急拡大したエンジニア組織の「成長痛」に メルカリはどう立ち向かっているか？

組織の急拡大を経て、メルカリではどのようなことが起きたか、それをどう乗り越えようとしているかを、1メンバーの視点でお話しました。

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※資料にリンクされているURLたち

「エンジニアを増やしていけば、うまくいくと思っていた メルカリCTO名村卓氏が語る、開発組織の今とこれから」
https://logmi.jp/tech/articles/322197

メルペイのオンボーディング
https://speakerdeck.com/shinden/merpay-onboarding-at-onboarding-meetup

DevDojo
https://mercan.mercari.com/articles/19550/

メルカリのエンジニア組織のVision/Engineering Principles
https://engineering.mercari.com/culture/

英語レベル(CEFR)について
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/03/__icsFiles/afieldfile/2019/01/15/1402610_1.pdf

eNPSとは？
https://www.emotion-tech.co.jp/resource/2019/what_is_enps_with_case

Transcript

1. 1 急拡大したエンジニア組織の「成長痛」に メルカリはどう立ち向かっているか？ 2020/08/26 @afroscript
2. 2 Who am I?? ▪Name : 　木下 雄策(31歳・from 福岡) @afroscript10 / note ▪Career : 　九州大学 大学院で宇宙の研究 　2013.04 ~　Leverages (Levtech -> teratail (DevRel->事業部長) ) 　2019.03 ~　メルカリ 　　　　　 レザーブランド「GIFT & LEATHER」 ▪Work : 　日本発のグローバルテックカンパニーをつくる！ 　　　→ MercariのEngineering Office 　”おくりもの”で、人生を豊かに。 　　　→ GIFT & LEATHERを去年立ち上げ ▪Others : 　・Swift愛好会 / Kotlin愛好会 / EOM_jpの運営 　・TechFeedのDevRel expert 　・スノボとバスケと宇宙と Three.jsが好き 　・新米パパ
3. 3 Engineering Officeとは？ Dev PR Hiring On-boarding Skill & Career Development Culture & Engagement Data & Mechanism Mission Provide the best employee experience for all engineers at mercari →メルカリのエンジニアの組織づくりに関わること全般を担当
4. 4 Engineering Officeとは？ Dev PR Hiring On-boarding Skill & Career Development Culture & Engagement Data & Mechanism Mission Provide the best employee experience for all engineers at mercari →メルカリのエンジニアの組織づくりに関わること全般を担当 このへんを主 に担当
5. - 今日のお話 - 採用がうまくいったとして、組織の急拡大を経て、 メルカリだとどのようなことが起きたか、 それをどう乗り越えようとしているか を、1メンバーの視点でお話します
6. 6 Agenda • 序章 • 過去1年半で行われたこと • 今やっていること / これからやりたいこと
7. 7 序章
8. 2019年 3月 afroがMercari JP にjoin
9. 9 僕の入社前のメルカリ • 2018年3月に約1,000人程度 -> 2019年3月には約1,800人に(グループ全体での数) ◦ 1年間で800人の増加 ◦ 海外メンバーの割合も急増 join
10. 10 入社後しばらくして実感したメルカリの実情 •
11. 11 入社後しばらくして実感したメルカリの実情 • カルチャー薄まってきている感
12. 12 入社後しばらくして実感したメルカリの実情 • カルチャー薄まってきている感 ◦ メンバーの半数近くが入社1年以内 ▪ なんとなく理解してるけど、個々人の解釈は多分大きなズレが... ▪ カルチャーの正解が分からない
13. 13 入社後しばらくして実感したメルカリの実情 • カルチャー薄まってきている感 ◦ メンバーの半数近くが入社1年以内 ▪ なんとなく理解してるけど、個々人の解釈は多分大きなズレが... ▪ カルチャーの正解が分からない ◦ 最近入った人がメンターになる ▪ (僕はたまたま昔からいる人がメンターだったが)
14. 14 入社後しばらくして実感したメルカリの実情 • カルチャー薄まってきている感 ◦ メンバーの半数近くが入社1年以内 ▪ なんとなく理解してるけど、個々人の解釈は多分大きなズレが... ▪ カルチャーの正解が分からない ◦ 最近入った人がメンターになる ▪ (僕はたまたま昔からいる人がメンターだったが) • どのチームが何してるか分からない問題 • 誰に何聞けばいいか分からない問題 • そもそもあの人誰だ？問題
