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201115_kansaishibu

yuki
November 15, 2020
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 201115_kansaishibu

yuki

November 15, 2020
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  1. 機械学習を活用した2層IPMSMの
    磁石量最小化設計過程における
    形状推移の要因考察
    大阪府立大学大学院 工学研究科
    清水悠生
    2020/11/15 令和2年電気関係学会関西連合大会

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  2. 2
    自動車駆動用IPMSMが抱える問題
    ✓ 自動車用IPMSMは幅広い速度域における特性を有限要素法に
    より求める必要があり,設計期間の長期化が問題に
    有限要素法(FEM)を用いた解析
    幅広い速度域における特性
    構造を細かな要素に分割し
    それぞれの領域内で特性計算を
    実施するため
    特性解析に長時間を要する
    幅広い速度ートルク領域における
    特性を求めるためには
    様々な電流条件で繰り返し
    特性解析を行う必要がある
    トルク
    速度
    電流違いの
    速度ートルク特性

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  3. 3
    代理モデルの構築
    ✓ 有限要素解析の代替として機械学習による代理モデルを
    用いると短期間で計算が完了する
    モータ
    機械学習による代理モデル
    機械学習の活用
    モータ
    速度
    トルク
    運転特性
    有限要素解析
    有限要素解析
    数時間~数日かかる
    数秒程度で完了
    速度
    トルク
    運転特性

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  4. 4
    世代
    磁石量 (p.u.)
    減磁
    未考慮
    先行研究:代理モデルによる磁石量最小化設計
    ✓ 2層構造IPMSMの磁石量最小化設計では
    代理モデルを用いることで設計時間を50分の1にまで短縮
    要求トルクを満足しながら
    磁石量の最小化する設計
    最小化設計にかかった時間
    0
    1000
    2000
    3000
    4000
    5000
    FEM解析 SVR
    (代理モデル)
    計算時間 (hour)
    3944時間
    72.0時間
    50分の1
    以下に短縮
    評価値計算数:19085個体

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  5. 5
    研究目的と発表内容
    ◼ 研究目的
    ✓ 機械学習を用いて構造と運転特性の関係を学習
    ✓ 有限要素法(FEM)を用いずに形状最適化設計を行い
    短期間で最適形状に到達するアルゴリズムを構築
    ◼ 本発表の内容
    ✓ 磁石量最小化設計の形状推移の様子から
    最適形状への収束要因を考察
    ✓ より良い最適解を生成するための指針を得る
    速度
    トルク
    IPMSM構造 運転特性
    機械学習より
    関係を学習
    磁石量
    最小化

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  6. 6
    対象とする2層IPMSM
    ✓ 本研究の基本構造は筆者らが文献(1)で提案した
    永久磁石を2層に配置した自動車駆動用IPMSMとする
    表 モータ諸元
    Item (Unit) Value
    Number of pole/slot 8/48
    Winding method distributed
    Stator diameter (mm) 264
    Rotor diameter (mm) 160.4
    Air gap length (mm) 0.75
    Shaft diameter (mm) 51
    Stack length (mm) 50
    Winding resistance* (Ω) 0.129
    Maximum phase current (A) 134
    Maximum terminal voltage (V) 507
    * 温度条件は180°Cに設定
    図 2層IPMSMの断面図
    Rotor
    core
    Stator
    core
    Permanent
    magnet
    (1)清水ほか,電学論D, Vol. 137, No. 5, pp. 437-444 (2017)

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  7. 7
    図1 設計変数の設定
    d
    9
    d
    8
    (r
    1

    1
    )
    d
    2
    ※軸中心を
    原点とした
    極座標
    学習用データの形状生成と解析条件
    ✓ 2層IPMSMのロータ形状を基本として設計変数を設定
    ✓ 図にない寸法は定数or自動的に決定
    ✓ 形状を上下限値内で乱数生成して特性解析

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  8. 8
    構造生成の様子(gif)
    形状生成の様子

