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モブに早く慣れたい人のためのガイド / A Guide to Getting Started ...

モブに早く慣れたい人のためのガイド / A Guide to Getting Started Quickly with Mob Programming

Cybozu

June 21, 2022
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  1. この研修のコンセプト 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 2 もうすでに、モブ・プログラミングは経験されているかもしれません

    これから、本格的に、皆さんはモブ・プログラミングをされていきます。 モブ・プログラミングは、価値を生み出すエンジンになっています いろいろな方がいらっしゃいますから、モブ・プログラミングのとらえ方は様々だと思います 楽しいと思う方もいれば、戸惑う方もいらっしゃるかもしれません この研修は、初めての方に、モブ・プログラミングのスタートアップがうまくいく一助に なればという思いで作りました。 この研修では、モブ・プログラミングはどんな仕組みなのか、それがどのような効果 を生んでいるのかを、今動いているモブ・プログラミングの分析からお話しします。 最後にも申し上げますが、この研修は、モブ・プログラミングはこうあるべきという ことを伝えるものではありません。私は、今のサイボウズのモブは素晴らしいと思っ ています。でも、モブは、皆さんが、実際に経験し、感じ、進化させていくものです。
  2. アジェンダ 1. モブ・プログラミングの目的 2. モブ・プログラミングとは 3. モブ・プログラミングのお悩み 4. モブ・プログラミングで何が起こっているか 5.

    モブ・プログラミングの効能 6. 開発プロセスにおけるモブ・プログラミング 7. モブ・プログラミングのコツ 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 3
  3. モブ・プログラミングの目的 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 5 ⚫

    複雑な予測の難しいソフトウェア開発という問題の解決をする ⚫ チームメンバーのレベル向上 チームの多様性、促進ループによる創発の促進 ⚫ 高品質な成果物の生成 強力なグループ学習効果 ; ドメイン情報、知識、スキルの伝達と共有 強力なレビュー効果
  4. モブの構成 :サイボウズの場合 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 7

    ⚫ 3名から5名程度のPGチーム ⚫ ロール • ドライバ • ナビゲータ ⚫ チームで一つのバックログに対応 • 同時に複数のバックログは対応しない • 1個流し • バックログは原則としてひとつづつDoneしていく • マルチタスクを行わない ⚫ リモート開発:Zoomを使う • ドライバの環境で開発 • 画面を共有する • ドライバの交代はGitを介して行う 一般で言われているような、一つのマシンを複数人で使う形ではない
  5. ロール : サイボウズの場合 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA

    8 • ドライバ • コードを直接触る人 • ドライバの画面をZoomで共有する • 開発者が行う作業を実行する • 朝会、プランニング、振り返りのモデレータなどを行う • ナビゲータ • 共有画面を観ながら、ドライバーをサポートする 定時間で交代します • 25分-5分休憩-交代 • 15分毎交代-5分休憩
  6. モブに新しく参加した人のお悩み 1 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 11

    ほかの人たちのモブが私には早すぎる: 話についていけない ほかの人たちがソリューションを提案するのが、私と比べて早すぎる 問題は理解できる 考えるいとまがない モブのセッション中にわからないことがあっても、無視するか、忘れてしまう 頭の中がとっ散らかる ソリューションや、対象にしているシステムの部分だとかをしっかり理解できない チームに価値を提供できていない。チームに貢献できていない 自分の勉強のためにもあまり役に立っていない;学習ができていないと思っている
  7. モブに新しく参加した人のお悩み 2 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 12

    モブとは別に、自分一人で仕事をする時間が必要 ソリューションをポンポン投げつけてくる人がいないところで、じっくりと問題を考えられる 自分の理解の問題がわかる 思考力の鍛錬になる 失敗して学ぶチャンスがある モブはすばらしいとは思うが わたしの勉強にとって、最も重要な方法にはなっていない わたしはあまりモブはやりたくない モブプログラミング, 2019
  8. 6か月後どのようになったか 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 13 モブの議論に参加できるようになって、前より面白くなった

