Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

見積りと提案の力を競う見積りソン/ an estimation-thon to compete...

BPStudy
February 19, 2025

見積りと提案の力を競う見積りソン/ an estimation-thon to compete on the quality of estimates and proposals

2025年2月18日に開催された、BPStudy#210〜見積りと計画について学ぼう( https://bpstudy.connpass.com/event/344470/ )の、ITシステム可視化協議会 藤貫 美佐さんの登壇資料です。

BPStudy

February 19, 2025
Tweet

Other Decks in Business

Transcript

  1. © 1994-2025 MCIS 2 自己紹介 ▪ 名前:藤貫美佐(ふじぬきみさ) ▪ 経歴と現職のミッション: ▪

    現職にて“測る化コンサルティングサービス”を実施中 (2019年~現在) ▪ ITシステム可視化協議会(旧日本ファンクションポイントユーザ会) 会長 (1994年~現在) 2019年~現在 (株) NTTデータフィナンシャルテクノロジー 測る化コンサルティングサービス、高リスク案件審査 2017年~2019年(株)SHIFT 統合管制ユニット長 横串組織の立ち上げ 1986年~2017年(株)NTTデータ グループ内グローバル管理、開発標準の統合 見積もり関連施策、品質生産性ベンチマークの整備 ▪ 著作・監修 ▪ プロジェクトの「測る化」(著作) ▪ システム開発の見積もりテクニック(監修)ほか ▪ 最近のマイブーム ▪ グリーンマンゴー(唐辛子塩や干しエビなどが入ったたれにつけて食べます) ▪ ゴルフ(今年はすでに40ラウンドしましたが、ライオンから抜け出せません) 2 著作 監修
  2. © 1994-2025 MCIS 4 JFPUGとして30年活動してきました ▪ ファンクションポイントをはじめとするソフトウェア定量化技術の普及やソフトウェア定量化技術による課題解決を目的とし 日本ファンクションポイントユーザ会(JFPUG)として1994年3月に設立しました。 4 ファンクションポイント及びJFPUGの歩み

    概念の成立(米国) 計測法の普及 活用の研究 ・1979年:A.J.AlbrechtがFP法を考案 ・1986年:IFPUGが発足 ・1994年:IFPUG日本会員連絡会として発足 ・1996年:IFPUG日本支部としてJFPUG発足 ・1997年:定例会合開始、会員向け教育を開始 ・1998年:FSMの国際標準化が始動 ・2001年:CFPS試験を国内で実施開始 ・2008年:FP活用研究会発足 ・2014年:ビジネス活用研究会発足 ・2021年:JUASとの協業開始、構造改革検討 ・2022年 : ローコードSIG活動実施 ・2024年 : 発足30周年 1990年代 クラサバの時代 2000年代~ Web・モバイル・DXの 時代 ・リレーショナルデータベース登場 ・IBM互換機 ・POA、DOA ・データウェアハウス概念登場 ・ISO9001、QA活動 ・Windowsの登場 ・C/S、オブジェクト指向 ・ケータイ、iモードサービス開始 ・PMBOK、CMMI ・PMO活動開始 ・スマホ、インターネット高速回線普及 ・AWSサービス開始、クラウド化 ・iPhone3Gの発売→5G ・ビッグデータの隆盛、BI ・ワトソンの公開、AI ・アジャイル、IOT、DX、マイクロサービス・・・ 活動の骨格結成 定量データ活用方法に活動展開 業界への情報発信を強化 立上げ・準備段階 1980年代 汎用機の時代
  3. © 1994-2025 MCIS 5 会の名称を変更しました ▪ 創立30周年を契機に会の在り方を見直し、2024/1/26定例会合にてJFPUGからMCISへ改称しました。 ▪ 今後は普及・教育から課題解決へ、その手段も”FPありき”から”FP+α”へサービスの軸足を変革していきます。 ▪

