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アクセンチュア(保安力の維持・向上を目的とする基礎調査)

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 アクセンチュア(保安力の維持・向上を目的とする基礎調査)

べあキャピタル

March 08, 2020
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  1. 1 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 目次 1.

    プラント業界を巡る市場動向 P.10-11 P.12-19 P.4-9 P.3-23 3. 産業保安高度化に向けた課題と対策のアプローチ 3.0. ヒアリングの目的と実施内容 3.1. 認定制度活用促進に向けた方策 3.2. 更なる自主保安促進への枠組み P.38-79 P.39-40 P.41-45 P.46-79 P.20-23 2. 高圧ガス事故を巡る動向 2.0. 分析全体像 2.1. 高圧ガス事故の長期トレンド P.24-37 P.25-26 P.27-31 2.2. 高圧ガス事故発生企業の特徴 2.3. 高圧ガス事故と人的被害 P.32-35 P.36-37 1.0. 市場全体像 1.1. 石油精製市場の業界動向 1.2. 石油化学市場の業界動向 1.3. 一般化学市場の業界動向 4. 参考情報(高圧ガス事故を巡るその他の分析結果) P.80-107
  2. 2 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 1. プラント業界を巡る市場動向

    1. プラント業界を巡る市場動向 P.10-11 P.12-19 P.4-9 P.3-23 3. 産業保安高度化に向けた課題と対策のアプローチ 3.0. ヒアリングの目的と実施内容 3.1. 認定制度活用促進に向けた方策 3.2. 更なる自主保安促進への枠組み P.38-79 P.39-40 P.41-45 P.46-79 P.20-23 2. 高圧ガス事故を巡る動向 2.0. 分析全体像 2.1. 高圧ガス事故の長期トレンド P.24-37 P.25-26 P.27-31 2.2. 高圧ガス事故発生企業の特徴 2.3. 高圧ガス事故と人的被害 P.32-35 P.36-37 1.0. 市場全体像 1.1. 石油精製市場の業界動向 1.2. 石油化学市場の業界動向 1.3. 一般化学市場の業界動向 4. 参考情報(高圧ガス事故を巡るその他の分析結果) P.80-107
  3. 3 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 化学業界の全体像 1.0.

    市場全体像 出典: 総務省「平成28年経済センサス」 、石油連盟「製油所装置能力(2018/12)」、重化学工業社「2019年版日本の石油化学工業」、各社ウェブサイト等よりアクセンチュア作成 ※1 一般化学業界におけるプラント数は検証できておらず、経済センサスより取得したプラント以外の事業所を含む全事業所数。 ※2 JXTGエネルギー水島製油所は、A工場・B工場に分けて認定されている。プラント数のカウント及び認定率の分母 でのカウントは1プラントとしている。そのため、スーパー認定事業所と認定事業所の合計数は23事業所と石油精製プラント数を超える。石油精製プラントで非認定事業所はない。 ※3 出光興産千葉事業所では石油精製と石油化学の両機能が 稼働している。プラント数及び認定率の分母では両方にカウントしている。 ※4 KHネオケム四日市工場は、霞ケ浦製造所のみ、日本ポリエチレン川崎工場は南地区のみ、三菱ケミカル大竹事業所は、B地区のみがそれぞれ認定されている。また、 旭化成水島製造所はB地区・C地区に、住友化学千葉工場は姉崎・袖ヶ浦地区に、愛媛工場は新居浜地区・菊本地区に、丸善石油化学千葉工場は北・南・甲子地区に、それぞれ分けて認定されている。なお、トクヤマ徳山製造所には3工 場があるが、1施設として認定されている。 ※5 荒川化学工業については、松脂ベースの天然樹脂を主要製品としていること、「日本の石油化学工業」の掲載企業またはその子会社ではないため、同社水島工場を一般化学プラントとして扱った。 83事業所※3 約28.4兆円 石油精製プラント 計 10事業者、22プラント 2事業所 (認定率: 9.1%) 21事業所※2、3 (認定率: 95.5%) • 石油精製10事業者の うち、JXTGエネルギーが国内 原油処理能力の45%超を、 上位5社で80%超のシェアを 占める 13.4兆円 数百~約千 事業者 3事業所 石油化学プラント 102事業者、304プラント 1事業所 (認定率: 0.3%) 60事業所※3、4 (認定率: 19.7%) • 石油化学基礎製品の多くの 品目について生産能力ベース で上位企業のシェアが高い • 誘導品のうち、プラスチック、 合成ゴム、環式中間物、脂 肪族系中間物等は、極少数 のプレイヤーが供給を担う 12.3兆円 一般化学プラント 0事業所 (認定率: 0.0%) • 産業ガス、複合肥料、香料 等の業界で上位数社が生産 能力ベースで高いシェアを誇る • ソーダ業界は、カ性ソーダの シェアが分散する一方、品目 によっては1~3社の限られた 事業者が供給されている 2.7兆円 数百~千の事業者、 1,339事業所※1 3事業所※4 (認定率: 0.2%) 企業数・プラント数 スーパー 認定事業所数 認定事業所数 ※除・スーパー認定 市場規模 (製造品出荷額ベース) シェア構成 (処理/生産能力ベース) 認 定 状 況
  4. 4 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 化学業界の範囲 日本標準産業分類をもとに、高圧ガス保安法に関連する業種を対象に調査する。

    1.0. 市場全体像 ① 基礎材料製造 (ナフサ、軽油、重質油等) ② 基礎製品製造 (エチレン、プロピレン、ブタジエン、 ベンゼン、トルエン、キシレン等) ③ 誘導品製造 (プラスチック、合成ゴム、脂肪族系中間物、 環式中間物、界面活性剤等) ⑦ 最終製品製造 (医薬品、化粧品、石鹸・合成洗剤、農薬、塗料、接着剤、印刷インキ等) ④ 基礎材料製造 (工業用塩、コークス等) ⑤ 汎用品製造 (化学肥料、ソーダ、産業ガス、無機薬品等) 一般化学プラント 石油精製/石油化学プラント 基礎材料 汎用品 製品材料 最終製品 ⑥ 製品材料製造 (無機顔料、発酵製品、香料等)
  5. 5 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 調査対象業種の定義(1/3) 日本標準産業分類をもとに、高圧ガス保安法に関連する業種を対象に調査する。

    1.0. 市場全体像 産業分類 石油精製・化学 一般化学 共通 大分類 中分類 小分類 ① 基礎材料 ② 基礎製品 ③ 誘導品 ④ 基礎材料 ⑤ 汎用品 ⑥ 製品材料 ⑦ 最終製品 16 化学工業 160 管理, 補助的経済活動 を行う事業所 1600 主として管理事務を行う本社等 1609 その他の管理,補助的経済活動を行う事業所 161 化学肥 料製造業 1611 窒素質・りん酸質肥料製造業 ✔ 1612 複合肥料製造業 ✔ 1619 その他の化学肥料製造業 ✔ 162 無機化 学工業製品製造 業 1621 ソーダ工業 ✔ 1622 無機顔料製造業 ✔ 1623 圧縮ガス・液化ガス製造業 ✔ 1624 塩製造業 ✔ 1629 その他の無機化学工業製品製造業 ✔ 163 有機化 学工業製品製造 業 1631 石油化学系基礎製品製造業(一貫して生産さ れる誘導品を含む) ✔ 1632 脂肪族系中間物製造業(脂肪族系溶剤を含 む) ✔ 1633 発酵工業 ✔ 1634 環式中間物・合成染料・有機顔料製造業 ✔ 1635 プラスチック製造業 ✔ 1636 合成ゴム製造業 ✔ 1639 その他の有機化学工業製品製造業 ✔ 164 油脂加 工製品・石けん・ 合成洗剤・界面 活性剤・塗料製 造業 1641 脂肪酸・硬化油・グリセリン製造業 ✔ 1642 石けん・合成洗剤製造業 ✔ 1643 界面活性剤製造業(石けん,合成洗剤を除く) ✔ 1644 塗料製造業 ✔ 1645 印刷インキ製造業 ✔ 1646 洗浄剤・磨用剤製造業 ✔ 1647 ろうそく製造業 ✔ 管理業務につき除外
  6. 6 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 調査対象業種の定義(2/3) 日本標準産業分類をもとに、高圧ガス保安法に関連する業種を対象に調査する。

    1.0. 市場全体像 産業分類 石油精製・化学 一般化学 共通 大分類 中分類 小分類 ① 基礎材料 ② 基礎製品 ③ 誘導品 ④ 基礎材料 ⑤ 汎用品 ⑥ 製品材料 ⑦ 最終製品 16 化学工業 165 医薬品 製造業 1651 医薬品原薬製造業 ✔ 1652 医薬品製剤製造業 ✔ 1653 生物学的製剤製造業 ✔ 1654 生薬・漢方製剤製造業 ✔ 1655 動物用医薬品製造業 ✔ 166 化粧品・ 歯磨・その他の化 粧用調整品製造 業 1661 仕上用・皮膚用化粧品製造業(香水,オーデコ ロンを含む) ✔ 1662 頭髪用化粧品製造業 ✔ 1669 その他の化粧品・歯磨・化粧用調整品製造業 ✔ 169 その他の 化学工業 1691 火薬類製造業 ✔ 1692 農薬製造業 ✔ 1693 香料製造業 ✔ 1694 ゼラチン・接着剤製造業 ✔ 1695 写真感光材料製造業 ✔ 1696 天然樹脂製品・木材化学製品製造業 ✔ 1697 試薬製造業 ✔ 1699 他に分類されない化学工業製品製造業 ✔
  7. 7 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 調査対象業種の定義(3/3) 日本標準産業分類をもとに、高圧ガス保安法に関連する業種を対象に調査する。

    1.0. 市場全体像 産業分類 石油精製・化学 一般化学 共通 大分類 中分類 小分類 ① 基礎材料 ② 基礎製品 ③ 誘導品 ④ 基礎材料 ⑤ 汎用品 ⑥ 製品材料 ⑦ 最終製品 17 石油製品・ 石炭製品製 造業 170 管理, 補助的経済活動 を行う事業所 1700 主として管理事務を行う本社等 1709 その他の管理,補助的経済活動を行う事業所 171 石油精 製業 1711 石油精製業 ✔ 172 潤滑油・ グリース製造業 (石油精製業に よらないもの) 1721 潤滑油・グリース製造業(石油精製業によらない もの) ✔ ✔ 173 コークス 製造業 1731 コークス製造業 ✔ 174 舗装材 料製造業 1741 舗装材料製造業 ✔ 179 その他の 石油製品・石炭 製品製造業 1799 その他の石油製品・石炭製品製造業 ✔ 11 繊維工業 111 製糸業, 紡績業,化学繊 維・ねん糸等製 造業 1112 化学繊維製造業 ✔ 管理業務につき除外
  8. 8 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 産業分類別の事業所数 産業分類ごとの事業所数は、石油精製28ヶ所、石油化学1,159ヶ所、一般化学1,339ヶ所である。

    1.0. 市場全体像 産業分類 事業所数 大分類 中分類 小分類 16 化学工業 161 化学肥料製造業 1611 窒素質・りん酸質肥料製造業 15 1612 複合肥料製造業 137 1619 その他の化学肥料製造業 52 162 無機化学工業製品製造業 1621 ソーダ工業 19 1622 無機顔料製造業 71 1623 圧縮ガス・液化ガス製造業 298 1624 塩製造業 131 1629 その他の無機化学工業製品製造業 502 163 有機化学工業製品製造業 1631 石油化学系基礎製品製造業(一貫して生産される誘導 品を含む) 11 1632 脂肪族系中間物製造業(脂肪族系溶剤を含む) 70 1633 発酵工業 23 1634 環式中間物・合成染料・有機顔料製造業 161 1635 プラスチック製造業 283 1636 合成ゴム製造業 17 1639 その他の有機化学工業製品製造業 287 164 油脂加工製品・石けん・合成 洗剤・界面活性剤・塗料製造業 1641 脂肪酸・硬化油・グリセリン製造業 32 1643 界面活性剤製造業(石けん,合成洗剤を除く) 91 169 その他の化学工業 1693 香料製造業 85 17 石油製品・ 171 石油精製業 1711 石油精製業 28 石炭製品製造業 172 潤滑油・グリース製造業(石 油精製業によらないもの) 1721 潤滑油・グリース製造業(石油精製業によらないもの) 114 173 コークス製造業 1731 コークス製造業 6 11 繊維工業 111 製糸業,紡績業,化学繊 維・ねん糸等製造業 1112 化学繊維製造業 93 プラント分類 事業所数 計 石油精製 ①基礎材料 28 28 石油化学 ②基礎製品 11 1,159 ③誘導品 1,148 一般化学 ④基礎材料 137 1,339 ⑤汎用品 1,023 ⑥製品材料 179 共通 ⑦最終製品 4,579 4,579 出典: 総務省「平成28年経済センサス」よりアクセンチュア作成 【データの補足】 ✓ 非プラントの事業所も含まれる ✓ 従業者の人数に関わらず全事業所を対象とす る
  9. 9 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 業界全体での総出荷額 高圧ガス保安法が対象とする関連業界全体(P.4参照)は出荷額ベースで約28.4兆円市場。

    このうち石油精製、石油化学の2領域が約90%を占める。 1.0. 市場全体像 石油精製 約13.4兆円(47.2%) 石油化学 約12.3兆円(43.4%) 一般化学 約2.7兆円(9.4%) ② ③ ④ ⑤ ⑥ ① 出典: 総務省「平成28年経済センサス」よりアクセンチュア作成 横軸は各業界の出荷額ベースでの市場規模構成比に対応 出荷額ベースの市場構成(平成27年度) 1711 石油精製業 1635 プラスチック製造業 1634 環式中間物・合成染料・有機顔料製造業 その他 1632 脂肪族系中間物製造業 (脂肪族系溶剤を含む) 1643 合成ゴム製造業 1629 その他の 無機化学 工業製品 製造業 1623 圧縮ガス・ 液化ガス 製造業 1612 複合肥料 製造業 1621 ソーダ工業 1624 塩製造業 1731 コークス製造業 1631 石油化学 系基礎 製品製造 業 (一貫して 生産される 誘導品を含む) 1693 香料 製造業 1622 無機 顔料 製造業 1633 発酵工業 1721 潤滑油・グリース製造業 1112 化学繊維製造業
  10. 10 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 売上高比較 1.1.