    仕事についての知識が増えた:ドメイン知識 経験を積んだ もともと、エンジニアリングの知識、スキルはある 足りなかったものは、ドメイン知識 ドメイン知識は、経験で学ぶものが多いので、 なかなかソロで得るには時間がかかる。 モブ・プログラミングでドメイン知識を積極的に獲得することが、一人前になる早道 ほぼ3か月ぐらいで、一人前に。
  9. 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 14 モブで 学んで

    早く一人前に なってしまおう! えっ、学ぶって、どんなふうに? ということで、モブの仕組みをお話ししましょう
  10. モブメトリクス 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 17 時間長

    14:23 , イベント数 232 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 モブメトリクス やり取りの分布 Driver Nav1 Nav2 Nav3
  11. ドライバのつぶやきから始まる:意思の発信 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 18 パターン:つぶやく

    ” 小さい声でひとりごとを言う” 特定の誰かに話しかけているわけではない 自分が今やっていることや考えていることを”説明”しているのではない 自分がやっていることや思いついたことを そのまま口に出しているだけ つぶやいている人以外の人にとっては、 つぶやいている人の行動の意図や考えを理解する重要な情報源になっている 音読効果: つぶやいた内容を正確に理解し記憶する必要があると考えるときに音読することが 多い 伝達効果:
  12. つぶやきに対する反応:フィードバック1 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 19 パターン:相槌を打つ

    ふんふん、なるほど、確かに、はい、そうですね、うん、お願いします つぶやき、質問、説明、コメント、回答などをしている途中もしくは終わりに、 それを聞いたメンバーが、その発言を理解している、もしくは受け入れている場合に、 肯定的な返事を返します。 相槌されると、自分の行動に対して肯定的なサインとして受け取り、 次に進むモチベーションを持ちます ※心理学的には、承認欲求が満たされてうれしいと感じている 相手の言葉をそのまま言い返す“オウム返し”も相槌の一種です
  13. つぶやきに対する反応:フィードバック2 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 20 パターン:質問する

    不明な点、わからない点を質問する 私は、これはこのように考えたのですがどう思いますか 自分と考えが違うとき コメントの代わりに質問する 違和感を覚えた時 私は、このように解釈しましたが、合っていますか ここのところを、もう少し説明してもらえますか これは、言い換えると、このようなことですか 自分の理解を確認する
  14. モブのフィードバックループ 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 21 ドライバーが

    つぶやく ナビゲータが相槌を打つ ポジティブな反応 合意 次の手 ナビゲータが質問する コメント 気づき 相槌 合意 確認する 提案する 説明 ガイド 言い換え
  15. モブで何が起きているか 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 22 つぶやき

    相槌 ポジティブレスポンス 合意 受け入れ 次の手 質問 コメント 気づき 相槌 合意 確認 提案 学び 改善 促進 自信 説明 ガイド 言い換え フィードバックの効果
  16. モブ・メンタルモデル 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 23 次のステップ

    対象 次のステップ ドライバ つぶ やき 自信 質問 相槌 改善 学び 提案 議論 返答 ナビゲータ ナビゲータ 説明 促進ループ 改善ループ
  17. 頻繁なモブのインターアクション 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 25 セッション1

