Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
Application Design 勉強会 #2
Search
Kazuki Chigita
June 26, 2019
Technology
1
230
Application Design 勉強会 #2
Application Application Design 勉強会 #2
Kazuki Chigita
June 26, 2019
Tweet
Share
More Decks by Kazuki Chigita
See All by Kazuki Chigita
Flutterと難読化
chigichan24
0
150
Building Android and looking into the Android System
chigichan24
2
3.9k
DroidKaigiカンファレンスアプリの歴史からみるアプリアーキテクチャのこれまでとこれから
chigichan24
3
3.2k
継続的に機能開発を進めながら行うマルチモジュール化
chigichan24
2
5.7k
Application Design 勉強会 #12
chigichan24
0
58
Application Design 勉強会 #10
chigichan24
0
84
Application Design 勉強会 #6
chigichan24
0
160
Application Design 勉強会 #4
chigichan24
0
150
Read DroidKaigi2019 app source code
chigichan24
1
380
Other Decks in Technology
See All in Technology
The Rise of LLMOps
asei
7
1.6k
RubyのWebアプリケーションを50倍速くする方法 / How to Make a Ruby Web Application 50 Times Faster
hogelog
3
940
10XにおけるData Contractの導入について: Data Contract事例共有会
10xinc
6
650
第1回 国土交通省 データコンペ参加者向け勉強会③- Snowflake x estie編 -
estie
0
130
B2B SaaSから見た最近のC#/.NETの進化
sansantech
PRO
0
860
Incident Response Practices: Waroom's Features and Future Challenges
rrreeeyyy
0
160
Evangelismo técnico: ¿qué, cómo y por qué?
trishagee
0
360
OCI 運用監視サービス 概要
oracle4engineer
PRO
0
4.8k
Amplify Gen2 Deep Dive / バックエンドの型をいかにしてフロントエンドへ伝えるか #TSKaigi #TSKaigiKansai #AWSAmplifyJP
tacck
PRO
0
390
生成AIが変えるデータ分析の全体像
ishikawa_satoru
0
160
マルチプロダクトな開発組織で 「開発生産性」に向き合うために試みたこと / Improving Multi-Product Dev Productivity
sugamasao
1
310
【Pycon mini 東海 2024】Google Colaboratoryで試すVLM
kazuhitotakahashi
2
520
Featured
See All Featured
[RailsConf 2023 Opening Keynote] The Magic of Rails
eileencodes
28
9.1k
Responsive Adventures: Dirty Tricks From The Dark Corners of Front-End
smashingmag
250
21k
Building a Scalable Design System with Sketch
lauravandoore
459
33k
Bootstrapping a Software Product
garrettdimon
PRO
305
110k
Building Applications with DynamoDB
mza
90
6.1k
Fantastic passwords and where to find them - at NoRuKo
philnash
50
2.9k
Faster Mobile Websites
deanohume
305
30k
We Have a Design System, Now What?
morganepeng
50
7.2k
Designing on Purpose - Digital PM Summit 2013
jponch
115
7k
How GitHub (no longer) Works
holman
310
140k
Templates, Plugins, & Blocks: Oh My! Creating the theme that thinks of everything
marktimemedia
26
2.1k
JavaScript: Past, Present, and Future - NDC Porto 2020
reverentgeek
47
5k
Transcript
Application Design 勉強会 #2 Wed Jun 26 Kazuki Chigita
第7章 アジャイル設計
アジャイル開発の考え - アジャイル開発での全体像はソフトウェアと共に 展開していく. - 先を見越してデータベースの設計はしないし,将来の要求に 時間を掛けない. -
各イテレーションで「今」を最良の構造にし,常に「今」と同じ レベルの品質を保つ.
アジャイル設計ってなに? - アジャイル開発で用いる 設計 手法 - つまり,どういうソースコードであるべきかが 「設計」だ (著者談)
- なぜアジャイル設計をするのか? - ソフトウェアはアジャイル開発のイテレーションを 通して変化し続ける. - これに追従して設計をしないと「悪臭」がする. - 「悪臭」がすると,保守がしづらくなったり,機能追加に多大 な工数がかかったりする. UMLダイアグラムのような抽象 的に表現する技法での 設計ではなく,これを具体化した ソースコード自身のこと. だから,設計をしなければならない.
悪臭の例 1. 硬さ 変更しにくいシステム.1つの変更のためにそれと依存関係に あるモジュールが芋づる式に変更点があらわれること. 2. もろさ 1つの変更によって,概念的に関連のない箇所までもが壊れて しまうシステム.
3. 移植性のなさ 他のシステムで利用価値のある部分をモジュールとして切り出すことが 難しい状態. 4. 扱いにくさ ソフトウェアの扱いにくさ,開発環境の扱いにくさ. 5. 不必要な複雑さ 設計時に不必要な仕様を取り込んでいる(アジャイル開発の考えに反し ている) 6. 不必要な繰り返し 別モジュールからコピペしてきたものを含んでいる. 抽象化すべき. 7. 不透明さ わかりにくいモジュールが存在する状態.
