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企業の研究開発チームにおける アウトリーチの役割 を整理してみた

企業の研究開発チームにおける アウトリーチの役割 を整理してみた

2024/05/23 Outreach meetup #1での発表資料です!
https://outreach-meetup.connpass.com/event/317201/

afroscript

May 23, 2024
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Transcript

  1. Who am I ?? ▪Name :  木下 雄策 (1988 /

    from 福岡)   @afroscript10 ▪Career :  九州大学 (燃料電池系の研究) -> 九州大学大学院 (修士 / 太陽風に関する研究 )  2013.04 ~ Leverages レバテック(法人営業) -> teratail (DevRel->技術ブランディングのコンサル事業立ち上げ ->事業部長)  2019.03 ~ メルカリEngineering Office (組織開発/カルチャー浸透/DevPR, etc)  2023.07 ~ mercari R4D (Outreach) <- イマココ *より詳しい経歴はnoteに ▪Others :  ・子連れ専用ママ会ルーム ”mamaco”の運営  ・好きなもの: Jeepとキャンプと娘と宇宙
  2. mercari R4Dとは? • メルカリの研究開発組織 ◦ 4D = Design(設計), Development(開発), Deployment(実装),

    Disruption(破壊) • Mission: まだ見ぬ価値を切り拓く ◦ メルカリグループのMission “あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げ る”の実現に学術面からアプローチ
  3. mercari R4Dとは? • 研究開発の範囲が広い ◦ 既存プロダクトのグロースにつながるものから、幅広く「あらゆる価値が循環する社会」の 実現につながりそうなものまで取り組む • ゆえに研究分野も多様 ◦

    量子情報技術、HCI、mobility、ブロックチェーン、AI、ELSI、コミュニケーション、価値交換 工学、etc… familiar uncertain present 3yrs 5yrs future 製品開発のための研究開発 メルカリ事業 との関連性 実用化までの リードタイム R4D(メルカリ)が目指す社会 のために研究する領域 発展可能性を リサーチする領域
  4. mercari R4Dのアウトリーチ活動 • 長尺/短尺動画による研究者・研究発信 ◦ YouTube: メルカリ研究開発組織 - mercari R4D

    ◦ Instagram: @mercari_r4d ◦ TikTok: @mercarir4d • イベント出展 ◦ 例: サイエンスアゴラ, etc… • お知らせ/ニュース管理 ◦ R4D Web / X (旧twitter): @mercari_r4dの運用 ◦ プレスリリース作成 • その他 ◦ 学会等のスポンサー推進 ◦ クリエイティブ管理 ◦ 社内勉強会企画 ◦ 絵本制作 etc…
  5. アウトリーチとは? (wiki) (中略) • 研究者や研究機関が研究成果を国民に周知する活動 を さす。 • 国際会議や国際シンポジウム等を開いて、広く一般に成 果を発表する場合や、研究論文を学会誌などに投稿して

    世に知らしめる場合なども、アウトリーチ活動 • 同分野の専門家以外を対象とした、一般向けの成果発表 会、普及講演、研究施設の一般公開などもアウトリーチ活 動 • 近年では、双方向性が重視 ※引用元
  6. いろんな研究機関のアウトリーチに関する表現 ◦ 科学技術基本計画 (H18) ▪ 研究者等と国民が互いに対話しながら、国民のニーズを研究者等が共有するための双方向コミュニケーション 活動 ◦ FIRST(量子情報処理プロジェクト )

    ▪ アウトリーチ = 出張授業等による直接対話を通した理科教育への社会貢献 ◦ 東京大学地震研究所の広報アウトリーチ室 ▪ アウトリーチ(Public Outreach)とは,「研究開発を行う機関が一般社会に赴いて教育・普及・啓発等の働きか けを行うこと」 ◦ 熊本県立大学飯村研究室 ▪ 研究者や研究機関がその成果を広く国民に公開し還元する活動も、近年ではアウトリーチと呼ぶことが多いで す。 ◦ iCACGP-IGAC ▪ アウトリーチ (Outreach)とは、科学者が専門的な研究内容を分かりやすく伝える活動 ◦ 東京学芸大学 天文学研究室 アウトリーチ ▪ 「アウトリーチ」とは正しくは「パブリック・アウトリーチ( Public Outreach)といい『大学や研究所のような専門研 究機関が行う、一般向けの教育普及啓蒙活動』といった意味で使用される言葉
  7. サイエンスコミュニケーターとは? • 科学技術基本計画 (H18) ◦ 科学技術を一般国民に分かりやすく伝え、あるいは社会の問題意識を研究者・技術者の側に フィードバックするなど、研究者・技術者と社会との間のコミュニケーションを促進する役割を担う人 材 • 日本科学未来館