    14:23:19 14:23:29 14:23:38 14:23:53 14:23:58 14:24:05 14:24:17 14:24:19 14:24:38 14:24:42 14:24:44 14:24:49 14:24:57 14:25:06 14:25:13 14:25:16 14:25:24 14:25:41 14:25:47 14:25:51 14:26:07 14:26:25 14:26:29 14:26:42 14:26:44 14:26:46 14:26:49 14:26:50 14:27:02 14:27:08 14:27:26 14:27:30 14:27:33 14:27:35 14:27:36 14:27:37 14:27:44 14:27:46 14:27:51 14:27:54 14:27:59 14:28:05 14:28:08 14:28:13 14:28:24 14:28:32 14:28:34 14:29:00 14:29:07 14:29:11 14:29:14 14:29:27 14:29:34 14:29:38 14:29:47 14:29:53 14:29:55 14:30:02 14:30:10 14:30:17 14:30:21 14:30:35 14:30:36 14:30:58 14:31:01 14:31:34 14:31:43 14:31:47 14:32:01 14:32:06 14:32:08 14:32:13 14:32:23 14:32:25 14:32:30 14:32:33 14:32:38 14:32:45 14:32:54 14:33:21 14:33:23 14:33:25 14:33:28 14:33:33 14:33:40 14:33:41 14:33:46 14:33:51 14:33:54 14:34:09 14:34:17 14:34:24 14:34:25 14:34:33 14:34:35 14:34:36 14:35:05 14:35:11 14:35:34 14:35:37 14:35:41 14:35:43 14:35:57 14:36:18 14:36:34 14:36:48 14:36:54 14:36:56 14:37:00 14:37:12 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セッション3 15:30:04 15:30:07 15:30:09 15:30:11 15:30:13 15:30:16 15:30:21 15:30:23 15:30:32 15:30:38 15:30:41 15:30:44 15:30:52 15:31:09 15:31:12 15:31:13 15:31:15 15:31:32 15:31:35 15:31:37 15:31:39 15:31:43 15:31:48 15:31:52 15:31:54 15:31:59 15:32:04 15:32:09 15:32:14 15:32:20 15:32:31 15:32:42 15:32:50 15:32:54 15:32:57 15:33:04 15:33:07 15:33:09 15:33:15 15:33:26 15:33:28 15:33:29 15:33:39 15:33:40 15:34:04 15:34:09 15:34:09 15:34:43 15:34:44 15:34:56 15:35:33 15:35:35 15:35:36 15:35:41 15:35:43 15:35:52 15:35:57 15:36:06 15:36:37 15:36:37 15:37:02 15:37:16 15:37:23 15:37:24 15:37:26 15:37:30 15:37:37 15:37:41 15:37:51 15:38:00 15:38:15 15:38:45 15:38:48 15:38:59 15:39:03 15:39:09 15:39:15 15:39:25 15:39:31 15:39:35 15:39:40 15:39:45 15:39:58 15:40:02 15:40:10 15:40:22 15:40:25 15:40:30 15:40:42 15:40:44 15:40:47 15:40:49 15:40:55 15:41:01 15:41:03 15:41:05 15:41:17 15:41:19 15:41:21 15:41:23 15:41:25 15:41:31 15:41:36 15:41:45 15:41:56 15:42:08 15:42:14 15:42:17 15:42:19 15:42:30 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14:59 15:30 14:47 15:55 15:23 合意 “いいね” 改善 ”いいので 変えたよ” 学習 “いいので 学んだよ“ 25分の モブ 絶え間なく、“いいね“フィードバックが回っている
  18. 学びの組み合わせ:ドライバ=新人、ナビゲータ=メンバー 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 26 ドライバ

    わからないことは、ナビゲータに聞きましょう 例:え~と、次、どうしたらいいでしょう (これは、ベテランの人も良く使うフレーズ) → ナビゲータは、 ⚫ 依頼する形で、指示を出してくれます。 ⚫ アプローチやヒントをくれます ⚫ 指示の背景や説明をしてくれます ⚫ 一緒に考えてくれます ドライバは、手を動かしながら学んでいきます。モブの学習効果は非常に高いです! もちろん、わからないことはどんどん質問しましょう。質問する技術も磨きます! パラフレーズを使うと、より深く学習できるでしょう ナビゲータは説明をしてくれます。どんどん学びましょう。メモを残すとよいです 新しい人は、ドメイン知識、プログラム構造、ファイル構造、ツールのありか、使い方、わからな いことだらけ。でもそれはすぐに理解し、覚えていきます。
  19. 学びの組み合わせ:ドライバ=メンバー、ナビゲータ=新人 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 27 ナビゲータ

