE Agent は GitHub Issueを 作成し、調査から得られたすべての詳細を含めるこ とで、開発者がソースコードを修正し、インシデント の再発を防止 • 現在Public Preview中。おためしはこちらのwaitlist に登録を。 • https://microsoft.qualtrics.com/jfe/form/SV_c w3LUvdoaJ0SdcW
  7. Azure DevOps MCP Server • これによってGitHub CopilotはAzure DevOpsのコン テキストを持つ事ができるし、GitHub Copilotを介し

    たwork itemの更新や取得ができる。 • Azure DevOpsとGitHub Copilotのコラボレーションを 向上させ、両者の恩恵を最大限に享受できる • たとえば、AzDO上のWork item listを表示したり、 Azure Boardsのチケットに記載されている要件や仕 様について教えてくれたり、GitHub Copilotを介した work itemの更新をしてくれる。
  8. Agentic DevOps: Agentic AI時代のDevOps DevOps Transformation Dev Ops Create Collaborate

    Operate • 製品ドキュメント(仕様/要件) の作成支援 • コーディングの支援 • Coding Agentによる設計、実 装の自律実行(*Public Preview ) • 設計の支援 • App modernization(.NET, Javaのバージョンアップ) • コードベースのセキュリティ脆弱 性検知 • ソフトウェアツールチェーンに起 因する脆弱性の検知と自動 アップデート • セキュリティ脆弱性の大規模 なトリアージ • AIによるセキュリティ的な脆弱 性の修正 • 実行環境のAzureリソースの 継続的監視 • SRE Agentによるインシデン トレポートの生成とGitHubへ のチケット作成(*Public Preview ) *提供状況は2025年5月現在の情報です • チケット管理 • プロジェクト管理 • 生産性の可視化 • Agentへのタスクアサイン • GitHub Copilotによるコードレビュー
  9. Coding Agent × SRE AgentによるSDLCにおける Agent活用のデモ • SDLCの初期フェーズにおけるGitHub Copilot Agentの活用:

    • PRD(Product Requirement Doc)をmdで生成 • html, cssプロトタイプの作成 • PRDをinputにして、GitHub Copilot Agentによる実装、PR作成。 • GitHub.com上でCopilot Agentが使えるようになったことで、アイデア→実装までのプロセスを圧倒的短縮 • IDEに行く前にGitHub.com上でマルチスレッドでimaginationの具現化をサポートすることができる。 • GitHub MCP Serverを使ったGitHub CopilotによるGitHub Reposのメンテナンス • 既存reposの問題の検出とリスト化、修正、Copilotとの対話によるbugの検出と修正をワンストップで実行 • SRE AgentとCoding Agentを組み合わせることによるSREワークフローの自動化 • SRE Agentによる問題の解析、調査、レポート作成、推奨アクション提示→GitHubにIssueとして作成、Coding Agentをアサイン • Copilot Agentが推奨された修正を適用 • GitHub CopilotによるApp modernization: • プロジェクトのファイルを見て、最新の.NETにアップグレード • アップグレードの際にテストも実行、パッケージ等の依存関係も考慮。 • QA/TestingにおけるGitHub Copilotの活用 • GitHub CopilotによるFrontendのテスト、Agentが対象ページにアクセスしてページを開き、PlaywrightでUIテストをやってくれる • ※スピーカー曰く「これまでの人生で最も簡単なデモ」
  10. Coding Agentのアクティビティの安全性/信頼性について • SDLC(ソフトウェア開発ライフサイクル)におけるCoding Agentのアクティビティの安全性についてはかなり投資を している • ユーザーはCoding Agentをfull controlすることができる

    • Agentは実行する操作を説明し、ユーザーの承認なしには処理を実行しない • Agentによるcommitとそうでないものを分離、Agentによってreposがぐちゃぐちゃにならないようにしている • Agentはネット上のすべてのリソースにアクセスできるようにしてはいない。 • これによりデータのcredibilityの担保やハルシネーションを回避
  11. 感想 • GitHub Copilotはコーディングだけじゃない!SDLC全体で使うのだ!というメッセージは最近よく強調されてる気が する。 • IDEを開かずとも開発できるように体験が変わる、ということが示唆されてたけど、なんならGitHub Mobileから Coding Agentにアサイン→で完結するパターンもあるだろうからだいぶ開発体験変わりそう

