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はじめてのアジャイル・スクラム開発での新鮮な発見
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DaisukeShinoku
February 20, 2024
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はじめてのアジャイル・スクラム開発での新鮮な発見
DaisukeShinoku
February 20, 2024
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Transcript
はじめてのアジャイル・スクラム開発での新鮮な発見 あつまれデザイナ&エンジニア 番外編 ~新春 鮮魚解体< 大会~ 新奥 大介(株式会社 SmartHR) 2024.02.22
自己紹介 新奥大介 / パナマ運河を通峡した唯一の日本人 Web エンジニア 大学卒業後、船長になることを目指して航海士を約 5 年間経験 コンテナ船やタンカーに乗船 中東航路・北米航路等を航行
船上での大量の単純作業に辟易 自動化・IT に漠然と興味 Web 系受託開発企業へバックエンドエンジニアとして転職 約 2 年半勤務 プロジェクトマネージャー的役割も経験 典型的なウォーターフォール開発 2023 年 6 月に SmartHR に転職 ここで初めてアジャイル的な開発を経験
Web 系受託開発会社でエンジニアとしてのキャリアをスタート プロジェクトマネージャーとして案件をこなす日々での悩み せっかく顧客側担当者と関係構築しても、決済者の一言で覆る開発計画 そのような状況による炎上を回避するためのガチガチの契約書締結 結果として深まってしまう顧客側担当者との溝 ふつふつと湧き上がるアジャイル思想への憧れ 人同士の関係性を重視したチームビルディング 顧客との対立関係よりも協調関係 振り返りを前提とした連続的な改善
当時のエンジニア兼プロマネとしての私を支えていた技術 (1) 顧客から思い通りの回答を得るための誘導術 (2) タスクを細分化して開発リソースをフル稼働させるための緻密な計画力 (3) 自社が不利益を被らないための完璧な契約書の作成 (4) 顧客からちゃぶ台返しを喰らわないための詳細な議事録作り
当時のエンジニア兼プロマネとしての私を支えていた技術 (1) 顧客から思い通りの回答を得るための誘導術 (2) タスクを細分化して開発リソースをフル稼働させるための緻密な計画力 (3) 自社が不利益を被らないための完璧な契約書の作成 (4) 顧客からちゃぶ台返しを喰らわないための詳細な議事録作り 即ち、炎上させないための技術
あれ・・・? なんでエンジニアになったんだっけ?
やりたいことは顧客との対立だっけ? 炎上回避力を高めたいんだっけ?
違う・・・
本当にやりたいことは・・・
世の中を、誰かの生活を良くするプロダクトを作ることだ
そんな思いで転職を決意。 SmartHR に出会い、アジャイル・スクラムを知る。
そして僕は素晴らしい仲間たちと素晴らしいプロダクトを作りま した、めでたしめでたし。
ではなかった。
初めてのアジャイル開発の壁 ウォーターフォール開発・受託開発とのギャップ 納品して終わりではなく、長期的なプロダクト価値向上に必要な取り組みを重視 チームでの活動が大前提、個人の取り組みを常にオープンにする開発スタイル 間違ったことをしているかも、バカだと思われるかも、という不安 「チーム」に対する価値観のギャップ チームの成長のために厳しいフィードバックを出し合えるか 「プロジェクト期間だけの関係だから」と妥協していた過去の自分に気付く 自分自身とメンバーの学習に投資して属人化を防ぐことができるか
壁を、乗り越えろ。
SmartHR にあった壁を乗り越えるための機会 レトロスペクティブ(振り返り)の徹底 1 週間スプリントで毎週 1 時間は絶対に確保 スクラム講座 スクラムガイドに沿ってスクラムの本質をグループワークで学ぶ講座 スクラムマスターによるコーチング
押し付けではなくチームが自律してアジャイルになっていくためのサポート スクラム関係書籍の輪読会 1 人で読むよりもチームメンバーと読むほうが何倍も身に着く
壁を乗り越えるための材料 プロダクト開発で必要なマインドセット プロダクトは使われてナンボ、そこから仮説検証を回して改善する プロダクトに終わりはなく、自分が書くコードに一層の責任が求められる アジャイルなチームを目指す上で必要なマインドセット 問題を特定し、解決策を議論することはチームに対する何よりの貢献 メンバーの苦手解消&属人性排除への投資で長期的なチーム力向上を優先する 余計なプライドはさっさと捨てる 「無能と思われるかも」の不安は自分の未熟さから来るもの チームを思うのなら自身の仕事をオープンにして透明性を高めるべし
壁を乗り越え、アジャイルになれたか?
否。
「チームが環境に適応して、不確実性を最も効率よく削減できている」という 決して到達できない理想的な状態が「アジャイル」である。 (中略) 必要なことは、外でうまくいっている何かを探すのではなく、しっかりと自分 たちを取り巻く状況を観察することである。 そして、何か流行りのかっこよさを教条的に取り入れるのではなく、今何をす べきかをしっかりと周囲と対話していくことである。 それがチームをアジャイルにする最も効率的な道となる。 広木大地. 『エンジニアリング組織論への招待
~不確実性に向き合う思考と組織のリ ファクタリング』. 技術評論社. 2018年, 304ページ
結論 アジャイルとは決して辿り着くことのできない境地 俺達のアジャイルへの旅はまだはじまったばかりだ!!
~ 完 ~ ご清聴ありがとうございました。 新奥先生の次回作にご期待ください。