    石油精製市場の業界動向 国内の石油精製プラント企業の中では売上高ベースで、JXTGエネルギーが突出。 8,700,087 出典: SPEEDAよりアクセンチュア作成 【データの補足】 ✓ ホールディングスとしての売上が公開されており、 石油精製事業以外の売上も内包 ✓ 出光興産と昭和シェル石油は2019年4月より 経営統合を予定 単位: 百万円 石油精製業界における企業の売上高比較(平成29年度) 3,730,690 2,523,106 2,045,936 665,088 431,761 423,772 380,478 34,288 29,979 JXTGエネルギー 出光興産 コスモエネルギーHD 昭和シェル石油 太陽石油 西部石油 富士石油 大阪国際石油精製 鹿島石油 東亜石油
  11. 11 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 処理能力ベースの市場シェア 製油所を運営する10事業者のうち、JXTGエネルギーが国内原油処理能力の45%超を、上位5社

    で80%超のシェアを占める。 1.1. 石油精製市場の業界動向 JXTGエネルギー 46.0% 出光石油 14.2% コスモ石油 10.3% 昭和四日市石油 7.3% 鹿島石油 5.6% 富士石油 4.1% 太陽石油 3.9% [その他] 西部石油 3.4%、 大阪国際石油精製 3.3%、東亜石油 2.0% 原油処理 80% 50% 累積 シェア 出典:石油連盟「製油所装置能力(2018/12)」 原油処理能力ベースでの市場シェア 社名 事業所 原油処理能力 (バレル/日) JXTGエネルギー 仙台 145,000 千葉 129,000 川崎 235,000 根岸 270,000 和歌山 127,500 水島 320,200 麻里布 120,000 堺 135,000 大分 136,000 鹿島 鹿島 197,100 大阪国際石油精製 大阪 115,000 出光 北海道 150,000 千葉 190,000 愛知 160,000 コスモ 千葉 177,000 四日市 86,000 堺 100,000 昭和四日市 四日市 255,000 東亜 京浜 70,000 西部 山口 120,000 富士 袖ヶ浦 143,000 太陽 四国 138,000 事業所別の処理能力(’18)
  12. 12 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 売上高比較 –

    上位企業 1.2. 石油化学市場の業界動向 石油化学プラントの売上は以下の10事業者が上位を占める。 石油化学業界における主要企業の売上高比較(平成29年度) 出典: 重化学工業社「2019年版日本の石油化学工業」よりアクセンチュア作成 【データの補足】 ✓ ホールディングスとしての売上が公開されており、 石油化学事業以外の売上も内包 単位: 百万円 3,730,690 3,724,406 2,290,560 2,204,858 2,190,509 2,042,216 1,463,532 1,441,432 1,328,526 JXTGエネルギー 出光興産 三菱ケミカル ダイキン工業 東レ 住友化学 旭化成 AGC 信越化学工業 三井化学 8,700,087
  13. 13 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 売上高比較 –

    企業規模の構成 主要企業102社のうち、連結での売上高が取得可能な67社を見ると、上位5社が67社全体の 売上高合計の約5割、上位10社が7割の累積売上高を抱える市場。 1.2. 石油化学市場の業界動向 石油化学業界における主要企業の売上高(連結)と累積シェア(平成29年度) 上位5社 A社、B社、C社、D社、E社 上位10社 (上位5社+)F社、G社、H社、I社、J社 出典: 重化学工業社「2019年版日本の石油化学工業」、SPEEDA、Yahoo!ファイナンス、 各社ウェブサイトよりアクセンチュア作成 単位: 百万円 0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0% 0 2,000,000 4,000,000 6,000,000 8,000,000 10,000,000
  14. 14 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 本資料における調査範囲 基礎製品の調査範囲を、エチレン、プロピレン、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレンとする。

    1.2. 石油化学市場の業界動向(1)石油化学基礎製品 出典: 化学工業日報社「ケミカルビジネス情報MAP」よりアクセンチュア作成 エチレン B-B留分 フィルム、ラミネート、成形品 パイプ、フィルム、レザー、成形品 ポリエステル繊維、不凍液、PET樹脂 アセテート、染色助剤、塗料、印刷インキ ビニロン 可塑剤、溶剤 フィルム、成形品、合成繊維 アクリル繊維、合成繊維、合成ゴム、炭素繊維 ポリウレタン 可塑剤 アクリル樹脂 可塑剤 メタクリル樹脂 タイヤ、履物、工業用品 電機、工業用品、包装・容器 タイヤ、履物 ポリエステル樹脂 ナイロン繊維・樹脂 ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂 合成洗剤 溶剤 ポリウレタン 溶剤 ポリエステル樹脂、可塑剤 ポリエステル繊維、PET樹脂 ポリエステル繊維、PET樹脂 ポリエチレン 二塩化エチレン 酸化エチレン アセトアルデヒド その他 ポリプロピレン アクリロニトリル 酸化プロピレン オクタノール アクリル酸・アクリル酸エステル ブタノール アセトン イソプロピルアルコール その他 ブタジエン その他 スチレンモノマー シクロヘキサン フェノール アルキルベンゼン ニトロベンゼン その他 トルイレンジイソシアネート その他 オルソキシレン パラキシレン その他 塩化ビニル樹脂 エチレングリコール 酢酸 合成ブタノール ポリプロピレングリコール ビスフェノールA メタクリル酸メチル 合成ゴム(SBR,BR,CR,NBR) メチルエチルケトン、メタクリル酸エチル ポリスチレン、ABS樹脂 合成ゴム(SBR) カプロラクタム フェノール樹脂、ビスフェノールA、アニリン アニリン 無水フタル酸 テレフタル酸 酢酸エチル ポリビニルアルコール ポリカーボネート、エポキシ樹脂 メチレンジフェニルジイソシアネート テレフタル酸ジメチル 高純度テレフタル酸 ポリウレタン プロピレン ベンゼン トルエン キシレン オレフィン 芳香族
  15. 15 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 生産能力ベースの市場シェア –

    概況 生産能力ベースでみると、石油化学基礎製品の多くの品目で上位企業のシェアが大きい。 1.2. 石油化学市場の業界動向(1)石油化学基礎製品 Q社 42.2% P社 20.7% O社 12.6% N社 10.1% M社 9.3% L社 5.0% K社 16.1% J社 11.2% I社 10.1% H社 9.0% G社 8.3% F社 8.1% E社 7.9% D社 7.7% C社 7.7% B社 7.3% A社 6.6% エチレン 6,530,029t プロピレン 5,458,709t ブタジエン 915,644t R社 5.6% W社 37.0% V社 16.7% U社 16.3% T社 14.6% S社 9.8% aa社 28.7% z社 19.0% y社 11.8% x社 8.0% w社 7.8% v社 4.9% その他 19.9% - r社 3.5% - s社 3.4% - t社 3.1% - u社 2.9% など その他 22.2% - l社 4.9% - m社 3.8% など q社 44.4% p社 17.7% o社 10.7% k社 23.5% j社10.8% i社 10.4% h社 9.6% g社 8.5% f社 5.2% その他 32.0% - a社 4.0% - b社 3.7% - c社 3.6% - d社 3.1% - e社 3.0% など ベンゼン 4,378,902t トルエン 2,129,281t キシレン 6,778,827t n社 5.1% 80% 80% 50% 50% 累積 シェア 累積 シェア 出典: 重化学工業通信社「2019年版日本の石油化学工業」よりアクセンチュア作成 横軸は各品目の出荷量の構成比に対応、品目別構成比は2017年、各品目のシェアは2018年の値 生産能力ベースでの市場シェア(オレフィン) 生産能力ベースでの市場シェア(芳香族)
  16. 16 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 生産能力ベースの市場シェア –

    概況 プラスチック原料のうち、生産量ベースで主要な品目はいずれも上位の数企業により、国内の生産 能力が保持されている。 1.2. 石油化学市場の業界動向(2)石油化学誘導品 – プラスチック原料 生産能力ベースでの市場シェア(プラスチック原料) 出典: 重化学工業通信社「2019年版日本の石油化学工業」よりアクセンチュア作成 横軸は各品目の出荷量の構成比に対応、品目別構成比は2017年、各品目のシェアは2018年の値 PP ポリプロピレン 80% 80% 50% 50% 累積 シェア 累積 シェア LDPE 低密度 ポリエチレン HDPE 高密度 ポリエチレン PS ポリスチレン A社 11.1% B社 14.8% C社 31.6% D社 42.5% PVC 塩化ビニル樹脂 F社 19.1% G社 28.5% H社 29.5% その他 13.7% E社 9.1% その他 17.4% その他 15.9% O社 14.2% P社 15.2% Q社 17.7% R社 37.0% K社 11.3% L社 13.4% M社 13.7% N社 27.7% S社 24.4% T社 36.9% U社 38.7% その他の樹脂 ポリエチレンテレフタラート、ABS樹脂、ポリカーボネート等 J社 8.3% I社 8.2%
  17. 17 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 生産能力ベースの市場シェア –

    概況 環式中間物・合成染料・有機顔料のうち主要な品目は総じて、2~5社程度の極めて少数のプレイ ヤーにより供給されている。 1.2. 石油化学市場の業界動向(2)石油化学誘導品 – 環式中間物・合成染料・有機顔料 生産能力ベースでの市場シェア(環式中間物・合成染料・有機顔料、(’17)) 出典: 重化学工業通信社「2019年版日本の石油化学工業」よりアクセンチュア作成 横軸は各品目の出荷量の構成比に対応、品目別構成比は2017年、各品目のシェアは2018年の値 SM スチレンモノマー 80% 80% 50% 50% 累積 シェア 累積 シェア フェノール D社 21.1% C社 19.5% B社 18.5% A社 13.5% E社 27.5% F社 41.8% G社 58.2% H社 13.9% K社 47.2% I社 17.4% J社 21.5% BPA ビスフェノールA L社 30.9% N社 36.4% M社 32.7% CPL カプロラクタム
  18. 18 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 生産能力ベースの市場シェア –

    概況 脂肪族系中間物のうち主要な品目は総じて、4~5社程度の極めて少数のプレイヤーにより供給さ れている。 1.2. 石油化学市場の業界動向(2)石油化学誘導品 – 脂肪族系中間物 生産能力ベースでの市場シェア(脂肪族系中間物、(’17)) 出典: 重化学工業通信社「2019年版日本の石油化学工業」よりアクセンチュア作成 横軸は各品目の出荷量の構成比に対応、品目別構成比は2017年、各品目のシェアは2018年の値 VCM 塩化ビニルモノマー 80% 80% 50% 50% 累積 シェア 累積 シェア MMAモノマー メタクリル酸メチル AN アクリロニトリル C社 19.5% B社 11.9% A社 7.2% E社 39.8% D社 21.6% EO 酸化エチレン G社 21.4% F社 10.9% I社 35.2% H社 32.6% K社 24.2% J社 6.7% M社 42.7% L社26.4% N社 7.3% S社 39.7% P社 12.2% O社 9.3% Q社 13.2% R社 18.3% T社 11.3% W社 37.7% V社 39.6% U社 11.3% EG エチレングリコール
  19. 19 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. Q社 63.7%

    P社 21.7% O社 14.6% 生産能力ベースの市場シェア – 概況 合成ゴム原料のうち主要な品目は総じて、3~5社程度の極めて少数のプレイヤーにより供給されて いる。 1.2. 石油化学市場の業界動向(2)石油化学誘導品 – 合成ゴム原料 生産能力ベースでの市場シェア(合成ゴム原料、(’17)) 出典: 重化学工業通信社「2019年版日本の石油化学工業」よりアクセンチュア作成 横軸は各品目の出荷量の構成比に対応、品目別構成比は2017年、各品目のシェアは2018年の値 SBR ソリッドブタジエンゴム 80% 80% 50% 50% 累積 シェア 累積 シェア その他 BR ブタジエンゴム EPゴム エチレン・プロピレンゴム CR クロロプレンゴム NBR ニトリルブタジエンゴム F社 42.9% E社 26.8% D社 17.4% C社 5.9% B社 5.6% A社 1.3% K社 40.1% J社22.9% I社 20.7% H社 11.1% G社 5.1% N社 55% M社 24.3% L社 20.8%
  20. 20 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 80% 80%

    50% 50% 累積 シェア 累積 シェア 売上ベースの市場シェア – 圧縮ガス・液化ガス 圧縮ガス・液化ガス市場のうち、主要な品目構成(生産量ベース)は以下。エアーセパレートガスで は首位のXXX、液化炭酸ガスではXXXが約4割のシェアを握る。 1.3. 一般化学市場の業界動向(1)一般化学汎用品 売上ベースの市場構成(圧縮ガス・液化ガス、(’16)) (千㎥ ) (t) 窒素 酸素 アルゴン エアーセパレートガス(千㎥) その他の主要ガス 液化炭酸ガス 溶解 アセチレン 水素 出典: 生産動態統計年報 化学工業統計編、ガスレビュー「ガスジオラマ」よりアクセンチュア作成 横軸は各品目の出荷量の構成比に対応、品目別構成比は2017年、各品目のシェアは2016年の値 フルオロ カーボン C社 40% その他 16% A社 20% B社 24% F社38% その他 9% D社 22% E社 31% J社 43% その他 9% G社 10% H社 15% I社 23% N社 35% その他 13% K社12% L社 15% M社 25% Q社 58% その他 13% O社 11% P社 18%
  21. 21 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 生産能力ベースの市場シェア –

    概況 複合肥料は配合肥料、化成肥料等に区分される。このうち、化成肥料は上位18社で市場の98% を占める。 1.3. 一般化学市場の業界動向(1)一般化学汎用品 – 複合肥料 80% 80% 50% 50% 累積 シェア 累積 シェア 20社計 2% 生産量ベースの市場構成(複合肥料、(’17)) 出典:日本肥料アンモニア協会ウェブサイト、日本肥料アンモニア協会・全国複合肥料工業会「化成肥料製造業の生産性向上に向けた今後の取組及び国等への要望について」(2016)よりアクセンチュア作成 横軸は各品目の出荷量の構成比に対応、品目別構成比は2017年、各品目のシェアは2016年の値 高度化成 上位10社 88% 11位~18位の各社合計 10% 液状複合 化成肥料 配合肥料 普通化成 NK化成 その他 成形複合 ※配合肥料、その他のシェア構成は確認できていない
  22. 22 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 生産能力ベースの市場シェア –

    概況 ソーダ業界には21の事業者がおり、比較的分散されて生産が行われているものの、高度さらし粉や ソーダ灰は1~3社といった限られた事業者によって生産されている。 1.3. 一般化学市場の業界動向(1)一般化学汎用品 – ソーダ 80% 80% 50% 50% 累積 シェア 累積 シェア 生産量ベースの市場構成(ソーダ、(’17)) 出典:重化学工業通信社「化学品ハンドブック 2018」、日本ソーダ工業会ウェブサイト、化学工業日報社「ケミカルビジネス情報MAP 2019」 生産動態統計年報 化学工業統計編、大陽日酸「統合報告書2017年」よりアクセンチュア作成 横軸は各品目の出荷量の構成比に対応 電解ソーダ ソーダ灰 高度さらし粉 カ性ソーダ 次亜塩素酸 ナトリウム 合成塩酸 液体塩素 副生塩酸 H社 26.2% I社 100% ※塩素ガス、塩酸、次亜塩素酸ナトリウム、液体塩素のシェア構成は確認できていない G社 11.3% F社 10.3% E社 7.5% D社 6.7% C社 6.5% B社 3.8% A社 3.8% その他 24.0% 塩素ガス
  23. 23 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 売上ベースの市場シェア –

    香料製造業 香料は、上位5社で約8割のシェアを占める寡占市場である。 1.3. 一般化学市場の業界動向(2)一般化学製品材料 80% 80% 50% 50% 累積 シェア 累積 シェア 売上ベースの市場構成(’17) 出典: 日本香料工業会、SPEEDAよりアクセンチュア作成 横軸は各品目の出荷量の構成比に対応、 食品香料 香粧品 香料 合成香料 天然 香料 (E社 約3割程度) (D社 約2割程度) (A社、B社、C社の3社で約3割程度) その他
  24. 24 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 2. 高圧ガス事故を巡る動向

    1. プラント業界を巡る市場動向 P.10-11 P.12-19 P.4-9 P.3-23 3. 産業保安高度化に向けた課題と対策のアプローチ 3.0. ヒアリングの目的と実施内容 3.1. 認定制度活用促進に向けた方策 3.2. 更なる自主保安促進への枠組み P.38-79 P.39-40 P.41-45 P.46-79 P.20-23 2. 高圧ガス事故を巡る動向 2.0. 分析全体像 2.1. 高圧ガス事故の長期トレンド P.24-37 P.25-26 P.27-31 2.2. 高圧ガス事故発生企業の特徴 2.3. 高圧ガス事故と人的被害 P.32-35 P.36-37 1.0. 市場全体像 1.1. 石油精製市場の業界動向 1.2. 石油化学市場の業界動向 1.3. 一般化学市場の業界動向 4. 参考情報(高圧ガス事故を巡るその他の分析結果) P.80-107
  25. 25 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 事故分析の結果サマリ 2.0.