    ◦ 今まで ▪ 科学技術の内容を分かりやすく伝えたり、面白さを伝えたりするだけではなく、一般の人の疑 問や期待を研究者に伝え双方向のコミュニケーションを生み出す人材。 ◦ これからは ▪ 一般の人から信頼され、科学技術イノベーションに向けた多様なステークホルダー間の対話 ・協働を推進できる人材。また、研究者と対等に議論ができ、社会の側に立ったうえで研究者 に対し社会と向き合う姿勢や科学コミュニケーション能力を伝承する役割。
  8. R4Dのステークホルダーは? 分類 具体的にどんな人? 補足 ビジネス 投資家、経営者・自営業、会社員 社内も基本的にはここに含まれ る。ビジネス界の最も身近な存 在という立ち位置 アカデミック

    研究室に所属している研究者・学生、 研究機関での従事者、大学院生 大学の学部 2年以下でも、ロボ コン出場とか積極的にアカデ ミック界隈にアウトプットしてい る人はここに入れていいかも? 官(行政・国) 行政機関での従事者 一般市民 「ビジネス・アカデミック・行政」以外 <例> 20歳未満の学生、仕事を引退 した人、主婦、 20-50代の会社 員以外(パート /アルバイト/フ リーター..etc) ビジネス アカデミック 行政 一般市民 ・広義の一般市民 = 緑枠内全体 =すべての人 ・狭義の一般市民 = 緑枠内の白い領域 (産学官以外 )
  9. アウトリーチが生み出しうる効果 アウトリーチ To Academic To Business To Public To Politics

    アカデミック界で の認知・理解 R4Dへの貢献 メルカリGへの貢献 社会への貢献 メルカリ Mission の実現 アカデミック界で ブランド形成 より良い 研究成果 コラボレーション 機会の増加 R4Dの採用 への貢献 メルカリ以外での 社会実装 ビジネス界での認 知・理解 ビジネス界での ブランド形成 一般市民からの 認知 一般市民へのブ ランド形成 キャリア・新卒採 用への貢献 株価への 好影響 STEM領域への 興味ある人増 次世代の 研究者増 プロダクトの テックブランディン グへ寄与 コーポレートの テックブランディン グへ寄与 よりよい プロダクト 業務の質や効率 アップ メルカリMission に通じる社会実 装 循環型社会 の実現 新規ユーザ獲得 コストダウン 既存ユーザ 継続率アップ GMVグロース Internal Engagement の向上 R4Dの採用 への貢献 科学の発展 よりよい 社会の発展 新規事業 成功率up 実証実験しやすくなるとかありそうだけど、 クリティカルなもの少なそうなので一旦省略 循環型社会への 理解促進 社会からの フィードバック 協力 新機能の実現 新規事業
  10. アウトリーチが生み出しうる効果 アウトリーチ To Academic To Business To Public To Politics

    アカデミック界で の認知・理解 R4Dへの貢献 メルカリGへの貢献 社会への貢献 メルカリ Mission の実現 アカデミック界で ブランド形成 より良い 研究成果 コラボレーション 機会の増加 R4Dの採用 への貢献 メルカリ以外での 社会実装 ビジネス界での認 知・理解 ビジネス界での ブランド形成 一般市民からの 認知 一般市民へのブ ランド形成 キャリア・新卒採 用への貢献 株価への 好影響 STEM領域への 興味ある人増 次世代の 研究者増 プロダクトの テックブランディン グへ寄与 コーポレートの テックブランディン グへ寄与 よりよい プロダクト 業務の質や効率 アップ メルカリMission に通じる社会実 装 循環型社会 の実現 新規ユーザ獲得 コストダウン 既存ユーザ 継続率アップ GMVグロース Internal Engagement の向上 R4Dの採用 への貢献 科学の発展 よりよい 社会の発展 新規事業 成功率up 実証実験しやすくなるとかありそうだけど、 クリティカルなもの少なそうなので一旦省略 循環型社会への 理解促進 社会からの フィードバック 協力 新機能の実現 新規事業
  11. アウトリーチが生み出しうる効果 アウトリーチ To Academic To Business To Public To Politics

