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小学校女性教員向け プログラミング教育研修プログラム「SteP」の実践と課題
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みんなのコード
July 15, 2025
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小学校女性教員向け プログラミング教育研修プログラム「SteP」の実践と課題
みんなのコード
July 15, 2025
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Transcript
©2025 特定非営利活動法人みんなのコード 小学校女性教員向け プログラミング教育研修プログラム「SteP」の実践と課題 特定非営利活動法人みんなのコード 2025年7月22日
©2025 特定非営利活動法人みんなのコード はじめに 本資料は、みんなのコードが2021年度より開始した小学校女性教員向けプログラミング教育研修「SteP」 の取り組みを振り返り、以下を整理・可視化することを目的としています。 • 女性教員がプログラミング教育に参加しづらい構造的背景 • StePを通じて得られた変化や気づき •
今後の課題と改善の方向性 また、テクノロジー分野におけるジェンダーギャップの是正に向けた教育現場の可能性を広げ、よりインク ルーシブな情報教育のあり方を探る一助とすることを目指します。
©2025 特定非営利活動法人みんなのコード 団体概要 法人名 特定非営利活動法人みんなのコード 設立 2015年7月 代表理事 杉之原 明子
創業者 利根川 裕太 事業概要 情報・テクノロジー教育の普及 拠点 横浜オフィス(神奈川県横浜市) ミミミラボ(石川県金沢市) てくテックすさき(高知県須崎市) みんなのコードは、「誰もがテクノロジーを創造的に楽しむ国にする」というビジョンを掲げ、学校教育・ 社会教育の両面から情報教育にまつわるさまざまな格差に取り組んでいます。
©2025 特定非営利活動法人みんなのコード テクノロジー分野のジェンダーギャップ解消に関する取り組み 2024年 第7回リカジョ育成賞「奨励賞」を受賞 【受賞した取組】情報教育をインクルーシブに〜女子中学校と取り組む、教科横断的な情報活用能力の育成〜 2023年 第6回リカジョ育成賞「奨励賞」を受賞 【受賞した取組】小学校の女性教員向けに特化したプログラミング教育の教員養成プログラム「SteP」 『文部科学省「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイド
ライン」への見解』(7月発表)にて、実践や議論の際のジェンダーバランスに言及 日本女子大学附属中学校とテクノロジー分野で社会に貢献する力を培うカリキュ ラム開発を開始 2022年 経済産業省「デジタル関連部活支援の在り方に関する検討会」にて、運営・審査員 等関係者におけるジェンダーバランスを考慮したい旨を言及 『日本国内の大学における情報系学部・学科の実態調査』(6月発表)で情報系学 部における女子比率が減少していることを課題提起 2021年 小学校女性教員向けプログラミング教育の教員養成プログラム「SteP」開始 みんなのコードは、テクノロジー分野のジェンダーギャップを重点的な取り組み事項とし、情報教育全体、学校 教育、子どもの居場所事業、組織づくりにおいてアクションを行っています。 https://code.or.jp/policy-gender/ 日本女子大学附属中学校と連携
©2025 特定非営利活動法人みんなのコード 1. 「SteP」について
©2025 特定非営利活動法人みんなのコード StePについて みんなのコードは、2021年4月より、小学校女性教員向けにプログラミング教育研修及びコミュニティ 「SteP」を運営しています。 • 講師 ◦ 竹谷 正明
▪ 東京都公立小学校教諭として30年 • SteP3期コアメンバー ◦ 浅村 芳枝(山口県下松市立下松小学校) ◦ 浦野 さつき(川崎市立登戸小学校) ◦ 田中 萌(埼玉県川越市立月越小学校) ◦ 田村 久仁子(東京都板橋区志村第二小学校) ◦ 松田 千夏(大阪府大阪市立啓発小学校) • 受賞 ◦ 日産財団第6回リカジョ育成賞「奨励賞」
©2025 特定非営利活動法人みんなのコード なぜ女性教員に特化? 小学校の先生は62.6%が女性(※)。 みんなのコードが開催したプログラミング研修の参加者は8割以上が男性 なぜ? 「参加する機会がなかった。このような研修ができることすら、知らなかった。」 「案内もないですし、年間カリキュラムの中にもないからです。」 「これまでに参加するように言われたことがなかったから。」 「プログラミング教育に難しさを感じていたから。」 「難しいものだとの抵抗感があった。」
「「プログラミング」という言葉を私自身がしっかりと解釈できていないことが原因ですが、生徒 の実態から手立てとして指導実践ができていないです。」 「産休育休中だったため。」 “ ” (※)「令和6年度学校基本調査」(文部科学省)より算出
©2025 特定非営利活動法人みんなのコード StePの目的 女性教員が多い小学校において、プログラミング教育を実践する教員が男性に偏っている。 女性教員が安心して学び合える場を。 SteP(Step by step for teacher’s
