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Geminiをパートナーに神社DXシステムを個人開発した話(いなめぐDX 開発振り返り)

Geminiをパートナーに神社DXシステムを個人開発した話(いなめぐDX 開発振り返り)

2026年の正月三が日に実施された「羽田七福いなりめぐり」のデジタル版スタンプラリーライクシステム「いなめぐDX」の開発と運用の記録です 。
本プロジェクトは、エンジニア1名とAI(Gemini)の共作として進められ、企画から実装、実証実験までを一気通貫で行いました 。資料内では、Geminiを活用した高速の要件定義やプロトタイピングの手法に加え、サーバーレスな技術スタックについて解説しています 。また、3日間で1,907件のNFCタッチを記録し、50%を超える完走率を達成した実証実験の結果についてもデータを公開しています 。特に、個人開発において直面した「現場ならではのトラブル」とその解決策は、同様のシステムを検討されている方にとって有益な知見となるはずです 。主なトピック開発プロセス:DeepResearchやCanvas機能を用いた、AIとの協調による仕様策定 。技術スタック:Firebase、Vite、Terraformを活用したスケーラブルな構成 。現場の課題(Pitfalls):iOS/ブラウザの制約によるデータ永続化の難しさ 。金属面への設置によるNFC電波干渉問題 。Firebase匿名認証におけるデータの紐付けと運用の罠 。キャッシュ設定漏れによるインフラコストの変動 。OSS公開:GoogleドキュメントをCMS化し、非エンジニアでも更新可能にする自作ツール「tegaru-press」 。まとめ「AIは個人の実現力を底上げする」という実感とともに、技術で現場の課題を突破し、人間が本質的な体験設計に集中するためのマインドセットをまとめています 。

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T. Fujiba

March 14, 2026
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Transcript

  1. TECH STACK 技術スタック Frontend Vanilla JS + Vite Auth Firebase

    Auth(匿名認証) DB Firestore Storage Firebase Storage NFC NTAG213 / 215 Hosting (App) Firebase Hosting Portal Cloudflare Pages + Hugo CMS tegaru-press(自作 / GAS) IaC Terraform E2E Test Playwright 「サーバーレスで安価に、かつスケーラブルに」
  2. GEMINI ① Gemini活用: 企画〜要件定義 1 DeepResearch OSSやNFC+PWAの 構想を調査・レポート 2 Canvas

    Q&A 共有エディタでQ&A 要件定義を同期的に策定 3 プロトタイプ HTML/TailwindでUI モック即時生成 わずか数時間でGitHubにコミットできるレベルまで 仕様の解像度を引き上げることができた → 「対話」と「ドキュメント更新」のシームレスな同期がカギ
  3. GEMINI ② Gemini活用: 実装〜タスク管理 ペアプロ実装 • Gemini Code Assistがコーディングを支援 •

    Firebase SDKの実装は調べるより早い • 最新のWeb実装パターンも提案してくれる タスク管理 • 要件定義→タスク洗い出しもGeminiに • GitHub ProjectにインポートできるCSV出力 • 追加・分割は人間が判断→開発スタート 「この規模ならVanilla JSで十分(キリッ」by Gemini → 実装が進むにつれi18n等でコードがカオスに... → 速攻でViteだけは導入。AIの助言も鵜呑みにしない判断が大事 → 正月イベント後、Vue3で全面書き直し
  4. RESULTS 実証実験 結果サマリー 実施期間: 2026/01/01〜01/03(正月三が日) 1,907 NFCタッチ総数 各社のNFCタグを タッチした総数 166

    仮達成数 8社全てのしるしを 拝受した数 50%+ 達成率 参加者の半数以上が 全社巡拝を達成
  5. DATA INSIGHTS データから見えたこと 午前中に集中 3日間とも午前の巡礼が多く 夕方以降はほぼゼロ → 当日中に御朱印と合わせたい 海外ユーザーも 少数だが海外からの利用あり