    分析全体像 データが取得できる直近53年間を対象にした分析によれば、高圧ガス事故件数は30年程度の周期で増減しながら、超長期 的には減少傾向にある(※漏洩件数を除く)(P.27) ✓ 主要因を見ると、「誤操作、誤操作」による高圧ガス事故の構成比が減少傾向にあることが特徴(P.28) ✓ 他方で、直近増えている高圧ガス事故は設備の維持管理不良によるものである(P.29) ✓ また高圧ガス事故の増減の長期サイクルは、1960~70年代に入社し、高圧ガス事故が多発した時期を経験した世代が引退する時期と重なっ ており、これらの経験値が継承されていないことが事故増加の背景にありうる(P.30-31) 人的被害が生じる事故は、業種・認定/非認定の区分を問わず発生している ✓ 人的被害が生じる高圧ガス事故は全体(漏洩事故を除く)の2割程度(P.36) ✓ 直近10年間の高圧ガス事故を見ると、一般化学、石油化学、石油精製の順に死者数・重症者数・軽症者数が共通して多い(P.36) ✓ また、A級、B級事故発生件数に占める認定事業所の構成比に比べて、人的被害が出ている事故に占める認定事業所の構成比は相対的に 低い特徴がある(P.37) 高圧ガス 事故の長期 トレンド 直近10年間において高圧ガス事故が発生した事業所の属性に注目すると、以下のような要素を指摘できる。但し、これらは 事業所単位で見たものであり、高圧ガス保安法の対象となる設備単位等で見れば結果が変わりうる点には留意が必要 ✓ 業種を問わず、事業所単位で見れば、認定事業所は非認定事業所よりも高圧ガス事故の発生頻度が高い(P.32) ✓ 業種別には、石油精製で最も高圧ガス事故の発生頻度が高い(P.32) ✓ ランダム抽出した石油化学の事業所について、主たる製品の製造プロセスに注目すると、バッチプロセスよりも、連続プロセスを行う事業所の事故 発生率が高い水準にある。(P.33) また、特定の企業・事業所に事故リスクが集中する傾向がある ✓ ある事業所における高圧ガス事故の発生確率は1%である一方、高圧ガス事故を起こした事業所がその翌年に繰り返す確率は平均7%と高い 水準にある。なお、高圧ガス事故を起こした企業の別の事業所や地域の事業所において事故が抑制される効果は確認できなかった(P.34) ✓ また、直近10年間で一度でも高圧ガス事故を起こす事業所の割合が11.7%であるのに対して、10年以内に複数年度にわたり高圧ガス事故 を起こす企業は3.7%と、一度事故を起こす企業のうち約1/3に及ぶ(P.35) 高圧ガス 事故発生 企業の特徴 高圧ガス 事故と人的 被害 事故発生の確率が属性や企業・事業所により異なること、人的被害を伴う事故が幅広い事業所で発生していることに鑑みる と、高圧ガス保安行政においても、リスクベースでの対策検討を行いながら、全体の底上げを図ることが有効なのではないか 得られる 示唆
  26. 26 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 石油精製・石油化学・一般化学プラントの事故分析の対象 事故分析の対象は、以下の高圧ガス事故とする。

    2.0. 分析全体像 <分析資料> ✓ 「事故事例データベース」(高圧ガス保安協会) <分析対象> ✓ 「事故事例データベース」掲載の高圧ガス事故 ✓ 対象期間: 分析に応じて、以下の2パターンのデータセットを用いている ① 1965年から2017年までの53年間(高圧ガス事故件数516件) ② 2008年から2017年までの直近10年間(同112件) ✓ 対象業種: 石油精製、石油化学、一般化学 ✓ 1次事象: 「漏洩」、「漏洩等」、「漏洩等、破裂等」を詳細分析の対象から除外 ただし、このうち2次事象が「爆発」「火災」「くすぶり」のものは対象に追加 従って、特に言及がない場合、「漏洩」等は除外されている <分析方法> ✓ 事故分類:対象期間中に分類区分変更があったため、新5分類(A/B1/B2/C1/C2)ではなく、 旧3分類(A/B/C)に寄せて分析。B1・B2⇒B、C1・C2⇒Cとして処理 ✓ 事業所の認定状況:2019年2月の認定状況を利用
  27. 27 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 石油精製・石油化学・一般化学プラント全体の事故発生推移 化学業界全体における事故件数(漏洩を除く)は、1970年代にピークに達したのち低下し、

    以後は約20年間横ばいにあったが、2000年代に再度増加した。しかし、近年では低下傾向にある。 2.1. 高圧ガス事故の長期トレンド(1)全体像 0 5 10 15 20 25 事故分類A 事故分類B 事故分類C 石油精製・石油化学・一般化学プラント全体の事故発生推移(全データ:過去53年) 一般化学 石油化学 石油精製 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成 ② 1980~2000年にかけて 約20年間の横ばいが続く ① 事故発生が増加し、 1970年代にピーク ③ 2000年代に 再度事故増加 ④ 2011年以降、 事故発生は抑制 (件)
  28. 28 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 0% 10%

    20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1965- 1970- 1975- 1980- 1985- 1990- 1995- 2000- 2005- 2010- 2015- 誤操作、誤判断 設備の設計、製作の不良 組織体制の不良 設備の維持管理の不良 主要な事故発生原因の経年変化(1965年~) 誤操作・誤判断に起因する事故の比重が減り、設備の維持管理の不良による事故の比重が増える 傾向となっている。特に直近数年は変化が顕著である。 2.1. 高圧ガス事故の長期トレンド(2)事故要因の変化と背景 一般化学 石油化学 石油精製 2017 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成 主要な原因(主因)の割合経年変化
  29. 29 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 設備の維持管理不良による事故(1965年~) 設備の維持管理不良による事故は、近年、急速な増加傾向にある(過去最多の1965年から

    1970年の5年間の水準と直近の2015年から2017年の3年間が既に同水準)。 2.1. 高圧ガス事故の長期トレンド(2)事故要因の変化と背景 化学業界全体の事故発生推移(設備の維持管理不良) 一般化学 石油化学 石油精製 (件) 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成 2017 0 5 10 15 20 1965- 1970- 1975- 1980- 1985- 1990- 1995- 2000- 2005- 2010- 2015- 劣化 腐食管理不良 検査管理不良 点検不良 締結管理不良 シール管理不良 容器管理不良
  30. 30 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 石油精製・石油化学・一般化学プラント全体の事故と従業員数 化学業界全体における従業員数は、減少傾向が継続しており、直近50年で約50万人から35万

    人へと30%減少している。 2.1. 高圧ガス事故の長期トレンド(2)事故要因の変化と背景 石油精製・石油化学・一般化学プラント全体の事故と従業員数(全データ:過去53年) 一般化学 石油化学 石油精製 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」、経済産業省「工業統計表」よりアクセンチュア作成 事故件数について、現在は精製停止済のプラントで過去に発生した事故を含み、漏洩事故は除外している 従業員数は、「工業統計表」のうち、1600番台「化学工業」及び1711「石油精製業」の合算値によるもの 0 10 20 30 40 50 60 0 5 10 15 20 25 事故分類A(左軸) 事故分類B(左軸) 事故分類C(左軸) 従業員数(右軸) ② 1980~2000年にかけて 約20年間の横ばいが続く ① 事故発生が増加し、 1970年代にピーク ③ 2000年代に 再度事故増加 ④ 2011年以降、 事故発生は抑制 (件) (万人)
  31. 31 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 石油精製プラントにおける事故と従業員数 特に減少が顕著な石油精製業界では従業員数が二度に分けて約40%減少。2000年代の事故

    再発期は、事故が多発した70年代の若手社員が引退の時期を迎える中、過去の採用抑制により ミドル層の不足が課題として顕在化した時期と重なる。 2.1. 高圧ガス事故の長期トレンド(2)事故要因の変化と背景 石油精製プラントにおける事故と従業員数(全データ:過去53年) 一般化学 石油化学 石油精製 0 1 2 3 0 2 4 6 8 事故分類A(左軸) 事故分類B(左軸) 事故分類C(左軸) 従業員数(右軸) 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」、経済産業省「工業統計表」よりアクセンチュア作成 事故件数について、現在は精製停止済のプラントで過去に発生した事故を含み、漏洩事故は除外している 従業員数は、「工業統計表」のうち、1711「石油精製業」の値 事故多発期の 70年代の若手社員 (当時20~30代) 事故多発期の 経験者の引退 (当時50~60代) 従業員数減少 (採用抑制) 従業員数減少 (採用抑制) (件) (万人)
  32. 32 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 0.34 0.02

    0.09 認定 非認定 全体 1.67 0.03 0.04 認定 非認定 全体 認定取得状況による事故発生率 各業界における事業所あたりの事故発生件数は、一般化学、石油精製、石油化学の順に多い。 また、各業界に共通して事業所あたりで見ると、認定事業者の方が事故発生確率が高い。但し、 認定・非認定の差については設備の量・種類等も踏まえて、今後、事故発生確率の精査が必要。 2.2. 高圧ガス事故発生企業の特徴(1)業種・認定事業所 件/1事業所 件/1事業所 ※総事業所数は22としている。 認定割合100%のため全体のみ表示 (件) ※総事業所数は1,339としている ※総事業所数は304としている 1事業者あたりの事故発生件数(過去10年) 一般化学 石油化学 石油精製 34件 27件 1.55 0.00 0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 1.60 1.80 認定 非認定 全体 51件 件/1事業所 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成 石油精製プラント 石油化学プラント 一般化学プラント
  33. 33 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 石油化学プラントにおけるプロセス別の事故発生件数比較 ランダム抽出した石油化学業30社の事業所について、主たる製品の製造プロセスに注目すると、

    バッチプロセスの事業所よりも、連続プロセスを行う事業所の事故発生率が高い水準にある。 2.2. 高圧ガス事故発生企業の特徴(3)プロセス別 石油化学プラントにおけるプロセス別 事業所あたりの平均発生件数比較(全データ:過去53年) 一般化学 石油化学 石油精製 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」、重化学工業通信社「2019年度版日本の石油化学工業」よりアクセンチュア作成 石油化学事業者102社より30社をランダム抽出。プロセスの区分は、各社の主要生産物によって判断。石油化学基礎製品を主として生産する企業を連続プロセスとして計上 過去52年間に発生した事故数と各社の事業所数(2017年時点)によって発生率を算出 0.77 0.34 0.09 0.08 0.06 0.03 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 連続プロセス バッチプロセス 事故分類A 事故分類B 事故分類C (件)
  34. 34 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 石油化学プラントにおける属性別の事故発生率比較 ランダム抽出による石油化学30社の事業所を対象に、高圧ガス事故発生率をみると、全体平均の

    1%に対し、前年度に事故を起こした事業所では7%に。また、前年に同一企業内の別事業所や同 都道府県内の別事業所が事故を起こした場合に、事故発生が抑制される効果は確認できなかった。 2.2. 高圧ガス事故発生企業の特徴(5)過去の事故発生経験 一般化学 石油化学 石油精製 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」、重化学工業通信社「2019年度版日本の石油化学工業」よりアクセンチュア作成 石油化学事業者102社より30社をランダム抽出を実施。対象の事業所において、過去52年間に発生した事故数と各社の事業所数(2017年時点)によって発生率を算出。 なお、対象期間がデータの53年より1年少ないのは、前年の事故発生状況を踏まえているため サンプル30社の石油化学プラントにおける事業所あたりの平均事故発生件数 (件) 1% 7% 4% 4% 0 0.02 0.04 0.06 0.08 平均事故発生率 同事業所内の翌年再発率 同事業者内の翌年再発率 同都道府県内の翌年再発率 62事故 / 99事業所 / 53年間 4事故 / 61事業所 / 翌年1年間 12事故 / 282事業所 / 翌年1年間 17事故 / 480事業所 / 翌年1年間
  35. 35 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 同一事業所での事故発生頻度 10年間で漏洩以外及び火災等を伴う漏洩事故を起こす事業所は11.7%、事故を繰り返す事業所は

    3.7%。全漏洩事故を含めても事故を起こす割合は20%程度だが、漏洩事故を繰り返す割合は高い。 2.2. 高圧ガス事故発生企業の特徴(5)過去の事故発生経験 事業所別10年間での 事故発生件数(除・漏洩)の分布 事業所別10年間での 事故発生件数(含・漏洩)の分布 :直近10年間で事故を複数回起こした事業所 :直近10年間で事故を1回のみ起こした事業所 :直近10年間で事故を起こしていない事業所 326事業所 326事業所 12 (3.7%) 288 (88.3%) 46 (14.1%) 24 (7.4%) 256 (78.5%) 一般化学 石油化学 石油精製 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成 漏洩事故のうち、二次事象として爆発や火災が発生した事故を含む 26 (8.0%)
  36. 36 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 人的被害の発生状況 人的被害を伴う高圧ガス事故は全体の2割弱で発生。業種別にみると、死者、重傷者数、軽傷者

    ともに、一般化学、石油化学、石油精製の順に人的被害が大きい。 2.3. 高圧ガス事故と人的被害(1)業種 一般化学 石油化学 石油精製 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成 34件 人的被害の状況 27件 51件 (人) 0 5 10 15 20 25 30 石油精製 石油化学 一般化学 死者 重傷 軽傷 人的被害の分布 人的被害あり 20件 人的被害なし 92件 直近10年間における 高圧ガス事故 112件
  37. 37 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 認定事業所と非認定事業所の事故発生状況の比較 事業所数では約5%の認定事業所が、高圧ガス事故発生件数では約45%を占める。但し、A級・

    B級事故発生件数に占める認定事業所の割合に比して、発生した人的被害者数に占める割合は 少ない。 2.3. 高圧ガス事故と人的被害(2)認定状況 認定事業者と非認定事業者の比較(過去10年) 一般化学 石油化学 石油精製 1,579 86 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成 重大な人的被害を起こした高圧ガス事故1件について、事故発生当時は認定事業所であったため、 ここでは認定事業所に区分しているが、その他の分析においては2019/3/1時点における認定状況により判別している ※人的被害者数10人以上 認定 事業所 非認定 事業所 52 14 34 1 62 9 28 1 0% 20% 40% 60% 80% 100% 事故件数 A級・B級事故件数 発生した被害者数 特に重大な人的被害発生件数 事故発生件数 (112件) A級・B級事故 発生件数 (23件) 発生した 人的被害者数 (62人) 事業所数 (1,665件) ※サンプルは2件のみ 特に重大な人的被害※ の発生した事故件数 (2件)
  38. 38 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 3. 産業保安高度化に向けた課題と対策のアプローチ

    1. プラント業界を巡る市場動向 P.10-11 P.12-19 P.4-9 P.3-23 3. 産業保安高度化に向けた課題と対策のアプローチ 3.0. ヒアリングの目的と実施内容 3.1. 認定制度活用促進に向けた方策 3.2. 更なる自主保安促進への枠組み P.38-79 P.39-40 P.41-45 P.46-79 P.20-23 2. 高圧ガス事故を巡る動向 2.0. 分析全体像 2.1. 高圧ガス事故の長期トレンド P.24-37 P.25-26 P.27-31 2.2. 高圧ガス事故発生企業の特徴 2.3. 高圧ガス事故と人的被害 P.32-35 P.36-37 1.0. 市場全体像 1.1. 石油精製市場の業界動向 1.2. 石油化学市場の業界動向 1.3. 一般化学市場の業界動向 4. 参考情報(高圧ガス事故を巡るその他の分析結果) P.80-107
  39. 39 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 本章において答えるべき論点 本章において検討する論点は大きく2つ。検証にあたり、本事業では有識者、民間事業所へのヒアリ

    ングをもとに分析を実施した。 3.0. ヒアリングの目的と実施内容 スーパー認定事業所(3) 認定事業所(83) その他 多数 認定事業所等の 制度利用にあたって 何が阻害要因か、 どのように解消できるか 2 1 論点1) 認定事業所・スーパー 認定事業所等の 制度利用にあたって 何が阻害要因か、 どのように解消できるか 論点2) 企業が直面する課題の 構造がどうなっており、 どのように解消しうるか ✓ 石油精製・石油化学・一般化学のうち、 石油精製では全事業所が認定事業所、 スーパー認定事業所であるが、石油化学・ 一般化学では制度利用が進んでおらず、 制度利用を促進したい ✓ 具体的には、企業・事業所が享受できる 「メリット」の面と制度活用に関する金銭・ 非金銭面での「負荷」の面とに着目して、 課題の在りかと解消方法を探る ✓ 制度活用の有無に関わらず、プラント事故は 生じてしまっており、プラント業界を巡っては 事故が起こりやすくなる構造的課題に直面 しているものと認識 ✓ そのため、この構造的な課題を整理するととも に、対策の打ちどころを整理し、民間企業が 自主的な取組において解消しうる部分と 行政の支援が必要な部分とに識別した上で、 解消アプローチ案を提示する 概要 論点の整理 論点 企業が直面する 課題の構造が どうなっており、 どのように解消 しうるか
  40. 40 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. ヒアリングの実施状況 本事業ではヒアリング先を「認定/非認定」「事業所規模」の2軸で整理。10程度の候補事業所の

    うち、調査に協力を頂いた以下の4事業所と有識者2名へのヒアリングを実施。 3.0. ヒアリングの目的と実施内容 認定事業所以外の 大規模な事業所等 中堅・中小規模の 事業所をはじめ、多数 86事業所 (該当は限定的と想定) 認定事業所 非認定事業所 事業所 規模 大 小 ヒアリング先の区分 ✓ A社 XXX工場(XXX県) ✓ B社 XXX工場(XXX県) ✓ C社 XXX工場(XXX県) ✓ D社 XXX工場(XXX県) ヒアリング先 ✓ XXXXX ✓ XXXXX その他
  41. 41 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 制度活用促進に向けたアプローチ ~全体像~

    制度活用促進に向けては、「享受できるメリット拡大」、「負担軽減」のアプローチがある。 3.1. 認定制度活用促進に向けた方策(1)制度全体 主に大規模事業所 主に中堅・中小 規模事業所 主に連続プロセス 主にバッチプロセス 負荷高 負荷低 享 受 で き る メ リ ッ ト 小 享 受 で き る メ リ ッ ト 大 ✓ 中堅・中小規模の事業所でも取得できる よう要件を緩和 ➔特に検査組織の設置等、人員面に関する 要件が、中堅・中小規模事業所にとっての 負担となっている ✓ 取得にかかる負荷を軽減・補助 ➔取得に必要な費用の軽減・補助、指導等の 人的サポート提供が必要になる ➔特にスーパー認定事業所については、要件の 明確化を求める声があった 負荷軽減 ✓ バッチプロセスの事業所・装置にとってもメ リットある新たなインセンティブの提供 ➔「自主保安高度化事業者」について、異なる 規制項目への緩和メニューを追加する ✓ 更なるメリットの積み増し ➔スーパー認定事業所のように同一規制緩和 メニューについて更に追加での緩和を行う (許可が不要な範囲、保安検査猶予期間) メリット 拡大 認定事業所取得のインセンティブ・負荷と企業属性 制度利用促進に向けたアプローチ
  42. 42 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 制度活用促進に向けたアプローチ ~享受できるメリット拡大~

