Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
lift-based advertising
Search
森脇大輔
December 17, 2020
Research
0
70
lift-based advertising
CCSE2020での発表資料
森脇大輔
December 17, 2020
Tweet
Share
More Decks by 森脇大輔
See All by 森脇大輔
Evidence-to-Decisionについて
daimoriwaki
0
170
EBPMにおける生成AI活用について
daimoriwaki
0
180
Global Evidence Summit (GES) 参加報告
daimoriwaki
0
150
Developing “EBPM Database” to Improve Policy Making Process in Japan
daimoriwaki
0
15
保育:待機児童数を減らす取り組み
daimoriwaki
0
13
「EBPMエコシステム」の可能性
daimoriwaki
0
230
RecSys22読み会_MTRS
daimoriwaki
0
570
CADEVCONF
daimoriwaki
0
53
GovTechとマーケットデザイン発表資料(CA森脇)
daimoriwaki
0
370
Other Decks in Research
See All in Research
大規模言語モデルのバイアス
yukinobaba
PRO
4
700
The Fellowship of Trust in AI
tomzimmermann
0
130
熊本から日本の都市交通政策を立て直す~「車1割削減、渋滞半減、公共交通2倍」の実現へ~@公共交通マーケティング研究会リスタートセミナー
trafficbrain
0
140
テキストマイニングことはじめー基本的な考え方からメディアディスコース研究への応用まで
langstat
1
120
文化が形作る音楽推薦の消費と、その逆
kuri8ive
0
160
Tietovuoto Social Design Agency (SDA) -trollitehtaasta
hponka
0
2.5k
marukotenant01/tenant-20240916
marketing2024
0
500
湯村研究室の紹介2024 / yumulab2024
yumulab
0
280
3次元点群の分類における評価指標について
kentaitakura
0
410
Large Vision Language Model (LVLM) に関する最新知見まとめ (Part 1)
onely7
18
3.2k
機械学習でヒトの行動を変える
hiromu1996
1
300
MIRU2024チュートリアル「様々なセンサやモダリティを用いたシーン状態推定」
miso2024
4
2.2k
Featured
See All Featured
How to Ace a Technical Interview
jacobian
276
23k
Understanding Cognitive Biases in Performance Measurement
bluesmoon
26
1.4k
Writing Fast Ruby
sferik
627
61k
A Tale of Four Properties
chriscoyier
156
23k
Raft: Consensus for Rubyists
vanstee
136
6.6k
Making Projects Easy
brettharned
115
5.9k
BBQ
matthewcrist
85
9.3k
Become a Pro
speakerdeck
PRO
25
5k
Fireside Chat
paigeccino
34
3k
Stop Working from a Prison Cell
hatefulcrawdad
267
20k
Designing Dashboards & Data Visualisations in Web Apps
destraynor
229
52k
Testing 201, or: Great Expectations
jmmastey
38
7.1k
Transcript
因果効果にもとづいた広告配信 株式会社サイバーエージェント 森脇大輔
自己紹介 • AILab経済学チーム@CyberAgent • 最近流行りの霞が関→テック企業転職組 • Ph.D. in
Econ from University at Albany
AI Lab 経済学チーム 【研究テーマ】 次世代の意思決定方法を作る 【研究領域】 因果推論/計量経済学/メカニズムデザイン/機械学習/強化学習 【共同研究】
Yale大学 成田さん、慶應義塾大学 星野教授 AAAI, Web Conf(WWW), ICML, NeurIPS等に採択 3
因果効果にもとづいた広告配信
アジェンダ • 広告とは何なのか • オンライン広告における因果効果の意義 • 因果効果の予測 • 実証実験
• まとめと残された課題
広告とは何なのか
広告とは何なのか • とりあえず、「価格や製品の質・量の変化を伴わずに売上を増やす、なんらかの企業のアクショ ン」と定義する。 広告量 売上