    8社結願者も1名! → 多言語対応は正解 OS比率は半々 iOS / Android ほぼ均等 → 両OS対応は必須 地図利用が多い 鴎稲荷のマップ利用度が高い → 高山稲荷から距離があるため?
  6. PITFALL ① つまずき①: iOS / ブラウザ制約 WebviewのCookie/LocalStorage問題 QRコードをiPhoneカメラで読み取り → アプリ内ブラウザで開く

    → Cookie/LocalStorageがSafari本体と共有されない → 「しるし」の取得情報を永続化できず致命的 → QRでの拝受機能は早々に断念、NFC一本に絞る(QRはガイド導線に活用) iPhone 7/8/X のバックグラウンドリード不可 iPhone XS以降: タグにかざすだけでOK iPhone 7/8/X: コントロールセンターからNFCリーダーを起動が必要 → この仕様を完全に見落とし、サービスイン後にTwitterで指摘される → 検証環境を十分に用意できない個人開発の限界 → 正月イベント後、iPhone7調達、Android調達(泥縄メソッドwww
  7. PITFALL ② つまずき②: NFC × 物理の壁 金属面にNFCタグを貼ると電波干渉で読み取り不可に! ① 表面ラミネート(PET) ②

    UVカットシート ③ QRコード・案内印刷面 ④ NFCタグ ⑤ フェライトシート ⑥ アクリル板(スペーサー) ⑦ 設置面(鉄柱) 7層構造 結果... フェライトシートを挟んでも 顕著な減衰が発生 実運用で読み取りにくい 状況を発生させてしまった → タグ取付方法の変更で 改善済み
  8. PITFALL ③ つまずき③: 匿名認証の罠 Firebase Auth 匿名認証の仕組み • ユーザー登録なしで認証 →

    気軽に使い始められる • 認証状態はブラウザの Cookie/Storageに依存 • Cookie消去 = 別ユーザーに → データの紐付けが切れる • スタンプラリーには致命的! 「集めたしるしが消えた」 • リリース後に複数報告 • プライベートブラウズ • 匿名認証のタイミング問題発覚→認証イベントがnullで やってくる問題 学び Webブラウザベースでの スタンプラリーの難しさを痛感 → ログ出力強化リモート調査実施し改善中
  9. PITFALL ④ つまずき④: no-cache 事件 3日間のインフラ費用 ¥101 何が起きたか? 開発時にno-cache設定 (キャッシュ嫌い)

    そのままサービスイン 設定戻し忘れ! Firebase CDNの 恩恵ゼロ!全リクエストがオリジ ンへ 本来このアクセス数なら無料枠で十分収まるはずだった → 開発用の設定は本番デプロイ前に必ず確認!(当たり前だけど忘れがち) → 正月イベント後、ServiceWorkerを真面目に実装、つ いでにオフライン対応も
  10. OSS tegaru-press: 自作CMS 課題: 神社職員はMarkdownもGitも使えない → Hugoの更新ができない 解決策: 使い慣れた Google

    ドキュメント を入稿画面にする Google ドキュメント GAS (変換) Markdown → GitHub Cloudflare Pages 公開! 非エンジニアでもポータルサイトを更新可能 Googleドキュメントの操作感そのまま OSSとして公開中: github.com/fujiba/tegaru-press
  11. SUMMARY まとめ AIは「個人の実現力」を 底上げする 企画から実装まで 1人+AIで0→1を実現 泥臭い試行錯誤こそ 0→1の醍醐味 NFC減衰、iOS制約... 現場の課題は技術で突破

    AIに任せ、人は 本質に集中する だるい作業はAIに 体験の質に思考を割く 結局: サービスはサービスインしてからが本番 Thank you! この資料はClaude in PowerPointでほぼ書きました。PowerPoint 2019だと色々使えないものがあるらしく、Claudeが困っていた模様