    享受できるメリット拡大にあたっては、認定制度自体・第3者による間接的なインセンティブを考えると ともに、更なるメリットの積み増しを模索することが求められる。 3.1. 認定制度活用促進に向けた方策(1)制度全体 メリット 拡大 享受できる メリット拡大 更なるメリットの 積み増し 新たな インセンティブの 提供 認定制度自体 のインセンティブ 認定取得を 第3者が評価 する間接的な インセンティブ ⚫ 認定により、様々な申請手続きの手間、 手続き時間の短縮というのが増えれば、 現場レベルでは助かる ⚫ (連続運転期間の更なる延長については これまでヒアリングした全社関心がない) ⚫ 高圧ガス設備・危険物の配置や設備間の 距離を緩和できないか ⚫ 「教育」に特化した認定により、採用面で得 があるならば有難い ⚫ 事故、労災が少ないところには税制控除等 は検討できないか ⚫ 防爆規制の緩和、海外で認証されている 防爆機材の承認等は有難い ⚫ 空地・レイアウトの規制については緩和の余 地があるのではないか ⚫ 認定があれば消防関係の規制にも特例が あるという設計が望ましい ✓ 自主保安高度化事業者のインセンティブに ついて、許可が不要な範囲の拡大は検討 しうるのではないか ⚫ 認定事業所の制度検討時には、保険料 低下等も議論されたと聞いている ⚫ 認定事業所だから、取引や採用でメリットを 感じるということは現状ない ⚫ 調達上のメリットがあるとよい ✓ 保険、銀行、投資家、取引先等のステーク ホルダーによるインセンティブを促せないか ※但し、現実性については要考慮 - もともと日本のプラントは安全性が高く保 険料が安い ✓ 消防法・コンビ法等の関連法とセットでの、 新たな「特区」制度導入による緩和が検討 できないか - 地域単位で認定して、特区とすること等も 考えうるのではないか ✓ 高圧ガス保安法に関する規制緩和メニュー により、自主保安高度化事業者の魅力を 向上できないか ✓ 人材育成に特化した認定事業所の導入と、 就活・採用上のメリットを提供できないか 享受できるメリット拡大のアプローチ 企業・有識者の声(抜粋) 施策検討の方向性(案)
  43. 43 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 制度活用促進に向けたアプローチ ~負担軽減~

    負荷軽減にあたっては、取得の要件、及び取得にかかる負荷の軽減を図ることが求められる。特に 中堅・中小規模の事業所を念頭に置くと、体制・人員面での補助、負担軽減策の要請が強い。 3.1. 認定制度活用促進に向けた方策(1)制度全体 負荷を 軽減する 取得の要件を 緩和する 取得にかかる 負荷を軽減・ 補助 体制面での 要件緩和 その他の要件 の緩和 人員面での 負荷軽減・ 補助 費用面での 負荷軽減・ 補助 ⚫ 認定を取るとなれば、費用対効果があるの か、という議論になる ⚫ (保安力向上センターの評価利用につい て)中小企業にとって数百万円という費用 は大きく補助等が必要 ⚫ 中小規模の事業所には、人材がおらず、 どうしたらよいか分からない事業所も多い ✓ 認定のメリットを定量的に検証し、その効果 を周知させていくことが有効な可能性 ✓ 中堅・中小規模の事業所に限り、費用 負担を軽減・補助することができないか ✓ 引退したベテラン作業員等、指導ができる スタッフを派遣する等の支援ができないか ✓ 申請手続きを容易化できないか - 関連して、高圧ガス保安法と他法とで 手続きの一元化等の工夫ができないか ✓ - ✓ 検査組織の設置を必要としない、又は条 件を緩和した認定制度を設けられないか ✓ 地域単位、企業単位での体制保持により、 要件を満たす等の緩和ができないか ⚫ (これまでのヒアリングで言及はない) ⚫ 要求事項の一部は満たしている自負がある が、検査組織を置く必要がある点について、 最低限の人数で操業する中では難しい 負荷軽減のアプローチ 企業・有識者の声(抜粋) 施策検討の方向性(案) 負荷低減
  44. 44 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. «参考»制度活用に関する企業・有識者の声 認定事業所、スーパー認定事業所を取得しない課題、背景についての、企業・有識者のコメントの

    抜粋は以下。 3.1. 認定制度活用促進に向けた方策(1)制度全体 区分 ⚫ 全社的に現場の人数を減らすという方針であり、人数は操業に最低限な人数になっている。特に管理部は非常に最小限の人数で稼働しており、 課長もプレイングマネジャーになっている状態 ⚫ 要求の中で満たしている項目もあるが、検査組織や法定資格等の項目が厳しいと感じている ⚫ 中小の事業所には、人もお金もなく、どうしたらよいか全くわからないという事業所も多いものと認識 ⚫ (保安力向上センターの保安力評価について)中小企業にとって100万円支払って、安全学会に加盟するということは非常にハードルが高い ⚫ 中小規模の事業所向けには、業界団体等も含めたサポートシステムを作ってあげることが必要 ⚫ スーパー認定事業所の取得は現時点で検討していない。触媒交換が2年に1回の頻度で発生し、それ以上稼働期間を長期化することのインセン ティブがない。但し、スーパー認定事業所を取得できるレベルにはいきたいと考えている ⚫ 採用、レピュテーション、取引等に関して、認定事業所がプラスに働いているということは感じていない ⚫ ABTSは2ヶ月に1回は止めて清掃をしており、塩ビも年に2回法的な点検に加え1~2回は点検を行っている。製品としても石油と違って、30~40 年程度の歴史しかなく、腐食性がある等の理由で、細かく点検を行う必要がある ⚫ SD周期にまつわるインセンティブはプラントによる。4年などの連続運転期間であっても、途中でクリーニングのためのシャットダウンを行って安全な運転 のためのバランスを取っており、2年以上ノンストップはあまりない。(スーパー認定により)SD周期4年を8年にしたからといっても、それ自体はそう魅 力的なことではない。ただし保安力向上のメリットはあると認められるため、当社としてもスーパー認定は目指したい ⚫ バッチ処理なので年に3回はプラントを止めている。また、認定事業所のようなところで一度止めてメンテナンスとなると1ヶ月程係るケースも多いが、 当社の場合、1週間程度で済む。加えて、設備も老朽化しており、細かく点検した方がよいだろうと考えている ⚫ 認定を持っていれば、申請の手間が減ったり、手続きを待つ時間が短縮したりと、現場レベルでよいことはあると感じている ⚫ 認定事業所のメリットとして、教育的な観点は実感している。5年に1回の調査にあたって、世の中からこういうことを求められているのだ、ということを 理解する上でよい機会だと考えている 負荷が 高い メリット が少ない 企業・有識者の声(抜粋)
  45. 45 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 認定事業所のスーパー認定取得への意向状況 2認定事業所中1社はスーパー認定取得を志向。2社とも、SD周期・認定期間の拡大へのメリット

    は感じていないとの結果。保安力向上や設備高度化の実質的効果への意欲・関心が共に高い。 3.1. 認定制度活用促進に向けた方策(2)スーパー認定事業所 2認定事業所のスーパー認定制度に関する受け止めと対応方針 - (特になし) リスクマネジメント・ 教育面における 要件の曖昧さ ✓ 何をすれば要件を満たす のか、曖昧さが残っており、 取得に向けた現実性を 把握できない 現時点では目指していない ✓ 触媒交換が2年に1回。SD周期 延長はメリットにならない。ただ設備の 高度化は必要なので、スーパー認定 にならないとしても同レベルにしたい スーパー認定を目指したい ✓ SD周期延長はメリットとは言い難い ものの、取得を目指すこと自体が 安全性向上のモチベーション、原動力 となる 認定 事業所 B 大きなメリットとは 感じない ✓ 安全性確保や製造と の関係で現行以上の 長期連続運転は想定 していない 認定 事業所 A 5年が適切 ✓ 保安に関して理解を深 める絶好の機会であり、 人事異動後の適切な タイミングで経験すべき 共通 共通 SD周期延長への希望 スーパー認定取得 の課題 スーパー認定事業所 取得に関する意向 認定期間延長への希望 事業所
  46. 46 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 化学プラントが直面する課題の構造 –

    全体像 化学プラントにおける高圧ガス事故のリスクについて、業界が抱える課題の構造は以下のような複合 的なものと理解。次頁以降にて、具体的な内容を説明する。 3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(1)プラントが直面する課題の構造 化学プラントにおける事故リスクを巡る主要な構造的課題の整理 事故リスクの変化 ベテラン社員の 一斉引退 過去の 採用縮小による ミドル層の欠如 直近における 新規採用者増加 採用難 ハイテク設備/ 技術の導入 保安業務の 外部化推進 人材の質低下 コミュニケーションの 質低下 現場オペレーション 業務の圧縮 進まない技術伝承 直近の事故 件数削減 現場力・安全文化 の低下 設備の老朽化 仕組みの整備 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク削減に 寄与 リスク削減に 寄与 中小規模の事業所では、 ハイテク設備/技術の導入、 仕組みの整備に遅れがあり、 リスク削減が進んでいない恐れ 凡例) : プラントを取り巻く状況 : 状況による変化 : 項目間の作用
  47. 47 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 化学プラントが直面する課題の構造 –

    解説(1/10) ベテラン社員が一斉に定年時期を迎える中、過去の採用縮小に伴いミドル層も不足し、化学プラン トでは若手人員の採用を急速に進めている。 3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(1)プラントが直面する課題の構造 化学プラントにおける事故リスクを巡る主要な構造的課題の整理 事故リスクの変化 ベテラン社員の 一斉引退 過去の 採用縮小による ミドル層の欠如 直近における 新規採用者増加 採用難 ハイテク設備/ 技術の導入 保安業務の 外部化推進 人材の質低下 コミュニケーションの 質低下 現場オペレーション 業務の圧縮 進まない技術伝承 直近の事故 件数削減 現場力・安全文化 の低下 設備の老朽化 仕組みの整備 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク削減に 寄与 リスク削減に 寄与 中小規模の事業所では、 ハイテク設備/技術の導入、 仕組みの整備に遅れがあり、 リスク削減が進んでいない恐れ 凡例) : プラントを取り巻く状況 : 状況による変化 : 項目間の作用
  48. 48 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. «参考»業界の直面する課題についての企業・有識者の声 前頁までに示した課題の構造について、ヒアリングした企業及び有識者の声は以下。

    3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(1)プラントが直面する課題の構造 ✓ ベテラン社員が一斉に定年時期を 迎える中、過去の採用縮小に伴 いミドル層も不足し、化学プラント では若手人員の採用を急速に 進めている ⚫ 従業員の年齢構成が「フタコブラクダ」になっている。石油化学業を始めた50年前に若手をたくさん採 用し、その後の景気停滞時に採用を大幅に抑制。今また採用を積極的に進めているところ ⚫ 団塊の世代が抜けて、工場全体として社員が若返っている ⚫ 20年間ほど新規採用が無かった時期があったため、工場の作業員に50代がいない。ベテラン作業員 の引退時期を迎えているため、新規採用を進めている。ミドル層も中途採用や他工場からの配転等を 進めており、この工場をあまり知らない人の割合が高くなる ⚫ 安全力向上のための安全管理や教育などの「仕組み」については充実してきているが、仕組みを運用 する「人」に入れ替わりが激しい サマリ 企業・有識者の声(抜粋) 事故リスクの変化 ベテラン社員の 一斉引退 過去の 採用縮小による ミドル層の欠如 直近における 新規採用者増加 採用難 ハイテク設備/ 技術の導入 保安業務の 外部化推進 人材の質低下 コミュニケーションの 質低下 現場オペレーション 業務の圧縮 進まない技術伝承 直近の事故 件数削減 現場力・安全文化 の低下 設備の老朽化 仕組みの整備 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク削減に 寄与 リスク削減に 寄与 中小規模の事業所では、 ハイテク設備/技術の導入、 仕組みの整備に遅れがあり、 リスク削減が進んでいない恐れ
  49. 49 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 化学プラントが直面する課題の構造 –

    解説編(2/10) 新規採用を増やすにも、国内は厳しい雇用の供給制約に直面しており、人数を確保するためには、 人材の質を担保することが困難になりつつある。 3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(1)プラントが直面する課題の構造 化学プラントにおける事故リスクを巡る主要な構造的課題の整理 事故リスクの変化 ベテラン社員の 一斉引退 過去の 採用縮小による ミドル層の欠如 直近における 新規採用者増加 採用難 ハイテク設備/ 技術の導入 保安業務の 外部化推進 人材の質低下 コミュニケーションの 質低下 現場オペレーション 業務の圧縮 進まない技術伝承 直近の事故 件数削減 現場力・安全文化 の低下 設備の老朽化 仕組みの整備 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク削減に 寄与 リスク削減に 寄与 中小規模の事業所では、 ハイテク設備/技術の導入、 仕組みの整備に遅れがあり、 リスク削減が進んでいない恐れ 凡例) : プラントを取り巻く状況 : 状況による変化 : 項目間の作用
  50. 50 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. «参考»業界の直面する課題についての企業・有識者の声 (前頁の続き)

    3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(1)プラントが直面する課題の構造 ✓ 新規採用を増やすにも、国内は 厳しい雇用の供給制約に直面し ており、人数を確保するためには、 人材の質を担保することが困難に なりつつある ⚫ プラント内でも特に技術を要する部分などやや高度人材の確保が課題 ⚫ 検査部門には経験豊富な人材が必要だが、現在その多くが60代で退職を控えている。今後の技術 力維持が懸念 ⚫ 入社する人のレベルが低下傾向にあると感じる ⚫ 高卒、高専からの採用者のレベルの低下を感じる ⚫ 外国人材も考えうるが、言語の問題がありコミュニケーションが円滑でない人材は困難 サマリ 企業・有識者の声(抜粋) 事故リスクの変化 ベテラン社員の 一斉引退 過去の 採用縮小による ミドル層の欠如 直近における 新規採用者増加 採用難 ハイテク設備/ 技術の導入 保安業務の 外部化推進 人材の質低下 コミュニケーションの 質低下 現場オペレーション 業務の圧縮 進まない技術伝承 直近の事故 件数削減 現場力・安全文化 の低下 設備の老朽化 仕組みの整備 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク削減に 寄与 リスク削減に 寄与 中小規模の事業所では、 ハイテク設備/技術の導入、 仕組みの整備に遅れがあり、 リスク削減が進んでいない恐れ
  51. 51 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 化学プラントが直面する課題の構造 –

    解説編(3/10) 新規採用者の教育係となるべきミドル層の欠如により、教える側と教わる側との間にコミュニケーション の大きなギャップが生じてしまっている。 3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(1)プラントが直面する課題の構造 化学プラントにおける事故リスクを巡る主要な構造的課題の整理 事故リスクの変化 ベテラン社員の 一斉引退 過去の 採用縮小による ミドル層の欠如 直近における 新規採用者増加 採用難 ハイテク設備/ 技術の導入 保安業務の 外部化推進 人材の質低下 コミュニケーションの 質低下 現場オペレーション 業務の圧縮 進まない技術伝承 直近の事故 件数削減 現場力・安全文化 の低下 設備の老朽化 仕組みの整備 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク削減に 寄与 リスク削減に 寄与 中小規模の事業所では、 ハイテク設備/技術の導入、 仕組みの整備に遅れがあり、 リスク削減が進んでいない恐れ 凡例) : プラントを取り巻く状況 : 状況による変化 : 項目間の作用
  52. 52 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. «参考»業界の直面する課題についての企業・有識者の声 (前頁の続き)

    3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(1)プラントが直面する課題の構造 ✓ 新規採用者の教育係となるべきミ ドル層の欠如により、教える側と教 わる側との間に、コミュニケーション の大きなギャップが生じてしまって いる ⚫ 中堅社員が不足し、新人と10歳以上の年齢差のある社員との間で言葉の差がありコミュニケーション がうまくいかない ⚫ 教育する側が基本動作がわかっていないからか、 OJTで何を教えるかを個人に任せっきりにすると、応 用が教えられない ⚫ 新入社員研修で先輩社員に教える側としての役割を与えるなど、教育者側の学びも必要 サマリ 企業・有識者の声(抜粋) 事故リスクの変化 ベテラン社員の 一斉引退 過去の 採用縮小による ミドル層の欠如 直近における 新規採用者増加 採用難 ハイテク設備/ 技術の導入 保安業務の 外部化推進 人材の質低下 コミュニケーションの 質低下 現場オペレーション 業務の圧縮 進まない技術伝承 直近の事故 件数削減 現場力・安全文化 の低下 設備の老朽化 仕組みの整備 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク削減に 寄与 リスク削減に 寄与 中小規模の事業所では、 ハイテク設備/技術の導入、 仕組みの整備に遅れがあり、 リスク削減が進んでいない恐れ
  53. 53 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 化学プラントが直面する課題の構造 –