広告とは何なのか • とりあえず、「価格や製品の質・量の変化を伴わずに売上を増やす、なんらかの企業のアクショ ン」と定義する。 • 限界費用をゼロと考えれば広告の最適な量というのは広告単価と売上増の交点で決まる 広告量 売上 広告量
⊿売上 広告単価 最適広告量
パーソナライゼーションが可能な世界での広告 • パーソナライゼーションが可能な世界で考えてみる 広告量 売上 Aさん Bさん Cさん Dさん
パーソナライゼーションが可能な世界での広告 • パーソナライゼーションが可能な世界で考えてみる • 広告の効果は人によって違う 広告量 売上 Aさん Bさん
Cさん Dさん 広告量 ⊿売上 広告単価 最適広告量? Aさん Bさん Cさん Dさん
オンライン広告における因果効果 の意義
オンライン広告における広告枠オークション • 何十億の広告枠をめぐってオークションが開催 • DSPといわれるサーバーが代わりに入札 入札・広告配信 広告主 DSP 消費者
オンライン広告における広告枠オークション • 何十億の広告枠をめぐってオークションが開催 • DSPといわれるサーバーが代わりに入札 • 広告配信後のクリックやページ来訪に対して広告主が報酬支払い
インセンティブ整合的? 広告配信後のクリックやページ来訪に対して報酬支払い • DSPの最適戦略は、広告をクリックしそうな 人、ページ来訪しそうな人の広告枠を買い付 けること • しかし、広告配信後のクリックやページ来訪 は必ずしも最終的な売り上げの増加を意味し ない(右図)
広告効果にもとづかない広告配信 • 広告効果にもとづかない広告配信は、まさに前掲の図の状態 広告量 ⊿売上 広告単価 最適広告量? Aさん Bさん
Cさん Dさん
並べ替え • 広告効果の高い消費者順に高く入札していくこ とで最適な広告配信量が期待できる • 個別の広告効果の予測が必要 広告量 ⊿売上
広告単価 最適広告量 Aさん Bさん Cさん Dさん
(個別)因果効果の予測
各ユーザーの因果効果を予測したい • Uplift modellingのフレームワークを使う • ある特徴量Xを持つ人の広告を受けたとき(Y T)と受けなかったとき(YC)の差が広告による因果 効果
• それぞれの項を予測すればいいだけ
広告配信データにおけるバイアス • 予測モデルを訓練するために必要なデータは過去の広告キャンペーンのから入手 • 誰に広告を配信するかは ランダムではない • 広告配信のされやすさとアウトカムが相関している場合、予測が過大もしくは過少になる
(例)家電量販店の広告キャンペーン 定期的に来訪するAさん 普段はライバル店を利用するBさん リタゲロジックによって高値で入札 来店経験がないので安値で入札 高値で入札されるAさんのほうが広告を配信されやすく来訪しやすい => 因果効果の上方バイアス
広告のされやすさでデータを補正 • オンライン広告では広告のされやすさ=ウェブサイト・アプリ利用頻度、入札価格の高さである 程度予測できる 広告のされやすさ, e(X) 実際の広告接触数
広告のされやすさでデータを補正 • オンライン広告では広告のされやすさ=ウェブサイト・アプリ利用頻度、入札価格の高さである 程度予測できる • 広告のされやすさを予測する予測器e(X)を用いてデータのバイアスを補正 実際の広告接触数 実際の広告接触数 補正後
広告のされやすさ, e(X) 広告のされやすさ, e(X)
厳密には・・・ • 予測器の学習の際の損失関数にe(X)を導入する(詳細はMoriwaki et al. (2020, AdKDD))
• 計算された予測値から効果を推定
実証実験
因果効果ベースの入札戦略は本当に効果的か • 実際にやってみる • 通常、コンバージョン率をもとに決められている入札価格を因果効果ベースに置き換 える 1コンバージョンあたりの価値 予測される因果効果
調整係数
A/Bテスト • 予算とユーザーを分けて既存の入札戦略と因果効 果ベースの入札戦略を比較してみる。 • 実際の広告案件を使うため、因果効果ベースの入札 は一部のユーザーのみに適用
結果 • クリック率では劣っていたが、リーチ率やインプレッション数で優れていた 因果効果ベース 既存モデル Diff ユーザーあたりイン プレッション数 1.28
1.0 0.28*** ユーザーあたりクリッ ク数 0.54 1.0 -0.46** リーチ率 1.71 1.0 0.71***
大きなビジネスインパクト • 少ないコストでリーチ。実効CPAで70%もコスト減少 因果効果ベース 既存モデル ビジネスインパクト インプレッションあた り原価 0.27
1.0 73%saved! リーチあたりコスト 0.24 1.0 76% saved! 実効CPA 0.3 1.0 70% saved!
まとめと残された課題
まとめ • 広告は売上を増やすためのもの • パーソナライゼーションできるオンライン広告では因果効果を予測することで最適な広告配信 ができる • 実プロダクトで因果効果ベースの入札戦略を実装し、好パフォーマンスを得た
残された課題 • CPC, CPAといった課金システムのもとでは因果効果ベースの入札は導入できない ◦ どうやって成果をはかる? ◦ インセンティブ非整合 •
広告主とDSP双方が幸せになる方法は? ◦ 課金システムを因果効果ベースにする? ◦ 既存の課金システムに迎合する? • アトリビューションの問題
Thank you!