Programming) 「一歩ずつゆっくり、でも着実に進んでいこう」
©2025 特定非営利活動法人みんなのコード 活動実績 これまでに延べ109名の女性教員がStePに参加し、研修や授業実践、コミュニティを通じて学び合い を深めてきました。 年 参加者数 活動内容 パートナー企業 2021年(1期)
59名 ・研修(夏集中講座2日間) ・授業実践・報告会 ・LINEオープンチャット開設(コミュニティ運営) アドビ株式会社 助成金プログラム「Adobe Employee Community Fund」 2022年(2期) 25名 ・研修(夏集中講座2日間) ・授業実践・報告会 ・micro:bitプレゼント Google 2023年 実施なし ・コミュニティ運営 ・企業見学 2024年(3期) 25名 ・研修(夏と春に計2日寛) ・追跡アンケートの実施 ・中学SteP運営開始 Yahoo!基金「IT による社会課題の解決支援助 成プログラム」
©2025 特定非営利活動法人みんなのコード 2. SteP過去参加者へのアンケートの実施
©2025 特定非営利活動法人みんなのコード 概要 • アンケートの目的 ◦ プログラミング関連の研修参加者に女性教員が少ない要因を明らかにする ▪ 構造的な機会差 ▪
プログラミング教育への自信との関係 ◦ SteP参加前後の意識変化の調査を行う • 実施時期 ◦ 2025年1月〜2月 • 対象者 ◦ SteP1期及び2期 75名 • 回答者数 ◦ 22名 プログラミング関連の研修参加者に女性教員が少ない要因を明らかにするため、 SteP1・2期参加者を対象にアンケート調査を実施しました。
©2025 特定非営利活動法人みんなのコード ①参加者の特徴 40.9% (9人) 59.1% (13人) Q. StePに参加するまでの間に、公的研修に参加し たことはありますか?
Q. プログラミングの授業を、いつ実施しましたか? 参加者の59.1%が、教育委員会などが主催する公的研修に参加経験があり、22.7%が全面実施前 からプログラミングの授業を実施していたなど、意欲のある教員が多い。 但し、StePに参加するまでプログラミングの授業を実施していなかった教員も45.5%存在。 45.5% 27.3% 4.5% 22.7%
©2025 特定非営利活動法人みんなのコード ②公的研修の参加有無による差 公的研修に参加したことがない層の66.7%は、研修機会に男女差があるとは感じていない。 「研修会参加者の8割が男性」という風景を実際に見なければ、教え手の偏りにつながる構造に気づか ないのではないか。 研修の存在が、職員全体に共有されていると感じる。 研修の参加に関して、男女間で機会に差があると感じる。 研修の参加者選定プロセスが、不透明だと感じる。 Q.
あなたの職場での、公的研修の扱いについて、当ては まるものを選択してください。 (1:全くそう思わない〜5:非常にそう思う)
©2025 特定非営利活動法人みんなのコード ③プログラミング教育をやりたい/やりたくない理由 Q. プログラミング教育の必修化が決まったときの気持ちと して、当てはまるものを選んでください。 (1:できればやりたくない〜5:積極的にやりたい) プログラミング教育をやりたくないと感じた人は自分主語、やりたい人は子ども主語で、その理由を 記述する傾向。なお、プログラミング教育必修化時点で、63.7%が前向きであることは特徴的。 やりたくない理由(抜粋)
・負担が増え、困ると感じた ・苦手だから ・得意ではない。自分ができないのに、 指導できな い やりたい理由(抜粋) ・子どもが楽しくできそうだから ・プログラミング的思考を身につけるのはこれからの 時代にとても大切だと思った ・これからの人生で必要なことだと感じた
©2025 特定非営利活動法人みんなのコード ④打ち手がないと二極化する構図 Q. プログラミング教育の必修化が決まったときの気持ちと して、当てはまるものを選んでください。 (1:できればやりたくない〜5:積極的にやりたい) 「プログラミング教育をやりたくないと感じた → 研修に参加しなかった
→ 授業を実施しなかった」 層と 「プログラミング教育をやりたいと感じた → 研修に参加した → 授業を実施した」 層の二極化の構図。 Q. プログラミングの授業を、いつ実施しましたか。
©2025 特定非営利活動法人みんなのコード ⑤-1 StePの意義 プログラミングや情報教育に対して 苦手意識が強い。 StePに参加することで、プログラミングに対する苦手意識が払拭され、授業実施の自信が向上し、 授業を積極的に実施したいと思う気持ちになる。 Q. StePに参加する
前/後 の気持ちとして、当てはまるものを選択してください。 (1:全くそう思わない〜5:非常にそう思う) プログラミングや情報教育の授業を実施 する自信がある。 積極的にプログラミングの授業を実施し たいと思う。
©2025 特定非営利活動法人みんなのコード ⑤-2 StePの意義 プログラミングや情報教育に対して 苦手意識が強い。 プログラミング教育の必修化が決まったときにやりたくないと感じた層の60%は、SteP参加前は積極的に 授業を実施したいと感じていなかったが、参加後は0%に。 Q. StePに参加する