    詳細はプレスリリース『会名変更&サイトリニューアルお知らせ』をご参照下さい。 普 及 教 育 課 題 解 決 FP FP+α (測定・可視化) ※FPを捨てるわけではありません これからも活動の中核のひとつとし 継続してサービスを提供していきます。
  4. © 1994-2025 MCIS 6 補足)測定・可視化にスコープを広げた理由 6 ▪ IT業界において、ステークホルダ間の認識共有、計画や見積もり、プロジェクト管理の進化を阻む大きな要因の一つに、システム そのものが目に見えにくいということが挙げられます。 ▪

    つまり、他の業界よりも、より意識して可視化を進めていかなくてはなりません。 ▪ また、日々進化するIT業界において、変化する課題を解決していくためには可視化もスコープに入れ、スピード感をもって柔軟に 対応する必要があります。 ▪ 加えて、測定技術は可視化技術に基づくため、課題解決のためには双方の連携が重要と考えました。 可視化 測定
  5. © 1994-2025 MCIS 7 7 ▪ 「セミナー」、「研究会」、「オンライン教育」「Webサイト」による情報提供やディスカッションを実施しています。 ▪ 非会員も参加可能なセミナーやオンライン教育も多数あります。ご検討頂けますと幸いです。 分類

    活動名 対象 開催頻度 内容 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 セミナー 研究会 (課題解決活動) オンライン教育 総会・会合 オープンセミナー 語らいの夕べ ローコード/ノーコード開発SIG ビジネス活用 SIG JUAS共同研究SIG 見積りソン シンプルファンクションポイン ト(SFP)計測コース DXにも不可欠な ITシステム可視化の基本 CFPS試験(国際ファンクション ポイント認定資格) 会員(トライアル含む) 会員・非会員 会員・非会員 会員(トライアル含む) 会員・非会員 会員・非会員 会員・非会員 会員 年3回 年1回 年3回 月1回 月1回 月1回 年1回 随時 随時 随時 定量化に関する講演、会員の成果発表等 外部から講演者を招き、旬なテーマの講演を実施 特定テーマに関するディスカッションイベント ローコード/ノーコード開発に関する見積・開発・品質などの 課題解決に関する研究活動 ユーザ・ベンダ間の合意形成や価格に関する研究活動 日本情報システム・ユーザ協会(JUAS)様の IT 投資ポー トフォリオ研究会との共同研究活動 架空のRFPに対する見積・提案をチームで競う合宿 IT可視化に関する、Udemy上での教育コースの受講 4,800円、Udemyのキャンペーン中は割引 同上 MCIS会員のみ受験可能な資格、CBT試験 3年に1度更新が必要、250米ドル 会員(トライアル含む) 会員(トライアル含む) 11 情報提供 会員・非会員 随時 一般サイトではMCIS公開資料 会員サイトでは講演動画やSFP日本語マニュアル提供等 Webサイト 活動概要
  6. © 1994-2025 MCIS 8 8 ▪ 「自分達の課題は自分達で解決する」をモットーに会員有志の研究会活動を実施しています。 ▪ 本年度は「ローコードノーコード開発SIG」「JUAS共同研究SIG」「ビジネス活用SIG」が通年で活動しており、本年度の活動 成果は次年度発表予定です。

    ▪ 「ローコードノーコード開発SIG」「JUAS共同研究SIG」は日科技連主催「ソフトウエア品質シンポジュウム」でも発表しました。 ▪ 研究会活動は正会員でなくともトライアル会員であれば参加する事が出来ます。(詳細後述) ローコードノーコード開発SIG JUAS共同研究SIG ビジネス活用SIG 研究会活動
  7. © 1994-2025 MCIS 11 プロジェクト計画・提案 (要求に応える工夫と品質担保) 見積りの目的・狙い(当方見解) ▪ FP計測は手段、目的は見積り工数・工期の精緻化と競争力のある提案と受注(ユーザ企業の場合は稟議承認) ▪

