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チェックリストの正体に迫る!

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March 07, 2026
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 チェックリストの正体に迫る!

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Yutaka Kamei

March 07, 2026
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  1. Self-introduction • Yutaka Kamei • かめちゃん • @yykamei on GitHub

    • @_yykamei on X • ソフトウェア開発者 • パーソナルコーチ • Timee, Inc.
  2. 混乱の中で「最善の道」を選ばせる — ハドソン川の奇跡 ハドソン川の奇跡は一人の英雄の物語というより、訓練通りに泥臭く チェックリストを遂行したプロフェッショナルな規律によるものです。 • エンジンをかける前のチェックリスト(自己紹介、計画、懸念、 トラブル時のことを話し、チームをつくりあげる) • エンジン停止時のチェックリスト(この直前に機長が操縦を代

    わり、不時着水の決断をし、副操縦士が脅威的なスピードで 両エンジンの再始動に成功する) • 不時着に備えるためのチェックリスト(遭難信号、不時着の準 備、客室乗務員らによる乗客への案内) ◦ 全員の脱出はわずか3分ほど • 避難用チェックリスト(火災などが起きていないかチェック) —ガワンデ, A. (2011). アナタはなぜチェックリストを使わないの か? (吉田竜 訳). 晋遊舎. (原著出版年: 2009)
  3. コミュニケーションとしてのチェックリスト 建設を任された専門家たちは個人の能力を過信 せず、二種類のチェックリストを使う。単純な手順 の間違いを防ぐチェックリストと、話し合いをさせる ことで予想外の困難も確実に全て解決させるため のチェックリストだ。 —ガワンデ, A. (2011). アナタはなぜチェックリスト

    を使わないのか? (吉田竜 訳). 晋遊舎. (原著出 版年: 2009) チェックリストに「なにかあったときはそれぞれの専 門家同士で話し合う」という項目を設けておき、想 定外の事象にその場の判断で対応させるようにし ます。
  4. スクラムにおけるチェックリスト イベントより • スプリント • スプリントプランニング • デイリースクラム • スプリントレビュー

    • スプリントレトロスペクティブ 成果物より • プロダクトバックログ • スプリントバックログ その他 • プロダクトゴール • スプリントゴール • プロダクトバックログリファインメント • ミーティングのアジェンダ • 完成の定義 • 受け入れ基準
  5. 1. American Psychological Association. (2006, March 20). Multitasking: Switching costs.

    https://www.apa.org/topics/research/multit asking 2. Blades, S. (2017, Fall). The multitasking mirage: More is not always better. The Higher Education Workplace, 4–7. https://www.cupahr.org/wp-content/upload s/KC/heworkplace/Multitasking_Vol9No2.p df 人は案外動きながら考えるのが苦手 • 人間の脳のアーキテクチャーは基本的に直 列処理。並列処理は物理的にできず、タスク を切り替えている(コンテキストスイッチ) • コンテキストスイッチにはコストが伴う [1] • 複数の認知タスクを並行して行うと IQを一次 的に10〜15ポイント(睡眠不足や薬物使用 と同等レベルに)低下させることもあるらしい [2]
  6. 何を載せ、何を載せないか 載せるべきもの • 実行中に忘れがちで、忘れると致命的な結 果をもたらすもの • コミュニケーション項目 ◦ 例 ▪

    ある作業の直前に話し合う ▪ 問題があったときに話し合う 載せるべきではないもの • それをやる理由 • すでに実施者の間でわかりきっている内容
  7. 何を載せ、何を載せないか — よくない例 • コンテキストがわからない人が誰でも対応で きるように詳細すぎるステップで記述 ◦ そもそもコンテキストがわからないチームがそ の手順書を触ることがない ◦

    細かすぎてコンテキストがわかる人は見なくな り、重要な手順まで飛ばす • それを行う意図まで記述されている ◦ 文量が多くなり、やはり、見られなくなる • 何かがあると追加されがち ◦ 情報量が膨れ上がる
  8. 3つのサイクル • Create(書く) ◦ 立ち止まって言語化することが大事 ◦ 先を見通してみる • Use(使う) ◦

    日々のワークフローに組み込む ◦ 読み上げて確認するとよい • Refine(見直す) ◦ 使い勝手はものすごく大事 ◦ 「これいるの?」は積極的に振り返りたい ◦ 戸惑うことがあるなら何かが足りない
  9. 例 — 受入基準 • ポーズポイントとしての受入基準。何を満た していればこのタスクは完了なのか?を考え る(Create) • 受入基準を満たしているか?の確認( Use)

    • ポストモーテムによって受入基準のテンプ レートが更新(Refine) 「起こったら困ること」というチェックリストも使ってい ます。
  10. 例 — 定例ミーティング • 必要そうな定例ミーティングを定める (Create) • 定例ミーティングの実施( Use) ◦

    カレンダーに登録 • 定例ミーティングの見直し( Refine) ◦ ふりかえりの時間を調整 ◦ リファインメントの時間を調整
  11. 例 — 採用面接 採用面接はある程度、アジェンダが固定されてい るのでチェックリストでポイントごとに押さえておくべ き項目が書かれています。 • 始まりのタイミング:AI議事録を使ってもよい か?の許可どり •

    自己紹介後:本日のアジェンダの共有 • メイントピック:あらかじめ記載した質問内容 をもとに対話 • メイントピック:対話中にでたトピックについて 話す(これはチェックリストにない) • クロージング:事務的な連絡を項目ごとに伝 達
  12. 結論 • チェックリストとは?(思考と選択を補助するシステム) ◦ 思考の補助: ワーキングメモリーを「思い出すこと」から「判断すること」へ解放します。無意識の作業を中断し、熟考 (システム2)を起動させるシミュレーションの足場となります。 ◦ 選択の補助: 作成時には無限の選択肢から「やるべきこと」を絞り込み、実行時の混乱の中では「最善の道」へとナビ

    ゲートします。 • 運用の極意(Create - Use - Refine) ◦ Create(書く): 立ち止まって言語化し、ポーズポイント(停止点)を設ける。 ◦ Use(使う): 無意識の作業を物理的に中断し、読み上げて確認する。 ◦ Refine(見直す): 詳細すぎるマニュアル化を避け、「これいるの?」を問い直して極限まで項目を絞る。 • チェックリストの正体 ◦ 単なる作業手順書ではなく、チームや個人の力を最大化する以下の役割を持っています。 ▪ 計画と実行の橋渡し: 熟考した内容を確実な実行へとつなげる。 ▪ コミュニケーションの結節点: 想定外の事態が起きた際、専門家同士が話し合うための場を作る。 ▪ 権限移譲のガードレール: 「絶対に外してはいけないポイント」だけを押さえ、現場の自由と裁量を広げる。