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クラスタ統合リアーキテクチャ全貌~1,000万ユーザーのウェルネスSaaSを再設計~

 クラスタ統合リアーキテクチャ全貌~1,000万ユーザーのウェルネスSaaSを再設計~

アーキテクチャconference 2025

株式会社hacomono
基盤本部 プラットフォーム部 プラットフォームエンジニア

本セッションでは10,000店舗、登録者数1,000万人を支えるウェルネス向けSaaS hacomonoにおける今後のリアーキテクチャ戦略についてご紹介します。
hacomonoではテナントグループ毎にECSクラスタを分割して運用していました。
しかし事業のスケールに伴い、リソース効率の悪化、テナント間の環境差異、オペレーションコストの増加など様々に直面しています。
これらの課題を解消し、持続可能な事業成長を支えるためのクラスタ統合戦略、そして実現のための具体的な技術アプローチについてご紹介いたします。

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hacomono Inc. PRO

November 20, 2025

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Transcript

  1. 2 自己紹介 居石峻寛 (Oriishi Takahiro) • 株式会社hacomono • プラットフォームグループ所属 •

    徳島県に生息地 経歴 • インフラエンジニア • フルスタックエンジニア • プラットフォームエンジニア ← now X: hetare70914
  2. 4 hacomonoとは 4 ・総合フィットネスクラブ ・ヨガ・ピラティス ・パーソナルジム ・24時間ジム フィットネスクラブ ・屋外運動場 ・屋内運動場

    ・体育館 ・水泳プール ・学校 ・レジャー施設 公共運動施設 ・Jリーグ(サッカー) ・Bリーグ(バスケットボール) ・野球チーム・サッカーチーム etc スポーツチーム ・スイミングスクール ・ダンス・バレエスクール ・ゴルフスクール ・テニススクール ・カルチャースクール ・空手・体操スクール ・サッカースクール 運動スクール 会員管理・予約・振替・キャンセル・決済・請求管理・売上管理・債権管理 入退館・EC・POS・本人認証カメラ・QRリーダー・ ウェルネス施設の手続きをすべてデジタル化 ウェルネス産業を、新次元へ。
  3. 5 Wellness x Facility デバイス連携 入退館 プロテインサーバー タンニングマシン iPadチェックイン ロックQR

    ロックワイヤレス AIカメラ 実際に顔を合わせてサービスを提供することの 多いウェルネス産業において、店舗内の設備は 欠かせない存在です。 IoT部門があるhacomonoでは、店舗での設備 をデジタル化 することで、体験向上だけでな く、そこから得られるデータの活用の促進 も進めています。 ウェルネス店舗の物理的な設備を IT化、 高付加価値の顧客体験を
  4. 8 Utilities 言語/フレームワーク Business Tools DevOps JavaScript Node.js MySQL NGINX

    TypeScript Vue.js Sass Ruby Rails Swift Golang Tailwind CSS Nuxt.js Storybook Flutter GitHub Docker ESLint Yarn Terraform Ansible Grafana Sentry GitHub Actions Vite Playwright Vitest Mabl Slack Jira Notion Google Workspace Twilio SendGrid GitHub Copilot CodeRabbit CURSOR Devin Claude ChatGPT Notion AI Infrastructure AWS Fargate Amazon EC2 Amazon Lambda Amazon RDS Aurora Serverless v2 Dart hacomonoの技術スタック
  5. 21 現在hacomonoが抱える課題 • サイロモデル、プールモデルの混在 ◦ 監視ツールの統合ができていない ◦ 両方のアーキテクチャを考慮したアプリケーション (モード制御、EC2のOS起因でランタイムアップデートが難しい) •

    プールモデルでもバックエンドのECSクラスタが1つになっていない ◦ インフラコストの最適化に余地あり ◦ デプロイ速度も最適化の余地あり ◦ 実運用を経てプールモデルの知見がたまってきた
  6. 22 現在hacomonoが抱える課題 • サイロモデル、プールモデルの混在 ◦ 監視ツールの統合ができていない ◦ 両方のアーキテクチャを考慮したアプリケーション (モード制御、EC2のOS起因でランタイムアップデートが難しい) •

    テナントグループの数だけVPC+ECSクラスタ+DBが構築される ◦ インフラコストの最適化に余地あり ◦ デプロイ速度が遅い ◦ テナントグループ毎に性能やオートスケールの設定がバラバラ infra v2 プロジェクトの発足! ECSクラスタの統一 + EC2の全撤廃
  7. 30 ProxySQL DBとクライアントをプロキシするOSS • MySQL/PostgreSQLをサポート • ルーティング機能を備えており スキーマ等で接続先の制御が可能 ◦ アプリケーションは

    `use <schema name>`を使うだけ • 設定変更は2種類 ◦ 設定ファイルを読取 ◦ MySQLでテーブルを操作 ステートレスにしやすく採用したいが... テナント増減があった際の更新は? その度にコンテナを入れ替える...?
  8. 36 まとめ • 開発初期はサイロモデルを採用 ◦ コストの増大 ◦ 不安定なリリース • プールモデルへの移行

    ◦ コンテナ最適化 ◦ 運用コスト、インフラコストの大幅削減 ◦ リリースの安定化、高速化 • infra v2でECSクラスタの統合とEC2の廃止 ◦ DBを統合しない判断 ◦ ProxySQLでの接続先制御