    自然体の見積りではなく、厳しい要求に応えながら、QCDを達成する計画とする事がユーザ・ベンダー双方の競争力となる 見積り (工数・工期・金額) 目的・狙い ビジネス ユーザ:稟議承認、ベンダー:受注獲得 エンジニアリング 見積根拠を合理的に説明できる マネージメント 「安かろう、悪かろう」とならないように、 工数工期を低減する工夫と品質担保を 同時に織り込む 観点 規模計測 (FP) 見積り活動の内訳
  8. © 1994-2025 MCIS 12 見積りソンの期待効果(初期仮説) ▪ 発注者はベンダー選定力向上、受注者は提案・受注確度向上、品管・コンサルは提案評価力向上が期待できるのでは? 品管・コンサル 定量的に工期・工数を算出する スキルが得られる

    受注者・発注者双方の認識を知り 置かれている立場 に対する理解が進む 同左 受注者 見積根拠を合理的に 社内外に説明できるようになる 発注者の期待値を洞察し、 コストと品質の最適バランスを 見極めた提案ができるようになる 同左 発注者 どのようなRFPだとより良い提案を 引き出す事ができるのか、気づきを得る 受注者の苦労や大変さを体感し、 今後相対するビジネスパトナー に対する理解が進む 他者の提案を聞き、審査メンバー による総評を拝聴する事で、 新たな知見や視座を得られる
  9. © 1994-2025 MCIS 13 RFPの選定 13 ▪ リアリティを追求し、実案件でのRFP利用も検討したが、機密抵触リスクを考慮し、一般公開されているもを利用する事に ▪ 一定の精度でSimple

    FP法によるFP計測が可能で、且つ、短期演習に最適な要件定義後のシステム構築RFPを採用 ▪ 採用したRFPは大手小売◦〇◦〇システム開発 13 No FP 計測可能 対象工程 検討 Yes 検討開始 実案件 RFP利用 ベースライン 要件定義後 RFP システム化計画後 RFP 方向性検討後 RFP 採用 短時間 見積可 No No yes
  10. © 1994-2025 MCIS 14 RFPのカスタマイズ 14 ▪ 2日間での見積・提案が可能なようアプリの見積・提案に特化できるようインフラやデータ移行に関する記載は削除 ▪ 非機能要件に関する記載も評価が難しくなるため削除

    14 RFPの曖昧さや不整合が結果的にリアリティを醸し出す事になった (参加者からも「実際こんなもの」との意見あり) 書き直したもの • 機能定義書 記載不足が多かったため再定義 削除したもの • 前提条件 • マスタースケジュール • インフラ構成 • サービスレベルや信頼性・保守性な ど非機能要件に関する記載 • 運用要件に関する記載 • 開発場所や開発用コンピュータ機 器・使用材料の負担など、開発以 外のコストに関連する項目 • 提案手続きに関する項目 など 残したもの • プロジェクトの背景や目的 • システム全体像 • 業務概要 • 業務関連図、業務フロー • 概念ERD など
  11. © 1994-2025 MCIS 17 結果発表(2/2) 17 ▪ それぞれの提案に対する評価できる点、改善点を総評としてコメント(以下サマリ) 総評 匠なRDRAer

    フューチャーアーキテクト スケールアウト コンフェデレーション 評価できる点 • RADRAを使った要件抽 出は合理性や納得感が高 かった • 見積り、攻め、守り、プレゼ ンともにバランスよく、大きな 穴が見当たらなかった • アジャイルプロセス採用によ り、工数・工期低減の工夫 が見られた • リスク対応を多方面から検 討、網羅性があった • スクラッチによる開発ではな くキントーンによるローコード 開発とする事で工数・工期 低減の工夫が見られた 改善点 • コスト見積りは前提の認識 があっておらず過小傾向、 実現性が不明瞭であった • 実現性は高いものの、受 注を想定した場合の「売り (特徴・ユニークさ)」が訴 求できるとなお良かった • B2Bシステムであり、要件 が一定程度明確なため、 アジャイルの必然性が不明 瞭であった • ドキュメントを全く作らない 事による保守での影響を 加味できると良かった • リスク対応の検討、考慮が 不足 • キントーンはサブスク型ユー ザ課金のため、毎年ライセ ンス費用が発生する事を 考慮できると良かった 最優秀賞 会長賞
  12. © 1994-2025 MCIS 20 ◎ ◦ ◎ ◦ △ ◎

