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プロダクトと一緒に成長できるMVCフレームワークの使い方 / Adjustable MVC F...

プロダクトと一緒に成長できるMVCフレームワークの使い方 / Adjustable MVC Framework

〜 Ruby on Railsを例に 〜

Hiromichi NOMATA

January 03, 2022
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Transcript

  1. MVCフレームワークとは • Web開発でよく使われる設計の⼀つ • Model(M), View(V), Controller(C) • データベースの操作、表示、全体制御 •

    採⽤例: Ruby on Rails、Django(MVT)、 Laravel、 Blitz.js • 不採⽤例 • リクエストからレスポンスまで⼀つの関数 • Event Sourcing(Lagom)
  2. MVC(RDBMS)が使われる理由 • MVCのMはRDBMS(MySQL, PostgreSQL)と密結合 • NoSQLのプロダクトトレンドからのズレ • Web広告の規制: DSPの優先度低下 •

    ソシャゲ ガチャ規制: 技術⼒ != ⼤量のアクセスを捌く • 機械学習ブーム: パーソナライズ(集計)がより重要に • 位置情報(ARグラス、⾃動運転)が重要になればNoSQL復活するかも?
  3. MVCフレームワークでなくても苦⼿なところ • Span of Controlと単⼀名前空間の限界 • ⼈とシステムは連動している(コンウェイの法則) • Span of

    control: 5-9⼈ • マネジャーが⾒れないならメンバーはもっと⾒れない => 名前空間は分けよう(Railsの機能としてある)
  4. MVCフレームワークが苦⼿なところ • ActiveRecord(ORM)はModel: Table = 1:1に特化 • ActiveRecord内で複数テーブルを⼀括操作するのは苦⼿ • 規模が⼩さいとMVC有利

    • Controller => Model <=> Table • 規模が⼤きいとドメインモデル(中間概念)優位 • Controller => Repository => Model <=> Table
  5. 分け⽅のルートはどこか • role: User/Company/Admin/API • シンプルだがmodel共通になりがち。認知負荷の減少が少ない • Read/Write: CQRS(Command Query

    Responsibility Segregation) • GraphQL: Query/Mutation. MVCフレームワークと相性悪い • domain: 似た機能でまとめる • 何度でも適⽤可能(Shopify)だが分割の位置を決めるのが⼤変
  6. 機能分割単位とデプロイ単位は独⽴ • モノリス: 素のRails. 同⼀名前空間に全て詰める • モジュラーモノリス: Shopify (Rails Engine)

    • ミニサービス: デプロイ単位が複数モジュール • マイクロサービス: デプロイ単位が1モジュール
  7. 案: 全てのサービスはREST APIとする慣例 • SomeAbcServiceの引数はプリミティブ型とする(gRPCを参考に) • SomeAbcService.run(user_id: 123) => POST

    /internal/some_abc_service {user_id: 123} • サービスにはActiveRecordのインスタンスは直接渡さない • 設定でendpointは⾃身に向けるか別サーバーに向けるか選べる • HTTPを経由するオーバーヘッドは⼗分⼩さいとする
  8. まとめ 開発を⽌めずにプロダクトと共にMVCフレームワークを成⻑させるには • 幅⽅向 • Span of Controlを超えるタイミングでドメインを元にモジュール分割の⾒直 し •

    最初からロールごとに設計を整理してあると分割しやすい • 深さ⽅向 • MVCフレームワークデフォルトのディレクトリ構造だけで戦おうとせず都度 適切な切り出しの仕組みを使⽤