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2018年度 化学工学特論2 第13回

2018年度 化学工学特論2 第13回

これまでを少し思い出しましょう
データ解析がどのように応用されるのか?
こんな化合物が欲しい!
構造活性(物性)相関
これまでやりました
分子設計
モデルは役に立っているのか?
データ解析がどのように応用されるのか?
材料設計
適応的実験計画法
これまでやりました
ケーススタディ
データ解析がどのように応用されるのか?
化学工場(化学プラント)
プロセス変数の時間プロットの一例
プロセス変数の時間プロットの一例
ソフトセンサー
これまでやりました
ソフトセンサー例 (医薬品製造プロセス)

Hiromasa Kaneko

January 27, 2019
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Transcript

  1. これまでを少し思い出しましょう 第1,2,3,4回 Pythonの基礎・アルゴリズム • フィボナッチ数列、ソート、アレニウスの式など 第5回 化学⼯学計算 • 連続槽型反応器 一次反応・逐次反応、律速

    第6回 データ分布、検定 • 少ないデータから、真の平均の範囲を推定する 第7回 相関係数 • 少ないデータから、真の相関係数の範囲を推定する 第8回 実験計画法 • 多くの実験候補の中から、どうやって少数の候補を選ぶか︖ 第9回 化学構造の扱い • 化学構造の数値表現、分⼦量の計算とか 1
  2. これまでを少し思い出しましょう 第10回 データの可視化 • 多くの変数で表現されたデータを、平⾯上に⾒えるようにする ⁃ 主成分分析、tSNE 第11回 クラスタリング、クラス分類 •

    クラスタリング: サンプルを塊ごとに自動的に分ける ⁃ 階層的クラスタリング • クラス分類: サンプルをクラスの情報(正解)に基づいて分類する ⁃ 決定木、ランダムフォレスト 第12回 回帰分析 • 説明変数 X と目的変数 y との間の定量的関係を求める ⁃ PLS, LASSO 2
  3. データ解析がどのように応用されるのか︖ 分⼦設計 材料設計 プロセス管理・スペクトル解析 • Chemoinformatics (ケモインフォマティクス) Chemistry + Informatics

    • Materialsinformatics (マテリアルズインフォマティクス) Materials + Informatics • Processinformatics (プロセスインフォマティクス) Process + Informatics 3
  4. 構造活性(物性)相関 5 目的変数 y 構造記述⼦(説明変数) X モデリング 活性・物性(IC50 など) が

    既知の化合物群 構造の数値化 活性・物性 活性(物性)推定モデル y=f(X) 例) 分⼦量、環の数、 水素結合の アクセプター数、 ・・・ ・・・
  5. これまでやりました 化学構造の数値化、構造記述⼦の計算 • 第9回 化学構造の扱い モデリング • 目的変数 y が連続値の場合

    ⁃ 第12回 回帰分析 • 目的変数 y がカテゴリ (薬 or 薬でない、など) の場合 ⁃ 第11回 クラス分類 6
  6. 分⼦設計 7 目的変数 y 構造記述⼦(説明変数) X モデリング 活性・物性(IC50 など) が

    既知の化合物群 構造の数値化 活性・物性 活性(物性)推定モデル y=f(X) 構造記述⼦ Xnew 活性の推定値 ⼊⼒ 出⼒ コンピュータ上で生成させた 仮想的な構造 推定値が目標を 満たす構造 ・・・ ・・・ 合成
  7. モデルは役に⽴っているのか︖ モデルの有効性が実験で検証された例 • ニッケル触媒の新規リガンドをモデルから提案することで クロスカップリング反応の選択性と収率が向上 [1] • 有機薄膜太陽電池の新しい材料をモデルに基いて設計することで 光電変換効率が向上 [2,3]

    • リチウムイオン電池の電解液を難燃化する材料をモデルで 探索した [3] 8 [1] E.C. Hansen, et al., Nat. Chem., 8, 1126–1130, 2016 [2] S. Nagasawa, et al., J. Phys. Chem. Lett., 9, 2639–2646, 2018 [3] http://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/news/16/051411103/?n_cid=nbpnxt_twcm_dm [4] https://motor-fan.jp/tech/10004180
  8. 材料設計 材料の物性は、 • 実験条件 • 製造条件 によって変化する 例) ポリマー設計 •

    条件︓モノマーの種類・モノマーの組成⽐・反応温度・反応時間・・・ → 物性︓強度・硬さ・密度・ガラス転移温度・・・ 10 過去のデータを活用して、効率的によりよい材料を設計しよう︕
  9. 適応的実験計画法 11 回帰分析 物性推定モデル y = f(X) 推定 20 30

    40 X: 製造条件 y: 物性 50 10 60 … ︖ ︖ ︖ 逆解析 ︖ [1] T. Kishio, H. Kaneko, K. Funatsu, Chemom. Intell. Lab. Syst., 127, 70-79, 2013
  10. ケーススタディ 1290個の化合物の水溶解度 (S) データ [1] logSの値が 1.20 〜 2.00 になる化合物を探索した

    • 初期データ︓logSの値が -5 以下の化合物をランダムに10個選択 13 実験計画法で探索 平均 3.83 回 [1] T. Kishio, H. Kaneko, K. Funatsu, Chemom. Intell. Lab. Syst., 127, 70-79, 2013 [2] T.J. Hou, K. Xia, W. Zhang, X.J. Xu, J. Chem. Inf. Comput. Sci. 44, 266–275, 2004 少ない探索回数で目標の化合物が得られた
  11. ソフトセンサー 19 ⼊⼒ 出⼒ オンラインで測定 過去のデータベース オンラインで推定 温度・圧⼒など 説明変数・⼊⼒変数 目的変数・出⼒変数

    温度・圧⼒など(X) 濃度・密度など(y) ソフトセンサー (バーチャル センサー) y = f(X) 濃度・密度など 例) 濃度 = f( 温度、圧⼒ ) = 1.5×温度+0.5×圧⼒ 測定が簡単 測定が困難
  12. ソフトセンサー例 (医薬品製造プロセス) 例) 錠剤 22 粉砕 混合 造粒 潤沢剤 混合

    打錠 フィルム コート 最終 製品 原薬 (有効成分) 添加剤 添加剤 添加剤 添加剤 粒度 混合均一性 粒度 ⽐容積 水分 混合均一性 粒度 ⽐容積 溶出性 錠剤質量 水分 含量均一性 素錠質量 硬度 崩壊性 最終製品 試験 ⼯程内もしくはラボでチェック 最終製品試験に合格した製品のみ市場へ 不合格のときはロットごと廃棄 多大な損害︕
  13. ソフトセンサー例 (医薬品製造プロセス) 例) 錠剤 23 粉砕 混合 造粒 潤沢剤 混合

    打錠 フィルム コート 最終 製品 原薬 (有効成分) 添加剤 添加剤 添加剤 添加剤 粒度 混合均一性 粒度 ⽐容積 水分 混合均一性 粒度 ⽐容積 溶出性 錠剤質量 水分 含量均一性 素錠質量 硬度 崩壊性 最終製品 試験 最終製品試験に合格するように、プロセスで製品を作り込もう︕ ⼯程内もしくはラボでチェック
  14. ソフトセンサー例 (医薬品製造プロセス) 24 粉砕 混合 コーティング 原薬 (有効成分) 添加剤 ・・・

    最終製品 監視 制御 NIRスペクトルなど リアルタイム 混合均一性など 監視 制御 NIRスペクトルなど リアルタイム コーティング量など 添加剤 ソフトセンサー ソフトセンサー