    ◼ わからないことは、ドライバに聞きましょう 例:え~と、ここのところ、もう少し説明してもらえますか (これは、追いつけなくなったときにも使えるフレーズです) → ドライバ、もしくはほかのナビゲータが、質問に答え、説明、解説をしてくれます 答え、説明から大いに学べます 例:ふんふん、はい、そうですね ◼ ドライバのつぶやきや行動に同意できたら、うなづきましょう ⚫ 質問に答え、説明、解説をしてくれます ⚫ 説明、解説をしている人も、学んでいます ⚫ 誤りに気づいたり、新しいアイデアを思いついたりします ドライバにとって、うれしい促進のフィードバックです。
  20. 匠なナビゲータのフィードバック事例 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 28 2年目のPG

    kintone改善バーでインタビュー ドライバとナビゲータ、どちらが集中してますか 答え ナビゲータやっているときですね ドライバは、わからなかったら聞けばいい。教えてくれる ナビゲータの時は、自分ならどうするかを絶えず考えている。そ れとドライバがやっていることを比べている。もし違っていた時、 なかなかコメントはできないので、それをどのように質問にすれ ばよいかを考える。結構集中している。
  21. 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 29 質問することに、不安を覚えることはありません。 特に、新人や中途入社の方にとって、

    質問することは、チームにとって最大の貢献なのです。そして、 質問のメンタリティ、チームメンバーのメンタリティ Respect : 相手に敬意を持つ Humility : 謙虚な振る舞い Trust : 信頼する Curiosity : 好奇心を持つ Receptive : 受け入れる チームメンバーは、このメンタリティで皆さんに接しています 質問の回答をもらったら、感謝のフィードバックをしましょう
  22. 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 30 National Training

    Laboratories モブにおける学習 なぜ、モブ・プログラミングは学習効果が高いのか アクティブ ラーニング
  23. モブ・プログラミングの効能 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 33 フィードバックループが高速に回る

    ⚫ 高いモチベーション ⚫ チームが集中して取り組む ◼ 強力なレビュー効果 ◼ 情報・知識伝達効果 ◼ = 教育学習効果 高い品質の成果物 学び 達成感
  24. 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 35 スプリント・プランニング2 プロセス

    バックログ テスト実装 タスク実行 モブ タスク設計 モブ 懸 念 点 出 し ・ モ ブ QA 設計 テ ス ト 設 計 ・ モ ブ 仕 様 作 成 ・ モ ブ PO UIデザイン リスクリスト 仕様書 受入テスト 試験設計書 テスト実行 内面化 表出化 価値の 埋込み 価値の 確認 SBI
  25. モブ・アクティビティ 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 36 •

    コード • モデル : Agile modeling • 計画 • 仕様書、テスト設計書 • タスク(スプリントバックログ):タスクの洗い出し • Kintoneに残るメモ・ノート • ステークホルダへのメンション (PO, QA, デザイン) • 振り返り ソフトウェア開発のすべてのプロセスで、モブは活躍 これらの成果物がモブで品質的に洗練される
  26. モブ・メンタルモデル 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 38 次のステップ

    対象 次のステップ ドライバ つぶ やき 自信 質問 相槌 改善 学び 提案 議論 返答 ナビゲータ ナビゲータ 説明 促進ループ 改善ループ
  27. Be a Driver つぶやこう • キーボードに打ち込んでいるコードや言葉を声に出す。 • 考えていることを声に出してみる わからなかったら質問をしよう •

    何をしたらよいか、悩む、迷う • ドライバはキーボードを預かっているだけいろいろなことを やる必要があります。 • ナビゲータにサポートしてもらいましょう 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 39
  28. Be a Navigator 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA

    40 相槌を打とう • 一緒に考え傾聴していることを伝えよう • 相手への敬意を表そう • 共感を伝えよう • 相手を安心させ、快適にさせよう
  29. Be a Navigator 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA

    41 • うまい質問をして、学んでいこう • うまい質問ができるよう質問力を上げよう • うまい質問ができると、改善できる • 自分の考えを伝えることができる • よりよい提案ができていれば • 相手が学ぶ • 相手の方がよりいい案であれば • 自分が学ぶ • コメントよりも変える力は強い 質問しよう 追いつかなくなったときでも遠慮なく ”良いナビゲータは、質問の名人である”
  30. フィードバックループの失速 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 42 ⚫

    もし、ドライバがつぶやかなかったら ナビゲータは、ドライバが何をしようとしているのかわからなくなる 声をかけにくくなる:相槌、質問が出にくい ⚫ もし、ナビゲータが相槌、質問をしなかったら • ドライバーにフィードバックが返らない • ドライバは、みなが寄り添ってくれているのか不安になる • ドライバは、そのままソロで突っ走ってしまう フィードバックがかからないモブはモブではなくなってしまう モブの効果も上がらず、満足も得られない、ムダと思えてしまう
  31. 定期的な交代と休息 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 43 •