    △ ◦ ◎ 見積りソンの期待効果(結果) ▪ 他者の提案を聞き、新たな知見や視座を得る事は達成できたが、より良い提案を引き出す気付きを得たり、コストと品質の最 適バランスを見極めた提案ができるようになるまでには、イベント開催者、参加者双方のレベルアップが必要 品管・コンサル 定量的に工期・工数を算出する スキルが得られる 受注者・発注者双方の認識を知り 置かれている立場 に対する理解が進む 同左 受注者 見積根拠を合理的に 社内外に説明できるようになる 発注者の期待値を洞察し、 コストと品質の最適バランスを 見極めた提案ができるようになる 同左 発注者 どのようなRFPだとより良い提案を 引き出す事ができるのか、気づきを得る 受注者の苦労や大変さを体感し、 今後相対するビジネスパトナー に対する理解が進む 他者の提案を聞き、審査メンバー による総評を拝聴する事で、 新たな知見や視座を得られる
  13. © 1994-2025 MCIS 22 開催要領 22 ▪ 名称: 「見積りソンFY24(春)」 ▪

    日時: 2025年3月6日(木) 10:00 ~ 19:00(9:30受付)※終了後懇親会 ▪ 場所: 大崎ThinkPark Tower(フューチャーアーキテクト株式会社 オフィス) ▪ 参加形態: 2名以上のチームでエントリーまたは個人でエントリー、個人単位でエントリーした場合は複数団体混合 ▪ 参加費: MCIS会員 無料、非会員ひとり10,000円 ▪ 定員 : 30名程度(申込先着順) ▪ 表彰: 優秀チームにはMCISより記念品贈呈 ▪ 申込フォーム: https://www.mcis-jp.org/event-details/%E8%A6%8B%E7%A9%8D%E3%82%8A%E3%82%BD%E3%83%B3fy24 2/20(木)が締め切りです。奮ってご参加下さい! 1人での参加も可能ですのでご相談ください。
  14. © 1994-2025 MCIS 23 参考:トライアル会員制度のご紹介 23 ▪ 将来、MCISの会員になりたいと考えているが、いきなり会員になるにはハードルを感じる、法人会員になるための事前リサーチ をしたい、そんな皆様は会員になる前に半年間無料で会員サービスの一部を体験できます。 ▪

    トライアル会員となる事で研究会活動に参加したり、過去の活動成果物を参照する事ができます。是非ご検討下さい。 トライアル会員にも開放 会員限定イベントへの参加 SIGへの参加 MCIS成果物へのアクセス (通常会員のみ) 委員会・作業部会への参加 会員限定公開コンテンツ (IFPUG出版物/MCIS教 育資料)へのアクセス 総会・選挙の議決権
  15. © 1994-2025 MCIS 24 参考:電子書籍のご紹介 24 ▪ 題名: 『日本ファンクションポイントユーザ会が語る!ファンクションポイントをもっと使うためのエッセイ集』 ▪

    目的:ソフトウェアメトリクス活用による課題解決 ▪ 概要:DX化に伴う近年のIT革新は著しく、SaaSやコード 自動生成ツールを適用して開発されるプロジェクトも増えて まいりました。一方で、いかなる手法で開発されたアプリケー ションであっても、ソフトウェア規模が見積りや品質定量化の ベースとして必要なことに変わりはなく、エンタープライズ・アプ リケーション開発のそれらはますます難易度が増すばかりです。 そんな時代にあって、ファンクションポイントに関する よくあるお悩みについてエッセイ形式でわかりやすく経験談を まとめました。見積りやテスト、スコープ管理などファンクション ポイント活用のヒントを詰めこんでおります。 是非ご一読ください。 ▪ リンク: – Amazon – 楽天ブックス ▪ 価格:無料