    解説編(4/10) 採用する人材の質は低下しているにも関わらず、世代間のコミュニケーションギャップにより、技術伝承 が進みにくいという構造的な課題に直面。 3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(1)プラントが直面する課題の構造 化学プラントにおける事故リスクを巡る主要な構造的課題の整理 事故リスクの変化 ベテラン社員の 一斉引退 過去の 採用縮小による ミドル層の欠如 直近における 新規採用者増加 採用難 ハイテク設備/ 技術の導入 保安業務の 外部化推進 人材の質低下 コミュニケーションの 質低下 現場オペレーション 業務の圧縮 進まない技術伝承 直近の事故 件数削減 現場力・安全文化 の低下 設備の老朽化 仕組みの整備 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク削減に 寄与 リスク削減に 寄与 中小規模の事業所では、 ハイテク設備/技術の導入、 仕組みの整備に遅れがあり、 リスク削減が進んでいない恐れ 凡例) : プラントを取り巻く状況 : 状況による変化 : 項目間の作用
  54. 54 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. «参考»業界の直面する課題についての企業・有識者の声 (前頁の続き)

    3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(1)プラントが直面する課題の構造 ✓ 採用する人材の質は低下している にも関わらず、世代間のコミュニ ケーションギャップにより、技術伝承 が進みにくいという構造的な課題に 直面 ⚫ 特にオペレータの教育が重要。OJTについて、①教える人によって内容がバラバラ、②本当に理解され たか理解度が不明、③教育担当の知識技能レベルの担保、の3点の課題があった ⚫ 団塊の世代が抜けて、工場全体として社員が若返っているため、自分たちが若いころに取り組んでいた ような初歩的な活動に返って改めて取り組む必要が生じている ⚫ 若手社員が法令の文書を読み慣れず、法令上必要な資格の取得が進まない ⚫ 資格保有状況は社員の8割程度が保有。ただし、取得率は年齢が高いほど高く、現在、プラントの従 業員が全体として若返りしているため、今後は資格取得促進が課題になると想定される。社内でも受 験対策をし、学卒スタッフが教えるなどしている ⚫ 教育的な取組については、技術伝承の必要な内容はプラントによって異なり、それぞれの作業所で、 適切に進める必要がある サマリ 企業・有識者の声(抜粋) 事故リスクの変化 ベテラン社員の 一斉引退 過去の 採用縮小による ミドル層の欠如 直近における 新規採用者増加 採用難 ハイテク設備/ 技術の導入 保安業務の 外部化推進 人材の質低下 コミュニケーションの 質低下 現場オペレーション 業務の圧縮 進まない技術伝承 直近の事故 件数削減 現場力・安全文化 の低下 設備の老朽化 仕組みの整備 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク削減に 寄与 リスク削減に 寄与 中小規模の事業所では、 ハイテク設備/技術の導入、 仕組みの整備に遅れがあり、 リスク削減が進んでいない恐れ
  55. 55 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 化学プラントが直面する課題の構造 –

    解説編(5/10) コスト削減を目的として推進された保安業務の急速な外部化により、社内に熟練の技術を持つ作 業員が限られてしまったことも、技術伝承を妨げる要因になっている。 3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(1)プラントが直面する課題の構造 化学プラントにおける事故リスクを巡る主要な構造的課題の整理 事故リスクの変化 ベテラン社員の 一斉引退 過去の 採用縮小による ミドル層の欠如 直近における 新規採用者増加 採用難 ハイテク設備/ 技術の導入 保安業務の 外部化推進 人材の質低下 コミュニケーションの 質低下 現場オペレーション 業務の圧縮 進まない技術伝承 直近の事故 件数削減 現場力・安全文化 の低下 設備の老朽化 仕組みの整備 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク削減に 寄与 リスク削減に 寄与 中小規模の事業所では、 ハイテク設備/技術の導入、 仕組みの整備に遅れがあり、 リスク削減が進んでいない恐れ 凡例) : プラントを取り巻く状況 : 状況による変化 : 項目間の作用
  56. 56 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. «参考»業界の直面する課題についての企業・有識者の声 (前頁の続き)

    3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(1)プラントが直面する課題の構造 ✓ コスト削減を目的として推進された 保安業務の急速な外部化により、 社内に熟練の技術を持つ作業員 が限られてしまったことも、技術伝 承を妨げる要因になっている ⚫ 保全部門を分社化する流れが全体としてあり、当社でもそのようにしていたが、保安力が低下した ⚫ 分社化した会社は保安力が落ちてしまうことがよくある ⚫ 工事発注側は簡単な作業は自分でやるが、難しい作業は外注してる。本来はその逆のはず ⚫ 外の会社に移管したことで、自分たちの側も整備工事に手を出さなくなるため、自社のメンテナンス技 術も落ちている。最近では、協力会社に自分たちの側が勉強しにいく、ということも始める必要性が生 じている サマリ 企業・有識者の声(抜粋) 事故リスクの変化 ベテラン社員の 一斉引退 過去の 採用縮小による ミドル層の欠如 直近における 新規採用者増加 採用難 ハイテク設備/ 技術の導入 保安業務の 外部化推進 人材の質低下 コミュニケーションの 質低下 現場オペレーション 業務の圧縮 進まない技術伝承 直近の事故 件数削減 現場力・安全文化 の低下 設備の老朽化 仕組みの整備 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク削減に 寄与 リスク削減に 寄与 中小規模の事業所では、 ハイテク設備/技術の導入、 仕組みの整備に遅れがあり、 リスク削減が進んでいない恐れ
  57. 57 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 化学プラントが直面する課題の構造 –

    解説編(6/10) 化学プラントにおいて同時期に進んだ、保安業務の外部化と、ハイテク設備/技術の導入は、生産 性向上に寄与する一方で、現場業務の減少を通じ、現場力・安全文化の低下に作用している。 3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(1)プラントが直面する課題の構造 化学プラントにおける事故リスクを巡る主要な構造的課題の整理 事故リスクの変化 ベテラン社員の 一斉引退 過去の 採用縮小による ミドル層の欠如 直近における 新規採用者増加 採用難 ハイテク設備/ 技術の導入 保安業務の 外部化推進 人材の質低下 コミュニケーションの 質低下 現場オペレーション 業務の圧縮 進まない技術伝承 直近の事故 件数削減 現場力・安全文化 の低下 設備の老朽化 仕組みの整備 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク削減に 寄与 リスク削減に 寄与 中小規模の事業所では、 ハイテク設備/技術の導入、 仕組みの整備に遅れがあり、 リスク削減が進んでいない恐れ 凡例) : プラントを取り巻く状況 : 状況による変化 : 項目間の作用
  58. 58 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. «参考»業界の直面する課題についての企業・有識者の声 (前頁の続き)

    3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(1)プラントが直面する課題の構造 ✓ 化学プラントにおいて同時期に進 んだ、保安業務の外部化と、ハイ テク設備/技術の導入は、生産性 向上に寄与する一方で、現場業 務の減少を通じ、現場力・安全文 化の低下に作用している ⚫ リモート操作がメインとなり、オペレーターが制御室にこもりがちで、設備への知見が低下している。いざと いうときにはメーカーを呼んで部品交換してしまうので設備不良があったときに直す能力が身につかない ⚫ かつては設備の改造なども頻繁にあり、その経緯の中で多様な経験ができたが、今は運転も安定し、 マニュアルはあっても実践の機会がない ⚫ 平常時は連続運転の場合は大きな操作がない。スタートやシャットダウンのときこそプラント理解が深ま るタイミングでスキルがあがるが、そのような機会が大幅に減少 ⚫ IoT導入等による保安力の向上は望ましい路線であるが、マニュアル化され、現場が考えなくなることも 問題ではある サマリ 企業・有識者の声(抜粋) 事故リスクの変化 ベテラン社員の 一斉引退 過去の 採用縮小による ミドル層の欠如 直近における 新規採用者増加 採用難 ハイテク設備/ 技術の導入 保安業務の 外部化推進 人材の質低下 コミュニケーションの 質低下 現場オペレーション 業務の圧縮 進まない技術伝承 直近の事故 件数削減 現場力・安全文化 の低下 設備の老朽化 仕組みの整備 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク削減に 寄与 リスク削減に 寄与 中小規模の事業所では、 ハイテク設備/技術の導入、 仕組みの整備に遅れがあり、 リスク削減が進んでいない恐れ
  59. 59 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 化学プラントが直面する課題の構造 –

    解説編(7/10) 20世紀後半には人に依存しないプロセスセーフティの考え方が浸透したことで、ハイテク設備/技術の 導入、仕組みの整備が進み、事故リスクの減少に貢献している。 3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(1)プラントが直面する課題の構造 化学プラントにおける事故リスクを巡る主要な構造的課題の整理 事故リスクの変化 ベテラン社員の 一斉引退 過去の 採用縮小による ミドル層の欠如 直近における 新規採用者増加 採用難 ハイテク設備/ 技術の導入 保安業務の 外部化推進 人材の質低下 コミュニケーションの 質低下 現場オペレーション 業務の圧縮 進まない技術伝承 直近の事故 件数削減 現場力・安全文化 の低下 設備の老朽化 仕組みの整備 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク削減に 寄与 リスク削減に 寄与 中小規模の事業所では、 ハイテク設備/技術の導入、 仕組みの整備に遅れがあり、 リスク削減が進んでいない恐れ 凡例) : プラントを取り巻く状況 : 状況による変化 : 項目間の作用
  60. 60 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. «参考»業界の直面する課題についての企業・有識者の声 (前頁の続き)

    3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(1)プラントが直面する課題の構造 ✓ 20世紀後半には人に依存しない プロセスセーフティの考え方が浸透 したことで、ハイテク設備/技術の 導入、仕組みの整備が進み、 事故リスクの減少に貢献している ⚫ 事故が生じたことを踏まえ、潜在リスクの洗い出しを強化。また、社内で保全記録や製造技術基準の 整備を進めている ⚫ 海外の事業所では手順書などがこと細かに言葉になっている。伝承すべき技術を確実に言葉にするた め、手順書を事細かくする作業を地道に継続 ⚫ 元請け会社の評価の仕組みを整備しており、安全面や財務面など総合的にランク付けしている ⚫ 「設備」の面では運転状況の監視や配管の腐食状況の確認などのスマート化をすでに導入し、人の手 が必要な部分が減少 ⚫ 塩ビプラントについて、人の手がほとんどかからないように自動化。そもそも事故発生を抑制 サマリ 企業・有識者の声(抜粋) 事故リスクの変化 ベテラン社員の 一斉引退 過去の 採用縮小による ミドル層の欠如 直近における 新規採用者増加 採用難 ハイテク設備/ 技術の導入 保安業務の 外部化推進 人材の質低下 コミュニケーションの 質低下 現場オペレーション 業務の圧縮 進まない技術伝承 直近の事故 件数削減 現場力・安全文化 の低下 設備の老朽化 仕組みの整備 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク削減に 寄与 リスク削減に 寄与 中小規模の事業所では、 ハイテク設備/技術の導入、 仕組みの整備に遅れがあり、 リスク削減が進んでいない恐れ
  61. 61 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 化学プラントが直面する課題の構造 –

    解説編(8/10) ハイテク設備/技術の導入、仕組みの整備の影響で直近の事故件数が減ったことに起因して、現場 での事故に対する当事者意識が希薄化し、安全文化の棄損を伴う反作用も生じてしまっている。 3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(1)プラントが直面する課題の構造 化学プラントにおける事故リスクを巡る主要な構造的課題の整理 事故リスクの変化 ベテラン社員の 一斉引退 過去の 採用縮小による ミドル層の欠如 直近における 新規採用者増加 採用難 ハイテク設備/ 技術の導入 保安業務の 外部化推進 人材の質低下 コミュニケーションの 質低下 現場オペレーション 業務の圧縮 進まない技術伝承 直近の事故 件数削減 現場力・安全文化 の低下 設備の老朽化 仕組みの整備 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク削減に 寄与 リスク削減に 寄与 中小規模の事業所では、 ハイテク設備/技術の導入、 仕組みの整備に遅れがあり、 リスク削減が進んでいない恐れ 凡例) : プラントを取り巻く状況 : 状況による変化 : 項目間の作用
  62. 62 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. «参考»業界の直面する課題についての企業・有識者の声 (前頁の続き)

    3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(1)プラントが直面する課題の構造 ✓ ハイテク設備/技術の導入、仕組 みの整備の影響で直近の事故件 数が減ったことに起因して、現場で の事故に対する当事者意識が希 薄化し、安全文化の棄損を伴う 反作用も生じてしまっている ⚫ 長年、災害が発生していなかったことから、安全が当たり前になってしまっていたところがある ⚫ 安全教育の強化により事故が減ってくると、安全が当然になってくることも懸念。小さな事故でも取り上 げて、なぜ生じているか、どうしたら防げるかを突き詰める必要がある ⚫ 仕組みやマニュアルがあっても、本当にそれらを社員に徹底できているかが懸念。1%でも漏れがあれ ば大事故が起こると言われるが、社員への徹底はトップダウンでは困難であり、ボトムアップで進めていか なければならない ⚫ 若手オペレーターは、有事の際にきちんと対応ができるかが心配 ⚫ 実際に有事の際に現場オペレータが迅速に自らの判断できちんと適切な判断ができるかが最も重要。 迷わずに、経済的損失が生じようとも安全を優先した決断に踏み切れるか サマリ 企業・有識者の声(抜粋) 事故リスクの変化 ベテラン社員の 一斉引退 過去の 採用縮小による ミドル層の欠如 直近における 新規採用者増加 採用難 ハイテク設備/ 技術の導入 保安業務の 外部化推進 人材の質低下 コミュニケーションの 質低下 現場オペレーション 業務の圧縮 進まない技術伝承 直近の事故 件数削減 現場力・安全文化 の低下 設備の老朽化 仕組みの整備 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク削減に 寄与 リスク削減に 寄与 中小規模の事業所では、 ハイテク設備/技術の導入、 仕組みの整備に遅れがあり、 リスク削減が進んでいない恐れ
  63. 63 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 化学プラントが直面する課題の構造 –

    解説編(9/10) 設備の老朽化は顕著に進んでおり、事故リスクを中長期的に高める大きな要因となっている。 3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(1)プラントが直面する課題の構造 化学プラントにおける事故リスクを巡る主要な構造的課題の整理 事故リスクの変化 ベテラン社員の 一斉引退 過去の 採用縮小による ミドル層の欠如 直近における 新規採用者増加 採用難 ハイテク設備/ 技術の導入 保安業務の 外部化推進 人材の質低下 コミュニケーションの 質低下 現場オペレーション 業務の圧縮 進まない技術伝承 直近の事故 件数削減 現場力・安全文化 の低下 設備の老朽化 仕組みの整備 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク削減に 寄与 リスク削減に 寄与 中小規模の事業所では、 ハイテク設備/技術の導入、 仕組みの整備に遅れがあり、 リスク削減が進んでいない恐れ 凡例) : プラントを取り巻く状況 : 状況による変化 : 項目間の作用
  64. 64 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. «参考»業界の直面する課題についての企業・有識者の声 (前頁の続き)

    3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(1)プラントが直面する課題の構造 ✓ 設備の老朽化は顕著に進んでおり、 事故リスクを中長期的に高める大 きな要因となっている ⚫ 経年劣化、保全費不足については課題と感じている ⚫ 設備面では、古いプラントは築50年以上。外面腐食対応にお金かけている。また、プラント内に工業 用水、海水、浄水など複数の水道管をめぐらせており、埋設配管の老朽化も懸念点である ⚫ この工場はレイアウト規制前に建てられており、今後更新のときには規制との関係で多くの工夫が必要 になる サマリ 企業・有識者の声(抜粋) 事故リスクの変化 ベテラン社員の 一斉引退 過去の 採用縮小による ミドル層の欠如 直近における 新規採用者増加 採用難 ハイテク設備/ 技術の導入 保安業務の 外部化推進 人材の質低下 コミュニケーションの 質低下 現場オペレーション 業務の圧縮 進まない技術伝承 直近の事故 件数削減 現場力・安全文化 の低下 設備の老朽化 仕組みの整備 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク削減に 寄与 リスク削減に 寄与 中小規模の事業所では、 ハイテク設備/技術の導入、 仕組みの整備に遅れがあり、 リスク削減が進んでいない恐れ
  65. 65 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 化学プラントが直面する課題の構造 –