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  9. 9
    磁石量最小化過程の様子
    最大トルク
    要求値: 197Nm
    最大トルク (Nm)
    永久磁石体積 (p.u.)
    最大トルク
    永久磁石体積
    図2 最適化過程での最良個体の磁石量と最大トルクの推移
    ✓ 磁石量最小化設計ではトルクに関する要求値を設定
    ✓ 要求トルクの維持と磁石量の削減を両立

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  10. 10
    トルクの微分値による形状推移要因の考察
    設計変数による
    トルクの微分値が正
    設計変数による
    トルクの微分値が負
    設計変数を増加すると
    トルクが増加する
    設計変数を減少すると
    トルクが増加する
    トルク
    設計変数
    トルク
    設計変数
    ✓ 構築した代理モデルにより
    構造とトルクの関係が数式化できている
    ✓ トルクの設計変数による微分値を計算することで
    形状変化の要因を議論

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  11. 11
    設計変数によるトルクの微分値
    (Nm/mm) or (Nm/°)
    設計変数(mm) or (°)
    世代
    世代
    世代
    d
    1
    (mm) θ
    1
    (°)
    d
    2
    (mm) d
    3
    (mm)
    r
    1
    (mm)
    d
    9
    d
    8
    (r
    1

    1
    )
    d
    2
    1層目磁石寸法のトルク微分値
    ※破線は設計変数
    の上下限値
    ※変数間依存性に
    より上下限値は
    変化する
    ✓ 磁石厚みに関する変数は
    トルクに関係なく減少傾向
    ✓ その他の変数は概して
    トルク増加方向に推移
    図3 最適化過程中の各設計変数によるトルク微分値(MTPA 制御時)と設計変数の推移

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  12. 12
    設計変数によるトルクの微分値
    (Nm/mm) or (Nm/°)
    設計変数(mm) or (°)
    世代
    世代
    世代
    d
    1
    (mm) θ
    1
    (°)
    d
    2
    (mm) d
    3
    (mm)
    r
    1
    (mm)
    d
    9
    d
    8
    (r
    1

    1
    )
    d
    2
    1層目磁石寸法のトルク微分値
    ※破線は設計変数
    の上下限値
    ※変数間依存性に
    より上下限値は
    変化する
    ✓ 磁石厚みに関する変数は
    トルクに関係なく減少傾向
    ✓ その他の変数は概して
    トルク増加方向に推移
    図3 最適化過程中の各設計変数によるトルク微分値(MTPA 制御時)と設計変数の推移
    他の変数の上下限値の
    基準となっており
    明確な傾向はみられない

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  13. 13
    設計変数によるトルクの微分値
    (Nm/mm) or (Nm/°)
    設計変数(mm) or (°)
    世代
    世代
    世代
    d
    1
    (mm) θ
    1
    (°)
    d
    2
    (mm) d
    3
    (mm)
    r
    1
    (mm)
    d
    9
    d
    8
    (r
    1

    1
    )
    d
    2
    1層目磁石寸法のトルク微分値
    ※破線は設計変数
    の上下限値
    ※変数間依存性に
    より上下限値は
    変化する
    ✓ 磁石厚みに関する変数は
    トルクに関係なく減少傾向
    ✓ その他の変数は概して
    トルク増加方向に推移
    r
    1,
    d
    2
    : 磁石厚みの決定
    トルク微分値の符号と
    変数の傾向が同じ
    ⇒トルクの増加に寄与
    図3 最適化過程中の各設計変数によるトルク微分値(MTPA 制御時)と設計変数の推移

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  14. 14
    設計変数によるトルクの微分値
    (Nm/mm) or (Nm/°)
    設計変数(mm) or (°)
    世代
    世代
    世代
    d
    1
    (mm) θ
    1
    (°)
    d
    2
    (mm) d
    3
    (mm)
    r
    1
    (mm)
    d
    9
    d
    8
    (r
    1

