リスクの詳細 災害時の医療情報保全 • 災害時に紙カルテの保護が出来なかった事例が多数存在 • 以前のデータが消失することにより患者様の診察に影響 伝達ミスが起こりやすい • 医師の文字を正確に読み取れず処方薬などの内容が異なる 記載内容が乏しくなりやすい • インフォームド・コンセントなど患者様への説明内容が適切に 記載されておらず、問題発生時に不利になるケースも 災害時の医療情報の保護が安全に行えない 記憶に新しい東日本大震災では、岩手県・宮城県・福島県を中心に北海道から高知県まで被害 を及ぼし、特に東北沿岸部を中心に多くの病院、クリニックが被害を受けました。 宮城県医師会の行った被災状況アンケート調査 (回答率93%) によれば、津波以外の被害は全 壊・大規模半壊・半壊が75ヶ所、津波による被害は建物流失・床上浸水が111ヶ所に上っていま す。 このような状況で紙カルテでは診療情報自体が逸失あるいは損傷を受け、患者情報自体が失わ れてしまうという状況が発生しています。 日本は災害大国ですので地震に限らず様々な災害が発生する中で、普段から紙媒体に頼らず 大事な患者様のデータを保存しておくことの重要性を認識する必要があると考えています。 伝達ミスなどのヒューマンエラーが防止しにくい 紙カルテでは丁寧に記載する時間も限られることから筆跡が荒くなりやすく、受付や看護師が医 師の指示を誤認するなどのヒューマンエラーの温床となってしまいます。 電子カルテではデータ化されているためこういったヒューマンエラーは発生せず、医療スタッフが 的確に医師の指示を把握することが出来るようになります。 投薬ミスや日数の調整ミスなどの医療事故を未然に防ぐことは非常に重要で、今後の医療では 特に厳しい目でチェックされるポイントとなります。 記載内容が乏しくなることで更に様々なリスクが起こりうる 紙カルテの場合、なかなか多くのことを書く時間がないため記載内容が乏しくなりがちです。特に 患者様の主訴や身体所見などはもちろん、治療方針やインフォームドコンセントなどで患者に説 明を行ったり、同意を求めた痕跡が残りにくいのが問題となります。 昨今では医療訴訟も増えてきており、治療方針に関しては確実に患者に伝達した証拠をカルテ に残しておくことが身を守る上で大変重要になってきております。電子カルテではこういった内容 もテンプレートなどで1クリックで入力することが出来るようになり、タイピングが苦手な先生でも簡 単に入力が可能な仕組みが作られています。 4