    解説編(10/10) これらの複合的な要因により、事故リスクは総じて高まっているのではないか。特に、設備/技術面、 仕組み面での整備が遅れる中小規模の事業所におけるリスクは更に高まるものと想定。 3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(1)プラントが直面する課題の構造 化学プラントにおける事故リスクを巡る主要な構造的課題の整理 事故リスクの変化 ベテラン社員の 一斉引退 過去の 採用縮小による ミドル層の欠如 直近における 新規採用者増加 採用難 ハイテク設備/ 技術の導入 保安業務の 外部化推進 人材の質低下 コミュニケーションの 質低下 現場オペレーション 業務の圧縮 進まない技術伝承 直近の事故 件数削減 現場力・安全文化 の低下 設備の老朽化 仕組みの整備 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク削減に 寄与 リスク削減に 寄与 中小規模の事業所では、 ハイテク設備/技術の導入、 仕組みの整備に遅れがあり、 リスク削減が進んでいない恐れ 凡例) : プラントを取り巻く状況 : 状況による変化 : 項目間の作用
  66. 66 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. «参考»業界の直面する課題についての企業・有識者の声 (前頁の続き)

    3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(1)プラントが直面する課題の構造 ✓ これらの複合的な要因により、事 故リスクは総じて高まっているので はないか。特に、設備/技術面、仕 組み面での整備が遅れる中小規 模の事業所におけるリスクは更に 高まるものと想定 ⚫ 人によるリスク(経営者の安全性最優先の表明の曖昧さ、社内での安全意識の浸透不足、安全感 性の年代ギャップ)は事業者規模による差が大きい ⚫ PSM (Process Safety Management)のレベルには大きな差があり、中小規模は特に未整備 な事業所も多い ⚫ 中小企業は体力的に余裕がない。資金が不足しており、また、人員も不足している サマリ 企業・有識者の声(抜粋) 事故リスクの変化 ベテラン社員の 一斉引退 過去の 採用縮小による ミドル層の欠如 直近における 新規採用者増加 採用難 ハイテク設備/ 技術の導入 保安業務の 外部化推進 人材の質低下 コミュニケーションの 質低下 現場オペレーション 業務の圧縮 進まない技術伝承 直近の事故 件数削減 現場力・安全文化 の低下 設備の老朽化 仕組みの整備 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク削減に 寄与 リスク削減に 寄与 中小規模の事業所では、 ハイテク設備/技術の導入、 仕組みの整備に遅れがあり、 リスク削減が進んでいない恐れ
  67. 67 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 対策の打ちどころの優先順位 期待される効果(縦軸)、実現性(横軸)の観点で評価して、有望だと考えられるのはA~Gの

    合計7カテゴリと理解。 3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(2)課題の構造を踏まえた対策の方向性 化学プラントにおける事故リスクを巡る主要な構造的課題と、対策の打ちどころ(弊社理解) 事故リスク軽減に 直接的かつ大きな 効果が期待される 事故リスク軽減に 対し間接的、又は 相対的に小さな 効果が期待される 一定の効果を 期待しうるが 副作用も大きい 改善の効果を 見込みにくい F.コミュニケーションの質向上 B.現場力・安全文化の強化 A.仕組みの整備 採用難の解消 保安業務の外部化抑制 G.人材の質向上 ベテラン社員の一斉引退の抑制 現場オペレーション業務の拡大 直近における新規採用抑制 ミドル層の回復 直近の事故件数増加 E.技術伝承の推進 D.ハイテク設備/技術の導入 C.設備の老朽化解消 打ち手として現実的でない 実現に大きなコストが必要 必要なコストが相対的に小さい 【実現性】 【 期 待 さ れ る 効 果 】
  68. 68 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 課題の構造と対策の打ちどころ(1/2) 先に示した課題の構造との関係を整理すると、以下のようになる。

    3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(2)課題の構造を踏まえた対策の方向性 化学プラントにおける事故リスクを巡る主要な構造的課題と、対策の打ちどころ(弊社理解) 事故リスクの変化 ベテラン社員の 一斉引退 過去の 採用縮小による ミドル層の欠如 直近における 新規採用者増加 採用難 ハイテク設備/ 技術の導入 保安業務の 外部化推進 人材の質低下 コミュニケーションの 質低下 現場オペレーション 業務の圧縮 進まない技術伝承 直近の事故 件数削減 現場力・安全文化 の低下 設備の老朽化 仕組みの整備 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク削減に 寄与 リスク削減に 寄与 中小規模の事業所では、 ハイテク設備/技術の導入、 仕組みの整備に遅れがあり、 リスク削減が進んでいない恐れ G F E C A B D 凡例) : プラントを取り巻く状況 : 状況による変化 : 項目間の作用 : 対策の打ちどころ
  69. 69 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 課題の構造と対策の打ちどころ(2/2) なお、本事業において対策すべき箇所として、劣後すると判断した課題群には、対策の打ちようが

    ないものや、対策を打つことで大きな副作用が生じるものが含まれる。 3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(2)課題の構造を踏まえた対策の方向性 化学プラントにおける事故リスクを巡る主要な構造的課題と、対策の打ちどころ(弊社理解) 事故リスクの変化 ベテラン社員の 一斉引退 過去の 採用縮小による ミドル層の欠如 直近における 新規採用者増加 採用難 ハイテク設備/ 技術の導入 保安業務の 外部化推進 人材の質低下 コミュニケーションの 質低下 現場オペレーション 業務の圧縮 進まない技術伝承 直近の事故 件数削減 現場力・安全文化 の低下 設備の老朽化 仕組みの整備 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク増加に 寄与 リスク削減に 寄与 リスク削減に 寄与 中小規模の事業所では、 ハイテク設備/技術の導入、 仕組みの整備に遅れがあり、 リスク削減が進んでいない恐れ 凡例) : プラントを取り巻く状況 : 状況による変化 : 項目間の作用 : 対策の打ちどころ 一斉の引退を引き延ばす こともできるが、時限的な 対策に過ぎない ミドル層の欠如は不可逆的 な課題であり、解消は困難 外部化は経済性に起因 しており、かつ内製化する には人材がボトルネック 現場人材の不足から、 採用増加は必然 採用難は少子高齢化に 起因する業界横断の課題 現場オペレーション業務を ドラスティックに従来に戻す ことは非現実的 直近の事故件数低下 自体は望ましい事象 G F E C A B D
  70. 70 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 民間企業における自主的な取組状況(1/3) 民間企業ではそれぞれについて対策が進むが、事業所の規模等により進捗は様々。これらのうち、

    特にボトルネックとなる箇所については支援ニーズが高いことが想定される。 3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(3)民間企業の取組状況 B.現場力・安全 文化の強化 A.仕組みの整備 C.設備の老朽化 解消 ⚫ 設備の老朽化が進んでいるが、それによるリスクの認識できて いない工場がほとんどではないか ⚫ (上記の他、今回のヒアリングでは特段のコメントがなかった。 但し、今回のヒアリングは安全環境部等の担当者に対して主 としてヒアリングを実施しており、ヒアリング対象を変えて、対策 状況の検証が必要な可能性がある) ✓ 大企業や直近で事故を起こした企業では対 策が進むが、中小企業では人員が最低減で あり、研修に時間を割きがたい事情がある ✓ 大企業中心に各社で取組が進むが、中堅・ 中小規模の事業所との間では、取組状況に 大幅なギャップが存在 ✓ 老朽化自体への認識はあるものの、リスク評価 ができていないケース、費用・ビジネスへの影響 等の観点で解消できていないケースが大半 対策 ヒアリング先各社の取組例・課題 業界における状況(弊社理解) ⚫ 海外の事業所での経験を踏まえて、手順の詳細をマニュアル 化する作業を地道に続けている ⚫ 社内の防災会議においてアセスメント実施 ⚫ 安全に関する気付きを取り上げる小集団活動を行い、その結 果の共有・改善を実施 ⚫ プラントに常駐している本社所属の検査管理組織が計画的 に検査を実施 ⚫ 全新入社員へ体感教育・危険予知教育を実施するとともに、 緊急時対応をシュミレーターにより訓練 ⚫ 機械に挟まれる等を体験できる安全体験設備を設置。他社 貸出も実施している ⚫ 保安力調査を受け、年齢別の温度差を把握 分からない やりたくない できない できている 大規模 中堅・中小 分からない やりたくない できない できている 中堅・中小 分からない やりたくない できない できている 大企業 中堅・中小 大規模、直近での 事故企業
  71. 71 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 民間企業における自主的な取組状況(2/3) (前頁の続き)

    3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(3)民間企業の取組状況 F.コミュニケーション の質向上 E.技術伝承の 推進 D.ハイテク設備/ 技術の導入 ⚫ 技術伝承のための施設を整備して教育者を育成 ⚫ 教育部門を新たに設け、OJTカリキュラム改善や、教育後の 理解度の確認、教育者となる先輩社員の再教育等を実施 ⚫ 工事・搬入に携わる人材へ入構者教育を実施 ⚫ 技術伝承のできる高度人材が不足 ⚫ 酸化エチレンの酸素濃度を管理・監視し、更にインタロック、 緊急遮断弁などの安全設備対策実施 ⚫ 塩ビプラントについて、人の手がほとんどかからないように自動 化し、事故発生を抑制 ⚫ スマート化に関する技術動向を情報収集中 ⚫ 新技術導入について費用対効果の説明に苦慮 ⚫ 年齢の近い社員が先輩社員としてOJTを実施 ⚫ 工場長によるメルマガの発信や、各職場の朝礼への工場長 の参加などによりコミュニケーションを強化 ⚫ 手順書等について、ドキュメントだけでなく写真を加え、誰に とってもわかりやすいものとしている ✓ ほとんどの事業所が情報収集の段階であり、 何をしてよいか分からない、費用対効果が 曖昧でやりたくない、というボトルネックが大きい ✓ 取組の程度の差はあれ、各事業所ともに認識 し、取り組んでいる状況。更に加速させることが 求められる ✓ 大半の事業所において対策の必要性について 認識を持つが、取組状況には規模により差が ある状況 スーパー認定等 分からない やりたくない できない できている 検討初期・ 未着手 分からない やりたくない できない できている 大規模 中堅・中小 分からない やりたくない できない できている 大企業 中堅・中小 検討の進捗あり 対策 ヒアリング先各社の取組例・課題 業界における状況(弊社理解)
  72. 72 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 民間企業における自主的な取組状況(3/3) (前頁の続き)

    3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(3)民間企業の取組状況 G.人材の質向上 採用難の解消 ⚫ 自社で点検できる範囲はできるだけ自分たちでやろうというの が基本的な姿勢 ⚫ 資格の取得については、社内でも受験対策をし、学卒スタッ フが教えるなどしている ⚫ 人材育成・教育に関する課題は、やり方が分からない、お金 がないというよりは、忙しすぎて学ぶ時間がない、というのが実 情 ⚫ プラント内でも特に技術が要する部分に、学卒より高度な人 材を積極採用するよう試みている ✓ 各社ともに課題に取り組んでいるものの、人手 不足等により、対策の進展状況は様々 対策* ヒアリング先各社の取組例・課題 業界における状況(弊社理解) 分からない やりたくない できない できている 大規模 中堅・中小 保安業務の外部 化抑制 現場オペレーション 業務の拡大 ミドル層の回復 ⚫ 自社のメンテナンス技術低下を抑制するため、協力会社に社 員が勉強しに行く試みをはじめている ⚫ 中途採用や他の場所から移ってきた人材などで人材不足を 補っている ✓ 内製化を進める動きはあるものの、経済性の 観点から完全に戻すことは難しく、かつ技術力 の観点からできないという声も多い ✓ 協力会社や海外プラントにおいて経験値を 積む試みは大企業では進みつつあるが、中堅・ 中小規模では機会・費用の面で実現しがたい ✓ 各社の取組だけでは足りず、業界全体として 働き手の確保への取組が求められている ✓ ミドル層そのものよりも、当該事業所に一定 程度従事した従業員の確保が不可欠であり、 短期的な解消は困難 *なお、2.2.に示した項目のうち以下に記載がない項目は、本事業におけるヒアリングで言及がなかった項目
  73. 73 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 仕組みの整備促進アプローチ 仕組みの整備については「分からない」から「できている」層まで幅広い解消アプローチを検討しうる。

    ヒアリングにおいては、既に一定の取組が実現できている企業からも様々な要望があった。 3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(4)対策のアプローチ 施策検討の方向性(弊社想定) 企業等の声 A. 仕組み 整備を促進する 「できている」層 の強化 できている層 「分からない」の 解消 分からない層 ✓ 高度人材の育成・登録、人材派遣 ✓ 地域単位での情報交換や人材派遣・交流等 の促進 ✓ 講習の実施、相談窓口の設置 ✓ 仕組み導入の有識者派遣 等 ✓ 導入による補助金等の直接的なインセンティブ 提供 ✓ 規制新設によるルール化 ✓ 取組状況の公表 等 ✓ 導入すべき仕組みについて事例、方法論を 情報発信 ✓ セミナー開催等により認知促進 等 ✓ リスク低減に資する仕組み整備に関する最新 の情報提供の充実 ✓ 最新の事故情報の発信 等 • 作業所によって必要な内容が異なるため、個別に 実施される取組に資する情報共有してほしい • 最新の安全技術や他社も含む事故データの詳細 データベースの公開 • PSM(Process Safety Management)のレベ ルには大きな差があり、中小規模は特に未整備な事 業所も多い • 産業保安の専門人材の育成。例えばカリキュラムの 適切な教育機関の卒業生の登録制度やマイスター 認定制度 • (特段の言及なし) • (特段の言及なし) 「やりたくない」 の解消 やりたくない層 「できない」の 解消 できない層 大規模 中堅・中小 アプローチの区分 対象
  74. 74 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 企業等の声 ✓

    体感教育等の講習機会の提供 ✓ 中小企業の安全工学会加盟支援(費用補 填等) 等 ✓ 安全文化の高評価事業所の公表、マーク付 与、経済的インセンティブ ✓ 自主保安の優良な活動実施実践者の登録 等 ✓ 方法論に関する情報発信 等 ✓ リスク低減に資する仕組み整備に関する最新 の情報提供の充実 ✓ 最新の事故情報の発信 等 • 安全性の高い企業を認定する仕組みの導入 • (保安力向上センターの評価利用について)中小 企業にとって数百万円という費用は大きく補助等が必 要 • (特段の言及なし) • (特段の言及なし) 現場力・安全文化強化アプローチ 現場力・安全文化強化に向けては、できている層への更なる強化に加えて、体制・資金面のボトル ネック等により取組が進んでいない中堅・中小規模事業所向けに、機会の提供を図ることが必要な 可能性がある。 3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(4)対策のアプローチ B. 現場力・ 安全文化の 強化 「できている」層 の強化 できている層 「分からない」の 解消 分からない層 「やりたくない」 の解消 やりたくない層 「できない」の 解消 できない層 大規模、 直近での 事故企業 中堅・中小 アプローチの区分 対象 施策検討の方向性(弊社想定)
  75. 75 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 企業等の声 ✓

    設備の刷新・改造時の支援(無利子貸し付 け、税制優遇等) ✓ 設備刷新に係る情報提供の充実 ✓ 高品質設備等の評価・格付け 等 ✓ 安全文化の高評価事業所の公表、マーク付 与、経済的インセンティブ ✓ 自主保安の優良な活動実施実践者の登録 等 ✓ 設備の経年状況の調査・公表 ✓ 各プラントの設備老朽リスクの対策状況につい ての公表促進 ✓ 老朽化対策に関する取組事例の発信 等 ✓ 更なる追加投資のインセンティブ付与 等 • (特段の言及なし) • (特段の言及なし) • 事故発生件数が低いところに対する税財政優遇が 欲しい • 設備の老朽化が進んでいるが、それによるリスクを会 社が認識できているか。設備の健全性を確認できて いない工場がほとんどではないか 設備の老朽化解消アプローチ 急速に進む設備の老朽化については、今回のヒアリングの中で直接、声を聞くことができなかったが、 リソースの制約がある中で「できない」壁が大きいのではないかと想定。また、中堅・中小規模の事業 所では、リスク認識ができていない状況なのではないか、との指摘もあった。 3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(4)対策のアプローチ C. 設備の 老朽化の解消 「できている」層 の強化 できている層 「分からない」の 解消 分からない層 「やりたくない」 の解消 やりたくない層 「できない」の 解消 できない層 中堅・中小 大企業 アプローチの区分 対象 施策検討の方向性(弊社想定)
  76. 76 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 企業等の声 ✓