    1
    )
    d
    2
    1層目磁石寸法のトルク微分値
    ※破線は設計変数
    の上下限値
    ※変数間依存性に
    より上下限値は
    変化する
    ✓ 磁石厚みに関する変数は
    トルクに関係なく減少傾向
    ✓ その他の変数は概して
    トルク増加方向に推移
    d
    3
    : 磁石厚みの決定
    トルク微分値:正
    に対し変数は減少傾向
    ⇒トルクを犠牲にして
    磁石厚みを減少
    図3 最適化過程中の各設計変数によるトルク微分値(MTPA 制御時)と設計変数の推移

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  15. 15
    ✓ 磁石厚みに関する変数は
    トルクに関係なく減少傾向
    ✓ その他の変数は概して
    トルク増加方向に推移
    設計変数によるトルクの微分値
    (Nm/mm)
    設計変数(mm)
    世代
    d
    4
    (mm)
    d
    7
    (mm) d
    8
    (mm)
    世代 世代
    d
    9
    (mm)
    d
    5
    (mm) d
    6
    (mm)
    2層目磁石寸法のトルク微分値
    d
    9
    d
    8
    (r
    1

    1
    )
    d
    2
    図3 最適化過程中の各設計変数によるトルク微分値(MTPA 制御時)と設計変数の推移

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  16. 16
    ✓ 磁石厚みに関する変数は
    トルクに関係なく減少傾向
    ✓ その他の変数は概して
    トルク増加方向に推移
    設計変数によるトルクの微分値
    (Nm/mm)
    設計変数(mm)
    世代
    d
    4
    (mm)
    d
    7
    (mm) d
    8
    (mm)
    世代 世代
    d
    9
    (mm)
    d
    5
    (mm) d
    6
    (mm)
    2層目磁石寸法のトルク微分値
    d
    9
    d
    8
    (r
    1

    1
    )
    d
    2
    図3 最適化過程中の各設計変数によるトルク微分値(MTPA 制御時)と設計変数の推移
    d
    5
    : 磁石厚みの決定
    トルク微分値:正
    変数:下限を推移
    ⇒トルクを犠牲にして
    磁石厚みを減少
    d
    4
    : 磁石位置の決定
    トルク微分値:負
    変数:下限を推移
    ⇒トルクの増加に寄与
    d
    6
    : 磁石幅の決定
    トルク微分値:正
    変数:上限寄りを推移
    ⇒磁石幅が増加するが
    トルクの増加に寄与

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  17. 17
    ✓ 磁石厚みに関する変数は
    トルクに関係なく減少傾向
    ✓ その他の変数は概して
    トルク増加方向に推移
    設計変数によるトルクの微分値
    (Nm/mm)
    設計変数(mm)
    世代
    d
    4
    (mm)
    d
    7
    (mm) d
    8
    (mm)
    世代 世代
    d
    9
    (mm)
    d
    5
    (mm) d
    6
    (mm)
    2層目磁石寸法のトルク微分値
    d
    9
    d
    8
    (r
    1

    1
    )
    d
    2
    図3 最適化過程中の各設計変数によるトルク微分値(MTPA 制御時)と設計変数の推移
    トルクへの
    寄与は少ない
    トルク微分値:正
    変数:上限を推移
    ⇒トルクの増加に寄与
    明確な傾向は
    みられない

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  18. 18
    研究のまとめと今後の設計指針
    ◼ 研究のまとめ
    ✓ 要求トルクを制約として与えた
    磁石量最小化設計の形状推移要因を
    トルクの微分値を計算することで考察
    ✓ 磁石量の削減は磁石厚みの低減が主であり
    その他の磁石幅などの変数はトルクの維持に寄与
    ◼ 今後の設計指針
    ✓ 磁石厚みは耐減磁性能に大きな影響
    ✓ 高精度な減磁性能予測モデルを構築し
    より厳密に磁石厚みの下限を決定することで
    現実に即した形状を生成する

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