Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

2024年東北研修Day1_レク2

防災地理部
January 10, 2025
3

 2024年東北研修Day1_レク2

2024年東北研修初日のレクチャー資料(避難研究編)です.

防災地理部

January 10, 2025
Tweet

Transcript

  1. 避難研究(私の卒業論文) ✓避難の際の住民同士の情報伝達の重要性について分析 分析対象 • 愛媛県大洲市 • 平成30年7月豪雨 • 聞き取り調査+アンケート調査のデータ 考えたいこと

    情報伝達によって避難はどう変わるの? 情報伝達が誰からもなく孤立する→避難できない、という人を減らすには? たとえば伝達のハブとなる人が増えると、避難の状況はどう変わるの? 分析結果をもとに実際の地区でシミュレーションをしました ~避難するタイミングは,隣の方 が(水が)来てるからって教えても らって避難しました.(40代男性) (向かいの人に)水が上がってきてる から車上げた方がいいって教えても らって車を上げた.(60代男性) (息子から)避難するよう連絡があり 渋々一緒に避難した.(90代女性) 2024/07/27 避難研究とは?@東大レク 2
  2. 避難開始選択モデル(隠れマルコフモデル:Hidden Marov Model) 2024/07/27 避難研究とは?@東大レク 𝑡 𝑡 − 1 𝑡

    + 1 潜在変数の時系列での遷移を考慮している点が特徴 隠れ状態1(ℎ1 ):リスク認知低 隠れ状態2(ℎ2 ):リスク認知高 Pr 𝐻𝑖𝑡 = ℎ2 𝐻𝑖𝑡−1 = ℎ1 = exp σ𝑡=1 𝑇 𝝀𝒉𝟐 𝒓𝒊,𝒕 + 𝑇𝑅𝑖,𝑡 + 𝜼ℎ2 𝒙𝒊 1 + exp σ𝑡=1 𝑇 𝝀𝒉𝟐 𝒓𝒊,𝒕 + 𝑇𝑅𝑖,𝑡 + 𝜼ℎ2 𝒙𝒊 と想定 個人属性 時間帯で変化する 自分や周囲の変数 伝達項 隠れ状態がℎ1 →ℎ2 に遷移する確率 𝑉 𝑒𝑣𝑎𝑐 𝐻𝑖𝑡 = 𝜽𝑯𝒊𝒕 𝒆𝒗𝒊,𝒕 + 𝜖𝑖,𝑗 隠れ状態𝐻𝑖𝑡 で避難する効用 𝐏𝐫(𝑯𝒊𝒕 |𝑯𝒊𝒕−𝟏 ) 𝑃𝑖𝑡 𝑒𝑣𝑎𝑐 = Pr(𝐻𝑖𝑡 |𝐻𝑖𝑡−1 ) ∙ 𝑝 𝑒𝑣𝑎𝑐 𝐻𝑖𝑡 𝑃𝑖𝑡 𝑒𝑣𝑎𝑐 観測変数 (避難/非避難) 潜在変数(隠れ状態) (リスク認知) 災害時のソーシャル ネットワーク 住民の情報伝達を考慮した動的な避難開始選択モデル 3
  3. シミュレーション 2024/07/27 避難研究とは?@東大レク 4パターンでシミュレーション ① 現状 ② 伝達のハブ(自治会長や消防団)を追加 ③ 避難場所の増設

    ④ ②+③の場合 平成30年7月豪雨のアンケート結果からシミュレーションを作成 ↑1つの◦が1世帯を表しています 5
  4. 結果から分かること 住民同士の情報伝達 • 行政だけではなく、住民による対策も避難に有効 • 誰に言われたら、避難しよう!と思える? あなたは発災時、誰に情報を伝える? 避難場所 • どんな避難場所だったら行こうと思える?

    • 近い?いつも行ってるところか?〇〇がある? 2024/07/27 避難研究とは?@東大レク 豪雨災害に比べて、発災→避難までの時間が短い より早く全員に情報を伝えることが重要なのではないか 地域内でどう協力する?平時からのコミュニティのあり方はどんなものがいいかな? 8 津波