    設備導入時の税制優遇 ✓ 導入時の無利子貸し付け 等 ✓ 設備高度化の計画策定の制度化 ✓ 工事許可申請時のハイテク設備導入の検討 の必須化等の規制・ルール化 等 ✓ 情報提供の充実 ✓ 技術動向の調査費用の支援、アドバイザーの 選定 等 ✓ 更なる追加投資のインセンティブ付与 等 • (特段の言及なし) • (特段の言及なし) • 工場のスマート化について、費用対効果の社内説明 で苦慮しているという話をよく聞く • 工場のスマート化に関する技術動向などの情報につ いては、情報収集段階にある ハイテク設備/技術の導入アプローチ ハイテク設備/技術の導入にあたっては、スーパー認定事業所等の先行事例による一層の投資促進 に加えて、情報提供、投資対効果の検証を通じて、企業の行動変容を促すことが要請されているも のと想定。 3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(4)対策のアプローチ D. ハイテク設備 /技術の導入 「できている」層 の強化 できている層 「分からない」の 解消 分からない層 「やりたくない」 の解消 やりたくない層 「できない」の 解消 できない層 検討初期・ 未着手 検討の 進捗あり スーパー認定 事業所等 アプローチの区分 対象 施策検討の方向性(弊社想定)
  77. 77 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 企業等の声 ✓

    教育的取組に対する助成 ✓ 高度人材による講習の実施 ✓ オンライン上の研修システム構築 ✓ 新入社員向けの基礎的な講習実施 ✓ インセンティブ付与 等 ✓ 技術伝承の効果的な方策の情報提供 等 ✓ 高度人材の認定 ✓ 教育の中核拠点化 ✓ データベース整備 ✓ 技術伝承に関する取組への表彰 等 • 産業保安の専門人材の育成。例えばカリキュラムの 適切な教育機関の卒業生の登録制度やマイスター 認定制度(再掲) • 現場での業務に必要な内容が学べる場の提供が欲 しい • せっかく教育しても、その人が転勤してしまうこともあっ て難しい • (特段の言及なし) • (特段の言及なし) 技術伝承の推進アプローチ 技術伝承は各社、取り組んでいるものの、そのレベルには差が大きい。先行した事業者の更なる取 組を後押しするとともに、リソース制約が大きい中堅・中小事業所向けに機会・インフラの提供が要請 される。 3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(4)対策のアプローチ E. 技術伝承 の推進 「できている」層 の強化 できている層 「分からない」の 解消 分からない層 「やりたくない」 の解消 やりたくない層 「できない」の 解消 できない層 中堅・中小 大企業 アプローチの区分 対象 施策検討の方向性(弊社想定)
  78. 78 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 企業等の声 ✓

    ファシリテーション人材派遣 ✓ コミュニケーション強化ツールの試験的配布 ✓ 世代間コミュニケーション機会の提供 等 ✓ インセンティブ付与 等 ✓ コミュニケーションギャップ解消に資する講座の 実施、情報提供 ✓ 若手人材に理解しやすい手順書等の事例共 有 等 ✓ コミュニケーション促進に関する活動への表彰 等 • (特段の言及なし) • 教える側と教わる側とで10歳離れてしまうと、コミュニ ケーションが困難になる • (特段の言及なし) • (特段の言及なし) コミュニケーションの質向上アプローチ コミュニケーションの質向上にあたっても、各社は取り組んでいる。コミュニケーションを円滑にするような ファシリテーションの人材や機会提供が検討しうるか。 3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(4)対策のアプローチ F.コミュニケー ションの質向上 「できている」層 の強化 できている層 「分からない」の 解消 分からない層 「やりたくない」 の解消 やりたくない層 「できない」の 解消 できない層 中堅・中小 大企業 アプローチの区分 対象 施策検討の方向性(弊社想定)
  79. 79 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 企業等の声 ✓

    教育機会・プログラムの提供 ✓ 教育のための人材派遣 ✓ 日本語能力を担保した外国人材の登録制度 等 ✓ インセンティブ付与 ✓ 外国人労働者、高齢者、女性等多様な人 材活用例の発信 等 ✓ 基礎的な教育方法のカリキュラム提供 等 ✓ 高等専門学校や大学など教育機関と事業所 の対話の場設定 ✓ 教育に熱心な事業所にマーク付与 等 • 産業保安の専門人材の育成。例えばカリキュラムの 適切な教育機関の卒業生の登録制度やマイスター 認定制度(再掲) • 「教育」に特化した認定により、採用面で得があるなら ば有難い • 外国人材採用も考えうるが、言語の問題がありコミュ ニケーションが円滑でない人材は困難 • (特段の言及なし) • (特段の言及なし) 人材の質向上アプローチ 人材の質向上については、積極的に取り組んでいる企業の意欲を増す取組や、教育機会の提供等 により直接的に働きかける方法が有効と考えられる。また、今後は外国人労働者、高齢者、女性等、 多様な人材の活用に向けた施策の検討も要請される可能性がある。 3.2. 更なる自主保安促進への枠組み(4)対策のアプローチ G.人材の質 向上 「できている」層 の強化 できている層 「分からない」の 解消 分からない層 「やりたくない」 の解消 やりたくない層 「できない」の 解消 できない層 中堅・中小 大企業 アプローチの区分 対象 施策検討の方向性(弊社想定)
  80. 80 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 4. 参考情報(高圧ガス事故を巡るその他の分析結果)

    1. プラント業界を巡る市場動向 P.10-11 P.12-19 P.4-9 P.3-23 3. 産業保安高度化に向けた課題と対策のアプローチ 3.0. ヒアリングの目的と実施内容 3.1. 認定制度活用促進に向けた方策 3.2. 更なる自主保安促進への枠組み P.38-79 P.39-40 P.41-45 P.46-79 P.20-23 2. 高圧ガス事故を巡る動向 2.0. 分析全体像 2.1. 高圧ガス事故の長期トレンド P.24-37 P.25-26 P.27-31 2.2. 高圧ガス事故発生企業の特徴 2.3. 高圧ガス事故と人的被害 P.32-35 P.36-37 1.0. 市場全体像 1.1. 石油精製市場の業界動向 1.2. 石油化学市場の業界動向 1.3. 一般化学市場の業界動向 4. 参考情報(高圧ガス事故を巡るその他の分析結果) P.80-107
  81. 81 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 事故情報の分析サマリ 4.

    参考情報(1)分析項目の全体像 <石油精製・石油化学プラントの詳細分析:地域別、売上高別、事業者別、生産能力別>※10年分 石油精製 業界 • 直近10年では北海道の特定の事業者が事故発生率を押し上げ • 年間1兆円超の売上高を持つ事業者による事故発生率が高い • 事業者別に見ても、事故発生頻度が特に高い企業が存在 • 中程度の原油処理能力のプラント(15~20万バレル/年)で高い 事故発生率、20万バレル以上のプラントでは抑制気味 石油化学 業界 • 事故発生率は主要なコンビナートがある地域で高い • 年間1兆円超の売上高を持つ事業者による事故発生率が高い • 事業者別では、やや事故発生頻度の高い企業が存在 • ビスフェノールAやクロロプレンゴム、高密度ポリエチレンの生産を行う プラントにおける事故が相対的に高い • A・B級事故は全て認定事 業所において発生 一般化学 業界 省略(事業者全体数および事業者別の事業所数が把握困難であるため) 時系列 認定/非認定 事故原因 取扱状態別 事故頻度 石油化学 業界 • 運転起因の事故と設備保 全起因の事故は足元にお いて、同水準で発生 • 劣化や点検不良による事 故が多い • 運転起因が設備保全起 因を大きく上回る(直近 は設備保全要因のみ) • 誤操作や劣化による事故 が多い 【件数の推移】 ① ’60後半~’70年代 事故件数が最多水準 ② ’80年代~’90年代 件数は低減・横ばい ※設備/プロセスの高度化 によるものか ③ ’00年代: 事故件数が 再増加 複数要因によるものと思料; 作業員の引退/施設老朽 化/保安業務の外製化 ④ 近年 事故の発生が抑制 【事故要因の推移】 誤操作等は減少傾向、 設備の維持管理関連は 増加傾向 石油精製 業界 • 事業者の約4割が直近10 年で複数回事故を起こし、 無事故の事業者は約3割 • 無事故事業者の割合は 相対的に低い 省略 (全て認定事業所) • 通常運転中の事故が 最多件数 • A級事故は緊急停止中、 通常運転中のみ発生、B 級は様々なシーンで発生 • 認定事業所では、操作基 準不備や劣化・腐食管理 不良による事故が多数 • 非認定事業所では、誤操 作や劣化、作業環境不適 による事故が多く発生 • 全業界共通して、認定事 業所の事故発生率が非 認定事業所よりも高い • 直近10年間では、非認定 事業所でのみ、10人以上 の人的被害を伴う重大事 故が発生 • 石油化学事業者の約1割 で直近10年で複数回の 事故が発生 • 事業者の約85%は直近 10年間無事故 • 繰り返し事故を起こす事 業所が存在 • 漏洩事故を含めて分析す ると全体の約15%が10年 で複数回の事故を起こし ている一方で、8割弱の事 業所では無事故 化学業界 全体 • 通常運転中の事故が多 発する傾向が継続 • 通常運転中では、重篤な 事故の発生率が比較的 低い • 通常運転中の事故が多 発する傾向が継続 • 通常運転中と比べ、緊急 停止中や容器管理中の A・B級事故発生率が高い
  82. 82 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 石油精製プラントにおける事故発生推移 石油精製プラントで発生する事故件数は、1970年代にピークに達したのち低減していたが、

    2000年頃から再度増加していた。しかし、2011年を境に直近では事故の発生が抑制されている。 4. 参考情報(2)業界別の長期トレンド 石油精製プラントにおける事故発生推移(全データ:過去53年) 0 10 20 30 40 50 0 2 4 6 8 1965 1967 1969 1971 1973 1975 1977 1979 1981 1983 1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 2011 2013 2015 2017 事故分類A (除・漏洩)(左軸) 事故分類B (除・漏洩)(左軸) 事故分類C (除・漏洩)(左軸) 事故発生件数 (含・漏洩)(右軸) 一般化学 石油化学 石油精製 ② 1980~2000 20年間の横ばいが続く ① 事故発生が増加し、 1970年代にピーク ③ 2000年代に 再度事故増加 ④ 2011年以降、 事故発生は 抑制 (件) (件) 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成 現在は精製停止済のプラントで過去に発生した事故を含む、漏洩事故を含まない
  83. 83 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 石油化学プラントにおける事故発生推移 石油化学プラントで発生する事故件数は、1970年代にピークに達したのち低下したが、

    2000年代頃から再度増加していた。しかし、2012年を境に直近では事故の発生が抑制されている。 4. 参考情報(2)業界別の長期トレンド 石油化学プラントにおける事故発生推移(全データ:過去53年) 0 5 10 15 20 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 1965 1968 1970 1972 1974 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1991 1993 1995 1997 1999 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 事故分類A(左軸) 事故分類B(左軸) 事故分類C(左軸) 事故発生件数 (含・漏洩)(右軸) 一般化学 石油化学 石油精製 ② 1980~2000 20年間の横ばいが続く ① 事故発生が増加し、 1970年代にピーク ③ 2000年代に 再度事故増加 ④ 2014年以降、 事故発生は 抑制 (件) (件) 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成
  84. 84 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 一般化学プラントにおける事故発生推移 一般化学プラントの事故件数は、1960年代にピークに達したのち低下したが、2000年頃から再度

    増加していた。しかし、2011年を境に直近では事故の発生が抑制。漏洩事故は引続き増加傾向。 4. 参考情報(2)業界別の長期トレンド 一般化学プラントにおける事故発生推移(全データ:過去53年) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 1965 1967 1969 1971 1973 1975 1977 1979 1981 1983 1985 1987 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 事故分類A(左軸) 事故分類B(左軸) 事故分類C(左軸) 事故発生件数 (含・漏洩)(右軸) 一般化学 石油化学 石油精製 ② 1970年代後半~90年代前半 20年間の横ばいが続く ① 事故発生が増加し、 1960年代にピーク ③ 2000年代に 再度事故増加 ④ 2011年以降、 事故発生は 抑制 (件) (件) 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成
  85. 85 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 誤操作・誤判断による事故発生状況(1965年~) 事故主因の経年変化のうち、ヒューマンファクターである「誤操作、誤判断」は、1965年後半から

    1970年代までが高水準。その後、件数は概ね抑制されている傾向。 4. 参考情報(3)事故発生要因別のトレンド 化学業界全体の事故発生推移(誤操作、誤判断) 一般化学 石油化学 石油精製 0 5 10 15 20 25 1965- 1970- 1975- 1980- 1985- 1990- 1995- 2000- 2005- 2010- 2015- 2017 (件) 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成
  86. 86 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 設備の設計、製作の不良による事故発生状況(1965年~) 設備の設計、製作の不良による事故は、1990年代に低水準となって以降、2000年代からの15

    年間で大きく増加傾向。直近3年間の発生件数は抑制傾向にある。 4. 参考情報(3)事故発生要因別のトレンド 化学業界全体の事故発生推移(設備の設計、製作の不良) 一般化学 石油化学 石油精製 2017 0 2 4 6 8 10 12 1965- 1970- 1975- 1980- 1985- 1990- 1995- 2000- 2005- 2010- 2015- 設計上の不良/設計構造上の不良 施工管理不良 製作不良 (件) 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成
  87. 87 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 0 2

    4 6 8 10 12 1965- 1970- 1975- 1980- 1985- 1990- 1995- 2000- 2005- 2010- 2015- 操作基準の不備 情報伝達の不備 組織体制の不良による事故発生状況(1965年~) 組織体制の不良による事故は、2010年代前半に件数が多かったが、直近3年間では減少傾向に ある。 4. 参考情報(3)事故発生要因別のトレンド 化学業界全体の事故発生推移(組織体制の不良) 一般化学 石油化学 石油精製 2017 (件) 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成
  88. 88 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 石油精製プラントにおける事故原因(主因)の推移 過去53年に石油精製プラントで発生した事故について、事故原因は運転起因と設備保全起因が

    拮抗する状態が続いている。 4. 参考情報(3)事故発生要因別のトレンド 石油精製プラントにおける 事故原因(主因)の推移 一般化学 石油化学 石油精製 0% 20% 40% 60% 80% 100% 運転起因 設備保全起因 その他 0 10 20 30 40 点検不良(油分の付… 認知確認ミス(バルブの… 誤操作、誤判断(バル… 操作基準の不備(停電… その他(紛失) 情報提供の不備(指… 劣化(エロージョン、ク… 設計不良、設計・構造… 製作不良(溶接、溶接… 作業環境の不適(火花… その他(停電) 材料不良(選定ミス) その他(原因不明) 運転起因 設備保全起因 その 他 事故分類C 事故分類B 事故分類A 石油精製プラントにおける 事故原因(主因)の詳細(過去53年) (件) 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成 複数の原因が一件の事故に関わる場合もあるため、原因別事故数の合計は全体事故件数を上回る。 漏洩事故のうち、二次事象として爆発や火災が発生した事故を含む
  89. 89 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 石油化学プラントにおける事故原因(主因)の推移 過去53年に石油化学プラントで発生した事故について、足元の3年間を除き、事故原因は運転起

    因が設備保全起因を上回る状態が継続している。 4. 参考情報(3)事故発生要因別のトレンド 一般化学 石油化学 石油精製 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 運転起因 設備保全起因 その他 石油化学プラントにおける 事故原因(主因)の推移 石油化学プラントにおける 事故原因(主因)の詳細(過去53年) 0 10 20 30 40 誤操作、誤判断(運転操作、ク… 点検不良(取付不良、締付不… 操作基準の不備(停電対策、発… 認知確認ミス(置換不良、酸素… その他(火災、紛失、異常反応… 情報提供の不備(指示・伝達の… 誤作動(故障等) 容器管理不良 劣化(亀裂、疲労、腐食、摩… 設計不良、設計・構造上の不良 製作不良 誤使用(配管材料) 材質不良 作業環境の不適(火花の飛散) その他(原因不明) 運転起因 設備保全起因 そ の 他 事故分類C 事故分類B 事故分類A (件) 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成 複数の原因が一件の事故に関わる場合もあるため、原因別事故数の合計は全体事故件数を上回る。 漏洩事故のうち、二次事象として爆発や火災が発生した事故を含む
  90. 90 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 石油化学プラントにおける認定区分別の事故発生状況 過去10年に石油化学プラントで発生した漏洩以外の事故、及び爆発や火災(二次事象)が起きた

    漏洩事故27件のうち22件が認定事業所で発生し、非認定事業所の事故発生率を大きく上回る。 4. 参考情報(4)認定区分別の事故発生状況 石油化学プラントにおける事業所あたりの平均事故発生件数(過去10年) 0.00 0.10 0.20 0.30 0.40 0.50 スーパー認定事業所 自主保安高度化事業所 認定事業所 非認定事業所 事故分類C 事故分類B 事故分類A 5事故 / 249事業所 0事故 / 1事業所 0事故 / 1事業所 22事故 / 53事業所 一般化学 石油化学 石油精製 (件) 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成 認定状況は2019年3月1日時点のものである
  91. 91 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 認定事業所と非認定事業所の事故発生状況の比較 人的被害者数別にみると、認定事業所、非認定事業所でともに大規模な人的被害を伴う事故が

    生じている。 4. 参考情報(4)認定区分別の事故発生状況 0 1 2 3 4 5 6 7 8 22人 11人 6人 3人 2人 1人 非認定事業所 認定事業所 認定事業者と非認定事業者の比較(過去10年) … … … 一般化学 石油化学 石油精製 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成 重大な人的被害を起こした高圧ガス事故1件について、事故発生当時は認定事業所であったため、 ここでは認定事業所に区分しているが、その他の分析においては2019/3/1時点における認定状況により判別している
  92. 92 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 過去10年の事故件数・事故分類 調査対象の3業界いずれも、A級B級C級全ての事故が発生している。A級及びB級の事故発生の

    割合は石油精製プラントが最も高い。 4. 参考情報(5)直近10年間における事故の概況 業界別の事故発生数(過去10年) 3業界における非漏洩事故の事故分類 一般化学 石油化学 石油精製 石油精製 34 石油化学 27 一般化学 51 2 2 1 5 3 10 44 22 23 0% 20% 40% 60% 80% 100% 一般化学 石油化学 石油精製 事故分類A 事故分類B 事故分類C 事故発生 (10年間) 112件 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成
  93. 93 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 認定状況と事故発生原因 4.