15. 15 入社後しばらくして実感したメルカリの実情 • カルチャー薄まってきている感 ◦ メンバーの半数近くが入社1年以内 ▪ なんとなく理解してるけど、個々人の解釈は多分大きなズレが... ▪ カルチャーの正解が分からない ◦ 最近入った人がメンターになる ▪ (僕はたまたま昔からいる人がメンターだったが) • どのチームが何してるか分からない問題 • 誰に何聞けばいいか分からない問題 • そもそもあの人誰だ？問題 • 言語の壁問題
16. 16 入社後しばらくして実感したメルカリの実情 • カルチャー薄まってきている感 ◦ メンバーの半数近くが入社1年以内 ▪ なんとなく理解してるけど、個々人の解釈は多分大きなズレが... ▪ カルチャーの正解が分からない ◦ 最近入った人がメンターになる ▪ (僕はたまたま昔からいる人がメンターだったが) • どのチームが何してるか分からない問題 • 誰に何聞けばいいか分からない問題 • そもそもあの人誰だ？問題 • 言語の壁問題 • 加えて、古株が辞めてく問題（カルチャーを語れる人がいなくなっていく）
17. 参考記事
18. しかし、 そこから約1年半
19. これらの課題に対して、 最近、徐々に光が見えてきた気がする (個人談)
20. 20 過去1年半で行われたこと
21. 21 過去1年半で行われたこと • Onboardingの整備 • エンジニア組織のVisionの定義 • Engineering Principles / Ladderの作成 • 英語力強化Project(全社の取り組み) • etc…
22. 22 Onboardingの整備 • 中途Onboardingの整備 ◦ グループOnboarding -> カンパニーOnboarding -> エンジニア組 織Onboarding -> チームOnboarding ▪ 参考：メルペイオンボーディング • 新卒Onboardingの整備 ◦ DevDojo ▪ 2ヶ月かけた新卒研修 • 参考：「DevDojo」のすべて
23. 23 エンジニア組織のVisionの定義 ※詳細 育成型組織 Data-Driven Microdecisions 全員Software Engineer Blameless Culture & Mechanisms
24. 24 Engineering Principles / Ladderの作成 • Engineering Principles ◦ メルカリのエンジニア組織が重要としている９つの原則 ▪ メルカリの3つのValueを元に作られている • Engineering Ladder ◦ Engineering Principlesをグレードごとに細かく定義したもの ◦ そのうち公開予定？ Engineering Principles Lv.1 Lv.2 Lv.3 ... Strive For Alignment xxxxx xxxxx xxxxx xxxxx ... Deliver With High Quality xxxxx xxxxx
25. 25 英語力強化Project(全社の取り組み) • メルカリにはLET(Language Education Team)が存在する • 社員の英語力強化 • 全社員の英語レベルをB1以上に ※引用元
26. 26 あと単純に2018年大量入社者が会社に慣れた説 • カルチャーが一時薄れたと言えど、各種意思決定や評価などいたるところ でValueの話が出てくる • その度にValueの意味を考えたり議論したり • 結果、再度定着されていっている
27. 27 今やっていること / これからやりたいこと
28. 28 今やっていること / これからやりたいこと • まだまだVisionの浸透が薄い ◦ “Engineering All Hands”という全エンジニアが集まるイベントを月 に1回大胆に90分開催 ◦ うち半分はQ&Aタイム ▪ →とにかく対話を増やす
29. 29 今やっていること / これからやりたいこと • Visionの各所への組み込み ◦ 「全員Software Engineer」の構想をエンジニア組織のあらゆるとこ ろに組み込む ▪ Hiring ▪ Training ▪ 社内の各種制度 etc... ◦ HR Data基盤の整備 育成型組織 Data-Driven Microdecisions 全員Software Engineer Blameless Culture & Mechanisms
30. 30 今やっていること / これからやりたいこと • Employee Experience(EX)の測定と各施策の効果の可視化 ◦ EXを、それに影響を与え得る要素で分解し、それぞれ測定 ◦ 各施策がどれだけEXに貢献したかを測定可能にしていく ◦ なお、EXはeNPSで測定
31. 31 まとめ
32. 32 まとめ • 急拡大は様々なカオスを生み出す ◦ カルチャーの希薄化 ◦ 曖昧な業務範囲 ◦ 社員間の関係性希薄化 etc • が、それはさらなる拡大に向けた必要な成長痛 ◦ 進太郎さん(代表)「会社も成長しているので、それに合わせてみなさん も変わってください」 ◦ →成長による変化を嘆くのではなく、自分を変える • 目指すべきVisionを掲げながら、着実に足元を少しづつ整えていくのが大 事