    • State of DevOps2024では「AIの導入によって効率は上がるけれどもデリバリーのスループット(どれだけ成果物を リリースできるか)と安定性(成果物の品質や信頼性の一貫性)の両方が若干低下する可能性がある」と指 摘されてたので、開発フェーズのスピードアップに対して運用側は運用コスト上がるのでは?と懸念してたけど、 SRE Agentみたいな運用側を支援するツールもでてきてうれしい
  12. DevOpsの有識者たちによるパネルディスカッション • DevOpsの名著、Phoenix Projectの著者 Gene KimとMicrosoftのPartner Researcher Managerの Nicole Forsgren,

    GitHubのVP Martine Woodwardによるパネルディスカッション。 • テーマごとにファシリテーターのAndrew Flickからの 質問に3人が回答&ディスカッションする感じで進む。
  13. Agentic DevOpsとAIに対する信頼 • Q. あなた方にとってAgentic DevOpsとは何? • ゴールの達成をサポートするもの、AIを使うことによって開発者にとってのアハ体験的な瞬間が失われ ると思う人もいるかもしれないがそんなことはない、より速く、よりambitiousに問題解決に挑む楽しみ がある。

    • Q.AIについて語るときはtrustについても語る必要がある。これについてどう考えていますか? • AIを使う際にはAIによってoutputされたものを検証するというステップが必要になる。 • その情報の検証のタイミングは以前よりもより高頻度に、そしてリアルタイムで必要とされる。 • AIによってoutputされた処理のフローを理解し、情報を検証する時間をいかに最小化するかが課題と なってくるだろう。
  14. Agentic DevOpsと開発組織 • Q.Agentic DevOpsに対する開発者や開発組織の適応についてはどう考えているか? • コード生成やデプロイ、システムの保守のスピードは向上し続ける。これに対する適応は通常の DevOpsに対する適応とは違ってくる。 • 適応というか反応として、シニアレベルの開発者はPPTなどの構造化されていないデータはこれらのス

    ピードを阻害するものとして嫌う人が多い傾向にある。 • AI自体は創造的でない、創造性の担い手は以前として開発者である。 • Copilotを活用している開発者の満足度は高い、それは共に学んでいる、改善している、それも速いス ピードで、ということの複合的な要因に起因するものだと思っている。
  15. Agentic AIがDevOpsに与える影響 • Q. 「DevOpsはツールではない」というのがDevOpsにおける原則の一つであるが、Agentic AIという 新しい技術が開発体験(DevEx)に与える影響は無視できない。この時代において、Agentic AIの DevOpsへの影響や変化をどう捉えるか。 •

    これまで通り、DevEx(開発者体験)と、フィードバックループが重要なのは変わらない。 • 特にDevExはより重要。そしてAIによってフィードバックループが高速化することは、それだけ頻繁に良く することができる機会がたくさん得られるだろう。 • Productivityを向上させるためには相互のトレーニングが重要。AIを使ったDevOpsのベストプラクティス は誰にもわからない、全てがExperimentになる。その体験を共有することが重要 • リーダー達がよいプラットフォームとよいプロセスを持つことの重要性をチームに説明できるか、ということ を少し心配している。 • よいプロダクトというものはよいプロセス、よいアーキテクチャ、インフラにより構成される。プロダクトに対し てそれらがコントロールができる状態でなければ、productivity(生産性)を向上させることは難しい だろう
  16. 今後リーダーと開発者に求められること • Q. この時代におけるresponsible leadershipとは? • junior, midレベルのエンジニアをシニアに成長させること、 value creationにコミットすることがリーダー