    参考情報(5)直近10年間における事故の概況 認定状況別の事故の発生要因(過去10年) 運転起因では操作基準の不備(認定)、誤操作・誤判断(非認定)が多い。設備保全起因で はいずれも劣化が多いが、次いで認定では腐食管理不良、非認定では作業環境の不適が多い。 0% 20% 40% 60% 80% 100% 認定事業所 非認定事業所 設備保全起因 劣化 腐食管理不良 設計構造上の不良 作業環境の不適 0% 20% 40% 60% 80% 100% 認定事業所 非認定事業所 運転起因 操作基準の不備 誤操作、誤判断 点検不良 認知確認ミス 紛失 一般化学 石油化学 石油精製 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成
  94. 94 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 事故発生時の取扱状態 4.

    参考情報(6)事故発生時のプラント取扱状態 事故発生時の取扱状態(過去10年) 一般化学 石油化学 石油精製 0% 20% 40% 60% 80% 100% 点検整備中 溶断作業中 通常運転中 シャットダウン/スタートアップ中 緊急停止中 容器管理中 事故分類A 事故分類B 事故分類C 事故の重篤度と取扱状態 通常運転中の事故が全体の4割を占め、シャットダウン・スタートアップ中が続く。一方、A級・B級事 故に着目すると、通常運転中よりも緊急停止中等の方が重篤な事故の発生割合が高い。 通常運転中 44% シャットダウン/スタートアップ中 24% 点検整備中 8% 溶断作業中 7% 緊急停止中 7% 容器管理中 5% その他… 事故発生 (10年間) 112件 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成 地震・津波、紛失・盗難による事故を除外している
  95. 95 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 事故発生時の取扱状態 製造事業所のうちコンビナート・一般事業所では、通常運転中の事故が半分近くに達する。コンビ

    ナートでは緊急停止に事故が伴いやすく、他方、一般事業所では容器管理に係る事故が発生する。 4. 参考情報(6)事故発生時のプラント取扱状態 一般化学 石油化学 石油精製 通常運転中 100% 通常運転中 49% シャットダウン/スタートアップ中 28% 点検整備中 10% 緊急停止中 10% 容器管理中 2% その他 1% 通常運転中 44% シャットダウン/スタートアップ中 31% 点検整備中 6% 容器管理中 19% 製造事業所(コンビナート) 製造事業所(一般) 製造事業所(冷凍) 通常運転中 100% 製造事業所(LP) ※2件のみ ※1件のみ 容器管理中の事故の例: 廃棄予定の容器が保管中に爆発など 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成 地震・津波、紛失・盗難による事故を除外している
  96. 96 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 石油精製プラントにおける取扱状態別の事故推移 石油精製プラントで発生した事故について、通常運転中に発生した事故が多い状態が継続している。

    一方、通常運転中の発生事故は、重篤な事故の発生率が比較的低い。 4. 参考情報(6)事故発生時のプラント取扱状態 一般化学 石油化学 石油精製 石油精製プラントにおける 取扱状態別の事故推移 事故の重篤度と取扱状態 0% 20% 40% 60% 80% 100% 通常運転中 シャットダウン/スタートアップ中 点検整備中 その他 容器管理中 溶断作業中 緊急停止中 0% 20% 40% 60% 80%100% 容器管理中 その他 点検整備中 シャットダウン/スタートアップ中 通常運転中 緊急停止中 溶断作業中 事故分類A 事故分類B 事故分類C 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成 地震・津波、紛失・盗難による事故を除外している
  97. 97 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 石油化学プラントにおける取扱状態別の事故推移 石油化学プラントで発生した事故について、通常運転中に発生した事故が多い状態が継続している。

    一方、比較して緊急停止中や容器管理中、点検整備中はA・B級事故の発生率が高い。 4. 参考情報(6)事故発生時のプラント取扱状態 一般化学 石油化学 石油精製 石油精製プラントにおける 取扱状態別の事故推移 事故の重篤度と取扱状態 0% 20% 40% 60% 80% 100% 通常運転中 シャットダウン/スタートアップ中 点検整備中 その他 容器管理中 溶断作業中 緊急停止中 0% 50% 100% 緊急停止中 容器管理中 点検整備中 通常運転中 シャットダウン/スタート… その他 溶断作業中 事故分類A 事故分類B 事故分類C 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成 地震・津波、紛失・盗難による事故を除外している
  98. 98 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 石油精製プラントにおける事業者別の事故頻度 石油精製プラントを現在運営する10事業者のうち、10年間無事故の事業者は3社、事故を1件の

    事業者は3社。一方、2件以上の事故を起こした事業者は4社。 4. 参考情報(6)事故の頻度 石油精製プラントにおける 事故頻度別の事業者数(過去10年) 事故複数回 4 事故1回 3 事故なし 3 事故頻度別の 事業者数 10社 一般化学 石油化学 石油精製 ➢ 連年/隔年で事故発生した事業者が2社 であり、散発的に発生した事業者が2社で ある。 ➢ 散発的に事故が発生した2社についても、 2~3年の短い期間をおいて再度事故が発 生している。 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成 漏洩事故のうち、二次事象として爆発や火災が発生した事故を含む。現在精製停止している事業所の事故を含まない。 JXTGエネルギー水島製油所A・B工場については、1事業所としてカウント
  99. 99 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 石油化学プラントにおける事故頻度 石油化学プラントを現在運営する102事業者のうち、10年間無事故の事業者は87社、事故を1

    件の事業者は6社。一方、2件以上の事故を起こした事業者は9社。 4. 参考情報(6)事故の頻度 事故複数回 9 事故1回 6 事故なし 87 ➢ 事故が複数回あった9社のうち、連年/ 隔年で事故発生した事業者が5社であ り、散発的に発生した事業者が4社であ る。 ➢ 散発的に事故が発生した3社については、 最初に1~2件の事故が発生した後、 3~5年の期間をおいて再度事故が発生 している。 事故頻度別の 事業者数 102社 一般化学 石油化学 石油精製 石油化学プラントにおける 事故頻度別の事業者数(過去10年) 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成 漏洩事故のうち、二次事象として爆発や火災が発生した事故を含む
  100. 100 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 0 5

    10 15 20 25 北海道 宮城県 福島県 茨城県 群馬県 埼玉県 神奈川県 千葉県 愛知県 新潟県 静岡県 石川県 京都府 三重県 大阪府 奈良県 兵庫県 和歌山県 岡山県 広島県 山口県 愛媛県 香川県 大分県 福岡県 沖縄県 北海 道 東北 関東 中部 関西 中国 四国 九州 沖縄 石油精製 石油化学 一般化学 地域別の事故発生状況 4. 参考情報(7)事故の地域差 地域別事故発生状況(過去10年) 一般化学 石油化学 石油精製 事故発生状況にはプラントの集積度合い等に応じて地域差がある。コンビナートの集積地である 「千葉県」「山口県」の2県で事故が多い。 鹿島 市原・千葉・袖ヶ浦 川崎 四日市 水島 岩国大竹・周南 大阪 大分 主要な石油化学 コンビナート (件) 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成
  101. 101 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 石油精製プラントにおける都道府県別の事故発生率 現在稼働中の石油精製プラントについて、都道府県別にみると特定の事業所に起因して、北海道

    の事業所における事故発生率が4.0と突出する。 4. 参考情報(7)事故の地域差 一般化学 石油化学 石油精製 石油精製プラントにおける事業所あたりの平均事故発生件数(過去10年) 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 北海道 三重県 愛媛県 千葉県 和歌山県 大分県 大阪府 山口県 宮城県 岡山県 茨城県 愛知県 神奈川県 事故分類C 事故分類B 事故分類A 4事故 / 1事業所 4事故 / 2事業所 2事故 / 1事業所 6事故 / 4事業所 1事故 / 1事業所 1事故 / 1事業所 3事故 / 3事業所 2事故 / 2事業所 1事故 / 1事業所 2事故 / 2事業所 1事故 / 1事業所 1事故 / 1事業所 0事故 / 3事業所 (件) 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成 漏洩事故のうち、二次事象として爆発や火災が発生した事故を含む。現在精製停止している事業所の事故を含まない。 JXTGエネルギー水島製油所A・B工場は1事業所としてカウント
  102. 102 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 石油化学プラントにおける都道府県別の事故発生率 都道府県別にみると大分県の事業所における事故発生率が事業所あたり0.3と最も高く、千葉県

    (0.23)、広島県(0.2)が続く。 4. 参考情報(7)事故の地域差 石油化学プラントにおける事業所あたりの平均事故発生件数(過去10年) 一般化学 石油化学 石油精製 0.00 0.10 0.20 0.30 大分県 千葉県 広島県 岡山県 三重県 山口県 大阪府 愛知県 茨城県 事故分類C 事故分類B 事故分類A 3事故 / 10事業所 10事故 / 44事業所 1事故 / 4事業所 4事故 / 22事業所 3事故 / 19事業所 3事故 / 23事業所 1事故 / 14事業所 1事故 / 19事業所 1事故 / 21事業所 (件) 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成 漏洩事故のうち、二次事象として爆発や火災が発生した事故を含む。無事故の都道府県については、割愛
  103. 103 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 石油精製プラントにおける年間売上高別の事故発生率 事業者の売上高規模が大きいほど、1事業所あたりの事故発生率は高い傾向にある。また、事故分

    類A・Bの事故は年間売上高1兆円以上の事業者による事業所でのみ発生した。 4. 参考情報(8)規模別の事故発生状況 石油精製プラントにおける年間売上高別 事業所あたりの平均事故発生件数(過去10年) 0.0 0.5 1.0 1.5 ~1千億円 1千億円~1兆円 1兆円~ 事故分類C 事故分類B 事故分類A 3事故 / 3事業所 1事故 / 2事業所 24事故 / 17事業所 一般化学 石油化学 石油精製 (件) 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成 漏洩事故のうち、二次事象として爆発や火災が発生した事故を含む。現在精製停止している事業所の事故を含まない。 JXTGエネルギー水島製油所A・B工場は1事業所としてカウント
  104. 104 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 石油精製プラントにおける原油処理能力別の事故発生率 現在稼働中の石油精製プラントについて、事業所規模別にみると、20万バレル以上の生産能力を

    持つプラントでは事故の発生が相対的に少ない傾向にある。 4. 参考情報(8)規模別の事故発生状況 石油精製プラントにおける原油処理能力別 事業所あたりの平均事故発生件数(過去10年) 一般化学 石油化学 石油精製 3事故 / 2事業所 12事故 / 12事業所 12事故 / 5事業所 0事故 / 1事業所 1事故 / 2事業所 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 ~10万バレル 10万~15万バレル 15万~20万バレル 20万~25万バレル 25万バレル~ 事故分類C 事故分類B 事故分類A (件) 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」よりアクセンチュア作成 漏洩事故のうち、二次事象として爆発や火災が発生した事故を含む。現在精製停止している事業所の事故を含まない。 JXTGエネルギー水島製油所A・B工場は1事業所としてカウント
  105. 105 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 石油化学プラントにおける年間売上高別の事故発生率 事業者の売上高規模が大きいほど、1事業所あたりの事故発生率は高い傾向にある。

    4. 参考情報(8)規模別の事故発生状況 石油化学プラントにおける年間売上高別 事業所あたりの平均事故発生件数(過去10年) 0.00 0.02 0.04 0.06 0.08 0.10 0.12 0.14 0.16 0.18 財務情報なし ~1千億円 1千億円~1兆円 1兆円~ 事故分類C 事故分類B 事故分類A 1事故 / 19事業所 10事故 / 109事業所 10事故 / 63事業所 6事故 / 113事業所 一般化学 石油化学 石油精製 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」、SPEEDAよりアクセンチュア作成 漏洩事故のうち、二次事象として爆発や火災が発生した事故を含む 2017年度または最新年度の売上高より算出 (件)
  106. 106 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 石油化学プラントにおける年間売上高別の事故発生率 石油化学事業者(サンプル30社)について、過去53年間においては、売上高が1千億円を下回

    る事業者のプラントにおける事故発生率の高さが特徴的である。 4. 参考情報(8)規模別の事故発生状況 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 財務情報なし ~1千億円 1千億円~1兆円 1兆円~ 事故分類C 事故分類B 事故分類A 2事故 / 2事業所 30事故 / 45事業所 18事故 / 18事業所 11事故 / 34事業所 一般化学 石油化学 石油精製 石油化学プラントにおける年間売上高別 事業所あたりの平均事故発生件数(全データ:過去53年) (件) 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」、SPEEDAよりアクセンチュア作成 2017年度または最新年度の売上高より算出。石油化学事業者102社より30社をランダム抽出 プロセスの区分は、各社の主要生産物によって判断。石油化学基礎製品を主として生産する企業を連続プロセスとして計上 漏洩事故のうち、二次事象として爆発や火災が発生した事故を含む
  107. 107 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. 石油化学プラントにおける生産量あたりの事故発生状況 生産量あたりの事故発生状況を比較すると、物質により事故発生の頻度が異なり、ビスフェノールが

    最も高く、高密度ポリエチレン、クロロブレンゴムが続く。 4. 参考情報(9)生産量あたりの事故発生状況 石油化学プラントにおける生産量100万トンあたりの平均事故発生件数 一般化学 石油化学 石油精製 出典: 高圧ガス保安協会「事故事例データベース」、 重化学工業通信社「2019年度版日本の石油化学工業」よりアクセンチュア作成 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 エチレン プロピレン ブタジエン ベンゼン トルエン キシレン ポリプロピレン(PP) 塩化ビニル樹脂(PVC) 低密度ポリエチレン(LDPE) 高密度ポリエチレン(HDPE) ポリスチレン(PS) スチレンモノマー(SM) フェノール ビスフェノールA(BPA) カプロラクタム(CPL) 塩化ビニルモノマー(VCM) 酸化エチレン(EO) エチレングリコール(EG) メタクリル酸メチル(MMAモノマー) アクリロニトリル(AN) ソリッドブタジエンゴム(SBR) ニトリルブタジエンゴム(NBR) ブタジエンゴム(BR) エチレン・プロピレンゴム(EPゴム) クロロプレンゴム(CR) 基礎製品 プラスチック 環式中間物・ 合成染料・有 機顔料 脂肪族系中間物 合成ゴム原料 事故分類C 事故分類B 事故分類A (件) 【データの補足】 ✓ 生産量は、石油化学業界の全体合計 値(2017年時点) ✓ 事故に関連する生産物だけでなく、事故 が発生した事業所の生産物全体につい て分析 ✓ 複数の製品が一件の工場で生産されて いるため、製品別事故数の合計は全体 事故件数を上回る ✓ 漏洩事故のうち、二次事象として爆発や 火災が発生した事故を含む
  108. 108 Copyright © 2019 Accenture All rights reserved. Copyright ©

    2019 Accenture All rights reserved. Accenture, its logo, and High Performance Delivered are trademarks of Accenture. アクセンチュアについて アクセンチュアは「ストラテジー」「コンサルティング」「デジタル」 「テクノロジー」「オペレーションズ」の5つの領域で幅広いサー ビスとソリューションを提供する世界最大級の総合コンサル ティング企業です。世界最大の規模を誇るデリバリーネット ワークに裏打ちされた、40を超す業界とあらゆる業務に対応 可能な豊富な経験と専門スキルなどの強みを生かし、ビジネ スとテクノロジーを融合させて、お客様のハイパフォーマンス実 現と、持続可能な価値創出を支援しています。世界120カ 国以上のお客様にサービスを提供するおよそ40万人以上の 社員が、イノベーションの創出と世界中の人々のより豊かな 生活の実現に取り組んでいます。 アクセンチュアの詳細はwww.accenture.comを、 アクセンチュア株式会社の詳細は www.accenture.com/jpをご覧ください。