    アカデミック界で の認知・理解 R4Dへの貢献 メルカリGへの貢献 社会への貢献 メルカリ Mission の実現 アカデミック界で ブランド形成 より良い 研究成果 コラボレーション 機会の増加 R4Dの採用 への貢献 メルカリ以外での 社会実装 ビジネス界での認 知・理解 ビジネス界での ブランド形成 一般市民からの 認知 一般市民へのブ ランド形成 キャリア・新卒採 用への貢献 株価への 好影響 STEM領域への 興味ある人増 次世代の 研究者増 プロダクトの テックブランディン グへ寄与 コーポレートの テックブランディン グへ寄与 よりよい プロダクト 業務の質や効率 アップ メルカリMission に通じる社会実 装 循環型社会 の実現 新規ユーザ獲得 コストダウン 既存ユーザ 継続率アップ GMVグロース Internal Engagement の向上 R4Dの採用 への貢献 科学の発展 よりよい 社会の発展 新規事業 成功率up 実証実験しやすくなるとかありそうだけど、 クリティカルなもの少なそうなので一旦省略 循環型社会への 理解促進 社会からの フィードバック 協力 新機能の実現 新規事業
  12. R4Dにおけるアウトリーチの役割と狙う成果 (目的) 「メルカリが目指す世界観や、R4D・関連機関の研究内容および活動をステークホルダーに向けて発 信する」ことで、以下の成果を得ること • R4Dへの貢献 ◦ ①アカデミック界における研究開発組織としてのブランド形成 ◦ ②R4Dの研究に対する社会(Business/Public)からフィードバック・協力

    • メルカリグループへの貢献 ◦ ③ビジネス界における「循環型社会のリーディングクカンパニー」としてのブランド形成 ◦ ④一般市民に対する「循環型社会のリーディングクカンパニー」としてのブランド形成 • 社会への貢献 ◦ ⑤一般市民に対する、循環型社会の理解浸透
  13. 今発信しているもの • 研究内容を紹介するもの ◦ 例 ▪ [YouTube] カスタマーサービスからお客さまに送られるメッセージを快適にするためのテキス トコミュニケーション研究 ▪

    [ショート動画] poimo紹介 ▪ [イベント出展] サイエンスアゴラ • 研究者の魅力を引き出すもの ◦ 例 ▪ [ショート動画] 30年後の新幹線ってどうなってるの? ▪ [ショート動画] どうしたら強い好奇心を持てる? ▪ [YouTube] サマーウォーズ内の RSA暗号は古典コンピュータで解読できるのか量子力学の 専 門家が議論してみた • R4Dの活動を紹介するもの ◦ 例 ▪ (社会人博士制度の取り組み紹介記事などつくられています )
  14. Dual-Cast = ForecastとBackcastをかけ合わせた未 来事業創造フレームワーク • 今ある研究 / 技術要素からどんなことができ るかを妄想 ◦

    この段階ではピースが欠けた状態で OK ◦ むしろあえて欠けたピースを無視して 自由に妄想する • →それを可視化&発信 • →その反応をふまえつつプロトタイプ作って検 証しながらさらに発信 • →それによりむしろ欠けたピース(パートナー) も集まってくる • →未来事業の実現 特にDual-Castは分かりやすかった *出典: 妄想と具現
  15. [再掲] R4Dにおけるアウトリーチの役割と狙う成果 (目的) 「メルカリが目指す世界観や、R4D・関連機関の研究内容および活動をステークホルダーに向けて発 信する」ことで、以下の成果を得ること • R4Dへの貢献 ◦ ①アカデミック界における研究開発組織としてのブランド形成 ◦

    ②R4Dの研究に対する社会(Business/Public)からフィードバック・協力 • メルカリグループへの貢献 ◦ ③ビジネス界における「循環型社会のリーディングクカンパニー」としてのブランド形成 ◦ ④一般市民に対する「循環型社会のリーディングクカンパニー」としてのブランド形成 • 社会への貢献 ◦ ⑤一般市民に対する、循環型社会の理解浸透