前/後 の気持ちとして、当てはまるものを選択してください。 (1:全くそう思わない〜5:非常にそう思う) プログラミングや情報教育の授業を実施 する自信がある。 積極的にプログラミングの授業を実施し たいと思う。
©2025 特定非営利活動法人みんなのコード 3. 「SteP」の実施から見えたこと
©2025 特定非営利活動法人みんなのコード StePで行った工夫 養成塾 SteP 講師・登壇者 みんなのコードの男性講師(元学校教員) みんなのコードの男性講師。メンターとして現役の 女性教員に参加してもらった。また、ゲスト講師に 女性の有識者を招聘
研修内容の作り方 講師の知見・経験に基づいて作成 メンターの先生方の意見も参考にしながら作成 研修内容 ブートキャンプ形式。教室での実践が必須 教室での実践は任意。抵抗感を持たないことを優 先 コミュニケーション設計 研修の内容に沿ったグループワーク 「できない」「わからない」を言いやすい関係性ベー スの設計。LINEオープンチャットでの交流も導入。 対話を通して学んでいく様子が伺えた StePは、みんなのコードが過去に実施した小学校教員向け「プログラミング指導教員養成塾」(養成塾)の内 容・知見を土台に、研修設計を行った。
©2025 特定非営利活動法人みんなのコード 得られたことと考察 得られたこと 考察 研修参加機会の偏り • 59.1%が、教育委員会などが主催する公的研修 に参加経験があり、22.7%が全面実施前からプ ログラミングの授業を実施していたなど、意欲あ
る教員が多い(①) • 但し、StePに参加するまでプログラミングの授 業を実施していなかった教員も45.5%存在(①) • 情報教育主任が男性に偏ることで、女性教員の 研修参加機会が限定される • 民間研修も学校構造がそのまま反映され、ジェン ダー不均衡が継続 • 民間が女性教員対象の研修を開催すると、意欲 の高い教員が参加する構造 ジェンダーギャップの認識 • 公的研修に参加したことがない層の66.7%は、 研修機会に男女差があるとは感じていない(②) • 「研修会参加者の8割が男性」という風景を実際 に見なければ、教え手の偏りにつながる構造に気 づかないのではないか 心理的障壁 • プログラミング教育をやりたくないと感じた人は 自分主語、やりたい人は子ども主語で、その理由 を記述する傾向(③) • 「プログラミングをやりたくないと感じた → 研修 に参加しなかった → 授業を実施しなかった」 層 とそうでない層の二極化の構図(④) • StePに参加することで、プログラミングに対す る苦手意識が払拭され、授業実施の自信が向上 し、授業を積極的に実施したいと思う気持ちにな る(⑤) 研修参加者に女性教員が少なくなる要因を明らかにするため、StePの過去参加者へのアンケートを実施 し、以下が得られた。
©2025 特定非営利活動法人みんなのコード StePで取り組んだことと課題・改善点 観点 StePで取り組んだこと 課題・改善点 研修参加機会の偏り • 女性教員に特化したことで、これまで機 会を届けられていなかった層にリーチ
• 女性教員とのつながりに限りがある • 性別を限定した研修は、教育委員会などの公的 な機関との連携・協力が得られにくい ジェンダーギャップの認識 • 教員自身が、ジェンダーギャップが生ま れる構造に気づける機会を提供 • 現場変革に波及させるには仕組み・人材・連携 の持続性が必要 心理的障壁 • 「一歩ずつ」学べる安心感、「わからない」 を言いやすい関係性ベースの設計 • 対話を通して学んでいく様子が伺えた • プログラムの継続率、心理的障壁の解消につい て一定の成果はあるものの、実際の授業につな がるかが課題 生活との両立困難 • オンライン/対面のハイブリッド開催によ り柔軟な参加形態を提供 • 業務の多忙、女性に偏った家事・育児等の理由 により研修参加のハードルが高い • 勤務時間内に参加しやすくする工夫はあるか 地域によるギャップ • オンライン開催を主としたため、自治体の 状況に依存しない形での提供が可能 • オンラインだけではつながりが弱い。対面実施 の効果と地域格差解消を両立する設計が必要 プログラムの有用性 • 自信が向上し、授業を積極的に実施した いと思う気持ちになることを確認 • 成果の定量的可視化が不足。教室での授業実 施後のアウトカム測定が必要 女性教員へのアプローチを通じて課題の打開に挑んだが、持続性の確保や制度的接続などの課題も明らか になった。
©2025 特定非営利活動法人みんなのコード プロジェクト関係者 みんなのコード • 未来の学び探究部 竹谷 正明 • 未来の学び探究部 千石 一朗
• 未来の学び探究部 永野 直 • 未来の学び探究部 田嶋 美由紀 • パートナー部 花田 安紗子 • 代表理事 杉之原 明子 ヒアリング協力 • 浅村 芳枝先生 (山口県・下松市立下松小学校) • 浦野 さつき先生 (神奈川県・川崎市立登戸小学校) • 田中 萌先生 (埼玉県・川越市立月越小学校) • 田村 久仁子先生 (東京都・板橋区立志村第一小学校) • 松田 千夏先生 (大阪府・大阪市立啓発小学校) 本資料は、Yahoo!基金「2024年度 ITによる社会課題の解決支援助成プログラム」の助成を受けて作成したもの です。「Yahoo!基金」はLINEヤフー株式会社が社会貢献活動の一環として設立した任意団体(非営利)です。
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