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新・レセプション成功率の妥当性の検討
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HQ_VASIS
March 30, 2024
Research
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新・レセプション成功率の妥当性の検討
日本バレーボール学会 第23回大会(2018/03/18)
一般研究発表 演題番号 No. 3
作成者|佐藤 文彦
HQ_VASIS
March 30, 2024
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Transcript
ຊόϨʔϘʔϧֶձୈ ճେձ Ұൠݚڀൃදԋ൪߸ /P ৽ɾϨηϓγϣϯޭͷଥੑͷݕ౼ ˓ࠤ౻จʢגࣜձࣾ %&-5"ʣ ʙ"ɾ#ɾ$1BTT
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2017/18シーズンよりレセプションの集計方法が変更 ・成功(優) → A Pass相当 ・成功(良) → B Pass相当 ・失敗
→ C Pass相当 成功率(%)=((成功[優]×100)+(成功[良]×50))/受数 この計算方法は,以下のような意味を持つことになる ◦1本の[良(B Pass)]は[優(A Pass)]の半分の価値である この設定は妥当なのだろうか?
レセプションの目的=レセプション・アタックでの得点 (=1st Sideoutの獲得) A・B・C Passの価値は,この目的への影響の大きさから 評価することができる 本研究の目的 A・B・C Passのレセプション・アタックに及ぼす影響を 検証し,新・レセプション成功率の妥当性を検討する
レセプション・アタック A Pass B Pass C Pass
方法 対象 Vリーグ2017/18シーズン レギュラーラウンド Vリーグオフィシャルサイト Vスコアよりデータを収集 レセプションの正確性 ・サーブレシーブ成功(優)→ A Pass
・サーブレシーブ成功(良) → B Pass ・サーブレシーブ失敗→ C Pass アタック結果 ・決定(Kill):アタック成功 ・非決定(Non Kill):アタック,×アタック失敗 2017/18 男子 女子 試合 アタック 試合 アタック プレミア 82(2) 10458 84 10927 チャレンジⅠ 84 10450 63 8085 チャレンジⅡ 90 10893 45 5628 ()の値は除外した試合数
解析 以下の指標を用いたロジスティック回帰分析を行った 統計解析にはR 3.0.1 for Windows R Commander1.9-6を使用 目的変数 レセプション・アタックの結果:Kill(1),
Non Kill(0) 説明変数 A・B・C Pass:以下のダミー変数をあてた Pass ダミー変数1 ダミー変数2 A 0 0 B 1 0 C 0 1
解析 以下のモデルから,レセプションアタックの結果に対して, A Passの効果を1.00としたときの,B・C Passの効果を A Passに対する比率(オッズ比)として求めることができる オッズ比が,B Passで0.50, C
Passで0.00程度であれば 新・レセプション成功率の計算式は妥当といえる ? レセプションアタック (Kill-Non Kill) A Pass B Pass C Pass 効果1.00 ?
結果:基礎集計 決定率は 各カテゴリでA>B>Cの順となる プレミア チャレンジⅠ チャレンジⅡ
男子 女子 オッズ比 信頼区間 オッズ比 信頼区間 プレミア B Pass 0.81
0.74 ~ 0.89 0.72 0.66 ~ 0.79 C Pass 0.55 0.50 ~ 0.60 0.49 0.44 ~ 0.53 チャレンジ Ⅰ B Pass 0.84 0.77 ~ 0.92 0.71 0.64 ~ 0.80 C Pass 0.60 0.54 ~ 0.66 0.48 0.43 ~ 0.54 チャレンジ Ⅱ B Pass 0.78 0.72 ~ 0.86 0.65 0.57 ~ 0.74 C Pass 0.55 0.50 ~ 0.61 0.43 0.37 ~ 0.49 結果:B・C Passの効果 全てのカテゴリでB PassとC Passの効果が認められた (p < .01) 以下の表にB PassとC Passのオッズ比を示す
考察 分析の結果,B・C Passのオッズ比は, 男子:B Passで0.80程度,C Passで0.60程度 女子:B Passで0.70程度,C Passで0.50程度 新・レセプション成功率の計算式と比べて高い値
B・C Passを低く評価している可能性 男女ともに,チャレンジⅡではB・C Passのオッズ比が プレミアよりも低い →カテゴリによって,B・C Passの効果が異なる可能性
実用化に向けて 本研究の結果を,新指標として用いるのは尚早 ◦複数年分の分析結果との照合 ◦他の指標や勝敗との関連の検証 ◦新・レセプション成功率との実用面での比較 上記の検証をクリアして初めて実用可能な指標となる 新・レセプション成功率の計算式を支持しない本研究の 結果は,こうした検証を始める理由としては十分
新・レセプション決定率について 本研究の結果は,新・レセプション成功率の計算式に疑義 を呈するものだが,現段階でこれを否定するものではない そもそも新・レセプション成功率の成立過程が明らかでは ないため議論することすらできないのが現状である 選手やチームは,より適切な指標によって評価されるべき どちらが正しいのかではなく,より適切な指標は何か? という観点からの議論と検証が必要である 願わくは成立過程を公開してほしいのだが・・・