何がソフトウェアを腐敗させるのか? - 仕様変更に追従できなくなったときにソフトウェアが 腐る. - 仕様変更に追従できない→設計に問題がある→ アジャイル開発に耐えうる設計やプラクティスを実践するべき -
アジャイルチームはソフトウェアの腐敗を許すな. - じゃあどうすれば?→クリーンな設計やプラクティスを実践す るべき. - クリーンな設計やプラクティスを以降の章で紹介.
第8章 単一責任の原則(SRP)
単一責任の原則 (SRP : Single Responsibility Principle) - SOLID原則の一角を成す. -
日本語での説明 - クラスを変更する理由は2つ以上存在してはならない - 本には1つ以上と書いてあるけど,多分違う.
Rectangleクラスの例 - Geometry applicationが演算処理のためにRectangleクラスを 参照する. - Graphical ApplicationはGUIへの描画のためにRectangleクラ スを参照する.
Geometry Application GUI Graphical Application Rectangle +draw() +area(): double
SRP違反の改善 - この状況下でのRectangleの役割 1. 数学的なモデルを提供する役割 2. GUIで四角形を塗りつぶす役割 - 悪臭シリーズでいうところの扱いにくさ
- Geometry applicationが不必要にGUIを含む構図に なっている. - GUI都合で表示するものが変わったときに無関係なGeometry Applicationも変更の必要が生まれる. - 解決策は,演算部分を切り出す(抽象化してinterfaceを切り出 す操作と言える) Geometry Application GUI Graphical Application Rectangle +draw() +area(): double
SRP違反の改善 Geometry Application GUI Graphical Application Rectangle +draw() +area(): double
Geometry Application GUI Graphical Application Rectangle +draw() Geometric Rectangle +area(): double
単一責任の原則の「責任」とはなにか? - 「責任 = 役割 = 変更理由」と定義している. - クラスの変更理由は1であるべき
<=> クラスの変更理由が2つ 以上ある場合そのクラスには2つ以上の役割がある.
単一責任の原則の適用を見極める - 役割が2つ以上あるときに分離するのが基本. - しかし,異なる役割ながら,必ず同時に変更が生じる役割は 分離する必要なない. <=> 複数の役割が結合する理由を持っている事がある.
- 過剰な適用は設計を不必要に複雑にする. - これは他の原則でも不必要な適用は良くない. - 「変更の理由が変更の理由たるのは,"実際に"変更の理由 が生じる場合だけ」
第9章 オープンクローズドの 原則
オープンクローズドの原則 (OCP : Open-Closed Principle) - 拡張に対して開かれている(Open) モジュールの振る舞いを拡張できる. 追加の仕様要求がきてもモジュールに新たな振る舞いを 追加することでその変更に対処できる.
- 修正に対して閉じている(Closed) モジュールの振る舞いを修正しても,そのモジュールの ソースコードやバイナリは影響をうけない. これはなんか矛盾している概念に見えるがなんとかなる.
client-serverの例 - Client,Serverともに具体的な実装を持っている. - Serverの実装が変更されるとClientも変更せざるを えない.(OCP違反) Client Server
解決策1 : 抽象を利用することでOCPを実現(Strategy pattern) - 依存部分をinterfaceとして切り出す. - server abstractにしない理由→抽象クラスはそれを実装す
る側より使う側のほうが関係が密接だから. - Serverの実装が変わってもClientは影響を受けない. Client <<interface>> Client Interface Server
解決策1 : 抽象を利用することでOCPを実現(Strategy pattern) - 依存部分をinterfaceとして切り出す. - server abstractにしない理由→抽象クラスはそれを実装す
る側より使う側のほうが関係が密接だから. - Serverの実装が変わってもClientは影響を受けない. Client <<interface>> Client Interface Server Piyo
解決策2 : 抽象を利用することでOCPを実現(Template Method Pattern) - Policyクラス(方針クラス)は具体的な実装を持っている(一つ 前のClientに対応). と同時に,抽象メソッドを持っている.(Client interfaceに対応)
- Policyクラスの抽象メソッドを実装する実装クラスが ある(Serverに対応) Policy + PolicyFunction() - ServiceFunction() Implementation - ServiceFunction()
OCPの実現 - Strategy Pattern , Template Method Patternが 典型的.
- 汎用的な機能と,その機能の具体的な実装を明確に 分離する役割を持つ. - 使い所 : 最も変更されるプログラム部分にだけ的を 絞って抽象化を適用するように務める (早まった抽象をしないことも抽象を使うのと同等に 重要なこと)
参考資料 - アジャイルソフトウェア開発の奥義 - ロバート・C・マーチン - pp. 103 - 141