    シップに求められる。 • AgentやAIを使いこなせるのはシニアエンジニアが多い。なぜなら彼らはデータ構造、アーキテクチャに 精通しているからだ。 • しかしjunior、midレベルのエンジニアを排斥すべきではない。彼らは依然としてソフトウェア開発におい て重要であり、必要である。 Q.今後12か月で、開発者が必要になるであろうスキルは? • コミュニケーション能力。「なぜこれを作るのか?」」「問題は何か?」「何を達成したいのか?」を高速 なイテレーションの中で言語化していく能力が必要。
  17. おすすめ:ソース管理はGitHub • おすすめとしてはソース管理はGitHubにすること。 • GitHub CopilotやCoding AgentなどAI機能 の恩恵をフルに活用することができる。 • GitHub上にソースコードがあるため、GHASの機

    能もフルに使用することができる。Copilot Autofixによるセキュリティリスクの修正提案やセ キュリティOverviewでのセキュリティリスクの可 視化などの恩恵も受けることができる • 同時に、Azure Boardsによるリッチなプロジェ クト管理、Azure PipelinesによるCI/CDで 実行される自動テストをTest Plansでグラフィカ ルに可視化することの恩恵を受けられる
  18. Azure Boards × GitHub • このシナリオ(GitHubのReposにソースがある、 Azure Boardsと統合されている)の場合、GitHub 側での変更は紐付けたAzure Boardsのwork

    item で確認できる。 • またAzure DevOpsのリッチなDashboardを使った作 業の追跡や可視化の恩恵も受けることができる。 (Lead/Cycle Time, CFDの計測はAzure DevOps の方じゃないとできない。個人的にはストーリーポイ ントから着手予定イテレーションを予測するForecast 機能もお気に入り)
  19. Azure Pipelines/Test Plans × GitHub • このシナリオではPR作成時のチェック(自動テストを 含む)はAzure Pipelinesで実施している。 •

    Azure Pipelinesでは実行したテストの結果をこのよ うにわかりやすく可視化してくれるので、テストのカバ レッジや実行履歴をグラフィカルに確認したい場合 はこのシナリオをおすすめする
  20. Azure Repos→GitHub Reposへの移行 • これらのAzure DevOps×GitHubの体験を試し てみたくなった?そんなあなたのためにあるのが GitHub Enterprise Importer

    • Azure Boardsのwork item内にあるリンク、 PRの履歴をすべて保持したままAzure Reposの 内容をGitHub Enterprise Cloudに移行する事 ができる
  21. Azure DevOps × GitHubへの道 • おすすめとしては、ソースはGitHubに移して、GitHub CopilotやGitHub Adavanced Securityの恩恵 を最大限に受け、Azure

    Boardsにおける作業の追跡性やダッシュボードでいい感じに可視化できることの恩 恵を受けるのがベスト • そのために実行できるアクションは以下の通り • まずはAzure Reposにコードがある状態でGitHub Copilotを使ってみる • リポジトリのAzure Repos→GitHubへの移行を計画して、GitHub Enterprise Importerを使う • リポジトリをGitHubに移行して、Azure Boards, pipelinesとGitHubを接続する
  22. 感想 • Azure DevOps or GitHub?というここ最近地味に多かったQuestionに対して「GitHub一択!」ではなくてAzDOと GitHub組み合わせるのがいいよ!というanswerが公式からでてよかった • やっぱり最強はAzure Boards+GitHub

    EnterpriseでBoardsのリッチなプロジェクト管理とGitHubでCopilotとかのAI 系機能がフルで使えるって構成だよね!って思ってたので答え合わせができた感じ • ダッシュボードでLead/Cycle Timeの計測ができる、forecastという各PBIのポイントから着手予定イテレーションを 表示してくれる機能があるのでやはり自分はまだプロジェクト管理はBoards派・・・ • Azure Pipelinesとの統合もテストの結果が綺麗にみえるとかのうまみが確かにある • でもPipelinesも統合するとメンテ大変じゃないかな?ってなった。PipelinesもActionsもymlの書き方はそこまで変 わらないけど、片方でしか使えないタスクとかもあるので、両方詳しい人がいてかつその人がある程度メンテできる よって状況じゃないと難しいかも