    ロールの交代 • 学ぶ機会を増やす • ドライバで学ぶ • ナビゲータで学ぶ • モブはフィードバックが効き集中する • かなり疲れる:定期的に休む • ポモドーロ 25分+5分休憩 • 3回モブしたら1回15分休み、など • モブ・タイマーの活用 • 疲れたら休む:メリハリをつける モブは全員集中します 疲れてくると、声も出なくなり進まなくなります
  32. Change the Driver 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA

    44 出典:Cycling Weekly 出典:GQ 出典:ハンドルゾーン
  33. モブ・レジスタンス 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 45 いつでもなんでもすべてモブでやらなければいけない、というものではありません

    一人で開発したい、調べたいときもある:補完する心理 ほかの人たちのモブが私には早すぎる: 話についていけない ⇒ モブのペースに合わない モブはすばらしいとは思うが、私には合わない ⇒ 自分の学習ペース チームへの貢献ができない
  34. 多様性の二面性 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 46 モブ・プログラミングは、多様性により、効果を上げている

    多様性によって生まれる、違う気づき・シナジー・化学変化 多様性は人それぞれ、モブを行うに際して感じ方が違う モブ・プログラミングが、ポジティブにもネガティブにも人間の精神の営みに直接影響する 幸福感、達成感を生む つらい感情、退屈、達成感がない
  35. 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 47 最高のチームでは、メンバーはお互いに耳を傾け、感情やニーズに敏感である プロジェクト・アリストテレス

    What Google Learned From Its Quest to Build the Perfect Team The New Yoke Times Magazine, 2026 プロジェクト・アリストテレス
  36. モブ・プログラミングの得意不得意 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 48 •

    得意なところ • 複雑な問題を解く:三人寄れば文殊の知恵 • チームで集中し、多様性を用いて解いていく • 情報、知識、スキルの伝達、獲得 • 不得意 • 単純作業、決まりきった作業:ルーチン モブをやるかどうかをチームで決めていく 計画を立ててやっている 朝会でタスクを決める際、モブでやるかソロでやるかも決める チームでスケジュールや段取りを決め合意する 一人でやりたい、調べたい、勉強したい 勉強会、ミーティング、私用
  37. Be a Team Member 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI

    NAGATA 49 Respect : 相手に敬意を持つ Humility : 謙虚な振る舞い Trust : 信頼する Curiosity : 好奇心を持つ Receptive : 受け入れる モブのメンタリティ アジャイルのメンタリティ
  38. 心理的安全性 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 51 心理的安全性の高い職場環境では、

    • 従業員は、同僚が自分らしさや自分の考えを言うことを拒絶しないと感じる • 互いの能力を尊重する • 人間として関心を持つ • 互いに肯定的な意図を持つ • 建設的な対立や衝突に関与できる • 実験やリスクを取っても安全であると感じる チームが対人関係におけるリスクテイクに対して 安全であるという信念を共有すること
  39. 対人関係におけるリスク 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 52 対人関係をつなごうとするときのリスクがある:主に恥じること

    • 自分が無知であると思われる • 自分が無能であると思われる • 自分がチームに邪魔をしている:足手まとい • 自分がネガティブであると思われる もし、リスクを取らない=何も発言も質問もしなくなる コミュニケーションがない=フィードバックが起こらない 気づきも学習もない ⇒ 信頼も育まれず、創造もできない そのようなモブ・プログラミングは、時間の無駄どころか、苦痛になる
  40. サイボウズ・チーム・スピリット 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 53 謙虚で

    相手をリスペクトし、 考えを共有し 互いに学び サイロをなくし 好奇心を持ち チャレンジしていく
  41. 5/17/2022 2021 新人研修, COPYRIGHT © ATSUSHI NAGATA 54 モブを楽しんで使いこなしてください おしまい

    お悩み ご相談 いつも受け付けます アジャイルクオリティ 永田 敦 https://bozuman.s.cybozu.com/k/#/space/6465/thread/49189